物語る亀

物語る亀

物語愛好者の雑文

2019年2月の新作映画ランキング! 傑作が相次いだ2月を勝ち抜いたのはあの邦画でした!

 

少し遅くなりましたは月間ランキング記事です

 

 

 

2月はどんな作品が入るかの?

 

 

カエルくん(以下カエル)

「アカデミー賞関連作品などもあって、注目度のある作品も多いよね」

 

亀爺(以下亀)

「その中でも独特なランキングになったじゃろうな」

 

カエル「というわけで、早速ですがランキング記事のスタートです!」

 

 

 

ノミネート作品

 

記事にした作品

 

『DAY AND NIGHT(デイアンドナイト)』

『七つの会議』

『メリー・ポピンズ リターンズ』

『ちいさな独裁者』

『劇場版シティーハンター新宿プライベート・アイズ』

『コードギアス 復活のルルーシュ』

『劇場版幼女戦記』

『アクアマン』

『フォルトゥナの瞳』

『劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか オリオンの矢』

『洗骨』

『THE GUILTY ギルティ』

 

以上11作品

 

記事にしていないが鑑賞した作品(公開3ヶ月以内)

 

『ファーストマン』

『盆唄』

『女王陛下のお気に入り』

『翔んで埼玉』 

 

以上4作品

計15作品がノミネート

 

2月もほぼ月平均並みのスタート。質も良かった作品が相次いだと思っています。

 

観ていない中で気になるのは 

 

『映画 コラショの海底わくわく大冒険!』

『ビル・ストリートの恋人たち』

『サムライマラソン』

 

あたりですかね……

特にコラショは評判もいいアニメ作品だったので観たかった……

(上映劇場が微妙な場所が多くて見に行けず……無念!)

 

 

 

 

第5位

 

ちいさな独裁者

 

f:id:monogatarukam:20190207195908j:plain

 

作品紹介・あらすじ

 

 『REDレッド』などの作品をハリウッドて監督してきたロベルト・シュベンケ監督が母国ドイツに戻り監督した戦争映画。1945年に実際に起きたヘロルトによる虐殺事件を基にしたドラマになっている。

 

 1945年4月のドイツでは敗戦濃色の影響もあって兵士の軍規違反や脱走が相次いでいた。重罪である脱走を犯して命からがら逃げ延びたヘロルトは、道中の車の中に置いてあった軍服を盗んで大尉になりすます。

 道中にあった兵士たちを騙してヘロルト親衛隊を作り、何かあれば「ヒトラーの特命」を口にごまかす男を他の兵たちは不審に思いながらも従い、やがてその行為はエスカレートしていく……

 

 

 

2月の5位はナチスドイツをテーマにした独特な戦争映画です!

 

カエル「試写会が当たったので鑑賞しましたが、これがまた面白いアプローチの作品でした!

 ナチスドイツを扱った作品は『我が闘争』の著作権がドイツ国内で切れたこともあり、社会的な関心が増している影響か近年増加傾向にあります。

 アカデミー賞を受賞して脚光を浴びた『サウルの息子』や、現代にヒトラーが蘇ったらどうなるか? という半ドキュメンタリーでもある『帰ってきたヒトラー』など、意欲作が多く誕生しています! 

亀「本作も”ナチスの将校の制服を盗むんだ青年”を主人公とすることで、制服や権威に惑わされておかしな命令にも従ってしまう兵士たちの様子を描いておった。

 本国ではモノクロで上映されていたようであるが、それも納得するくらい映像の作り込みも素晴らしかったの

 

カエル「日本だと戦争映画も前線の兵士目線か、一般市民目線か、もしくは上層部の混乱を描くかと限定されてしまうところがあるんじゃない?

 だけれど、これだけ様々な視点でナチスドイツについて扱った映画が生まれてくるのは、映画の多様性があっていいことだよね

亀「新宿武蔵野館などの一部劇場ではモノクロ版の上映も決定しておる。

『ROMA』の脚光もあり、モノクロというのは決して過去の技術ではなく、現代でも十分に面白い作品が作れることが証明されておる。

 グロテスクなシーンもあるために万人向けとは言わんが、ぜひとも鑑賞してほしい戦争映画じゃな
 

 

blog.monogatarukame.net

 

 

 

第4位

 

劇場版 幼女戦記

 

 

作品紹介・あらすじ

 

 作者のカルロ・ゼンが2011年からインターネットの小説投稿サイトで連載を開始し、2013年からKADOKAWAにて書籍化され連載され、2017年にはテレビアニメも放映された『幼女戦記』の劇場アニメ化作品。

 監督は上村秦、脚本は猪原健太、キャラクターデザイン・総作画監督に細越裕治などテレビシリーズでも力を発揮したスタッフが手がける。

 キャストは悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、大塚芳忠、玄田哲章などの実力派声優がテレビシリーズと変わらずに好演。その他、戸松遥、チョーなどが新キャラクターに声を当てる。

 

 日本においてサラリーマンだった男が死んだ結果、その記憶を持ちながら存在Xの手によって転生し、金髪碧眼の9歳の少女ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐として成長していた。

 彼女が率いる帝国第203航空魔導大隊は、南方大陸での共和国軍残党との戦いに勝利し、待望の凱旋休暇を楽しみにしていたがターニャが所属する帝国と対峙するルーシー連邦国境付近にて不審な点が確認され、新たなる任務に赴くことになる……

 

 

こちらは戦争をエンタメとして踏ん切りをつけて描いた1作じゃ!

 

 

カエル「今作の魅力は圧倒的なエンタメ性です!

 戦争ものというと、どうしても絶対悪な行為であり、人が亡くなっていくということもあって社会性が強い作品が生まれがちで……もちろん、その視点は非常に大事であ流けれど、一方で戦争描写はアニメや映画などのエンターテイメントにおける花形ということもあって……

 なんというか、言葉が難しいけれどやっぱり戦争ものは面白いんだよね

亀「今作の場合はナチスドイツを彷彿とさせる帝国を扱うことにより、実はかなり攻めた作品となっておるのじゃが、それに社会性をほとんど入れないことによってエンターテイメントとしての実力を見事に発揮している。

 また大局的な戦争の見方であったり『戦争はあくまでも外交の1手段にすぎない』などの冷静な見方も日本ではあまり見られづらいものかもしれんの」

 

カエル「そして映像の迫力、何と言っても空中戦と爆発だよね!

 この絵の力と圧倒的な音響で、アニメが好きな人たちが熱狂する作品に仕上がっています!

 また、主演を務める悠木碧の演技も絶賛!

 はっちゃた演技などが面白く、見ていて思わずこちらも笑ってしまいそうなほどの快演を披露しています!」

亀「劇場公開版とはいえ、テレビシリーズの続編であり原作も人気な作品のため、完全な一見さんに向けられた作品ではない。確かにファン向け映画としか言えんところがあるが……大戦を扱ったエンタメ作品が好きな人であれば、ぜひともオススメしたい作品になっておるぞ!」 

 

blog.monogatarukame.net

 

 

 

 

 

 

第3位

 

THE GUILTY ギルティ

 

 

f:id:monogatarukam:20190223175055j:plain

 

作品紹介・あらすじ

 警察への緊急通報の声と音だけで誘拐事件を解決する、シンプルな設定でありながらも高いドラマ性が評価されて第34回サンダンス映画祭で『sarch/サーチ』と並ぶ観客賞を受賞するなど、大きな話題を呼んだデンマークで誕生したサスペンス作品。

 ジェイク・ギーレンホールが主演でハリウッドリメイクも決定している。

 監督・脚本は今作が初長編作品となる若き才能であるグスタフ・モーラーが担当する。

 

 緊急通報司令室のオペレーターとして勤務するアスガーは、交通事故の搬送の手配や事件現場に警察官を派遣するなどの応対をする日々を送っていた。そんなある日、今まさに誘拐されている女性からの通報を受ける。

 犯人の目と耳を避けながら電話する女性に応対し、少しずつ所在地や誘拐の状況を探っていくアスガー。

 果たして、電話から流れる音だけで事件に対処できるのだろうか……

 

 

 

映画の新たな可能性に挑んだ傑作です!

 

カエル「音声だけで事件を解決に導いていく……という独特の設定の作品ですが、低予算映画のようで、密室劇でもあり、登場人物も多くはありません。それこそ、声だけで出演する人以外で……顔出しする役者さんは5人くらいしかいないんじゃないかな?

 もちろんサスペンス・あるいはミステリーとしても一級品ですが、本作の最大の魅力はその人間ドラマにあります!

亀「ギルティ=罪とは何か? それに人はどのように向き合っていくのか……ということにも着目した作品でもあるの」

 

カエル「あまり多くを語れない作品でもありますが、今作が描いた人間ドラマってある種の偏見の物語でもあって、そこが人間ドラマとしての魅力に満ちています。

 また、監督などのスタッフが意図していない別の偏見や意図も感じられて、そこも様々な受け取り方ができる作品です」

亀「短いながらもまとまった作品と言えるじゃろうな。

 できればサスペンスとして楽しむだけではなく、その重厚な人間ドラマや社会性について考えてほしい作品じゃの

 

blog.monogatarukame.net

 

 

 

第2位

 

洗骨

 

f:id:monogatarukam:20190225203321j:plain

 

作品紹介・あらすじ

 

 お笑いコンビ、ガレッジセールのゴリとして活躍する照屋年之が、本名で監督を務めた映画作品。今作では監督のほか、脚本も担当している。

 主人公の信綱役にはこちらも役者出身ながら、何作もの映画を監督した奥田瑛二が務めるほか、長女の優子役に水崎綾女、長男の剛役に筒井道隆を起用。

 その他、筒井真理子、大島蓉子、坂本あきら、鈴木Q太郎などが脇を固める。

 

 沖縄県・粟国島に伝わる風習『洗骨』のために島へ帰ってきた新城一家。一家を支え続けていた母が亡くなり、悲しみのあまりに荒れ果ててしまった信綱の家に久々に戻ってきた優子の変化に、家族全員が驚くことに。

 さらに剛は変わり果てた父の姿に反発し大切な儀式を数日後に控えた中、家族はバラバラになりかけていた……

 

 

お笑い芸人監督への偏見を打破する1作!

 

カエル「どうしても過去の失敗ばかりが目について、お笑い芸人監督は北野武以降死屍累々の山であり、唯一何作も撮って評価されつつあるのが板尾創路だけというような状況にある中で、ガレッジセールのゴリが本名で挑んだ本作が2月のベストランキング2位にランクインしています!

 亀「今、沖縄問題は大きく揺れておるが、沖縄と本土を分けるような動きにも見えてしまうこともある。とても強い問題を抱えてはおるものの、その対立は端から見ると悲しく思う部分もある。

 本作は現在の沖縄の状況を考えると、融和を訴えた見事な作品であるの

 

カエル「お笑い芸人監督らしく、笑いは忘れていないんだけれどそれが過剰ではなく、添え物として有効に入れられていて……

 物語としてはシリアスになりがちなこともあるテーマだけれど、それだけではない魅力に満ちているよね!

亀「大げさなようでもあるようじゃが、今作を持って照屋年之監督は邦画界でも注目全てき若手監督に名乗りを上げておる。

 誰もが予期しなかったスターの誕生であるが、次も変に大作を撮ったり、吉本の横槍が入ることもなく、この規模で結果を残してほしいという思いもある。独特な難しさもあるじゃろうが、ぜひとも頑張ってほしいの」

 

 

blog.monogatarukame.net

 

 

 

 

 

 

 

第1位

 

DAY AND NIGHT

 

f:id:monogatarukam:20190204073443j:plain



 

作品紹介・あらすじ

 

 俳優として活躍する山田孝之がプロデュースに専念したことが話題のサスペンスドラま作品。山田と同じ事務所に所属する阿部進之介が企画・原案から携わり、主人公明石役として長編映画にも初主演を果たした。

 監督は『青の帰り道』などでも評価される32歳と若手の藤井道人。また小寺和久、山田孝之と連名で脚本も務める。

 ヒロインである大野奈々役には清原果耶を起用し、影のある複雑な少女を熱演する。また物語の重要な鍵を握る北村役に安藤政信、明石と対立する三宅役の田中哲史のほか小西真奈美、室井滋、佐津川愛美などが脇を固める。

 

 

 明石幸次(阿部進之介)は父の自殺の一報を受け実家へと戻ってきた。父の死の原因となったのは、故郷の町を支える大企業の不正を内部告発した結果であり、実はその告発は虚偽だったことがマスコミに発表されていた。

 父の死に違和感を抱いた明石は、父の経営していた工場へと出向くと、北村(安藤政信)と知り合う。

 北村は児童養護施設を運営しており、家族に捨てられた子供たちの面倒を見ていた。その中には高校生の少女、大野奈々(清原果耶)もいた。

 父の死の真相を探るうちに、北村と父がどのようなことをしていたの知ることになる……

 

 

 

 

2月の1位は2019年を代表するであろう大傑作の邦画じゃ!

 

カエル「もうさ……1月公開にして早くも1番の邦画と言っても過言ではない作品ん井なりそうだよねぇ……

 うちは小規模公開映画のことも考えて公開3ヶ月以内の作品は月間ランキングのノミネート入りしますが、1月の1位であるバジュランギおじさんと真正面からぶつかっていたらどっちに軍配が上がっていたか……」

亀「正義と悪の違いとはどこか?

 また、その間にあるものとは……ちょうど今作が公開された次の週に、同じような会社の不正を扱った『七つの会議』が公開されたこともあり、こちらと比べてみても面白いかもしれん」

 

カエル「みんなに守りたい正義があって、だけれどそれは絶対に相容れないもので……生きている中で絶対的に正しい行為だけしている人なんていないと思うんだよ。小さなことでも……例えば歩いている時の信号無視とか、歩きスマホとか、そういう小さなマナー違反や犯罪を重ねている人ばかりだと思うんだよね。

 だけれど、その眉をひそめるような行為が人間らしいとも言えるわけで……単純な善悪だけで物事をすべて語ることはできない、ということを訴える作品だったね

亀「また、本作は役者陣も絶賛じゃな。

 特に今作の清原果耶は今年のベストヒロイン候補の筆頭であり、彼女を超える役者が出てくるとは思えん。

 映像的にも特別リッチなものではないが、工夫が凝らされており……ぜひとも鑑賞してほしい1作じゃな」

 

blog.monogatarukame.net

 

 

 

総評

 

では2月の総評としてはどうだった?

 

この5作品が飛び抜けておった印象じゃな

 

カエル「比較的小規模映画が続いたのかな?

 公開館数が100館を超えるような作品はないね」

亀「多くの人は『アクアマン』などを楽しんだようじゃが、わしにはイマイチじゃったからの。このあたりはアメコミ映画との相性の悪さが露呈した形とも言える。

 また、3月4月にも魅力的な大作が多くあり、そちらに回した作品も多かったということかもしれん。しかし、例年アカデミー賞関連作品もあり、意外と充実している2月という印象もあるかの」

 

カエル「そういえばアカデミー賞関連もないんだね……ギルティがちょっと惜しい部分があったくらいかな」

亀「わしはここで選んだ作品たちは、2019年のアメリカアカデミー賞作品に一歩も劣っているとは思っておらん。

 むしろ、こちらの方がいいと胸を張って言い切りたいくらいじゃな。

 もちろん評価基準なども違うし、個人の趣味が出てくる作品達ばかりじゃが……ぜひとも注目してほしいの」

 

 

 

3月の注目作品について

 

最後に3月の注目作について語りましょう!

 

もう3月も半分過ぎたがの

 

カエル「大作ものやアカデミー賞関連が続きますし、多くの方は『グリーンブック』や『スパイダーマン スパイダーバース』ってことになるのかな?

亀「邦画がほとんど無い印象なのがもったい無いかの

 それだけ洋画が多いということじゃが……

 その中でもアニメではは『レゴムービー2』に注目しておる。

 1作目が大傑作であり、順調に作品数を増やしているレゴシリーズ最新作じゃかならな」

 

カエル「アニメでは『ドラえもん』『映画のおそ松さん』などが注目になるのかな」

亀「それと実写ではイーストウッドの最新作の『運び屋』かの。

 近年の白人の歴史を体現して男ゆえに、骨太な作品になっておるぞ!」

カエル「2月も注目作品が目白押しです!」 

 

 

blog.monogatarukame.net

blog.monogatarukame.net

blog.monogatarukame.net

blog.monogatarukame.net