物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『ニセコイ』ネタバレ感想&評価! 地雷と言われつつも思ったよりは悪くない!? 派手な演出は賛否を呼ぶだろうなぁ……

 

 

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>……ついに年内最後の見えている地雷作品が来てしまいました

 

昨年は『鋼の錬金術師』で、今年は『ニセコイ』だね

 

カエルくん(以下カエル)

「……映画好きとしては観る前から偏見全開で話すのは絶対によくないというというのはわかっているけれど、この作品だけはどうしても地雷にしか見えないよねぇ。

 何せ予告の段階からなかなかに危ない雰囲気が漂っていたし……」

 

「最近、ジャンプ原作の実写化作品は多いけれど『銀魂』以外は『ジョジョ』『ブリーチ』もパッとしない印象なんだよねぇ。

 原作はジャンプではラブコメとして最長連載だし、色々な意見があるだろうけれど間違いなく一時代を築いた作品ではあるんだけれど……」

 

カエル「この作品もちょっと興行的には厳しいのかぁ?

 映画好きとしては今作を今年ラストの作品にはなかなか選びたくない部分もあるだろうし」

主「映画館にもよるだろうけれど、公開初日とは思えないくらい座席数の少ない劇場だったからね。

 特に今は『ボヘミアン・ラプソディ』『ファンタスティック・ビースト』もヒットしているし、ジャンプ作品で言えば『ドラゴンボール』もあって、年末攻勢で映画もたくさん公開している中であえてニセコイを選ぶ人はどれだけいるのか? という問題があるんじゃない?」

 

カエル「そもそも原作からしてヒロインは一択だしなぁ。

 どう見てもヒロインは小野……」

主「おっと、それ以上は戦争になるからストップだ。

 自分はまだカエルとは友達でいたい」

カエル「……まあ、確かに不用意な発言だったかも。

 では、記事のスタートです!」

 

 

 


映画『ニセコイ』予告【平成最後の冬 大ヒット上映中!】

 

 

感想

 

では、いつものようにTwitterの短評からスタートです!

 

 

思ったよりは良かった……のかなぁ?

 

カエル「う〜ん……元々批判的意見が出やすいタイプの作品ではあるし、間違いなく賛否が分かれる……というか、批判評が多くなるのはわかるけれど、でも思ったほどの地雷案件ではなかったような気がするかなぁ。

 褒める映画ではないし、批判意見には納得するんだけれどね」

主「特に近年の漫画原作で失敗が続く、ファンタジーや格闘アクション路線とはまた違う日常的な……という語弊もあるか……現代日本を舞台にしたラブコメ作品だから、そこまで破綻しているとは言わない。

 ただし……漫画原作実写映画の悪いところは前面に出てきてしまっている

 

カエル「効果音はガンガン使うし、音楽も同じものを繰り返す天丼のしつこさや、ギャグ色の強い演出などは倦厭する人も多いかもね」

主「いつもは自分もその手の演出には苦言を呈するし、まあ今回も成功したとは全くもって言えないんだけれど、でもね……」

 

カエル「……なんでそんなに歯切れが悪いの?」

主「……序盤、普通に笑っていたんだよねぇ

カエル「ああ、コメディとして面白かったんだ」

主「劇場内では平日の朝の回ということもあって、半分もお客さんは埋まっていなかったんだけれど、割とシーンとしていたのよ。その中でも自分と……後2人くらいかなぁ、のお客さんはちょいちょい笑っていたんだよねぇ。

 コメディって人によって笑いのツボが変わるから面白い、面白く無いを決めるのが難しいところがあるけれど、自分にはバシッとハマったわけ。

 序盤でバイオレンスなシーンがあるけれど、ヤクザVSマフィアの抗争シーンとかは結構面白くて、ケラケラ笑っていたんだよねぇ。

 歌を使った演出……角田信明みたいな太い声の歌も面白かったし」

 

カエル「……まあ、相性ですから。

 でも本来は笑わせるための演出だし、それがうまくハマる人にはハマるってことかもね」

 

 

 

学園ドラマの悪い点?

 

でもさ、どうしてもコスプレ感が否めないわけじゃない?

 

役者についてはこの後語るけれど、そもそもとして演出の方向性がね

 

カエル「今回、改めて思ったのは男子はコスプレ感があまりないんだよね。

 基本は白シャツに学ランを着るだけだから、後は髪型とかを変えるだけでそれっぽくなるということなんだろうけれど。

 だからこそ女子の鮮やかな水色の制服が大きな違和感となってしまっていて……

主「……なんかさ、スカートが相当軽いのか、ちょいちょい風でめくれそうになるんだよね。ドキドキした」

 

カエル「単なるオヤジの発想じゃん」

主「それはそれとしてさ、各キャラクターが漫画よりになっている分、どうしてもコスプレ感は出てしまうわけ。

 さらに言うと……これはコスプレ感以上に問題だとも思うんだけれど、漫画やアニメを基にした作品だからか、各キャラクターがかなり誇張されているわけだ。ヤクザもコテコテのヤクザだし、マフィアも警察もなんだかリアリティをどんどんなくしていく。

 でも演じているのは人間だからどこかしらで違和感が生まれてしまって、それがノイズになるのかなぁ」

 

カエル「やっぱり漫画原作の実写映画は難しいという話になるの?」

主「というよりは、少し中途半端な印象を受けたかな。

 ここで河合監督作品である、こちらの作品と比較しながら考えていこうか」

 

 

 

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カエル「広瀬すずが主演を果たし、テレビドラマ化もされた『チアダン』だね。

 こちらも賛否が分かれるほど派手な演出が多かったものの、うちでは高い評価を獲得しました。たぶん、河合監督のコメディ描写が合うんだろうね」

主「チアダンはまだ実際にあったお話だし、リアリティがあるんだよ。

 少なくとも、荒唐無稽な物語ではない。

 だけれど今作は漫画原作でリアリティという意味では皆無なわけ。

 ということは、もっともっと派手にするか、もしくは設定などを原作から大きく変えてリアルなものにするかの2択だと思う。

 そして今作は設定を弄らずに、派手な方向性で演出したけれど、個人的にはそれがまだ足りなかった印象もある

 

 

 

 

結果的に中途半端になってしまった演出

 

う〜ん……だけれど、今の状態でも派手すぎて引くという意見は多々あるわけじゃない?

 

だからこそ、もっと……世界観というかな、背景なども気を使う必要があったのかもね

 

主「例えばさ、非難を浴びる発言かもしれないけれど、ハリウッドの大作ヒーローアクション映画だってコスプレ大会みたいな服装の作品だってあるわけじゃない。あんな格好してNYの街中を歩いていたら、ものすごく浮いてしまう。

 だけれど向こうはCGの力もあってそれがあまり違和感がないように作り込まれている

カエル「それはお金と技術があるからであって、日本では難しくない?」

 

主「いやいやいや、日本では戦隊モノや仮面ライダーがあるわけじゃない?

 特撮という文化の上に成り立つ表現ではあるけれど、限られた予算の中でも本作のようなコスプレ大会の違和感はあまりない……と自分は思っているんだけれどね。

 つまりさ、これってもっと振り切っているからだよね。

 半端にリアリティを出さずに、もっと派手に、あるいは爆発やロボットも入れる演出によって、大げさだけれど表現としては違和感が少ない作品になっているんだ

 

カエル「……え、じゃあ爆発やロボットを出すべきってこと?」

主「それはあくまでも一例でさ……いや、爆発に近い派手な表現もあったけれど。

 本作は序盤にワイヤーアクションがあるけれど、それが明らかにワイヤーアクションって見えてしまう。裏事情が見えてしまう表現は冷める部分があるから、そういったところをカバーするとか……

 あと、本作で自分が褒め称えたいのはラップ表現なんだよ

カエル「本職のラッパーさんが見てどう思うかは別としても、結構ちゃんとしたラップを披露しているように見えたよね」

 

主「自分はあのラップ表現からもっとはっちゃけた演出……例えばミュージカルとかさ、そういう方面に行くと思った。

 舞台も思った以上にお金がかかっていたし。

 だけれど、意外と真面目な演劇になってしまったのは残念。

 あの舞台の表現も悪くはないというか、ニセコイらしいとはいえ……なんか、おとなしい当たり障りのない盛り上がりポイントになってしまったのが、個人的にはマイナスかな」

 

 

 

役者について

 

〜中島健人と中条あやみ〜

 

では、役者についてはどうだったの?

 

……相当頑張ってはいたと思う

 

主「まずさ、前提として語っておきたいのは、この手の作品は役者の上手い下手がわかりづらいし、語りづらいんだよ。

 今年でいうと『羊の鋼の森』という作品で山崎賢人が主役を張っているんだけれど、彼が上手い役者だということを見せつけた。だけれど、普段の彼は漫画原作作品ばかりを演じていることもあって、あまり上手い役者という認識はされづらい環境にあるだろう。

 それは土屋太鳳なども同じで、この手の作品は演技が派手なものになりやすいこともあって、評価は難しいという前提は述べておきたい」

 

カエル「その中でも主演2人についてはどう?」

主「中島健人は『心が叫びただってるんだ』以来だからなんとも言えないけれど、特別な印象はないかな。

 中条あやみは近年よく観る女優だけれど、こちらも特別な印象はない。というか、中条あやみってこの手の恋愛映画が多いこともあって、あまり評価ができない部分もある。

 今作でもこの2人が他の役者に比べると、悪くはないけれど、特別いいとも思えないのがなぁ

 

カエル「単純に下手ってこと?」

主「いや、どうだろう? そもそも中条あやみはハーフの女の子という魅せるのが難しい役だしね。

 中島健人は……本作のラストに彼の素顔が観れる演出があるけれど、そこはかなりいいんだよ。

 まあお芝居をしていないし、サービスカットな面もあるけれどさ、魅力が伝わってきた。

 でも作品からはそれがなくなってしまったこともあり、この2人の魅力があまりないのが大きな欠点じゃない?

 

 

その他の個性豊かな役者について

 

じゃあ、脇を固める役者陣は?

 

むしろこちらを絶賛したい!

 

カエル「多くの人が褒め称えるのが、小野寺小咲を演じた池間夏海だよね。

 彼女の透明感は他の役者とちがって髪型などもコスプレ感があまりない、現実的な衣装だったこともあっただろうけれど、中島健人演じる楽が思わず惚れてしまうのがわかるほどのキャラクターで!」

主「喋るとちょっとぎこちない部分もあったけれど、それがかえって初々しい可愛らしさを生んでいたり」

カエル「……やっぱり親父目線?」

 

主「それからマリーを演じた島崎遥香も良かったよ。

 というのもさ、マリーもなかなかコスプレ感が強いキャラクターではあるけれど、島崎遥香の演技も相まってそこまで作品から浮いていなかったように思うんだよね。ここまで振り切ると、かえってアリになってくるというか。

 その中でも完璧だったのがDAIGOだった。

 個人的には、今作のMVPは間違いなく彼

 

カエル「ストーカー紛いな執事だけれど、楽の最大の壁になっていたよね。

 彼もコスプレ感が強いけれど、元々DAIGOのキャラクターもあってか、むしろそれが面白さを呼ぶ演技になっていて」

主「コメディリリーフでもあり、さらにはそびえたつ壁にもなっていたりもして、何度彼で笑ったか。

 他にもいい親友Aであり、ラップシーンでは見事な活躍もみせた岸優太も含めてコメディリリーフたちが存在感を発揮しただけに、もっとはっちゃけても良かったのかなぁ、という思いがある」

 

カエル「まあ、でも手放しに褒めるわけでもなくて……映画だけを見ると青野楓が演じたクロードと一緒にいる鶫誠士郎が全く意味わからないよね?

 元々青野楓自体が凛々しいタイプの女性ということもあるけれど、可愛い顔立ちの男性なのか女性なのかもわからなかったというか……存在も謎だし。

 それはそれとして、誰が1番気に入ったの?」

主「……松本まりか」

カエル「え、担任の先生の?」

 

主「今回も可愛いんだ、松本まりか。

 あの独特の声質といいさ、メガネもキュートだし」

カエル「……ただのファンの妄言になります」

 

 

 

 

まとめ

 

今回はこのあたりでまとめになります!

 

  • いうほど悪くはないが、良くもない作品!?
  • 特に序盤の派手な演出は賛否が割れそう!
  • 役者陣は脇役を中心に熱演も、評価は難しい……

 

地雷というほど悪い作品ではないです

 

カエル「今回は特にネタバレを気にしてまで、作中で語りたいことはないってことね」

主「まあ、2つかなぁ。

 1つはロミオとジュリエットの舞台の話だけれどさ。もちろん、ロミジュリが当時のお家間の諍いによって翻弄される恋人達という物語を、ニセコイに合わせてきたのは和よくわかる。

 だけれどさ、いうほど恋人同士でロミジュリって演じたい?

 ジュリエットの役を誰が演じるかで少し揉めるけれど、あれは悲劇のお話だから、むしろ縁起が悪くない?

 

カエル「それでも超有名な恋人同士ということは、演じたいんじゃないの?」

主「あとはさ、なんで楽があの人を選ぶのか全く理解できないんだよね。

 それは映画版でも同じで、自分ならどう考えても選ぶのはおので……」

 

カエル「はい、それ以上は戦争になるのでやめておきましょう。

 ……なんか最初にもこの流れがあった気がする。

 ただ、物語としては当然の流れとはいえ、そこに納得はしていないということだね

主「落とし所としては理解できるけれどさ。

 いつも思うけれど、どうせならば原作と全く違うラストにしてもいいんじゃない?

カエル「そのあたりは原作者やファンの思いもあると思うので、ちょっと言及はできないかなぁ……」

  

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