ざわざわ……
ざわざわ……
えー、みなさま、大変長らくお待たせいたしました。
カエル
「これより、2018年度、新作映画年間各部門賞 通称”カメデミー賞”の発表を始めます。
それでは、毎度のことながら審査委員長であるブログ主からの挨拶と参ります』
登壇
えー、本日も年末のお忙しい中で、この記事を読んでくださり誠にありがとうございます
主「みなさまのご愛顧もありまして、この賞も3年目を開催することができました。
ここに日頃の感謝の念をお伝えしたく存じます。
えー…2018年に劇場で鑑賞した映画の本数としましては178本(Netflixや劇場未公開の映画祭作品などを足すと約190本)ほどの作品を鑑賞し、約2/3ほどの作品を記事にしていると思います。
今回は2018年に公開された全作品、さらにNetflix限定作品も含めさせていただきますが、劇場公開前の映画祭出品作品は除外させていただきます。
2018年もいい映画がたくさんあり……(以下略)』
カエル『それではこれより、各部門賞を発表していきます。
なお、上半期の作品はベストに選出した作品、人物を除いてほぼ候補外となっております。
これは1つでも多くの下半期の作品にスポットライトを浴びせる目的があるということで、ご了承ください。
決して上半期は下半期と比べて劣っているという意味ではありません。
上半期の各部門賞、並びにノミネートはこちらの記事を参照してください。
このブログの最大の特徴はアニメ映画を中心に鑑賞している点ではありますが、アニメ、実写、ドキュメンタリー、洋画、邦画関係なく選んでいきますので、他の映画ブログとはまた違うものになると思います。
そちらも楽しみながら読んでいっていただければ嬉しいです。
それでは、部門賞の発表に入ります』
最優秀音楽賞
こちらは映画としてのBGMを中心とした楽曲の良さ、先進性などを評価するものです
カエル「いつもと同じことを繰り返しますが、主はそこまで音楽に詳しくない上に、よくわかっていないので、素人選出の中でもさらに素人くさい選出になります。
逆に言えば、この賞に選出された作品は素人でもわかる音楽性を獲得したという意味でもあります。
では長々と言い訳をしていてもしょうがないので、亀爺から発表していただきます』
それではまず、ノミネート作品から発表させてもらおうかの
ノミネート作品
リズと青い鳥(音楽映画として、効果音も含めて作品を魅力的に演出)
グレイテスト・ショーマン(上半期ベスト! 圧倒的な楽曲に震える!)
志乃ちゃんは自分の名前が言えない(あまりうまくない歌が味となる)
閃光少女(香港発、伝統音楽の先進性と魅力を見事に発揮)
スモールフット(ミュージカルアニメ映画として魅力的な楽曲たち)
ボヘミアン・ラプソディ(Queenの楽曲の魅力を最大限発揮!)
これらの作品を抑えて最優秀音楽賞に輝いたのは……
映画HUGっと!プリキュア・2人はプリキュア オールスターズメモリーズ!
15年の思い出がこもった見事なアニメ映画!
主「おそらく、音楽賞は今年の部門賞の中でも最も激戦区でした。ノミネート外にも優れた音楽映画もあり、選出するだけでも大変な上、その中でも1番を決めるのは不可能と思われました。
ボヘミアン・ラプソディも良かったのですが、Queenの既存の楽曲が素晴らしいのは当然のことなので、その作品のために作られた楽曲から選ぶことにしました。
最後はリズ、グレイテストショーマン、プリキュアの3作品の中から選びました。
本当に悩み、今回は選考を放棄しようかと思いましたが、15周年の思いが詰まったメドレーと、挙がるポイントの挿入歌なども含めて、高い音楽性を評価させていただきました。
おそらく、リズもグレイテストショーマンも、ボヘミアンも評価する方は多いでしょう。
しかし、作品性質上プリキュアはどうしても評価されづらい部分もありますので、そういった作品は積極的に評価したいという思いもあり、今回受賞とさせていただきました」
最優秀脚本賞
こちらはこのブログでも数多く語っている部分であり、1番重要視している賞でもあります!
ノミネート作品から発表させてもらおうかの
ノミネート作品
ウインド・リバー(名脚本家が描き出したアメリカ最大の闇に震えあがる)
パパはわるものチャンピオン(プロレスを、ヒールレスラーをなぜ愛するのかの言及が見事)
若おかみは小学生(現在、未来、過去と向き合う構成など吉田玲子の味が光る)
スモールフット(頭を悩ませるほどの難問に見事に向き合った傑作)
映画HUGっと!プリキュア(感動を呼び起こす脚本が見事)
これらの作品を抑えて最優秀脚本賞に選ばれたのは……
スリービルボード!
文句なしの圧倒的な脚本!
主「結局上半期から独走した、というのが本音でしょうか。
今年も優れた脚本の映画がたくさん公開されており、どれも決して劣っているものではありませんでした。しかし、スリービルボードの衝撃は本当に強く、2月公開ながらも未だに印象に残っています。
本作は『復讐』というのが重要なキーワードになっていますが、ミズリー州の状況なども加味しながらも、人間賛歌となっている脚本は見事の一言。一部ではミステリーとして、誰が犯人か? という考察も盛んであり、娯楽性にも富んでいます。
正直、未だにこの作品がアカデミー脚本賞をとれなかったのは疑問に思うほど!
それほどすばらしい作品でした」
最優秀演出賞
続いては最優秀演出賞の発表です
カエル『こちらも最も優れた演出をした作品に贈られる賞ですが、素人目には簡単なようでも難しい技術などもあるために意見が分かれる作品が多くなるでしょう。
様々な視点があると思いますが、総合的に判断させていただきます』
それでは発表するぞ
ノミネート作品
ウインド・リバー(観客を引き込む演出などが見事)
未来のミライ(賛否は割れたが演出能力はさすが細田守としか言いようがない)
タリーと私の秘密の時間(育児の辛さとタリーの安らぎ、そしてラストに至るどんでん返しなども素晴らしい)
ペンギン・ハイウェイ(静と動のバランスや様々なシーンに見所がある)
若おかみは小学生(細かく凝った作画や演出などが大きな話題に)
散り椿(映像の美しさ、結界の演出なども含めて今年の邦画屈指の美しい作品)
映画HUGっと!プリキュア(緩急を用いた演出など、観客を見事に引き込ませた)
ROMA/ローマ(Netflix限定配信がもったいないと思わせるくらいの演出力!)
これらの作品を抑えて受賞したのは……
リズと青い鳥
この映画は事件です!
主『2018年も作画や演出に優れたアニメ映画が多数登場し、アニメオタクの自分はその1つ1つに歓喜し、堪能させていただきました。
もちろん実写も負けてはいませんが……リズの衝撃はそれらを上回るほどのとてつもないものでした。
ちょっとした動き方、音楽の入れ方、声優の芝居……全てにおいて完成度が高く意味がある。自分は記事では『もう少し短くても……』なんて語ったけれど、とんでもない!
1分たりとも削れず、足せない完成度に満ちた今作品が飛び抜けていました。
山田尚子監督、京アニスタッフの恐ろしさを確認するような作品でした』
最優秀助演女優賞
続きまして、最優秀助演女優賞の発表に参ります
カエル『主演と助演の違いや、W主演と思われる作品などもあり、選出自体が非常に難しかったのですが……最も輝いた助演女優を発表していきたいと思います』
それでは発表するぞ
ノミネート作品
グレイテスト・ショーマンより
レティ・ルッツ役 キアラ・セトル
(映画は決して美男美女だけのものではないと証明し、気高い精神と歌声にしびれた上半期ベスト!)
ジュラシックワールド 炎の王国より
メイジー・ロックウッド役 イザベラ・サーモン
(恐竜から逃げ回る演技と最後の決断がジュラシックワールドを新たな境地に!)
ペンギン・ハイウェイより
お姉さん役 蒼井優
(独特の声質からお姉さん魅力に病み付きになる人がたくさん!)
愛しのアイリーンより
宍戸ツル役 木野花
(演技とは思えない圧倒的な存在感に飲み込まれた)
映画ニセコイより
小野寺小咲役 池間夏海
(今年のラブコメ学生映画の中でも透明感、存在感があり、今後の活躍を期待)
これらの候補者を抑えて受賞したのは……
万引き家族、モリのいる場所など複数作品より
樹木希林さん
今年、選んでおきたい方です
主『今年のこの賞は最終的に木野花と樹木希林さんの一騎打ちでした。
単発の作品で選ぶべき、という声もあるでしょうが……『万引き家族』『モリのいる場所』『日々是好日』の3作品でも多くの魅力を発揮し、この賞にふさわしいご活躍でした。
生涯女優として活動し、誰もが認める名女優として亡くなった後も作品が公開されています。
多くの役者は”役者が役を演じる”ものではありますが、希林さんほどの役者となると”役が役者に合わせる”ということを思い知らされました。
おそらく、今年選ばないとこの偉大な大女優を讃える機会がなくなってしまうことを考えて、今年の助演女優賞は樹木希林さんに贈らせていただきます。
ご冥福をお祈りいたします』
最優秀助演男優賞
続きまして、最優秀助演男優賞の発表に参ります
カエル『今年も様々な形で存在感を発揮した男性陣がたくさんいましたが、候補者を選ぶだけでも一苦労するほど好演した役者が目立ったのではないでしょうか?』
それでは発表するぞ
ノミネート作品
ちはやふる結び より
周防名人役 賀来賢人
(上半期ベスト。若者を導く名人として、名言もありいい演技を見せた)
教誨師 より
高宮真司役 玉置礼央
(大きな事件を起こした被告をモデルとした難しい役を熱演し、観客を悩みの渦へと突き落とした)
スモールフットなど多数作品
宮野真守
(今年、特に後半はほぼ毎週その声を聞いていた。魅力の違う役も見事に演じきる)
これらを抑えて受賞したのは……
アベンジャーズ インフィニティーウォー サノス役など
ジョシュ・ブローリン!
今年は彼の年だったと言えるでしょう!
主『この賞は最終的にスモールフット&プリキュアなどの宮野真守VSサノス、ボーダーライン2などのブローリンの戦いとなりましたが、最後にはサノスの存在感を考えてこのような選択となりました。
多くの映画で名脇役として姿を見せ、なおかつ主演も果たしと大忙しの1年でした。
宮野真守も最後の最後まで考えましたが……彼の人気や実力を考えると、来年以降もチャンスはたくさんありそうなので、今年はブローリンとさせていただきます」
blog.monogatarukame.netblog.monogatarukame.net
最優秀主演女優賞
それでは、いよいよ最優秀主演女優賞の発表に参ります
カエル『この賞は上半期は難航しましたが、年間では即決で決まっています。
むしろ受賞者を決めてから、ノミネートを決めほどです。
でも、ここも大激戦区です!』
それでは発表するぞ
ノミネート作品
シェイプ・オブ・ウォーターなど複数作品より
サリー・ホーキンス
(上半期ベスト。違う味わいの役をいくつも演じていた)
タリーと私の秘密の時間より
マーロ役 シャーリズ・セロン
(体を壊さないか心配になるほどの女優魂、もはやこの賞の常連か)
響より
鮎喰響役 平手友梨奈
(主演デビューとして文句なしの存在感を放つ)
バッド・ジーニアスより
リン役 チュチモン・ジョンジャルーンスックジン
(純朴な雰囲気からセクシーな小悪魔な姿を感じさせてくれた)
映画HUGっと!プリキュアより
野々はな/キュアエール役 引坂理絵
(熱いシーンから穏やかなシーンまでを演じ分けて、作品を魅力的に)
これらの女優を抑えて受賞したのは……
累より
丹沢ニナ&淵累役
土屋太鳳、芳根京子!
この2人の代表作誕生!
主『今年もたくさんのヒロインが誕生し、その誰もが光を放つ素晴らしい演技を披露していました。特に前半は世間に負けない強いヒロインが多く誕生し、映画業界の1つの流れをよく感じました。
その中でも、この2人の演技は特に力強く、そして心に強く残っています。
今年は同性愛とまではいかないまでも、女性同士の繊細な心を描いた作品が多かったように思います。本作での2人はライバルですが、同時に最大の盟友であり、その敵愾心の中にもどこかで愛に似た相手への思いを感じさせられました。
本来はどちらか片方に限定すべきかもしれませんが、この2人はどちらが欠けても作品は成立しません。
作中作であるサロメの妖艶な土屋太鳳の舞と、すべてを射抜く芳根京子の鋭い視線が頭の奥にこびりついて離れません。
即決で、この2人に2018年のベスト主演女優賞を贈ります』
最優秀主演男優賞
それでは、最優秀主演男優賞の発表に参ります
カエル『こちらもたくさんの名男優がいましたが、その中でも特に目立ったのはこの辺りの面々ではないでしょうか?』
それでは発表するぞ
ノミネート作品
孤狼の血より 大上章吾役
役所広司
(日本を代表する名役者の凶暴な刑事の演技は上半期ベスト)
ウインドリバーより コリー・ランバート役
ジェレミー・レナー
(アメリカの闇を抱える白人男性の役の重厚な演技に心打たれる)
検察側の罪人より 最上毅役
木村拓哉
(迫力もあり、アドリブも冴え渡った今年を代表する名演技)
愛しのアイリーンより 宍戸岩男役
安田顕
(田舎町に暮らす気難しい男性の豹変を見事に演じる)
教誨師より 佐伯役
大杉漣
(大杉漣さんの初プロデュース作品は社会派であり、悩める牧師の演技が印象深い)
これらの候補者を抑えて受賞したのは……
散り椿 より
瓜生新兵衛役
岡田准一!
ここも邦画が強かった!
主『最後は役所広司VS岡田准一の勝負でした。
もちろん、体当たり演技を披露した役所広司は今年屈指の演技であり、強く印象に残ります。しかし本作の岡田准一も負けておらず、不器用な男のまっすぐな愛と、亡き妻や友を思う姿、そして何よりも殺陣の迫力と身体演技の美しさに惹かれて、最後は岡田准一に軍配をあげました。
おそらく、2人とも来年以降も魅力的な演技を披露し、この賞に絡んでくるものと思います。
現代を代表する名優同士の濃厚な演技に最後まで悩まされました。
とても楽しかったです』
最優秀監督賞
それでは、最優秀監督賞の発表ですが……今回はノミネートもなく受賞者のみの発表です
受賞者は……
上田慎一郎監督!
今年を代表する監督でしょう
主「私自身は、どちからといえばあまり好きな作品ではありませんでした。
しかし、わずか全国数館の、本来ならば話題にもならずに消えていくような作品があんの熱意もあって、全国で何百館と上映されました。
その現象に注目した方も多いでしょう。
今年を象徴する作品であり、その現象の火付け役として積極的にPRして回っていた姿が印象的で、テレビなどでも多く姿を見る機会がありました。
正直な話をすれば、この先ハードルが上がりすぎて果たしてちゃんと映画が撮れるのだろうか? という思いもありますが……間違いなく今年を代表する監督としてこの賞を贈りたいと思います」
尖っていたで賞
次は尖っていたで賞の発表です
カエル『こちらはエンタメだけではなく、映画の先進性や、メッセージ性など、映像表現として飛び抜けた魅力のあった作品に贈られる賞です』
それでは発表するぞ
ノミネート作品
カランコエの花
(こちらも小規模上映ながらもLGBTの表現と自然な演技で話題に)
エンジェル 見えない恋人
(姿が見えない人物を主人公にするという映像表現に挑んだ傑作)
seach/サーチ
(パソコンなどを通した映画作りが面白い)
ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイレボリューション
(エウレカセブンとは何か? ということを言及した意欲作)
ア・ゴースト・ストーリー
(時代や空間を超えて表現される幻想的な光景に引き込まれる)
これらの作品を抑えて受賞したのは……
カメラを止めるな!
色々言ったけれど、高く評価されるのも納得です
主『やっぱり今年はカメ止めの年でしょう。
この作品が高く評価されたのも、低予算で作られたことを逆手に取った意欲的な作品だったことが大きな理由でしょう。
また、映画愛にも満ちているという指摘も納得。
記事では感想だったので好きなことを言いましたが、この映画を褒めようと思えばいくらでも褒められるうまい作品だったでしょう。
今年1番のダークホースなのは間違い無し。
「0点か200点を目指した」という上田監督の発言にも納得の、見事に尖って成功した作品でした』
最優秀記事賞
こちらは”今年1番うまくかけた記事だなぁ”と思う記事に贈られる、いわば自己満足の賞です
この賞だけは新作映画だけではなく、旧作、テレビアニメや漫画も含めていくぞ
寺山修司を意識した文章で、個人的にお気に入りの記事の1つ
今年最初に訪れた衝撃
いつもと違う文章形態で書いていますが、今の時代に見事にマッチした大傑作だったのではないでしょうか
思い返すと執念で書いたよなぁ……
同じ記事を書けと言われても不可能
”本作こそが百人一首である”という台詞は今年1番の決め台詞な気がする
クレヨンしんちゃんだからこそできる正義像の描き方という観点は良かったかなぁ
日本で唯一の批判評を意識して書いた、珍しく?マイナスに情熱を傾けた記事
世間では大絶賛な作品を認めつつも、個人的に合わなかった理由を説明
今年トップクラスの感動作品の熱量を伝えられた
2018年の最優秀記事賞は……!!
リズと青い鳥!
主「記事の分量も多く、かなり力を入れた読み応えのある記事になっています。もっと別記事に描けば良かったなぁ……と今になっては反省するところも。正直、何を書こうとしたのか忘れてしまったので。
それでもこれだけの熱量を込められたのは自分でも驚きですし、それだけ評価したい作品でもあります。
今年は上半期にいい記事が固まってしまったかなぁ……もう少し頑張らなければ、と思う年でもありました」
作品賞は……!?
カエル『えーでは、お待ちかねの作品賞は……』
亀『文字数もだいぶ多くなってきたし、ここで終了にしようかの。
発表は12月29日の土曜日の22時を予定しておるぞ』
カエル『……まあ、そうなると思っていたけれどさ。今年は大混戦だったね
あ、あと、この記事もフォーマット自体は過去のランキング記事を流用しています」
亀「しかし、かけた時間はむしろこちらの方が長いかもしれんの……
1から書いた方が楽だったか?」
カエル「……ちなみに、この次の作品賞はベスト30を発表していきますので、楽しみにしていてください!」