物語る亀

ネタバレありの物語批評

映画『ハクソー・リッジ』感想 沖縄を舞台とした激戦に銃を持たない兵士がいた……

亀爺(以下亀)

「今回はハクソーリッジの話題じゃが……何だか久々の重厚な戦争映画な気がするの……もしかしたら、このブログでは第二次世界大戦の戦争描写の激しい実写映画を扱うのは初めてかもしれんな」

 

ブログ主(以下主)

「あ〜〜……確かに。好きか嫌いかで言ったらむしろ大好きで、公開していたら大体見に行っていたような気もするけれど……最近はご無沙汰だった気がする。

 まあ、面倒くさいタイプの映画だしね

 

亀「面倒くさい?」

主「第二次世界大戦なんて政治的スタンスによって全く見え方が変わるものだから、右の人からも左の人からも文句が出ないような作品を作るのは非常に難しい。あとはリアリティや史実を重視するタイプもいるし……

 特に本作は沖縄戦を舞台にしているけれど、もうこれだけでややこしい。さらに米軍関係やら基地がうんたら、地元住人が……と様々なことがあるから、自分が宣伝担当だったら出来れば断りたいタイプの映画だね」

亀「今作も宣伝が色々と物議を醸しているの。宣伝で縄の名前がほとんど出てこないとか、ダチョウ倶楽部を起用したとか……」

 

主「別にどうだっていいと思うけれどね。

 大体、宣伝に文句を言う層っていうのは何もしなくても見に行くんだよ。好きで調べて、どんな映画か何となく知っているから『イメージと違う!』って怒るわけで……

 大事なのはこの手の映画を観ない層にどう訴えかけるか? という問題で、いい作品だから売れるなんて簡単な話じゃない。

 その中でも取っつきやすいようにライトな宣伝をうつのも大事なことだと思うよ」

亀「若者がデートに映画を観に行く時に『ハクソーリッジ』を観よう! となるとしたら相当映画が好きか、歴史に興味があるかであって……普通はこの映画は選ばないじゃろうからな」

主「なんで『美女と野獣』があんな大ヒットしたのか? って言ったら、やっぱりライトな層が見に行きやすいからだよね。そういう人たちにアピールするならばダチョウ倶楽部でもいいよ。

 とにかくまずは観てもらわらないと!

 あと、沖縄の重要な日である『慰霊の日』の次の日を公開日にしたところに、やはり宣伝担当者や配給会社の人たちの思いって現れているんじゃないかな?」

亀「というわけで、そんな色々と語るのが面倒くさい戦争映画の感想記事の始まりじゃ」

 

 

 

 

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1 感想

 

亀「では、まずはネタバレなしの感想から入るとするが……本作は2017年のアカデミー賞作品賞でもノミネートされておることからもわかるように、ハリウッド映画の中でも屈指の出来栄えであるのは間違いないの。

 特に他の作品がミュージカルであったり、ヒューマンドラマが多い中で、今作は唯一……と言っていいのかは全て見たわけではないのでなんとも言えんが、爆発も多い戦争映画でもある」

主「多分1番派手な作品になるんじゃないかな? わかりやすくお金をかけているというか、戦場の爆発シーンであったり、戦闘シーンというのは圧巻の一言。

 絶賛ですよ!

 もちろん、史実を基にしていることもあって色々なツッコミをする人もいるかもしれない。確かに一部の日本人の描き方……というか会話かな? に疑問を持ったところもある。なんというか……テンプレートの話し方だなぁという思いはある。『グランドセフトオート』というゲームでヤクザが出てきたとき『なんだこのやろう!』ってセリフがあるんだけど、それと全く同じでちょっと笑ったよ。

 その意味では日本側の描き方はちょっと甘いというか、人数なども含めて過剰かな? と思うところもある

 

亀「それもそこまで決定的に映画の味を損なうものではないがの」

主「あとはちょっと観た感想では『沖縄戦に巻き込まれた一般住民について全く描かれていない』という意見もあって、確かにそれも納得する。その意味ではリアルな戦争描写かというと、必ずしもそうとは言い切れないのは認める。

 だけど、そんなこと関係なしに戦争映画として素晴らしい出来栄えなんだよ。本作の肝になるところはネタバレありで語っていくけれど、アカデミー編集賞に輝いた圧倒的な映像センスとグロテスクな描写、そして録音賞に輝いた戦闘の音……それらが複合した時見えてくる戦場の残酷さ、恐ろしさ……

 そんなことが問答無用に伝わってくる」

 

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彼らが昇る断崖絶壁のハクソーリッジ

(C)Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

 

過激なグロテスクな描写

 

亀「本作はPG12となっておるが、これも映倫仕事をしろ! と言いたくなるものかもしれんな。わしは小学生がこの映画を見たいと言い出した時、見せるべきかは少し考えてしまう

主「保護者同伴なら……というけれど、相当リアルな戦闘描写と負傷兵などの描写をしているからね。

 例えば怪我をした人を治療するシーンでは、足から血がピュッと飛び出す。それがとてもリアルな吹き出し方で、人間が怪我をした時は本当にこのような血の出方をするのかもしれないと思わせるものだった。

 もちろん戦場の描写はその比ではない。四肢の欠損した者、体が焼け焦げた者などのたくさんの兵士が当然のように描かれる。そんな人たちを救出するお話だからね。

 極め付けは内臓がそのままの形で転がっていたり……あのシーンはあまりのリアリティに『うわぁ……』って嫌な声が出てしまったほどだ」

 

亀「しかも死体がたくさん出てくるわけじゃが、激戦じゃから埋葬などできるはずもなく日米の兵士が野ざらしになっておる。ということは当然のように腐敗していくわけで、その様子などもリアルであったな。

 もちろん、わしはリアルな死体が朽ちていくところなど見たことはないが……おそらくこのような形で腐敗するのだろうと、容易に想像出来るものじゃった」

主「その意味では本当に地獄を描き出していて……監督のメル・ギブソンは何と言っても『パッション』でキリストが拷問されるシーンをこれでもかと撮影し、それを鑑賞したクリスチャンのお婆さんがショックで亡くなったなんて言われているほどだ。

 今作はそのような描写は抑えられているけれど、それなりにきつい。戦闘が始まってあるシーンなどは『これは子供が見たらトラウマになるんじゃないか?』と思うほどの戦闘シーンだったからね」

 

亀「その意味ではあの戦争の地獄という部分を見事に描いたと言えるの。ただ、それを見せるのは……この言い方はちょっと突き放しているようじゃが、自己責任でお願いします、というところかもしれん」

主「もっときついグロ描写の作品はたくさんあるけれど、この作品は史実を基にしているだけ合って精神的にくる作品だからね……沖縄戦の辛さを教えるのにも向いているかもしれないけれど、そんな軽い気持ちで見たらダメな作品だと思う」

 

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アカデミー主演男優賞にもノミネートされたガーフィールド

(C)Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

 

監督、キャストについて

 

亀「ここで軽く監督やキャストについて触れておこうかの」

主「監督は言わずと知れた名優メル・ギブソンであり、今作は10年ぶりの監督作品になるらしいね。そんなに撮ってなかったのかぁ……とちょっと驚いた」

亀「先の『パッション』といい、結構宗教色が強い作品を多く撮っているという印象じゃの」

主「本作もその傾向は続いていて、やはり宗教色は結構強い。単なる戦争映画だと見に行ったら、むしろ戦争の要素よりも宗教的な葛藤……神との契約とか、そういう話の方が多かったかもしれない。

 聖書の言葉が最初に引用されるけれど、やはりその辺りがメル・ギブソンの作家性なのかもしれないね

 

亀「一方の主演を務めるアンドリュー・ガーフィールドじゃが……」

主「なんだか、偶然だろうけれど宗教色が強い作品が連続しているんだよねぇ。日本公開作品だとスコセッシの『沈黙』が前作になるんだけれど、こちらも日本において徳川幕府に迫害されるキリシタン宣教師の役だった。

 まあ、ガーフィールドはそこまで宗教色の強い作品を選んでいるわけではないけれど、独特の……神様への信仰心などが篤いと思わせる何かがあるのかもね」

亀「そう考えるとキリスト教色の強い監督と主演になったと言えるかもしれんの」

 

主「本作はほぼ男性ばかり何人も出てきて、外国人の顔を覚えるのが苦手だからちょっと大変だったなぁ……女性はドロシー役のテリーサ・パーマーが出てくる程度であとはみんなむさ苦しいおっさんばっかりなんだよ。

 でも、結構笑えるシーンもあって、それがまた後々に生きてくるように出来ているんだよ。

 役者の演技も含めて高評価です」

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

2 構成について

 

亀「それではここからは先品についてネタバレを交えながら考えていくとするかの。

 まず、本作は16年前、子ども時代から始まる。そこからしばらくの間、戦争描写はほとんどなくデズモンドの生活にスポットライトが当たることになるの」

主「自分はまずこの描写がいいなぁって思った。父親が少し壊れているんだけど……アルコールに依存してしまって、過去にトラウマを抱えている。その理由は何といっても戦争によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)によるものであって、自分の息子が喧嘩をしていようが止めようともしないし、妻に暴力を振るうようになってしまっている。

 作中の描写だけだと決してどうしようもないクズというわけでもないんだけど、やはりその戦争で負った心の傷がいつまでも家族を苦しめている

 

亀「おそらく史実であるのじゃろうが、ここも良かったのはデズモンドという個人の過去を掘り下げながらも、決して戦争とは無縁の人間ではないということを描いていることじゃな。

 デズモンドは父を通して戦争に行くとどうなるのか、なんとなく理解しておる。じゃからこそ、彼の選択というのがとても意外性を持ってくるわけじゃな」

主「脚本がうまいというわけではないんだけどさ……特にドロシーと恋に落ちる様などというのは、まあちょっと急すぎるよなぁって思いもあった。オズモンドって自分の思いが強すぎて、若干異常性があるように見える面もあるんだけれど、それが最初に発揮されたのがあの恋愛シーンで……」

 

亀「おそらくあれも史実じゃからな。時代が時代ということもあるし、あのような出会いから恋愛に発展し、結婚するというのも多かったのかもしれん。そこは主題ではないしの」

主「まあ、それはそうなんだけれどさ」

 

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ちょっと強引? なドロシーとの恋愛

(C)Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

 

3段構成

 

亀「構成について語るとするならば、本作は3段構成になっておるの」

主「幼少期から大人になり、軍隊に入隊するまでを描いた日常の描写が第1段。そして軍隊に入隊し『愛と青春の旅たち』『フルメタルジャケット』でおなじみの厳しい軍隊訓練所の生活を描き、戦友たちとオズモンドの決意を描く第2段。

 そして沖縄に来てからの戦争描写に焦点を当てた第3段だね

亀「この辺りも計算されたものであったの。序盤から派手な爆発シーンなどはなるべく抑えることで後半に生きてくるようになっておる。しかし、観客が飽きることがないように車に轢かれそうになるシーンなども効果的に入れてきておる。

 ある意味ではホラー映画のような手法が多かったの。音と唐突な演出でびっくりさせて、観客を引き込むというか……」

 

主「細かい描写はちょっと強引だなぁって思うところもあるけれど、大まかに見るとかなり計算されているのがわかる。

 デズモンドという個人がどのような人間なのか説明する第1段、チームとして多くの人物を描いた第2段、そして最後の盛り上がりであり、それまでのものが昇華される第3段という構成になっている。

 ここでじっくりと描いたからこそ、この映画が持つメッセージに繋がってくる

亀「そしてそれが宗教的なものと結びつき、大きなメッセージになるわけじゃな」

 

 

 

3 デズモンドの苦悩

 

亀「しかしの……やはり、デズモンドという人間をどう見るかによってこの映画の評価は変わってくるような気がしておる。

 あの軍隊訓練所のライフル問題というのも、明らかに正しいことを言っておるのは教官たちであるしの」

主「あそこで『デズモンドって頭おかしいんじゃないのか?』 って思ったんだよね。確かに立派だよ? だけど、兵士になるって志望しておきながら、ライフルは持ちませんっていうのはさすがにおかしな話で……

 軍隊というのは強力なトップダウン式の指揮系統の徹底が求められる場所だ。特に第二次世界大戦の頃なんてなおさらね。たった1人が勝手な真似をしただけで舞台が全滅する可能性があるわけだから、そりゃ厳しくもなるよ

 

亀「いじめのように見える新兵の訓練も上下関係を徹底的に叩き込み、どのような状況であろうとも命令を執行するということを植え付けるためのものである。そして連帯責任も習慣も1人がミスをすると全員が死に繋がる可能性があるからの……その意識を植え付けるためのものじゃろう。

 そう考えるとデズモンドのような存在が1人いるだけで、舞台の運営は全く成り立たなくなる可能性がある

主「あれって上官たちも相当優しく言っていてさ、どう考えても正しいのは上官だよ。戦争っていうのは相手を殺すための場所であるし、特に第二次世界大戦の日米の戦争なんてもうなんでもありの戦場なんだからさ……

 そこで個人の意地を通すということは……本当はこの話を英雄譚にするのも、結構危うい行為なのかもしれない」

 

亀「残酷なようじゃが戦場においては負傷兵を見逃さないとさらなる被害者が出るという話もあるからの」

主「倫理的に正しいのは絶対にデズモンドだけど、その正しさが通用する場所ではないからね……だって人を殺せって言われたわけではないよ? ただライフルを持って、練習すればいいんだよ? だけどそれを断っている。

 その頑固さがデズモンドを英雄にしたけれどさ……」

 

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絶対に曲げない頑固なデズモンド。それは魅力でもあり、脅威でもある

(C)Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

 

命の価値

 

亀「それにしても、改めてこうやって映画で見ると命の価値が軽い時代じゃの」

主「第二次世界大戦のような戦争ってもうできないだろうね。命の価値が当時と全然違うから。

 現代だと命の価値はもっと重くなって、兵士1人の死に対しても結構神経を尖らせている。あんな人海戦術のような戦争をしていたら、速攻で政権の支持率が低下して最終的には政権交代ということになりかねない」

亀「色々な意見を言われる自衛隊の派兵であるが、あれもいまだに敵からの攻撃による死者が出ていないからいいものの、誰か1人でも亡くなったら国民からのバッシングがとんでもないことになりそうじゃな」

 

主「多分第三次世界大戦が仮に発生したら……まあ、その時は人類が滅亡する危険性が高いけれど、それは置いといて戦争が勃発したら今度は人海戦術のような手段にはならないだろうね。ドローンやミサイルをはじめとした高度な兵器を応酬になるんじゃないかな?

 現代とは兵士1人1人の価値もまったく違う時代であり……だからこそあれだけの悲劇がたくさん起こってしまった

亀「ではここからは命の価値と信仰について考えていくとするかの」

 

 

 

4 信仰と命の価値

 

亀「本作はキリスト教の引用が多くあったの」

主「そうだね。この作品がうまいなぁ、と感心したのが幾つかあって、1つはデズモンドの生活をしっかり見せたこと。

 そうすることによって、名前しか知らない、語られていない他の登場人物にも様々なドラマがあり、物語があり、人生があるという当たり前のことが連想することができる。中には子供が待っている人もいたりして……でも足がなくなってしまってどのように生活するのだろう? なんて考えたり……

 デズモンドが救った人たちの裏には何十、家族や友人も含めれば何百、何千という人生があるんだよ。それが連想されできた」

 

亀「それはアメリカ人だけではないの」

主「そうだね。日本人のも多くの物語がある。

 自分がそれを強く感じたのが首をつって自殺した日本兵がいたシーンであって……どれだけ強い絶望感やストレスに飲み込まれていたのだろうか? って考えてしまった。もちろん、映画の中では日本兵の日常シーンって一切ないんだよ。だけど、それを考えざるをえないようになっている」

亀「確かにアメリカ視点の戦争映画じゃが、決して『アメリカ=正義、日本=悪』ではないのも良かったの」

 

主「自分は戦争映画で1番重要しているのがプロパガンダになっていないか? ということで、一方的な正義を描いた場合は国威掲揚のためのプロパガンダ映画になってしまう。それは戦争映画では1番やっていはいけないことだと思うんだよね。

 その点でいうと本作は確かに日本兵は恐ろしい存在として描かれていたけれど、でも一方的な悪だと断罪はされていなかった。当たり前のことだろうけれど、このような描写がだと好感が持てるよね」

 

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日本兵の皆さん。米兵を相手に血と泥でドロドロになって戦っています

(C)Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

 

信仰の形

 

亀「ではいよいよ何度もあげていた信仰について語るとするかの」

主「実はこの映画で面白いなぁって思ったのが、アメリカ側と日本側では全く違う宗教を信仰していたこと。

 だけど、信仰するという行為そのものは変わらないんだよ。ただ結果が全然違うけれど」

亀「……? どういうことかの?」

 

主「デズモンドが信仰しているのが『汝、人を殺すことなかれ』のキリスト教だ。その教えに基づいて人を敵味方を問わず助けてきた存在である。もちろん、デズモンド以外は人を撃ってはいるけれども、基本はキリスト教徒が多いのだろう。

 一方で日本人の場合は当時は天皇を神とした国家神道の時代であり、作中でもある通り『天皇陛下万歳!』と言って死んでいくのを良しとしていた。武士道などの影響も多々散見されていて、生きて虜囚の辱めを受けずとばかりに特攻、突撃を繰り返す。

 ということは、本作ってある意味では宗教戦争でもあると思うんだよね。キリスト教VS神道という」

 

亀「少し無理があるかもしれんが、このまま聞いて欲しいの」

主「これってすごく大事な問題で、敵を撃たず生きることを目的としたキリスト教徒は生き延びる。

 だけど、死ぬことを信仰としてしまった日本兵は次々と死んでいき、最後には自決まで遂げてしまう。

 そう考えると日米のどちらも信仰を貫き通したとも言える。だけど、その結果が全然違う……どちらが救いがあるのか? ということは語らなけれどさ。

 この信仰の形の対比がうまくいっていたんじゃないかな?」

 

 

現代を振り返って

 

亀「そう考えるとこの問題は現代にも繋がってくるのもしれんの。

 現代の主な戦争はテロとの戦争であり、どこまで異教徒……特に限定するならばイスラム教徒であるが、彼らを受け入れることができるのか? ということを問うているような気もしてくるの

主「途中で死に物狂いで突撃を繰り返し、場合によっては決死の特攻も辞さないというのは現代でいうところの爆弾テロだよね。

 じゃあ、この作品が明らかにしたこと……つまり我々はイスラム教徒の過激派に対して同じことができるだろうか? ということを考えて欲しい。デズモンドのような行動をとることに躊躇いがある人もいるのではないだろうか?

 味方だけを助けるというのはわかる。だけど、敵を助けるというのは憎い敵を助けるということでもあるんだよ」

 

亀「戦争とはいえ自分の仲間を撃った敵を助けることができるか、というと……それは難しいかもしれんな」

主「そしてさらに言えば、その敵にも自分と同じような……仲間と同じような人生がある。その人生に思いを寄せた時、果たして銃口を向けることができるだろうか? 簡単に銃を撃つことができるのだろうか?

 この映画ってそういうことも問うてきていると思う

 自分の信仰に忠実であることは当然としても……他者を赦し、救うということができるのだろうか?」

亀「そう考えるとトランプが大統領になり、世界的に右傾化が進む中でも重要なメッセージ性を含んだ作品と言えるの」

 

 

 

最後に

 

亀「さて、では最後になるが……」

主「ちょっと前にオバマ前大統領と安倍首相が2人で並んで語ったけれど、日本とアメリカの関係って結構特殊なものでさ。原爆まで落とされて、血で血を洗うような大戦争を繰り広げながら、時が過ぎれば世界的にも重要な同盟を結んでいる。

 過去のことは水に流した……とまでは言わないよ。日米同盟の良し悪しを含めて色々な考えを持つ人は右の人にも左の人にもいる。だけど、今やアメリカと日本が戦争をしていたことを痛感することって普通に生活しているとほとんどない。

 かつては1番の敵国だった存在が、現在は最も強固な味方になる。これもまた不思議な話といえば不思議な話かもね

 

亀「もちろんお互いにメリットがあっての話でもあるが、今すぐに日米同盟がどうのということもないじゃろうしな」

主「デズモンドが救ったの人数は第二次世界大戦でアメリカが失った人命からすると本のわずかなもののように感じるかもしれない。だけど、そんな行動が後々の未来で敵と味方を結びつけることにもなるような気がしている。

 デズモンドという人の行動はリスクの高いものではあったけれど、やはり英雄のそれなのかなぁ……」

 

 

 

 

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