物語る亀

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物語愛好者の雑文

<漫画>『メダリスト』各巻の簡易レビュー

 

この記事はXに投稿した井中カエルの『メダリスト』感想まとめ記事になります

 

メダリスト(1) (アフタヌーンコミックス)

 

 

 

 

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作品紹介・あらすじ

作品紹介  

 

──人生ふたつぶん懸けて、叶えたい夢がある。

夢破れた青年・司と、見放された少女・いのり。
でも2人には、誰より強いリンクへの執念があった。
氷の上で出会った2人がタッグを組んで、フィギュアスケートで世界を目指す!

 

著者 つるまいかだ

 

 

↓公式サイトはこちらから↓afternoon.kodansha.co.jp

 


www.youtube.com

 

 

1巻感想

 

アニメ化も決まっているということでこちらを1巻読みましたが、めちゃくちゃ好きな作品ですね

フィギュアスケートを題材とした夢破れたコーチと11歳でコーチングをスタートする少女の物語です

キャラクターの感情がダイレクトに伝わってきて非常に楽しめたので、このまま全巻買おうと思います

 

 

 

2巻感想

 

 

まず構成がしっかりしているしキャラクターの役割もはっきりとしているので、TVアニメ化した時の構成も比較的やりやすそうだな、と感じました

 

2巻の前半部分が1つの山場なので、ここを4話か6話くらいに持ってくるのだろう、という憶測もできます

結構ゆったりとしたテンポでTVアニメは作った方がいいのかな? と感じています

 

1クールで3巻半ばまでだと少しテンポが遅いかもしれませんが、1クールだとしたらキリがいいところはここしかないのかな

 

何もできないと思っていた子が好きなスポーツを見つけて覚醒していくスポーツ話、大好きです

 

 

3巻感想

 

 

いやー……凄くいい作品ですね‼️( ´ ▽ ` )

フィギュアスケートと子どもを主人公にした作品としては絶対に避けて通ってはいけない部分もきっちりと描き、単に努力根性だけでは体がついていけないということを表現するのは、題材にも誠意があり素晴らしいです‼️

物語として1つの区切りではありますがここから先の大事なライバル紹介も兼ねていて魅力的なキャラクターに溢れているのも👌

漫画として表現する意義にも溢れているし内容も濃くて上手いしで文句なしです‼️

 

 

 

 

 

 

4巻感想

 

 

どこまでボクを好きにさせれば気が済むのか、とおもうような内容でした

選手であるいのりちゃんの成長がメインの描写でしたがもう1人の主人公にしてコーチの司の、教える側としての成長と苦悩を描いた4巻

そこに才能とサラブレットという期待の壁といういのりと真逆の理凰を配置することによって、さらに物語が深化していってますね

 

そしてこの作品、TVアニメ化するの、めちゃくちゃ大変だなぁ…
元々フィギュアスケートは芸術性も評価されるので映像表現が重要視されますが、ここまで読者に説得し納得させるフィギュアスケート描写が描けるのか、という点においても注目します

 

スポーツ漫画は難しいけれど上手くいったらとても爆発する作品だけに、TVアニメにも期待したいですね

 

 

 

 

5、6巻感想

 

 

光ちゃんというカリスマであり天才を追いかけるフィギュアスケート選手たちの気持ちが交錯する熱い大会です‼️


ボクはフィギュアは人気になってからTVでやっていたら観るくらいなので、感覚的な芸術的な魅力はなんとなくわかりますが、技術的な部分や、競技としての面白さの解説があってタメにもなりました

 

同時に光というカリスマに翻弄されていく面々と、それをあまり感じなかったからこそ近づけるいのりとの対比、そして徐々にいのりがカリスマ化することによって、かつて選手として大成できなかったコーチの司との対比もうまくできてきていますね

 

コーチ視点の物語として面白いですし、今後さらに加速していくのが感じられるいい5巻、6巻でした

 

 

 

 

7巻感想

 

 

パワーアップ回であると同時にコーチと生徒という師弟関係の形について考えさせられる話でした


多くのライバルたちを登場させながらも、最後にはラスボスたる光ちゃんの圧倒的存在感によってここからの波乱の大会を予感させられる、良い巻でしたね

 

 

 

8.9巻感想

 

 

 

 

8、9巻を読みました


ちょっと、言葉に詰まるほどに圧倒的に引き込まれ、こちらの感情の起伏が激しくなる見事なお話ですね

 

今作のテーマの1つが「才能」なんでしょうけれど、架空の漫画を読んでいるはずなのに、実際にフィギュアスケートに賭けていく少年少女たちを思うと、なんと華麗で残酷なスポーツだろう、と思わざるを得ません

 

すずの演技で熱を帯び、光の圧倒的な画力に基づく演技で圧倒され、美玖の演技に涙を浮かべ、いのりの演技で言葉を失うという感情のジェットコースター

 

架空の物語であるはずなのに、彼女たちの輝かしい才能と各人の物語の帰結に、胸が熱くなり感情がグチャグチャになった気分です

 

最後の2人の会話にこの作品のテーマの重さを感じると同時に、カリスマの中にある深い闇、そして闇の中にある圧倒的魅力にクラクラとしてしまいました

仕事柄媒体を問わず色々な物語を鑑賞しますが、ここまで作者が作品に情熱を込めていると感じることは年間1、2本でしょうね

 

手放しで絶賛します、ホントに凄い