亀爺(以下亀)
「少し遅れてしまったが、いよいよ発表の瞬間じゃの」
ブログ主(以下主)
「これより、物語る亀で賞、2017年上半期映画部門作品賞の発表です!!」
カエルくん(以下カエル)
「この賞は2017上半期に公開された新作映画の順位をランキング形式で発表していきます。
上半期は洋画を中心に素晴らしい作品が多く、他の方のランキングを見ても『この作品もいいよなぁ』と迷う一方です」
亀「2017年に劇場で鑑賞した作品は101作その中で記事にしたのは……ほぼ2/3というところかの?
今回ノミネートしている作品は毎月発表している各月ランキングでノミネートした作品であり、2016年末公開の『アイ・イン・ザ・スカイ』なども候補に入るが、公開は上半期じゃが、7月に鑑賞した『私はダニエル・ブレイク』『人生フルーツ』は除外とさせてもらったぞ」
主「最初に言っておくと見ていない中でもランキング入りしそうな作品は……『イップマン継承』『ナイスガイズ』『ありがとうドニ・エルドマン』などになるのかな?
それから『クーリンチェ少年殺人事件』も気になるなぁ。リバイバル上映だけど入れている人はかなり高評価なんだよね。長いけれどさ」
カエル「公開初日に観に行こうか迷っていたけれど、長いからねぇ……見たいことは見たいけれど、4時間はつらいよねぇ」
主「名画なんだろうけれどねぇ。映画館で見たいけれど……もしかしたら年間ランキングには登場するかな?
というわけでランキングスタート!」
20位から16位まで
第20位
劇場版黒執事 Book of the Atlantic
第19位
ジーサンズ はじめての強盗
第18位
メッセージ
第17位
アイ・イン・ザ・スカイ
第16位
タレンタイム
亀「さて、まずは20位から16位までをざっと紹介したが……この中で注目を集めるのが20位の黒執事と18位のメッセージかの? 特にメッセージは順位が意外と伸び悩んだ印象じゃな」
主「そちらに関しては総論で説明しようかな。
まず、20位の黒執事は当然ファン向け映画であることは間違いないけれど、黒執事の人気エピソードの劇場版ということもあって、かなり楽しめたんだよ。
男女ともに楽しめる内容で、見所も3箇所ほどしっかりと用意されていたし、もちろんキャラクター描写も良かった。作画がそこまでレベルが高いというわけでもなかったけれど、力を入れるシーンはグリグリと動かして面白かったよ」
亀「あとは……タレンタイムがこの順位か」
主「アイ・イン・ザ・スカイもタレンタイムもいい映画だよ。
まず20位以内に入るだけでもすごいから! ここから漏れた作品を発表したら、多分大バッシングが来るかもしれないな」
15位から11位まで
第15位
哭声 コクソン
カエル「コクソンがこの位置かぁ」
主「正直趣味じゃないし、もう1度見たいか? と問われると返答に困っちゃう。そんなに何度も見たい娯楽作ではないし……だけど、本作の工夫に満ちた演出と、多くの意味が混在している脚本構成、何が正解かわからないのに、その謎に包まれているのがむしろ快感であるという話作りなどを考えたらこの評価になります」
カエル「うまい映画であり、印象に残る映画であるのは間違いないからね」
第14位
帝一の国
カエル「Twitterのランキングでも邦画の中では1番評価されていたんじゃないかな?
圧倒的に面白いエンタメ満載だし、キャラクターも立っていて、男の子はカッコよく、女の子は可愛らしくてしかも男女両方に受けるように作られていて!」
主「そのエンタメ性の中にも現代の政治に関する風刺であったり、メッセージ性が込められていた。面白いだけのコメディではないということに、今作の多くの人に響く力強さが込められていたんじゃないかな?」
第13位
チアダン
カエル「……これは賛否が吹き荒れそうな意外な選出になったんじゃない?」
主「確かに多くの人が指摘するように、演出面でのダメさもわかるし、相性があるのもはっきりわかる。自分はなぜか開始10秒で『この映画好きかも』って思ったけれど、多分逆に開始10秒で『この映画はダメだ!』と思う人は全然ダメ。
だけど本作が提示したチアダンス、つまり誰かを応援するというテーマとキャスティングや多くの工夫が見事に一致したという印象もあるんだよ。細かいことは記事を読んで欲しいけれどさ」
カエル「あとは2017年に誕生した多くの賛否を巻き起こす若者向けスイーツ映画を代表してこの順位という意味合いもあります」
第12位
ハクソー・リッジ
カエル「6月No,1の評価だったハクソー・リッジでTOP10入りならず!」
主「いや、いい映画だよ? ただ上位が強かった……ハクソー・リッジですらこの順位に落ち着いてしまうというのが上半期の恐ろしさでもある。
もちろん多くの人が絶賛する演出面も高評価だし、これは日本人には特に響く内容になっている。くだらない政治うんたらなんか放っておいて、まずは劇場で鑑賞してほしいね」
カエル「上半期の戦争映画だと今作と、あとは17位の『アイ・イン・ザ・スカイ』がすごく良かったね。まあ、戦争映画自体がそんなに多くなかった印象もあるけれど……」
主「演出効果の派手さでハクソー・リッジが上に来たけれど、現代の戦争という意味では『アイ・イン・ザ・スカイ』ももちろん必見の作品に仕上がっているので、DVDもレンタルされているので是非鑑賞を!」
第11位
3月のライオン(前後編)
カエル「当ブログでは大絶賛した3月のライオンも惜しくもTOP10入りを逃しました……」
主「ライオンはTwitterランキングでもほとんど入っていなかったんだよね。まあ、長い上に前後編だからわからないことはないけれど……
こちらも賛否が上がっているし、邦画の苦手なところ……過剰な演出や説明台詞もあるけれど、3月のライオンという原作の実写映画としては絶賛の1作に仕上がっていると思う。普通でいることができなかった少年たちが、好きとか嫌いとかいう次元すらも超えて自分の道を選び歩む……その姿に胸が高鳴った。
羽海野チカの漫画版は『女性による3月のライオン』ならば、大友監督による本作は『男性による3月のライオン』に仕上がっているという評価です」
ここまでを振り返って
亀「さて、1度この順位を振り返ってみるとして……おそらく多くの人がチアダンとライオンの高評価に驚き、ハクソーリッジ、コクソンが伸び悩んだの」
主「上位が強いというのもあるけれどね。もちろん、万人にオススメするならハクソーリッジやコクソンが無難だと思う。チアダン、3月のライオンは大作邦画のダメなところも多々抱えているし、完成度は高いわけではない。
その欠点を抑えてあまりある長所があるんじゃないか? という評価でこの順位。でも人によるのもわかる。特に3月のライオンは自分が漫画、アニメも記事にするくらいに大ファンだから好意的に見ているのは間違いなく有るし、それは否定できないから」
カエル「まあ、一応個人が選んだランキングだからということで……みんなが選んだランキングだとTwitterランキングを見てね! といえばいいわけだし」
亀「しかし、こうしてみると邦画も悪くない勝負をしておるようにも見えるの。
やはり上位に食い込むことができないだけで、悪い映画ばかりというわけではないということかの?」
カエル「それもあるんじゃないかなぁ? 特に今年は洋画が強い上にキャラクター映画も多かったから、そっちに票が集まるのもわかるし……
ではここからはいよいよTOP10の発表に参ります!」
10位から6位まで
第10位
劇場版ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-
カエル「おお! ここでアニメ映画が来た!」
主「個人的には本作は過小評価されている印象がある。もちろん、映画好きが見るようなタイプのアニメ映画ではないし、キャラクター物であり原作やアニメが先行してあるから手を出しづらいのもよくわかる話ではあるけれど……
本作は昨年大ヒットした『君の名は。』にも匹敵する映像の豪華さと音楽との融合、高揚感をあたえてくれる作品だと思う。
伊達に世界33億円の売り上げを誇ったわけではないよ」
カエル「アニメ版も原作もほとんど見たことがない、シリーズ初見の状態でもすっごく楽しめたからねぇ」
主「もちろん良い音質で聴いたこともあるし、岩浪音響監督が現地の映画館に出向いて調整したというのもあるけれど、その意義がはっきりあった作品だろう。
できるだけ多くの人に、映画館の良い音響で鑑賞してほしいな」
第9位
真白の恋
カエル「小規模公開の邦画がランクイン! 多くの人が見ることが難しい規模の映画だったけれど……」
主「もったいないよなぁ。
坂本監督の故郷、富山に寄せる思いと脚本家の北川亜矢子が個人として抱えていたテーマが見事に結びつき、映像的にも物語としても素晴らしい1作に仕上がっている。
邦画では倦厭されがちなテーマだけど、それに臆することなく真正面から描き、しかも有意義な作品に仕上がっている。極端な善人も悪人も当たり前の普通を描いた作品だ。だけど、その当たり前で普通のことって1番描き出すのが難しかったりすんだよ。
自分は本作は『日本のムーンライト』になれるポテンシャルを秘めているすら思うね」
カエル「実は坂本監督が記事に言及してくれたことで、このブログではTOPのリンク数を誇るのもこの記事だったりします」
主「もちろん坂本監督や北川さん、公式さんの支援もありがたいけれど、それ以上にこの映画が広まって欲しいと願う人々が非常に多いということでもある。
第9位って低いようだけど、大ヒット映画や予算が潤沢な映画と比べての9位です。これは本当に素晴らしいことだと思います」
第8位
ラ・ラ・ランド
亀「2017年度の主役と言っても過言ではない映画がこの順位になったの。
賛否は別れておって議論の尽きない作品でもあるが、TOP10を集計しておった時でも、多くの人が10位以内には入れていたりと大きな影響を残したことは間違いない」
主「そうねぇ。自分はちょっと好みから外れるかなぁ、という思いもあったんだけど、やはり2度鑑賞してしまったし、この映画の冒頭をパロディにしたゴールデングローブ賞のOPの何度も再生していた。
やっぱり中毒性が強いんだよね。音楽も最高、ミュージカルとしても面白くて、オマージュもたっぷり。しかも映画監督が映画について語った映画でもあり、表現論としても面白い。
文句なしのTOP10入りでしょう! 自信を持ってオススメできる1作です!」
第7位
夜明け告げるルーのうた
亀「そして湯浅政明の最新作じゃの。5月度のランキングではTOPを獲得しておったが、この順位に決まったの」
主「……6位と本作はほぼ同列の評価だけどね。興行的には苦しい思いをしたようだけど、海外で賞にも輝くなど高い評価を受けた。Twitterのランキングでも入れている人も多くて、見た人の満足度は高い1作だ。
粗があるという意見も散見されるし、それもわからなくはないんだけど、それを補って余りある湯浅監督の思いに心を打たれた」
亀「誰よりも優しい物語、と評価をしておったからの」
主「『好きなものを好きといおう!』『夢を追いかけよう!』というテーマって今ではすごくありふれたもののように思える。確かにそれはそうなんだけれど、それを語るのがそれまで王道とは違うアニメを作り続けてきた湯浅政明であり、本作もその作家性が強く出ている。
人とは違うことをやってきた、画面を10秒見るだけで湯浅作品だとわかるほどの強い個性を持つ人が『好きなものを好きといおう!』といえば、それは素晴らしい説得力を生むわけだ。その意味でも価値のある作品だろうな」
第6位
SING
亀「こちらも7位と同じようにアメリカが生んだ音楽アニメーションの傑作じゃの」
主「ルーとSINGはほぼ同じような評価だよ。
こちらも音楽と映像の融合が素晴らしく、誰もが楽しめる作品に仕上がっている。でも社会的メッセージ性も非常に高くて、それぞれの動物が何のモチーフなのか? ということを通して、本当に夢を追わなければいけない人が夢を追えないという現状を暗喩していた。
ここもルーと同じだよね」
亀「ルーも人魚の意味などに暗喩として活用することにより、アニメでしかできないメッセージ性も抱えておったからの」
主「ディズニー/ピクサーは本当の意味で万人向けな……教育的配慮に行き届いた作品を作り続けているのに対して、イルミネーションは少し悪い奴が主人公であったり、道徳的に若干の問題のある作品を作り続けている。まあ、クレヨンしんちゃんくらいで少しお下品とか、少し悪い奴が主人公とか、子供向けとして成立するレベルだけどね。
教育的に配慮しすぎるアニメが出ている中で生まれた、イルミネーションの個性がはっきりと出た作品になったんじゃないかな?」
TOP5の発表!
第5位
キングコング〜髑髏島の巨神〜
カエル「ここで登場、キングコング! 3月度でTOPの評価の作品だけど、特撮好きにはたまらない作品でもあったねぇ」
主「間違いなく上半期瞬間最高風速はこの映画のラストシーンだった!
まあ、冷静になって考えると、これはキングコングの評価なのか、あいつへの愛なのかわからなくなるというのも事実なんだけれど……」
カエル「あのラストはトンデモナイものがあったからね。この先どうなっちゃうの!? それってあり!? ってなったし」
主「でも特撮映画としても優れていて、確かに面白いし怪獣大バトルというシンゴジラトはまた違うもう1つの特撮怪獣映画の流れを汲んでいるよね。
しかもちゃんとした怪獣映画に仕上がっているし、抱えているテーマも『アメリカと日本』というかつて世界を揺るがす大戦争を行ってきた2カ国だからこそ作ることのできる映画になっている」
第4位
マンチェスター・バイ・ザ・シー
カエル「ハリウッドでも主演男優賞と脚本賞の2冠を達成、ここ最近小規模公開映画のは主役と言ってもいいくらいに語られた映画だね!」
主「本作は圧倒的だったなぁ……全てにおいて意味がある、1カットも無駄がないと思うシーンばかり。確かに地味なようだけど、1つ1つの小さな、何気ないカットでも複雑な意味がある。
それは演出だけではなくて、役者の演技も奥行きがあり多種多様な受け取り方をできるんだよ」
カエル「ハリウッドが認めたというのもよく分かる作品だよね。ルーの時に優しい物語って表したけれど、この映画は誠実な映画とでもいうべきなのかな?」
主「誰もがそういう印象を抱くと思う。物語って葛藤があって、それを乗り越えるものなんだけれど、誰も彼もがすぐに、簡単に葛藤なんて乗り越えられるものではない。その苦しみを一生抱えながら生きるという選択肢も……あるんだよ。
その生き方すらも描きながらも、だけど希望は決して失われない……人生賛歌としても最高の作品になっているんじゃないかな?」
第3位
僕と世界の方程式
カエル「部門賞では脚本賞を受賞した作品がここで登場だね。1月公開でもここまで高評価だというのは、結構すごいことだよね」
主「どうしても最近見た映画が印象が強くなってしまう中でも、1月公開で1番の評価を与えた本作だけど
……何が素晴らしいって、圧倒的な完成度だよ。
色々な映画の味ってあるけれど、今年見た映画の中でも屈指の完成度を誇ると言っても過言じゃない。特に脚本の緻密さ、複雑さ、テーマ性、メッセージ性は圧倒的!
ここまでのレベルの映画となると……そうそうないんじゃないかな?」
カエル「どこが優れているのか具体的には記事を読んでもらうとして、ざっくり語るとどんなところなの?」
主「本作は自閉症について扱った映画だけど、どうしても我々一般人が抱えがちな『自閉症=天才』という方程式からの脱却を見事に果たしている。だけど、そんな病気だけがテーマではなくて、世界は数学に満ちているということも映画として見事に表現されている。
そして本当の勝利とはなんなのか? 本当に重要なことは何か? それが見事に物語に説得力を持って提示されたことが圧倒的に素晴らしいね」
第2位
光
亀「これは賛否のはっきりと分かれる映画かもしれんの……
カンヌでも評価された河瀬監督の作品が2位の評価じゃな」
主「圧倒的に素晴らしいよ!
演出面が尖っているし、光っている。今作は視覚障害者向けの映画の音声ガイドを制作するお話なんだけれど、映画を通して視覚障害者の世界を描いているのはもちろん、視覚障害者がどのように映画を見ているのか追体験できるんだよ!
映画において目をつむって鑑賞したいと思わせられたのは初めての経験だった。もしかしたら、一生味わうことができないかもしれない」
亀「そしてもう本作は映画の音声ガイドをテーマにすることで、映画や表現について語るという作品になっておるの」
主「そこも刺さったんだよねぇ……映画監督が映画について語った場合って名作になりやすいけれど、本作もまた同じ。多くの思いが詰め込まれていて、それがこちらにもはっきりと伝わってきた。
ぜひ音響の良い、小さな音すらも聞き逃さないように映画館で鑑賞してほしいな」
第1位
静かなる叫び
亀「そしてカナダでは2009年公開であり、向こうでは大絶賛された『メッセージ』のヴィルヌーブの作品じゃの。日本での公開は今年じゃから、今回は1位に選出したぞ」
主「本作は立ち上がれないくらいの衝撃があって……しばらくずっと考えていた。
これは部門賞でも語ったけれど、演出能力が圧倒的に優れている。現代において最も素晴らしい映画の演出表現をしているのは、もしかしたらヴィルヌーブなんじゃないかな?」
亀「引き算の演出が際立つという評価じゃの」
主「他の大作映画がCGを派手に、豪華に、音楽を使って楽しく、セリフを説明して物語をわかりやすくして、さらに構成などもしっかりと練って爆発シーンなどでドラマ性を持たせるように作り上げている中で、本作はどんどんマイナスの演出を重ねていった。
セリフも極力カットして、音楽も少なく、銃を撃つシーンはあれでも爆発やCGなどもない。そして果てには色を失わせ、尺も必要最低限のものにした。ではそこで何が生まれたのかというと……人間の持つ本来の美や尊厳であり、それを奪っていく恐ろしさであり、そして男と女の性の業であり、ひいてはそれが物語となる。
これは映画表現の1つの究極の形なんじゃないかな?
他の大作映画が派手であればあるほど、豪華に、楽しくあればあるほど、本作の異様な完成度が光り輝く……そんな映画だよ」
総評
カエル「というわけで、ヴィルヌーブの2009年の作品が1位に輝きました!」
主「なんで『メッセージ』が少し伸び悩んだのか? と言われると『静かなる叫び』の衝撃があまりにも凄すぎたからだよ。自分は『メッセージ』に『静かなる叫び』と『灼熱の魂』を超える衝撃を期待していたんだけれど……さすがにそれは無茶ぶりすぎた」
カエル「まあ、1位の作品を超えろって中々難しいよね。
みんながハードル走をしている中で、ひとりだけ走り幅跳びのバーを設定されているようなものだし」
主「飛びこえたらトンデモナイ作品になっただろうけれど、それはさすがに……
でもヴィルヌーブらしさには溢れていたんじゃないかな?」
亀「TOP10を見ると実写邦画が2本、アニメが日本作品2本、アメリカ作品の1本の計3本小規模公開あり、大作映画ありのバランスの整ったものになったの」
主「別にそれを狙ったわけではないけれどね。今年は邦画は小規模公開映画にいい作品が多かった印象だな。大作映画は一部以外はちょっとイマイチで……これは趣味もあるだろうけれど、アイディアやいい監督はたくさんいるのに、それがイマイチ生きてこない印象がある。
大きい作品では『真白の恋』と『光』は絶対できないしなぁ」
亀「まあ、売れるかどうかは別じゃからの。どうしてもこうなってしまうもので……小規模公開映画だからこそできる映画だということもできるしの」
主「難しいのはわかるけれど、こういう作品を海外に打ち出していかないと邦画は先細りする一方だと思うけれどなぁ」
亀「あとは説明しておくと、脚本部門の1.2位が3位と4位に、演出部門の1、2位がそのままランクインじゃな。ある意味では順当といえば順当かもしれん。
下半期もどのような作品があるのか楽しみじゃの」