それでは! 2019年の年間新作ランキング発表です!
今年も多くの作品が世の中に出てきたの
年間で鑑賞した158作品の頂点には立つのはどの作品かな?
カエル「それでは早速ですが長くなりますので記事のスタートです!」
とりあえず2019年の個人的映画ランキングは尖りまくりになります
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2019年12月15日
絶対ベスト3は誰とも被らない
1位も当てられない自信があります!
ルール説明
それではまずはルール説明からスタートです!
- 2018年11月1日から2019年12月31日の期間に公開された作品が対象
- 昨年度のランキングでノミネートした作品は全て除外
- Netflix限定公開も含む(ただし劇場公開されていないのでちょっと不利)
- 映画祭などの作品(一般公開されていない作品)は除外
- リバイバルは除外。ただし国内初上映はいつの時代のものでも対象
ふむ……少しややこしいルールじゃの
亀「ものすごく簡単に言えば、2019年に一般公開された作品は全てノミネートじゃ。もちろん、観た作品に限られるがの。
なお、2018年度のランキングにノミネートしていない(2018年中に鑑賞していない)作品、Netflix作品も可であるが、今回は該当する作品は『青の帰り道』ぐらいかの。
また『ROMA』や『ブレッドウィナー』のようにネトフリなどで昨年先行配信、2019年に劇場公開された作品は……残念ながら公平を期すために、鑑賞した年のランキングに入れさせてもらうため、今年は除外となってしまうの」
なお、今回はベスト30で選出しましたが、順位はその時の気分です。明日になったら順位が大きく変わるかもしれませんが……それはその時の気分です
個人的には傑作・良作ばかりとオススメしたい映画ばかりです。
主「あと、いつものことながらこのブログは基本的にアニメを中心に論じていますが、洋画、邦画、ドキュメンタリー、Netflixなども含め、公開規模を問わないランキングなりますので、ちょっと独特かも?
というわけで……まずは30位からスタートです!」
30位から20位まで
第30位
青の帰り道
第29位
シークレット・スーパースター
第28位
シティーハンター THE MOVIE 史上最”香”のミッション
第27位
i 新聞記者ドキュメント
第26位
劇場版 幼女戦記
第25位
ヴァイオレットエヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形-
第24位
蜜蜂と遠雷
第23位
洗骨
第22位
ブラック・クランズマン
第21位
映画すみっコぐらし
ここまでを振り返って
20位までの発表じゃ
いろいろな映画があるけれど、上半期から大きく順位を落とした映画もちらほら……
カエル「上半期も語ったけれど、これだけ高評価の作品の中でも、ちらほらと記事を書いていない作品があるのが今年の怠惰っぷりを表しているというか……
色々と語りがいのある作品も多い印象だけれど、勿体無いなぁ。
『蜜蜂と遠雷』なんて、半分書いてもう3ヶ月くらい置いているしね……」
亀「どうしても年末につけるランキングは下半期の作品が有利になりがちじゃが、上半期で7位に選んだ『ブラック・クランズマン』などはそのあおりを受けてしまった形かもしれんの。
また、ハリウッドの実写映画がここまで1作しかないのも、うちの特徴と言えるじゃろう」
カエル「2019年は160本弱ほど新作映画を鑑賞し、80作品ほどアニメ映画を鑑賞だから、どうしても実写洋画が他の映画好きさんに比べると少なくなるんだよね……
一方では30位に2018年12月に公開された『青の帰り道』が入りました。
藤井監督作品というのもありますが、こちらはamazarashi補正が働いた形かも?」
亀「公開したのは2018年の12月じゃったが、こちらもいい作品で2019年に鑑賞したので、是非とも入れたいと思い30位にランクインさせた形じゃな。
それでは、TOP20を発表していくぞ」
20位から11位まで
第20位
LUPIN THE ⅲRD 峰不二子の嘘
峰不二子の妖しい魅力が詰まった1作!
第19位
天気の子
2019年を代表する映画じゃな
第18位
ファイナルファンタジーⅩⅣ 光のお父さん
誰もが楽しめるダークホースの娯楽邦画の登場!
第17位
運び屋
イーストウッド、ここにあり!
第16位
ぼくらの7日間戦争
現代における大人とは? と問いかける1作!
第15位
凪待ち
誰の人生にも凪の瞬間が訪れますように……
第14位
ONE PIECE STAMPEDE
ワンピース史上最高のお祭りオールスタームービーじゃ!
第13位
映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて
今年もプリキュア映画が傑作を生み出した!
第12位
クロース
アメリカの手書きアニメーションの魅力が現代に帰ってきた思いじゃな
第11位
ガールズ&パンツァー最終章 第2話
娯楽性の塊で何回見ても面白い傑作!
ここまでを振り返って
11位までの発表じゃ
見事にアニメ映画ばっかりだ……
カエル「もともと鑑賞の母数が多いとはいえ、いかに2019年がアニメ映画豊作の1年だったのかが、はっきりとわかるね……」
亀「一部では『天気の子』『プロメア』以外が売れていないと言われているようじゃが、オリジナル物はやはり興行的に苦戦してしまうのは、残念じゃな。
しかし、作品レベルで言えば今年は近年稀にみるレベルの傑作揃いじゃった。
一応、毎年洋画・邦画・アニメのバランスなども考えておったが……今年はそれができないほどに偏ってしまうの」
カエル「この中では『ぼくらの7日間戦争』は賛否割れるし、それもわかるけれど……それ以外の作品は概ね評価が高いんじゃないかな?
特にプリキュアは2年連続で年間ランキング上位という大健闘、今後もアニメ映画を語る上で外せないシリーズになりそうだね」
亀「ここでもあおりを受けてしまったのが『運び屋』かの……どうしても上半期の作品ということもあり、印象が薄れてしまっておるの。それだけ偏愛する作品も多かったということじゃな。
あとは……『天気の子』は公開前の出来事によって複雑な心境を晴らしてくれた映画でもあった。
2019年を代表する作品を選べ、と言われたら、わしは『天気の子』を選ぶぞ。
では、10位から4位までの発表といくとしよう」
10位から4位まで
第10位
ロング・ウェイ・ノース
2019年の”10位枠”はロング・ウェイ・ノースに決定です!
カエル「うちでは10位枠というものがあり、毎年何をギリギリでランクインさせるか考えていますが、2019年は鑑賞直後にこの映画に決めていました。
それだけ映像美、音楽、物語、演技、メッセージ性、社会性、どれを取っても優れていました。
おそらく、コンペディションでは最強の作品の1つと言えるのではないでしょうか?
欠点らしい欠点も見当たらず、また日本が忘れてしまった東映動画らしさや、往年の世界の名作アニメーションの息吹も感じさせられる作品です。大人も子供も堪能してほしい作品ですね」
第9位
僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ・ライジング
何のために戦うのか? その問いに答えたヒーローたちに称賛の拍手を!
主「前作も高い評価を下しましたが、この作品も負けず劣らずレベルの高い作品を作り上げてきました!
ヒロアカが描いてきた”守ることと勝つこと”を軸に、1年A組の生徒を全員動かした物語や作画の手腕が光りかがやく! また初見さんにもわかりやすいようにセリフだけでなく物語や演出で各キャラクターを説明する手腕も見事。
何よりもあのラストの展開には胸が熱くなり、思わず握りこぶしを掲げたくなるほど!
2019年末に訪れた傑作が、TOP10圏内を見事に掴みました!」
第8位
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅱ.lost butterfly.
日本アニメのアングラな魅力を詰め込みまくった傑作!
主「こちらも間違いなくファン向け作品であり、前作だけ見てもそもそもFateシリーズを知らないと意味がわからないかもしれません。
その意味では明らかに偏愛枠なのかもしれないなぁ。
だけれど、日本のアニメ作品が高く評価されるようになった要因の1つがこの手の作品にあると自分は感じています。
亀「日本アニメの魅力、クールジャパンなどを特集すると宮崎駿などの全年齢向けのアニメばかりが注目されると思うが、本来の魅力は本作のような世界中のどこも作らないような、忌避されがちな作品を量産し続けていたその多様性こそに日本のアニメ文化の魅力がある、という考えじゃな」
主「エログロ満載、確かに子供には見せたくない映画だとは思う。
だけれど、アングラな映画だからこそ……バイオレンス&エロチックだからこそ表現できる魅力に満ち満ちた作品です。
この順位も当然でしょう!」
第7位
劇場版 響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ
青春映画としての魅力を詰め込んだ京アニの技術炸裂の傑作!
主「京都アニメーションの人気シリーズの最新劇場版作品がここでランクイン!
過去作の要素も取り入れつつ、音楽描写もさらに力が入った出来の作品となっており、このクオリティは世界屈指のものでしょう!
日常的な物語であり、吹奏楽をテーマにしたアニメ作品は世界を見渡しても他にないのでは?
若干物語が走った部分もありますが、2時間弱にまとめた手腕も光りました。いろいろと大変だとは思いますが、ずっと続編を待っています!」
第6位
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
今作を評価しないで何を評価するんだ!
カエル「いや、むしろ順位低くない? と思われるかもしれないぐらい檄推ししていた作品だよねぇ」
主「ゴジラを愛してきた自分としては、観たいゴジラがここにあった!
いろいろな声も聞こえるけれど、自分は全部絶賛!
文句なし、ありがとうドハティ!
今後もあなたの作品はずっと見続けていくことをここに誓うよ!」
カエル「……ゴジラ贔屓でのランクインです」
第5位
デイアンドナイト
2019年の頭に訪れた衝撃……忘れらない作品でした
主「善と悪の境はどこにあるのか? という問いをこちらに投げかける映画であり、また藤井道人監督を知れたことが自分にとって大きな収穫でもありました。
今まで映画監督という人は、どこか遠い人のように思っていました。
過去の偉大な監督たちはもちろん、現在活躍する巨匠も生きた時代がどこか違う、言葉にできないけれど異なる感覚がありました。
でも、藤井監督のこの作品には、まるで自分の人生の理解者のような、そんな同時代を生きる(生きてきた)人の作品だということが伝わってきた。
もしかしたら自分がamazarashiファンだからかもしれませんが、これは初めての経験です。
そういう部分も含めて、この作品を選出させていただきました」
第4位
バジュランギおじさんと小さな迷子
2019年、最も”覚悟”の詰まった映画かもしれんの
亀「映画とは社会と合わせ鏡の存在でもある。
その時代の問題点、あるいは国民が抱いている不安などを投影した作品がヒットし、歴史に名を残していく。
その点では、今作ほどにインド社会・国際社会を鋭く切り込んだ作品は他になかったかもしれん。印パ関係は今も緊張状態が続いており、この映画が公開された時は一触即発の状態となっておった。また、インド社会のヒンドゥー化が進み、イスラムは萎縮しているという話も聞く。
その中で本作が示した隣国に対する愛というのは、今の日本にも通じるものがあるのではないか?
そして何よりも、娯楽作として堅苦しくなく楽しめる作品となっているのもポイントが高いの。
大人も子供も……上映時間が長いことを除けば、誰でも楽しめる作品じゃないかの?」
ここまでを振り返って
では、ここで一息いれるとしようか
まさかの上半期TOP3がここで出てくる展開になるとはの……
カエル「ちょっとだけ意外な展開なのかなぁ……それだけ下半期に傑作が相次いだのと、また見たばかりで記憶が鮮明ということもあるけれどね」
亀「さらにはゴジラ、ユーフォ、ヒロアカ、Fateなどは元々そのシリーズが好き、ということも大きいのじゃろう。京アニ、ボンズ、ufotableとそのスタジオの魅力や強みも発揮している強みがある。
しかし10位にロングウェイノースがあるとはいえ、どちらかといえばアニメファン向け作品が並んでいる点も特徴かもしれん」
カエル「娯楽大好きだもんねー。
逆に言えば、今年はそれだけ小規模公開の実写映画とかも見に行けてないってことになるのかなぁ。
個性的と言えば個性的だけれどさ、もっとこう、映画ファンとかアニメ映画ファンらしい選出というものがあるような気がするんですけれど……」
上半期と全く同じ流れじゃねぇか、この会話!
カエル「わ! また急に出てきた……」
主「お前ら、フォーマットをコピペしているのがバレるぞ! ほとんど書き直しているから時間や労力はほぼ同じなんだけどね!
さて、いよいよ最上位の発表だよ!
いったい何が並ぶのか、ワクワクするでしょ?
このTOP3は被る人がいないだろうなぁ!」
カエル「というわけで、意外性の多いであろうTOP3の発表です!」
TOP3の発表!
第3位
羅小黒戦記
中国からやってきたダークホース!
カエル「ここで登場するのが羅小黒戦記です!
中国のWEBアニメを原作とした作品であり、最初は池袋の1館のみ、2週間限定上映でした。場内は中国人の方々が多くて、なぜこのポイントで笑っているのかも全くわからず、日本語字幕がすごく早い上に誤字脱字も多く、グッズどころかパンフレットもないような状況でのスタートと色々と問題があったように思えます。
でも、その中でも今作は確かな爪痕を日本人の中にも残し、口コミで話題となり、年末まで上映する劇場が増え、連日満員を記録しています。
最近見に行った際には場内は日本人が多くおり、老若男女問わずお客さんが入っている印象も。また、イケメンだらけだからか、若い女性の中でも話題となっています」
2019年で最も衝撃的な作品じゃったの
亀「何よりも、日本のオタクであればあるほど、この映画は誉めたたえるであろうな。
ビジュアルでもわかる通り小黒(シャオヘイ)が可愛らしく、彼が人間になった時も日本流の萌えを獲得しておる。またアクションは『NARUTO』を参考にしているようじゃし、ジブリ風の映像美もある。
じゃが、その内容は極めて真っ当な中国オリジナルアニメであり……今の日本では作りづらくなってしまった、王道ど真ん中のファンタジー作品と言えるじゃろうな」
カエル「なんていうか……これだけの映画が中国で生まれていることに衝撃すらあって……
日本のオタク文化って、すっかり東アジア全体のものだったんだなぁ、と思い知らされたね。また、これ以降ネットで知っただけでもレベルの高いアニメ作品が生まれており、今後の中国に対して脅威を感じざるをえないという。
あと5年もすれば、日本と立場が入れ替わるんだろうなぁ」
亀「新しいアニメーション文化圏の登場を歓喜すべきか、危機感を募らせるべきか……そこも含めて、2019年のアニメ映画を語る上では欠かせない作品となっておるの」
第2位
屍人荘の殺人
賛否両論!? 2019年最大の”偏愛”映画です!
カエル「え、この映画がここに来るの!? という驚きのある方も多いかもしれません。うちのtwitterのTLでもどちらかといえば酷評の嵐と言えるでしょう。
うちでもまさか『デイアンドナイト』を超える邦画がこの作品!? という思いだってありますが……それでも、この順位をつけざるをえませんでした」
鑑賞直後に書いた『悔しい!』という言葉が全てです。
#屍人荘の殺人
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2019年12月14日
素晴らしい! 愛してる!
ミステリーというジャンルそのものを変革させそうなほどのインパクト、キャラミスとしての完成度、アイドル映画として文句なし!
これほどのミステリーが生まれていたことを知らなかったのも悔しい!
2019年1番の衝撃と敗北感を味わった大傑作! pic.twitter.com/h7uZR5ayfJ
主「この映画が描いたことというのは、1つ1つを紐解けば決して目新しいことはないかもしれない。だけれど、ミステリーというジャンルにあれを入れることによって新たなる可能性を生み出すだけでなく、”なぜそれを入れるのか?”ということを徹底的に語りきった。
その上で、実はスタートからラストまで作品のテーマである”愛”を軸に語りきっており、あのラストシーンでは思わず鳥肌すら立たせたほど!」
カエル「う〜ん……でもさ、演出面の粗とか、いろいろと批判されている箇所も多いし、それも1つ1つわかる! ってなるんだよね。それでも愛さざるをえないというか……」
主「自分は最初の映画版を見てしまったということもあるんだろうけれど、そのあとに原作を読んでいます。それでも、やっぱり映画に軍配があがるし、小説版であれば、褒めはしてもここまで熱狂したか? と問われると疑問符がつく。
あのメタ的に語りまくっている小説を映画にするならばベストに近いやり方だと思います。
それだけキャラミスとしても、ミステリーの新しい可能性としても優れているという評価です。
自分はいつかは『夜長姫と耳男』を書いてみたいという欲求がどこかにあって……それをこの映画でやられてしまったことも含めて、もう脱帽です。
この映画を自分が書いてみたかった。
この可能性を思いつきたかった。
それほどまでに打ちのめされました。
12月に鑑賞して記憶が鮮明ということもありますが、他作品より有利な状況を差し引いても、やっぱりこの順位にしたいな、と思います」
第1位
劇場版 冴えない彼女の育てかたFine
2019年、最も”現実”を感じた1作!
カエル「そして、年間ランキング1位には『冴えない彼女の育てかた』を選出しました!
ここまでの高評価は、アニメ好きからしてもちょっと意外かも?」
亀「近年、恋愛映画はとても作りづらい状況が続いておる。恋愛における障害があまりなくなってしまい、物語を作るのが難しい。そのため、観客の心をつかむために病気・死・同性愛・レイプ・妊娠・あるいは不倫や離婚といったものが、ドラマを作るのに多用されている。
もはや乱用、という言葉がふさわしいかもしれんの」
主「ぶっちゃけさ、それもわかるんですよ。
だって、映画や小説になる恋愛は”スペシャルなもの”でなければいけないわけでさ。だったら手っ取り早いじゃん、そういう展開って。
観客も熱くなったり、泣いてくれたりするしさ。お涙頂戴にちょうどいい。それはもう納得ですよ、自分もそうするかもしれない。
でも、加藤恵はそれを否定する。
『好きな人と恋人になることを、生ぬるいなんて言わせない』という覚悟を決めている。いってしまえば高校生のサークル内恋愛という普通の恋愛を描いているけれど、世界にごまんとある普通の恋愛がいかに尊いのか語りきった作品として、これ以上の真っ当で挑戦的な恋愛作品も他にない。
全ての恋愛がスペシャルであることを宣言した作品だ」
あとはやっぱりクリエイター論だよね
この映画で語られていることは、すべて半ドキュメンタリーのように感じたからの
亀「恋愛の障害に”仕事と夢”を置くことにより、誰にでも当てはまりそうな……恋人と夢・仕事の天秤でドラマを作り上げる。それと同時に作中で語られているクリエイター論はすべて生の言葉として聞こえてくるほどであった。
『オナニーしろ、少年』とか『情熱では会社は動かない。情熱がないと人は動かない』などの名言・金言に溢れておる」
主「最初にさ、ギャグなんだけれど『もっと(話を)研ぎ澄ませろよ!』という言葉が出てくる。これって怖いよ、本当。だって、この言葉が自分の作品に帰ってくるかもしれないんだからさ。
それでも物語・演出・音楽・演技、その全てを研ぎ澄ませてここまで語りきった。
この作品は原作者であり、シリーズ構成・脚本の丸戸の半私小説的なところもあるのではないか?
日本のギャルゲー文化やオタク文化に喧嘩を売り。
恋愛映画全般に喧嘩を売り
クリエイター論を高らかに語り。
ファンと作者の理想的な関係を語り。
自身がそれを証明して見せた。
これを1位に選ばないで、何を1位に選びますか? って話です」
僕は悔しいです
主「これほどの作品を見せつけられて、本当に悔しいです。あの場にいない自分が、これほどの覚悟と思いがこもった作品を見せつけられながら、ただ感想を語るだけでしかない自分が悔しいです。
確かにオタクの妄想全開の内容だけれど……それでも、この映画は”妄想だらけの現実”を描いたと、言い続けていきます」
総評
では、最後に総評です
今回の気分ではこのような結果となっておる
カエル「なんていうか、娯楽性が高い作品が集まったランキングになったね」
亀「特に1位、2位に関しては”悔しい”と思わせたことが大きい。それほどの感情に強く訴えかけてくる映画であり、偏愛映画ではあるが、個性が見えていいのではないかの?」
カエル「あとは……母数が多いというのもあるけれど、アニメ映画ばかりでハリウッドの実写映画が30位圏内でも3本だけ。
アニメ映画がこれだけ多いのにもかかわらず、ディズニーが関わった映画が30位圏内でも0というのが、うちの特殊性なのかもしれません」
亀「2019年の映画を語る際にディズニーの影響は避けられん。確かに興行収入ランキングも上位ばかりじゃ。
しかしの……ポリコレ全盛の時代とはいえ、その作り方に限界が見えてきておる。現代的な描写やポリコレを優先させた結果、そのシリーズらしさ、オリジナルの魅力を損なう映画が増えておるように見える。
確かに女性の活躍や、多様性のある描き方は大事じゃが、それをやるのではあれば新しいシリーズでやるべきではないかの?
過去作の魅力を否定してまで、それを優先してしまう歪み……それがディズニー・ピクサーの作品を始め、ハリウッド作品に感じたかの」
カエル「そんなこんなもあって、2019年はこんなランキングになりました。
来年もアニメ映画隆盛は続くのではないでしょうか?
色々と大変なことになるそう……そして小規模公開映画もチェックしたいけれど、もう既に限界な感もあるかな……」
亀「また来年も楽しんでいきたいの」
blog.monogatarukame.netlog.monogatarukame.ne