カエルくん(以下カエル)
「え〜、今回は珍しく? テレビアニメシリーズの中でも8話分の物語について語っていくわけですが……なんで急にハルヒなの?」
亀爺(以下亀)
「最近、京アニ作品について語る機会が多いから、劇場映画の代表作でもある『涼宮ハルヒの消失』を取り上げようとしたのじゃが、その前に触れなければいけないのがエンドレスエイトだからじゃの」
カエル「……まあ、はっきり言ってしまえば評判がかなり悪い作品で、今でもネタにされているよね……」
亀「その再評価を行おうという試みじゃの。
約9年ほど過ぎた今ならば、当時とは違う評価ができるかもしれん。
……それと、こういう時でないと8話も見直すなんてことはできないからの」
カエル「ああ、ちなみに主は現在胃腸炎による腹痛と発熱で倒れております。熱があって大変な状況かのようではありますが、当の本人は便意と吐き気以外はケロリとしています。元々平熱が高いから、普通の発熱くらいの体温なのかな?」
亀「会社も休んで暇だがどこにも行くことはできんし、かといって難しい話を考えることも中々難しい。こういう時でもないと、8話も同じ話を見直すということはできんからの
さらに言ってしまえば……抗生物質の影響で急に眠りに落ちてもこの話であれば基本的に問題がないからの」
カエル「というわけで、エンドレスエイトの再評価を行いましょう!」
1 放送当時の反応
カエル「では、まずはこの8話連続で同じ話をおこなうという異例の事態に対する当時の反応について語るとするけれど……世間の評判は散々だったよね。
1話の時点では『え、まさか!』とは思いつつも、誰もが3話くらいで終わると思っていたし、ネタで『エンドレスエイトだから、8話までやるんじゃないの?』って笑っていたら、まさか本当に8話までやっていたし……」
亀「まあ、この話を8話続けてやるとは誰も思っていなかったしの。長門の孤独と退屈さを体験してもらうという意味では、これ以上ない名演出ではあるが……肝心のお客さんは退屈だったという話じゃな」
カエル「当時の反応も荒れに荒れて、しかもヤマカンが余計なことを言ったりして更にもめて、結果的にはこのテレビシリーズ以降のハルヒシリーズは制作されていないという状況で……ストックも人気もあるのにね」
亀「ビジネスとして考えたら失敗かもしれん。
今回、見直すためにNetflixに全話あったから鑑賞したもの、DVDのレンタルなどであれば4本ほど借りることになるわけじゃからの。さすがにそれは……という気持ちにもなる。
これを買うということを考えると、確かに暴利だ! だという意見もよくわかる」
カエル「ちなみに主は放送当時も見ていましたが、5話で断念しました……原作も読んでいてこの先どうなるのかもわかっていたし、あえてこの話を全部見る必要性もわからないということで、そのまま深夜は寝入ってしましたね」
亀「とういうわけで、今回初めて8話まで鑑賞したという形になったのじゃが、途中で鑑賞を諦めた人も結構多いのではないかの?
初見さんであれば、まあ1、2、8話だけ観ればそれでいいかもしれん。
あとは演出などの細かい違いじゃから、そこに興味がある人だけ観ればいい」
実は贅沢な話?
カエル「でもさ、京アニは何を考えてこういうお話を作ったんだろうね?
だって8話でしょ? 普通ならこんなこと、思いついても中々やらないけれど……」
亀「いやいや、これはこれで中々贅沢な話でもあるんじゃよ。
エンドレスエイトの1話の脚本は賀東招二が担当しており、これが後々に続く全8話の元になっておる。そして2〜7話が武本康弘が担当しておるが、これはほぼ……というよりも全く同じ脚本の使い回しだと思われるため、監督である武本の名前がクレジットされておるのじゃろう。
そして最後のエンドレスエイト8は村元克彦の脚本であるが、これは最後のパートが主な変更点になるじゃろうな。
つまり、脚本自体はほぼ同じであるわけじゃよ」
カエル「でもさ、作画面に関しては一切使い回しをしていないんだよね……」
亀「これは見る側もそうであるし、作り手側もしても勉強する機会としてはこれ以上ない絶好の機会である。
全く同じ話を、違うベテランたちが絵コンテを書き、演出してくれるわけじゃからの。
同じ脚本、同じシーンであるからこそ『このような演出をするのか……』という勉強にもなる」
カエル「意識高い系の見方だね」
亀「教育的な意義はかなり高かった話ではないかの?
特に演出家はそれぞれ京アニの中でもベテランだったり、当時若手の有望株であった石立太一を起用していたりと面白いことになっておる。
そしてこの話を観ているとちょっとした描写の意味合いが違っていたりして、かなり見所のある作品になっているぞ」
せめて鶴屋さんが出てくればもうちょっと反応は良かっただろうに……
それでも思う改善点
カエル「いや、それはわかるのよ……わかるんだけれどさ、もっと色々やりようはあったんじゃない?
途中から見所が杉田智和のアドリブ力になっていったような気が……この時、まだ若手なのにすごいなぁって感心しながら見ていたような……ハルヒの魅力の3割くらいが杉田智和の語りにあるんじゃない? って気分になるほどだけれど、もしかしたら1番辛かったのは同じセリフを何度も演じなければいけない声優かもしれないね」
亀「『同じであること』に意味があるからの。
まあ、それでも面白くするためにはもっと変化があってもよかったの。ただし、それをしてしまうと全く意味がないが、夏休みの遊び方にも色々あって、時には山へ行ったり、海へ行ったり川へ行ったり……そういった変化があったらもっと楽しく見ることもできたのではないかの?」
カエル「一応サービス精神も忘れていないんだよね。
主要キャラクターの水着や浴衣を8種類も見ることができる作品なんて他にはないけれどさ……でもなぁ、せめて鶴屋さんを出してくれた少しは変わったかもしれないのに」
亀「……ただの鶴屋さんファンの意見じゃの。
しかし、友人代表として毎週谷口や国木田など別の人物が出てきたりしたら、また違った面白みがあったかもしれんの。それでは『繰り返す日常』の意味がないのかもしれんが……」
2 8話に共通する描写
カエル「では、ここからは各論に入っていくけれど……今回はどこに注目するの?」
亀「まず最初は8話通して『同じだった部分』について考えていくとしよう。
まあ、これはたくさんあるんじゃが……まずは何と言っても『長門の表情』であるの」
カエル「延々と繰り返される日常に対して、退屈そうにしている長門だよね」
亀「この作品の中でそれぞれのキャラクターは服装が変化している。
しかし、長門は基本的にずっと制服のままであり、ここでも『変化しない日常』の象徴として存在しているわけじゃな。
そんな長門でも若干の変化がある描写がある」
カエル「えっと……お面を買いに行くシーン?」
亀「そうじゃの。ここでのお面を買う長門は唯一といっていいほど、自発的な行動を起こすシーンでもある。実際では決まったデザインのお面がなかっただけかもしれんが、ここで選ぶお面が全部違うものになっておる。
これはやはりこの繰り返す日常の中でも、少しだけでも何かを変化させようと努力した結果と見るべきじゃろうな」
カエル「長門は表情があまり変化がしないタイプのキャラクターだから見逃しがちだけれど、やっぱり思うところはあったんだね……」
亀「この『変化しない中での変化』というものを見せるのがこの回の最大の見せ場である。それがかなりマニアックすぎたような印象もあるが、しっかりと計算されている部分も多い回であって、決しておふざけで始めたものではないということは、ここに語っておくとするかの」
注目ポイントの説明
カエル「では、ここでそれぞれの違いについて少しずつ述べていくけれど、その前にちょっとだけ事前説明しようか。
まず、1話は除外するんだよね?」
亀「1話は若干他とは趣が違うからの。
1話はスタートして中盤の繰り返されることに気がつく描写がない。これは少し条件が違うから、比べるのも難しいし、今回の趣旨には少しそぐわないからの。
ちなみに1話と8話は同じ米田光良が絵コンテ、演出を書いておるが、見比べてみると面白いものがあるの」
カエル「では、今回この7つの話をそれぞれが違った演出の味を見分けていきましょう!
そして注目するポイントとしてはどこにするの?」
亀「スタートの高校野球を観ているシーンや中盤のループが明かされるシーンでも良いのじゃが、今回ピックアップしたのは主に以下の3つじゃ。
中盤の花火の描写
小泉がキョンに『I LOVE YOU』を勧める描写
終盤の時間経過の見せ方
この3つをメインに注目していきながら、他のポイントについても触れていこうとするかの」
カエル「ちなみにこの3箇所の理由は?」
亀「それぞれの演出家の個性がよく出ている描写だと感じたからじゃな」
3 それぞれの描写に注目してみよう!
(C)2007,2008,2009 谷川 流・いとうのいぢ/SOS団
中盤の花火の描写
カエル「では、まずは中盤の線香花火などで遊んでいる描写について語っていきます。簡単に説明すると、こんな感じの演出になっていますね」
2話 少し大人しめ はっちゃけているハルヒ 『宿題が終わった』で線香花火が落ちるキョン ヘビ花火なし
3話 楽しげに遊ぶ はっちゃけているキョン ヘビ花火なし
4話 音楽なしで大人しめな印象 ヘビ花火なし
5話 火花を美しく見せる 『楽しい』よりも『美しい』『切ない』印象 ヘビ花火あり
6話 音楽なしで大人しめな印象 ヘビ花火あり
7話 明るい音楽で楽しむ面々(特にはっちゃけるキョン) ヘビ花火あり
8話 はっちゃける面々も音楽は切ない ヘビ花火あり
という風になっています」
亀「ここで重要なのが『ヘビ花火』の存在じゃの。
途中の回からこの演出は入ってくるのじゃが、この演出には痺れた。長門が同じ花火の中でも派手さがないヘビ花火で遊んでいるシーンから『退屈そうにしている』ということが伝わってくる、なかなか面白い演出であるの」
カエル「あとは、この描写に意味をもたせているのが2話なのかな?
『宿題が終わった』の言葉を聞いてぽとりと線香花火の燃えかすが落ちるというのは、その時のキョンの心情とリンクしていて面白いかな。
このシーンを『楽しいシーン』として扱う演出もある一方で『切ないシーン』として扱う演出もあるし、4話と6話は普通の日常描写の延長線上に感じられるかなぁ?」
亀「他にも、3話は三好一郎の演出回であるが、この回は全体的にキョンが親父っぽく描かれておる。浴衣を着たハルヒたちと対面した時、顔を赤くしていたりとかも、なんか親父っぽいなぁ……という印象がああるの。1番ラノベアニメぽいと言えるのかもしれん。
このように同じようなシーンであってもそれぞれ違う意味を持つように演出されており、その味が全く違うというのも面白いところじゃの」
カエル「このシーンでも味がそれぞれの回の全体的な印象に与えているものも大きい気がするんだよね。
例えば3話の三好一郎回では全体的にまだ楽しんでいる印象があって、一方で4話の高雄統子回は退屈しているような印象を与えている。5話の石原立也回では全体的にノスタルジックな印象を与えていて……結構同じシーンでも味わいが違うね」
亀「こうやって演出的に見ると、この作品の持つ味も見えてくるものじゃの。
ちなみにわしは5話の石原演出が1番好きかの」
後半の天体観測のシーン
(C)2007,2008,2009 谷川 流・いとうのいぢ/SOS団
カエル「続いて天体観測のシーンだけれど、ここで取り上げるのは
小泉『涼宮さんにI LOVE YOUと言ってみては?』
キョン『拒否する』
小泉『じゃあ、僕が言ってみましょうか』
の後のキョンの反応のシーンになります」
亀「この話の中で変化する機会を拒否する場面ということになるかの」
カエル「では、簡単にまとめてみると」
2話 キョンの顔を見せないが、少し怒り気味な印象
3話 特に反応なし キョンの顔を見せない
4話 さらりと流す 2人とも座っていて姿を見せない
5話 小泉の顔だけで表現し、冗談風みが増している
6話 冗談風ではあるものの、1番焦っているようにも見える
7話 ちょっとふざけながらも驚くキョン
8話 背中を映すものの、キョンは微動だにせず。星空を多めに映す
となっています。言葉だけではなかなか伝わりにくい、微妙なニュアンスだよねぇ」
亀「このシーンでは大きく分けて3つの演出に分かれておる。
本気で受け止めるか、冗談ぽくするか、ほぼ無言(無視)ということじゃの。
ここで描き方によってかなり意味合いは変わってくる」
カエル「ここで感情を取り乱すのが2話と6話、7話だけれど、その受け取るイメージがちょっと違うよね。2話は若干怒り気味というか……」
亀「そうじゃの。ここで怒るような演出を入れた場合は『冗談でもそんなことを言うのは許さない』というハルヒに対する感情を表しておるし、ここで慌てふためく様は『思いもよらぬところからの提案に慌てる』という意味になる。
一方で、無言や無視というのはそのまま『自分でも整理のつかない感情』という意味になる。
ここで注目して欲しいのが『脚本は同じ』ということじゃ。若干の文言は変わっておるが、そこはアドリブも多くあるじゃろう。特に7話はアドリブが多めのように感じたが、冗談風にする場合はそれでもいい。
しかし、中にはキョンがハルヒに対する思いを決定付けてしまう描写のように受け止めれられる箇所もあり、1つの演出がとっても重要な意味合いを含んでおるのがわかるの」
時間経過の見せ方
(C)2007,2008,2009 谷川 流・いとうのいぢ/SOS団
カエル「では、最後に注目するのが時間経過の見せ方ということだけれど……」
亀「冒頭の高校野球を見る描写もいいのじゃが、わしが面白い! と思ったのが時間経過の見せ方じゃな。ハルヒたちが2週間どのように過ごしたのか、ということを工夫しながら見せておる」
カエル「では、またまた簡単に説明すると……
2話 それぞれの遊びを見せる(ノスタルジックな音楽)
3話 それぞれの遊びを見せる(明るい音楽)
4話 白黒映画を見る、若干退屈そう
5話 風景と明るい音楽、回る遊具を使う(回る=ループの暗示)
6話 それぞれの遊びを見せる(明るい音楽)
7話 入道雲の色を朝日から夕日に変える
8話 雨の中の時間経過 ノスタルジックな印象
となっています」
亀「ここでも楽しく演出する派ともの寂しげに、ノスタルジックに演出する派に分かれておるのがよくわかるじゃろう。
同じそれぞれの遊びを見せるのでも、音楽を変えたりすることでノスタルジックになっておるのじゃが……特に印象に強く残るのが4話の白黒映画を用いた演出、5話の遊具を用いてループを表現した演出、そして7話の入道雲の演出じゃの」
カエル「同じ時間経過でもしっかり見せたり、逆に見せなかったりと色々な表現手法があるんだね……」
亀「ここでどのような演出をするかによって、全体に与える印象が全く違うものになっておる。
こうやってみるとかなり面白いの。7話の入道雲の演出などは、明るい印象も与えながらも、どこか懐かしい気分にさせてくれたりもしておる。
また、3話の三好一郎回はバッティングセンターの長門とキョンの会話をなくして、単なる1シーンとしておる。
楽しさの増強じゃな。
ちなみにわしはノスタルジィを感じさせる方が好きじゃかから、4、7、8話の演出が特にお気に入りじゃの」
全体の印象として
カエル「では、ここまで語ってきて全体の印象が如何に変わるのか、という話だけれど……」
亀「まず、2話の新谷朋恵回は全体的に色がモノクロっぽくされており、これがループであったり、どこか退屈であることを強調している。
3話の三好一郎回は逆に楽しい! ということを強調しているように思えるの。もしかしたら1番楽しい回かもしれん。
4話の高雄統子は入道雲の演出がとても印象的で、夏の象徴とも言える入道雲をうまく使うことにより、ノスタルジーをうまく演出しておる。
5話の石原立也回は最も美しい回と言えるかもしれん。花火の見せ方ともキラキラしておるし、最後の時計の演出などループを1番強く印象付けておる。
6話の北之原考將回はある意味では1番普通かもしれん。ベーシックな1話なように感じたの。
7話の石立太一回は光の陰影のつけ方がかなり特徴t系な回であり、もしかしたら最もわかりやすく攻めている回と言えるかもしれん。
8話の米田光良回は最後ということもあるのじゃろうが、花火のシーンでの長門孤立なども多く、ノスタルジックな印象が強くなっておるの」
カエル「……こうやってみると色々と違うものだね」
亀「まあ、毎週毎週これを見せられたら気がつかないかもしれんが、こうやって見比べてみると全然ちがう話になっておる。
また石原立也回は総監督という立場もあるのかもしれんが、後半に長門とキョンが会話をするシーンを他の回ではバッティングセンターにしておるのに、この回だけ肝試しになっておる。
これによって長門とキョンの親密感が増していたりと、結構な改変が加えられておるの」
4 この作品を作った意味
カエル「では、エンドレスエイトの総評ということになっていくけれど……そもそも、この話を作った意味ってなんだろうね?
教育的意義が大きいのはなんとなくわかるけれど……」
亀「この『ループする日常』を扱った作品はたくさんある。それこそ『うる星やつら2 BD』などもそうじゃろう。
しかし、テレビシリーズで8話もかけてそれをやろうとしたアニメはなかったわけじゃな」
カエル「……まあ、当たり前といえば当たり前だよね」
亀「その勝負に出て、はっきり言ってしまえば京アニは負けたのかもしれん。世間的な評判は悪いからの。
しかし、これを作ったことは京アニの必然だったようにも思う」
カエル「……というと?」
亀「わしは『映画 けいおん!』の記事でも似たようなことを書いたが、この当時の京アニは『日常描写』を特に重視して書いておった。そしてこの話は繰り返される日常からの脱却という意味では、これ以上ないほどに最適な素材でもある。
はっきり言っておくが、この作品が手抜きだとは一切思わん。確かに脚本は同じであるが、絵コンテも演出も作画も違っておる。これは手を抜くにしても、もっと方法があるじゃろう」
カエル「まあね。もっとわかりやすく使い回したりとかもするだろうけれど……」
亀「この『日常描写とそこからの脱却』というのは京アニがずっと表現していることでもある。
例えば『けいおん!』シリーズもそうであるし、最近劇場公開された『中二病でも恋がしたい!』でも日常と恋による変化を描いておるし、『たまこラブストーリー』などもそうである。
『Free!』や『響け! ユーフォニアム』などは王道のスポーツ(部活)ものということもあって、その要素はあまりないかもしれんが、それでも日常的な描写やリアルということにはかなり力を入れておる」
日常=変化しないようで変化する日々
カエル「多くのアニメに共通することかもしれないけれど……でも、確かにそういう描写が目立つよね」
亀「『同じことを繰り返す=日常』だと考えれば、これ以上ない日常描写であるじゃろう。
そこからの変化と脱却を描いた本作はある意味では究極の『日常の物語』ということとができるかもしれん」
カエル「変化しない中での変化を表現するということだね」
亀「そうじゃな。
これが仮に3話だと、そういう話にはならない。むしろ、ただのループするお話でおしまいじゃろう。確かに多くの人には受け入れられたかもしれんがの。
しかし、8話にすることによってその変化がより浮き彫りになる。それこそが京アニの狙いだったのではないか? というのがわしの意見じゃな。
これぐらい振り切った方が良かったのではないかの?」
カエル「……まあ、やりすぎな感も否めないけれどね。それなら6話くらいで良かったようなぁ……」
亀「6話やったら8話も一緒みたいなものだ、という考えじゃろうな。これがエンドレスシックスだったら6話だったのかもしれんが……
まあ、良くも悪くも伝説的な話であるのは間違いないじゃろう。他で追随するものもいないじゃろうしの」
カエル「……やりたくても中々出来ないよねぇ」
最後に
カエル「というわけで、エンドレスエイトを再評価してみるという試みだったけれど……これは中々大変な作業だったね。それこそ、寝ている時でもないとできないような、途中までは不毛さすら感じる作業で……」
亀「重要なのは途中から気がついたが、中盤少し寝ておったからの。それでも特に問題がないのがこの作品のすごいところでもあるが」
カエル「ほとんど間違い探しのようでもあり、でも全部違っているという中々特殊な回だもんね……」
亀「しかし、この話があったからこそ『涼宮ハルヒの消失』に繋がっていく。次に消失について語る際には、この記事は結構重要になると思うぞ!」
カエル「……また2時間40分超えなんだもんなぁ……京アニ、攻めているよね。よくあんな長尺の映画を作ったよ」
亀「やりすぎな印象もあるが、ハルヒはそれだけ攻められる人気コンテンツじゃったからの。本来は消失の先が重要なわけじゃが……原作も止まっておるし、新作は公開しないかもしれんの」
カエル「というわけで? エンドレスエイトの記事でした!」