2018年9月度の映画月間ランキングです!
9月は大変じゃったの
カエルくん(以下カエル)
「結構上半期に傑作が固まっていた、なんて意見が多い気がするし、7、8月は確かにそうかな? と思っていたら、まさかまさかの傑作揃いというね」
亀爺(以下亀)
「いやいや、これはランキング記事を作るのも大変じゃな」
カエル「しかも8月末公開の映画だけれど9月に鑑賞したり、また小規模映画だから見に行けたのが9月になってから、というのもあったけれど……本当に大変な一ヶ月間だったね」
対象作品
記事にした作品
『累』
『ネクストロボ』(Netflixオリジナル)
『響 HIBIKI』
『散り椿』
『クワイエットプレイス 』
公開3ヶ月以内の作品
『閃光少女』
以上14作品
記事にしていないが鑑賞した作品(公開3ヶ月以内)
『判決/2つの希望』
『寝ても覚めても』
『泣き虫しょったんの奇跡』
『いつも月夜に米の飯』
『愛しのアイリーン』
『バット・ジーニアス 危険な天才たち』
『フリクリ/プログレ』
『クレイジーリッチ!』
計22作品がノミネートです
9月は記事を書けていない作品でも傑作がたくさん!
鑑賞していない中での注目作品は
『きみの鳥はうたえる』
『1987、ある戦いの真実』
『ザ・プレデター』
『運命は踊る』
『世界が愛した料理人』
このあたりは見たいものの、この調子ではソフト化まで待つことになりそう。
同率5位の作品
どうしても選ぶことができなかったので、5位に相当する作品を4作紹介します
同率5位と考えてもらって構わんぞ
カエル「その4作品は以下の通りです!」
- 『アントマン&ワスプ』
- 『若おかみは小学生』
- 『散り椿』
- 『バット・ジーニアス 危険な天才たち』
亀「どれも非常に面白かった作品たちじゃな」
カエル「まず『アントマン&ワスプ』は数あるMCU作品の中でも最も好きで、しかもゲラゲラ笑える面白い作品だったという評価です。マイナスポイントとしては、若干大味すぎる面があったかな?
『若おかみは小学生』は……世間では大絶賛されていますし、その作画技術をはじめとしてスタッフやキャストの巧さを最大限認めつつも、個人的な信条では疑問に思う面もあったため、この評価となっています」
亀「『散り椿』は現代屈指の時代劇であり、その美しさや岡田くんの殺陣なども含めて見所が多かったものの、中盤、少しだれてしまったのが気になるかの」
『バットジーニアス』は抜群に面白く、サスペンスとして非常に優れているものの、若干遣り過ぎとも思う箇所もあり、それが気になった形じゃな」
カエル「いろいろいっていますが、どの作品も他の月なたば5位以内どころか3位以内に入るほど満足度の高い作品ばかりです。
それだけ9月に鑑賞したした作品はレベルが高かったと受け止めてください」
亀「もちろん、どれも一見の価値ありなので、ぜひとも鑑賞してほしい作品じゃな」
第4位
判決 ふたつの希望
作品紹介・あらすじ
第90回アカデミー賞にてレバノン映画として初めて外国語映画賞にノミネートされた作品。
監督のジアド・ドゥェイリが自身の体験を交えて制作された作品であり、混迷を深める中東情勢の現実と、その希望を鮮やかに描き出す。
レバノンの首都、ベイルートにてキリスト教徒であるレバノン人の男性、トニーの自宅付近を工事していたパレスチナ人の現場監督のヤーセル。工事の最中にトニーーの自宅のベランダから垂れる水漏れが気になってしまい、修理を申し出るが断れれてしまう。
その些細なトラブルから2人は口論となり、法廷へと舞台をうつすことになり、やがて国を揺るがす大事件へと発展していくのだった……
中東情勢について知っているようで実は何も知らないと痛感したよ……
不勉強ゆえに意味がわかっておらんシーンもあるが、大事なことを描いた作品じゃな
カエル「日本では中東情勢というと、いろいろともめていることは知っていても、パレスチナとイスラエルの諍いだとか、シリアの問題などで止まってしまって……でも、実は報じられない部分にもたくさんの難問があるんだよね」
亀「わしなどは鑑賞している最中、わからん部分もあった。
それなりに複雑な話ではあるが、難民や歴史の諍いの物語とみると、これは中東だけの問題ではないの」
カエル「こういう話を聞くと『小難しい社会派の映画か』と思われそうだけれど、それは間違いです!
本作は確かに社会派な一面もあるけれど、裁判のシーンなどは手に汗握るほどの緊迫感があり、エンタメとして楽しめる作品でもあります!
亀「社会性、メッセージ性、娯楽性……そのどれもが非常に巧いと唸らされた。
これほどの完成度を誇る作品はそうそうないので、ぜひともオススメしたい作品じゃな」
第3位
閃光少女
作品紹介・あらすじ
中国の伝統的な民族音楽を学ぶ少女たちが、同じ学校内の西洋音楽部との対立しながらも、友情や奮闘を描いた青春音楽映画。
低予算映画の活性化と若手育成を目的とした上海国際映画祭メディア大賞で、最優秀賞の他、主演女優賞などの主要5部門を受賞した。また日本のアニメや漫画、中島美嘉が中国語楽曲を提供するなど、日本文化を用いた演出も話題に。
高校の伝統音楽部に所属するジンは、西洋音楽部でピアノを弾くイケメンのワン先輩に恋をするが、全く相手にされない。ワン先輩に伝統音楽の魅力を伝えるべくバンドを組もうとするが、メンバーになってくれる生徒はなかなか見つからなかった。
部活仲間のヨウと考えた結果、寮のある一室に暮らす女の子たちの存在を思い出す。学校でも異端視されているコスプレイヤー集団と共に伝統音楽のバンド”2,5次元”を結成したのだが……
小規模映画なのが勿体無い! これは多くの人に見てほしい大傑作!
エンタメ青春オタクアイドル音楽映画として素晴らしい完成度じゃったの
カエル「もう、モリモリ全部のせなのにそれが過剰ではないというか、うまくまとめられているんだよね!」
亀「アイドル映画として、青春映画として、音楽映画として、もっと高く評価する作品もあるにはある。今作がそのジャンル単体で見たら、抜群に抜けている訳ではないかもしれん。
しかし、その上記の要素を満遍なく内包しつつ、これだけの完成度を誇る作品というのはそうそうないじゃろう」
カエル「本当に小規模公開なのがもったいない作品で、多くの人に支持されやすいエンタメ性を発揮しています!
ソフト化や配信もされるかイマイチわからない部分もありますが、ぜひ機会があれば鑑賞してください!」
第2位
パパはわるものチャンピオン
作品紹介・あらすじ
板橋雅弘、吉田尚令による絵本『パパのしごとはわるものです』『パパはわるものチャンピオン』の実写映画化作品。
監督は35歳と若手の映画監督である藤村享平が脚本も担当する。
主演は日本有数のプロレス団体、新日本プロレスのエースとして活躍する棚橋弘至が初主演を務め、その他の人気レスラーが多数参加。迫力のあるプロレスの試合シーンにも賞賛が集まる。
かつては人気レスラーだった大村考志は怪我の影響もあり、悪役覆面レスラーゴキブリマスクとして活動する日々を送っていた。しかし、悪役レスラーということもあり、一人息子の祥太にはそのことを伝えることができないでいた。
ある日、お父さんの仕事を調べてくるという学校の課題のため、父の後を追っていき、その仕事を知ってしまう。恥ずかしさと見栄から、父親は人気の善玉レスラーだと嘘をついてしまい……
これぞプロレス! 悪役を愛する気持ちが込められている!
試合シーンは当然のことながら、様々な要素が完璧に絡んだ作品じゃな
カエル「親子物語でもあるし、お仕事ものでもあり、格闘技ものであり、プロレス映画でもあり……そのいい所を美味しいどころばかりを集めた、見事な作品だったね!」
亀「鑑賞中は何度も涙を流してしまうほどの衝撃があり、特に中盤以降はずっと泣いているような状態じゃった。もちろん、そこまで悲しい物語ではないのじゃが……胸を熱くするものが詰まった作品じゃな」
カエル「そして何度も語るけれど、プロレスの試合シーンが本当に最高です!
考志をはじめとした登場人物たちの葛藤やラストシーンが激しく胸を打つ作品となっています!」
亀「プロレス映画というと、わしはミッキーローク主演の『レスラー』を思い出すが、あちらは大人向けの過激な表現も多かった。
しかし今作はそこまで過激な暴力描写などは少なく、一般的なプロレスの試合として鑑賞することができる。流血もないため、子供にも安心して見てもらえる作品じゃろう。
ぜひ、家族で見て欲しい作品じゃな」
第1位
累
作品紹介・あらすじ
松浦だるまの同名原作漫画を実写映画化した作品。
監督はテレビドラマ作品などを多く手がけ、映画では『キサラギ』『脳内ポイズンベリー』などの佐藤祐市が務める。脚本は実写、アニメを問わずに活躍する黒岩勉。
主人公の顔に大きな傷を持つ天才役者の累役には芳根京子、美貌に恵まれながらも難病を抱えるニナを土屋太鳳が演じ、2人が不思議な口紅でキスをすると顔が入れ替わり、コロコロと役が変わりながら演じ分けている。
浅野忠信、横山浩、檀れいなどが脇を固める。
顔に大きな傷を持ち、親族からも邪険に扱われていた少女、累(芳根京子)の元に芸能プロダクションに務める羽生田(浅野忠信)が訪れる。彼が紹介したのは、飛び抜けた美貌を持つが役者として伸び悩むニナだった。
不思議な口紅を使って顔を入れ替えた累は、ニナとして芸能界を卓越した演技力でのし上がっていくのだが……
大激戦の9月を制したのは累です!
今年の主演女優賞は決まったかもしれん
カエル「何と言っても土屋太鳳と芳根京子の圧倒的な演技力と魅力だよね。
極端な話、この映画はこの2人だけ見ていればそれでいいんじゃないか? と言ってしまいたくなるほどで……」
亀「もちろん、他の役者がひどいというわけではない。一定の水準以上の演技を披露して、なおもこの2人が全てを飲み込んでいったという圧倒的な魅力を発揮しておる。
主演女優として累とニナという二役とはいえ、二人一役みたいな部分もあるので、少し他の映画とは基準が違うじゃろうが……イヤイヤ、これ以上の演技を期待するのは難しいのではないか?」
カエル「もうゲキはまりしたもんねぇ。
何度でも劇場で観たい! と思わせるものがあって……」
亀「特に終盤のシーンをはじめとして、劇場だからこそ魅力のあるシーンも多かったの。
まだ公開している劇場も多いはずなので、ぜひとも鑑賞して欲しい1作じゃな」
総評
9月の総評になります!
本当に傑作ばかりで大変じゃった……
カエル「結構映画ファンの中では『上半期に傑作が固まりすぎていたから、下半期はイマイチかなぁ』なんて声もあるけれど、個人的にはこの1ヶ月間で年間ベスト10を大きく塗り替える傑作ばかりに遭遇していたね」
亀「今月は比較的鑑賞した作品が多いのもあるじゃろうが、これほどの作品がたくさん出てきたのも、あまり記憶にない。
また、この月は『上手いのにノレない』だったり、信頼する映画ファンが絶賛する映画を楽しめなかったりと、少し残念に思う作品も多かった印象じゃな」
カエル「具体的には
- 寝ても覚めても
- 響
- 愛しのアイリーン
- 若おかみは小学生
- クレイジーリッチ!
このあたりの作品は、個人的な信条だったり、趣味が作品評価に大きく影響してしまったかなぁ。浮気などの恋愛を扱った作品や、家族を描いた作品は描き方1つでノレなかったりするということが、よくわかったよ」
亀「家族や恋愛以外の大きな愛などをテーマにするとハマる時は年間ベスト10クラスにハマるんじゃがな。
累も大きな愛と執着について語った映画だということでハマりもしたんじゃが……上手さや良さはわかる部分もあるだけに、悔しい思いをしたかの」
カエル「でも”賛否両論分かれるくらいの方が物語としての意義が大きい”という考えだから『つまんない、なんとも思わない』というよりはだいぶいいのかな」
亀「良くも悪くも心を刺激する作品が多かったの」
まとめ〜10月の映画について〜
カエル「では、最後に10月の映画について語りますと……大作は少ない印象かなぁ。寡作という話もちょいちょい聞こえてくるけれど……」
亀「しかし、わしは大忙しじゃよ。
10月は『モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ』をはじめとして、アニメ映画が非常に多い。
『魔法少女リリカルなのは』『REゼロから始まる異世界生活』などの深夜アニメの劇場作品や『スモールフット』『モンスターホテル』などもある。
『はいからさんが通る〜後編〜』や、これは扱いが慎重になるが『宇宙の法〜黎明編〜』も気になるの」
カエル「何よりも『HUGっと! プリキュア』の劇場版も上映されます!
他にも実写映画も『ここは退屈迎えに来て』は大好きな橋本愛ちゃんが主演など、個人的な注目の作品は実は多いんだよね」
亀「さらに映画祭シーズンでもあるから……いつも以上に忙しい日々を送ることになりそうじゃな」
カエル「下がりがちな更新頻度を上げることができるのか?
そこも含めて、頑張っていきましょう!」