亀爺(以下亀)
「それでは、ここからはキングコングの考察の記事と行こうかの」
ブログ主(以下主)
「今回も語ることがたくさんあるから、長い記事になりそうだねぇ……」
亀「最近、この手の記事が長文化の一途を辿っておるの」
主「一応短くまとめようという思いはあるんだけど、次から次へと書きたいことが増えていって……もう全然止まらないのよねぇ」
亀「まあ、それだけ思うところがあるからこそ、熱く語りたくなるものなのじゃろうが……」
主「でもこの作品はまさしく語るのにふさわしい作品であり、もしかしたらシンゴジラクラスのヒットをするかもしれないよ! ちょっと特撮……というか怪獣好きの日本人からしたら、ちょっと無視できないレベルの作品でさ。
もしかしたらこのブログでも満足度年間1位もあるかもしれない!」
亀「……その年間1位という言葉も毎月毎月言っているような気がしてくるの」
主「すごいよね。年間1位が毎月出てくるんだよ!?
これほどの大豊作、なかなかないよ!?」
亀「とりあえず年間1位という言葉の意味を辞書で調べたほうがいいの。
さて、それでは本題のこの記事じゃが……今回は考察、批評の記事のため、その性質上どうしてもネタバレを含んでしまう。もちろん、ラストの展開などをそのままネタバレなどはせんが……」
主「ネタバレが嫌な方はこちらを読んでください。
それでは、感想記事のスタート!」
1 今回のキングコングが示すもの
亀「それではまず、わかりやすいところから入るかの。
今回のキングコングは一体何の象徴か? という話であるが……これはもうわかりやすい。タイトルにも出ているからの」
主「そう。今回のキングコングが怪獣映画として素晴らしいのは、単なるモンスターではなくて、神様として描いているところにある。
これがモンスター映画と怪獣映画の違いでもあるけれど……例えば『エイリアン』などはモンスター映画と呼ばれるけれど、怪獣映画とは絶対に呼ばれない。もちろん、それはサイズ感の問題もあるけれど、そもそも怪獣とは何か? というところに行き着くんだよ」
亀「それは今回も補助線として参考にする『シンゴジラ』について考えるとわかりやすいの。
シンゴジラが素晴らしいのは、ゴジラをただの怪獣や正義の味方ではなく、怪獣が本来持つ役割……つまり、天災や戦争、核兵器などをモチーフとした未曾有の恐怖の象徴として復権を果たしたこともある。
詳しくは以下の記事を読んで欲しいの」
主「そして初代の復権という意味では、今作のキングコングも同じなんだよね」
神々しいキングコングの立ち姿……
初代のキングコングが果たしたもの
亀「ここは色々な説があるがの」
主「この手の怪獣映画やホラー映画において重要なのは『風刺』だ。その怪物がいったい何を表しているのか、そこがしっかりと設定されていないと単なるパニックホラーや怪獣たちが大暴れで終わってしまう。
先ほども述べたようにゴジラというのは原爆の象徴でもある。では、キングコングはいったい何なのか? ということなんだけれど……」
亀「多くの意見があるの。例えばバーバリアン……野蛮人のモチーフということもできるし、それから今ではこういうと怒られるじゃろうが、黒い肌などから黒人ということもできる。
つまり、野蛮な人間が白人の女性と恋に落ち、そのまま転落していく人生を描いているということでもあるの」
主「時代が時代だから差別意識も強いし、その解釈も十分成り立つと思うけれど……でも、ここで1つ面白い解釈としてあるのはキングコングは『自然の象徴』つまり人間にはどうしようもないことの象徴でもあるということだ。
ここで美女を抱えながら摩天楼に登るというのは、制作された1933年の少し前に起きた世界大恐慌を表しているとも言える。
この時代のアメリカは混迷の時代でもあって……禁酒法の影響でマフィアは力を持つし、第一次世界大戦は終わったけれど刻々と戦争の足音は聞こえてくる。そして何よりも大恐慌という歴史的経済損失があったわけだ。
そういった『神の見えざる手』の象徴がキングコングと見るのが、今なら一般的になるんじゃないかな?」
亀「以前に語ったがチャップリンの『街の灯』というオールタイムベストと言っても過言ではない名画があるが、この映画も単なるゲラゲラ映画ではない。
大恐慌時代に至って貧富の差が激しくなり、それでも心が通い合うのかどうか? ということを描いた映画である、というのがわしの解釈じゃ」
主「つまり、初代のキングコングは経済成長に浮かれてしまったアメリカ社会を揶揄する怪獣映画でもあったわけだ。
摩天楼を、それこそバベルの塔に見立てているとも言えるね」
2 ゴジラとキングコングの復権
亀「じゃが、それだけの人気キャラクターになってしまうと、その批評性や精神性はやがて忘れられ、ただのモンスターとなってしまう。これは日本におけるゴジラと全く一緒じゃの」
主「仕方ないといえば仕方ないんだけれどね。
だけど、それだと本来持っている『神』だったり『恐怖』というモチーフが忘れ去られてしまって、ただの暴力的なモンスターになってしまった。そこから『制御できない者』としてのキングコングをあぶり出し、そして復権させようというのがこの映画の趣旨なんだよ。
ただ、面白いのが今回のキングコングは2014年の『GODZILA/ゴジラ』通称ギャレゴジと同じ扱いというか……レジェンダリーシリーズとなることがすでに示唆されている。
作中でも多くの共通点があるんだよね」
亀「それを一々あげることは今回はしないがの」
主「ただ、日本とアメリカの違いもあって、本来ゴジラは『神』というよりも、天災とか戦争で亡くなった魂とかいう方が近い。少なくとも初代は神様という存在ではなくて……似て非なるものだ。
だけど、海外版だとGODの名前がつくこともあって、やはり神の化身として扱われている。それはギャレゴジを見ていると明らかだ」
亀「人間ではどうしようもない存在として扱われていたの」
主「で、それを受けて製作されているはずの本作もやはり神の化身として登場している。
ギャレゴジって単純に正義か悪かと問われると難しいところだけど……どっちかというと良い者よりで作られている。というか、この映画と基本的な構造って同じだと思うんだよね」
亀「人間が発見し、目覚めさせてしまった敵を倒してくれる化身でもあり、しかしそれゆえに人間と対立する存在という意味でも似ているの」
主「それもそうだし、流れも似ていると思った。最後にギャレゴジを見たのが劇場公開時だから、確認しないといけないけれど……
本作もやっぱり『神として側面』が強く描かれている。両方とも守護神のような扱いを受けているのも一緒だ。これも面白い共通項でもある。日米の怪獣に対する考え方の微妙な差と言えるかもしれない」
他の怪獣も神々しさを持つ
(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED
アメリカ親父の復権
亀「これはギャレゴジの時に岡田斗司夫が語っておったのじゃが、ギャレゴジにおけるゴジラというのは、アメリカの古き良き親父であるというのが岡田斗司夫理論じゃったの」
主「それってなんとなくわかるんだよ。とりあえず気に食わないやつをバッチーン! と倒して、ゴロリと寝っ転がって睡眠をして、そのままドップーン! と海に潜って帰っていく。この大味さもなんとなくアメリカ親父を連想させる。
で、今作なんてまさしくそうじゃない! どっからどう見てもただのおっさんでさ……
とりあえず家の近所を巡回して、時々タコでも食べながら水浴びして……で、気に食わない奴がいたらぶん殴ってそのまま眠る。
ほら、完全にオヤジだよ!」
亀「しかもオールドタイプの大味で適当なオヤジじゃの」
主「でもさ、これが何を表すのかというと、今ってポリコレだ何だってうるさいじゃない? だいたいの映画に『女性頑張れ!』っというメッセージがあり、トロフィヒロインと呼ばれる勝者に与えられるお姫様のような象徴的ヒロインというのは排除され、差別的だとされている。
映画界の優等生であるディズニーは『結婚が全てじゃないよ!』という女性応援の映画を作り、『モアナと伝説の海』に至ってはついに恋愛を全く入れなくなった。いや、それはそれでいいんだよ?
だけど、女性頑張れ運動が激しくなればなるほど、男性が息苦しい思いをしてくるわけだ」
亀「本来は女性の社会進出=男性の迫害ではないはずなのに、その両立がうまくいっているとは思えない事例もあるの」
主「だから、こういったゴジラとかキングコングのような古い時代の怪獣達というのは『古の男達』というメタファーも含んでいるような気がする。
まあキングコングは間違いなくオスだけど、ゴジラは微妙だけどね。
以前にシンゴジラで語った時怒られたんだけど、やっぱり特撮って男の子の文化だと思うのよ。特に怪獣は。もちろん、女の子が好きでもいいし、むしろ女性が作るゴジラやキングコングもそれはそれで見たいけれどさ。
本作はその古い文脈を知っているオタクたちが作り上げた映画なわけだ。怪獣映画が今の時代にこれだけ支持されるのは、もしかしたら『男の復権』というのも含んでいるような気がしているんだよね。
あ、別に差別的な意味はないからね。あんまり怒らないでね」
亀「……だったら語らなければいいのにの」
3 今回の舞台がベトナムの理由
亀「それではいよいよ今作のテーマについて探っていこうと思うが……まず、今作の最大の特徴というのが舞台がベトナムということじゃの」
主「映画が好きな人なら誰でも連想するのが『地獄の黙示録』で、これはコンラッドの『闇の奥』という小説をコッポラが映画化した大傑作戦争映画なんだけれど、基本的な流れは結構踏襲されているよね。
もちろんキングコングが出てくるところなどは違うけれど、最初のヘリコプターでの戦いだとか、船での脱出……というか、川を渡っていく描写とか、原住民の描き方なども似たようなものがある。
ただ、今回のキングコングにはカーツ大佐がいないんだよ。
これがまた独特の味が出ている」
亀「地獄の黙示録という作品はその思想性なども面白く、コンラッドの闇の奥とはまた違う魅力を持った映画じゃな。伊藤計劃の『虐殺器官』にもその色は濃く出ているの。
それはそれとして……もちろん監督が好きな1作であるというのもあるのじゃろうが、なぜ本作はベトナムを選択したのじゃろうか?」
主「本作におけるキャッチコピーの『人類よ、立ち向かうな!』というものがすごく秀逸なんだけれど、今回のキングコングは前述の通り神の象徴なんだよ。人間がどう戦っても抗えない、決して勝つことのできない存在。
じゃあ、そんな相手に対してどう立ち向かうのか? と言うと、それは戦わないこと。それ以外の解決策はない」
亀「そうじゃの」
主「で……なんといえばいいのか難しいけれど、ベトナム戦争というのはアメリカ軍が唯一『勝てなかった戦争』じゃない? 泥沼の戦いになってしまい、結局は引くことしかできなかった戦争で……
その敗因もたくさんあるけれど、ジャングルの戦いとか、無限に湧いてくる敵、見失った勝利条件……ベトナム戦争そのものの象徴が、今作に込められている」
亀「ふむ……むしろ、キングコングよりも他の怪獣達の方がその色が強いかもしれんの。
もっと本腰を入れて戦えば勝てるかもしれんが、そのことに意味がないということでは同じじゃな。
1対1では倒せたとしても、あれだけたくさん出てきたら勝てるわけがない。その意味でもベトナム戦争と同じじゃの」
主「もしかしたら『地獄の黙示録がやりたかったからあの時代のベトナムにしたんでしょ?』と思うかもしれないけれど自分は逆だと思う。
つまり、あの時代のベトナムを舞台にしないと表現できないものがあったからこそ、地獄の黙示録を選択した。
結構都合は良かったと思うよ? だって衛星写真やミサイル技術もそこまで進んでないしさ」
4 日米の描き方
亀「ではそのベトナムでしかかけなかったものについて考えていくが……少し話は変わって、今作では第2次大戦中の描写から始まるの」
主「自分が大興奮したのがその部分でもあって……あの役者(MIYABI)が日本人ぽくは見えないなぁなんて思いも実はあるんだけどね。いや、まぎれもない日本人だよ? 大作出身だしさ。メイクのせいなのか、演技に不慣れなのか……
まあ、それはいいとして、近年のハリウッド大作映画って中国向けの部分もあって、多くの俳優やサービスシーンが中国寄りのものになっている。まあ、これは日本人俳優があまり英語が達者でないことや、日系人のスーパースターがあまりいないことにも原因があると思うけれど……
市場規模が日本と全然違うから、そりゃアメリカも中国の方を向いて映画を撮るのは当然だよね」
亀「今作でも研究者の1人の女性、サン役にジン・ティエンという中国出身の女優が起用されておるの」
主「もちろん、これは中国向けのサービスでもあると思うけれど、それだけじゃない。あの研究チームって国際色豊かで、白人だけでなく色々な人種が入り混じっているんだよね。
ここは1つのポイント。
ポリコレ、つまり差別的にならないように配慮した結果なのかもしれないけれど、自分はここも1つのメッセージを含んでいると思う。中国人というか、アジア系の俳優は絶対必要だったんだろうね。もちろん、ギャレゴジに出た渡辺謙以外で、という注釈付きだけどさ」
亀「ふむ……それも後々につながってくるのじゃろうが、とりあえず置いておいてまずは日米の描き方について語ろうかの」
本作における暴力の象徴の1人であるバッカード。
彼の視線とキングコングの視線が交じり合うのが印象的
船での脱出
主「今回、この作品の目的は敵を倒すことにはなくて、船で救援が来る場所まで行って救助を待つことじゃない? 今までのように敵を倒すことではないという、この勝利条件も面白いんだけど、ちょっと割愛。
で、その船ってどうやって作ったかというと、日本人の碇軍平とアメリカ人のハンクが共同で、原住民の元で作り上げた船なんだよ」
亀「そうじゃの。作中でもなんどもそこに言及しておった」
主「じゃあ、なんでハンクが化物ぞろいのあの島であそこまで生きていられたのか? というと、それはキングコングに敬意を払い、さらに戦うのをやめたからだ。だからあの島である程度平和に暮らしていた」
亀「ふむ……そうじゃの」
主「となると、あの船というのは日米の協力で作り上げた『希望の船』でもあるんだよね。つまり、それまでの戦争の経緯というものを水に流して、そして同じ目的のために手を組んで作り上げた船。
これって実はとてもすごいことだよ。だって、それまで殺し合いをしていた相手と手を組むんだよ?
この描写が象徴するものはいったい何か? という話になるんだけど……」
戦いの果てに待つもの……それは守護神でも避けられぬ死
反戦映画として
亀「この映画は明確に反戦映画でもあるの」
主「そう。戦いに明け暮れているものには死が与えられる。それに例外はないんだよ。その代わり、キングコングという神を信奉し、平和を享受することによって平穏な生活がある程度約束されている。
このルールが映画の中では徹底されているんだよね。そして、それは先程の国際色豊かな研究チームにも該当する」
亀「そうじゃの。基本的にキングコングを守り、戦うことをやめようと言っておるのが研究チームじゃからな。戦う場面もあるが、それは『災厄の象徴』と戦うわけで、単なる敵と戦うわけではない」
主「つまりさ、ここってもっと広い視野で見ると『平和を望む多種多様な人種』という意味を持つわけだよ。
ここで先ほどからあげているメタファーを活用すると
キングコング=信奉するべき守り神
怪獣たち=戦争、天災などの死の象徴
船=いがみあっていたもの同士が手を結んで作り上げたもの
研究チーム=世界のたくさんの人種の代表
という構図になる。
世界中の人がいがみあっていた船に乗って、守り神を信奉することによって、戦争や天災から逃れられるということなんだよ?
本作は徹底して『平和、反戦への願い』に満ちている。このメタファーを駆使して語るのが怪獣映画じゃない?」
5 本作の描いた『願い』
主「それはもっと大きなことでも言えるんだよ。
ほら、この映画において最も重要な……『地獄の黙示録』よりも大事な映画があるじゃない?」
亀「当然ように『ゴジラ』じゃの」
主「作中ではゴジラを思わせる描写がたくさん出てくる。例えばこの島の存在そのものが昭和ゴジラの怪獣ランドとかの島にそっくりだ。まあ、これは元ネタを辿るとキングコングの髑髏島に行き着くだろうし、あとはこのクラスの怪獣が暮らすとなるとどこかの島しかない、ということもあるんだろうけれどね。
そしてこの画面を見て欲しいけれど……」
亀「これは作中でもあったワンシーンじゃの」
主「そう。このシーンってキングコングの頭の骨から火が飛び出しているけれど、これってどことなくゴジラを連想させない?
もちろん怪獣の王様というとアメリカのキングコングと並んで、ゴジラもいるし、監督は当然のようにゴジラをリスペクトしている」
亀「途中に出てきた鳥のような敵もガメラシリーズでおなじみのギャオスのようにも見えたし、やはり日本の特撮に対するリスペクトはすごいものがあるの」
主「で、この映画のすごいところが……というか、このプロジェクトやゴジラとキングコングのすごいところって、日本の代表とアメリカの代表である2大怪獣じゃない?
これを映画で扱うということが、いかに素晴らしいことか!」
亀「……どういうことじゃ?」
主「つまりさ、つい70年前まで日本とアメリカは大戦争をしていたわけだ。だけど、そこから時を経るとこれ以上ない蜜月の関係になる。それって政治的アピールのようなキナ臭いものだけではないんだよ。
キングコングというアメリカを代表する作品の中に、ゴジラや日本を連想するものをたくさん詰め込む……これこそが日本人とアメリカ人が作り上げた『希望の船』そのものじゃない?
だから、この映画はメタ的にも徹底して『反戦、平和』を訴え続けているわけだよ」
怪獣映画の本質
亀「しかし、それは偶然とはいえ面白い共通項じゃの」
主「シンゴジラという作品はアメリカがキナ臭いことをしていたというのもあるんだけれど、世界中の人々の善意でスパコンを貸し出し、そして米軍の全面協力の元でゴジラと戦った。つまり、シンゴジラもまた『協調によって災害を抑える』ということを描いたわけだ。
自分は怪獣映画の本質ってここにあると思う。
町中を破壊し、暴れまわっているようでもありながらも、平和や協調を訴えてしっかりとしたメッセージ性を発するという。
それを全ての人が理解できるとは限らないよ? 多くの人はただの娯楽映画だ! なんていうかもしれない。
もちろん子供もそれは同じ。
だけど、そこには確かに素晴らしいメッセージがあって、それを大人になっときにふとしたきっかけで理解できるかもしれない。誰か先人の批評、評論を読んだり、もしくはその時代背景について学んだときに『あ、あの時にゴジラが描いたこと、キングコングが描いたことってこれだったんだ!』ってなるかもしれない。
そうなったら映画として、表現としてケチのつけようもないものになる。一生の記憶に残っていくんだよ。
そしていつか大人になって、子供が生まれて一緒にゴジラやキングコングの新作を鑑賞したりしてさ。子供は『楽しかった』なんていうかもしれないけれど、その楽しかったの意味が子供の頃と全然違う。昔はただの軽いだけの、楽しいだけの娯楽映画に思えたものが、成長するにつれて受け取り方が変わってすごく重い映画になる。
そういった成長を実感できる映画、それこそが万人が愛する『怪獣映画』なんだよ」
亀「とんでもなく深い分野じゃの」
主「だけど、説教臭くないんだよ。多分この映画が好き! って答えた人の多くが説教をされたとか、そういう強いメッセージ性が……なんて考えてない。
それでいいの! そういった多重的な見方ができること……それこそが怪獣映画の深みなんだから」
最後に
亀「とりあえずはこんなものかの。もしかしたら何回か鑑賞しているうちに、追記していくこともあるかもしれん」
主「いやー本当にここ最近特撮が大当たりだよ。
個人的にハリウッドのヒーロー映画があまり好きになれないんだけれど、好きっていう人の気持ちがちょっとわかった。この大好きなものが溢れている興奮がずっと続くんだから、そりゃ面白いよね」
亀「怪獣映画好きとしてはこれからのゴジラなどのシリーズが続くのは朗報じゃな」
主「この調子でガメラもやろうよ! 海外でも人気高いんでしょ!?
もっと日本も特撮やろうよ! 過去の遺産ばかりでなくて、新しいものを作り上げていこうよ!」
亀「……それが簡単にできたら苦労はせんのじゃろうがな」
面白かったらブクマ、ツイートをお願いします。