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物語る亀

ネタバレありの物語批評

映画『黒執事 Book of the Atlantic(2017、アニメ版)』感想 初見でも楽しめる1作!! ※後半ネタバレあり

カエルくん(以下カエル)

「さあ、今日は黒執事の感想だけど……これも絶対ファン向け映画で、しかも女性ファンが多い作品でもあるから、結構熱いファンも多いだろうし……

『初見には辛いよね』とか言って、ファンから失笑とコメントが埋め尽くされるんだろうな……

 そんなことがわかっているのに、なんで見にいくんだろう……」

 

ブログ主(以下主)

さあ! 今日も張り切って映画感想を始めるよ!

 

カエル「……あれ? 今回はやる気に溢れている?」

主「いつだって語る気満々さ! さて、張り切ってやっていくよ!」

カエル「……主って黒執事詳しかったっけ?」

主「全く! 坂本真綾ファンだってこともあって1期は全て見た……気がするけれど、あんまり覚えていない! でもなんとなく設定は覚えているよ!」

カエル「……要約すると知らないことはないけれど、内容に関してはほぼ初見ってことね。なんでそれなのにこの映画を見に行ったの?」

 

主「え? アニメだから。面白そうだし、映画館でそこそこの規模でやっているし。今年はアニメ映画をなるべく見るってことにしているから。あと、別にこういう作品が嫌い! ってわけじゃないし。アニメ版の『幻想魔伝 最遊記』は結構楽しんで見ていたよ。今思うと声優陣が豪華で、OPもよくて、EDで下川みくにの歌に載せて梅津さんの演出が観れたのって、結構ゴージャスな体験だった気がする」

カエル「……そんな人がどのような感想を抱いたのか、感想を始めようか」

 

 

 

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「豪華客船編」をアニメ化!映画『黒執事 Book of the Atlantic』予告編

 

1 ネタバレなしの感想

 

カエル「漫画でも人気エピソードの映画化だけど、一応ネタバレなしでの感想から始めるけれど……どうだった? あ、お手柔らかにね。この映画の制作陣が想定していない観客なんだから、ね? あくまでも黒執事をあまり知らないアニメファンの1意見にしか過ぎないから……」

主「面白かった!!

 

カエル「あぁ! もっとオブラートに包まないと炎上……え?」

主「結構面白かったよ! 予告の段階の『フェニックス!』なんかは相当寒い印象があって心配していたけれど、そんなの問題ないくら面白かった!

 今週は結構大物映画も多いけれど『映画館に行こう?』って誘われたら、この映画ならば2回目も行く! って即答すると思うよ

 

カエル「……え? 初見でも大丈夫なの?」

主「完全な初見がどう思うかとか、アニメに詳しくない人が見ても……というのはわからないけれど、そんなにややこしい設定の作品じゃないからね。基本はシエルとセバスチャンのバディアクションというか、姫騎士物語みたいなものだから分かりやすいよね。

 子供だからあんまり能力はないシエルと、完璧でSっ気のあるセバスチャンという組み合わせがわかれば理解できるんじゃない?」

 

 

EP0のメリット

 

カエル「結構説明してくれるしね。田村ゆかり演じるエリザベスが婚約者で、結構いい家の娘だとかね。死神が2人出てきて過去に何かあったようだけど、それはあまりわからなくてもいいし。

 死神の正体って何? とか、葬儀屋(アンダーテイカー)って何者? というのも劇中で紹介してくれるし……」

 

主「あんまり言いすぎるとあれだけど、EP0のような部分もあるわけだよ。劇場版モンストの時も言ったことだけど、テレビシリーズのアニメ化というのは難しいのよ。そりゃ、基本的な対象は原作やアニメのファンなわけだけど、映画から入る人もいるかもしれない。

 劇場版って入門には最適なんだけど……総集編だと物語が走ってしまって面白みが伝わりにくいかもしれないし、かといって続編だとファン以外を除外する内容になってしまう」

 

カエル「日本のアニメの難しさだよねぇ。オリジナルも昨年は君の名は。が大ヒットしたけれど、一歩間違えるとポッピンQみたいにコケちゃう可能性もあるわけだし……」

主「その中でもEP0っていうのはいい手だと思うのよ。最近だと物語シリーズのEP0である『傷物語』とかもそうだし。そこから入る人でも『なぜそうなったのか?』ということを説明できるし、ファンだったら『いよいよあの謎が劇場で明らかに!』ということでみんな納得するんじゃない?」

 

カエル「なるほどね。ちゃんとオススメする理由があるんだね」

主「ただのアニメ好きだからっていうのもあるけれど、すべてのアニメ映画がいいわけではないから。結構考えられた内容だと思うよ」

 

 

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作画の良さ

 

カエル「あんまり作画に関しては詳しくないけれど、ここも一応語っておこうか」

主「最近のテレビアニメはすごく作画がいいから、劇場映画クラスの作品もある。こちらも総集編で公開された『甲鉄城のカバネリ』とかは、一部の作画に関しては劇場でもお目にかかれないレベルでとんでもないものがあった。

 この作品は全編通してとんでもない、ということは言わないよ。テレビアニメレベル、とまでは言わないけれど、まあこんなものかな? と思うシーンもそれなりに多い」

 

カエル「でも、一部のシーンが抜群にいいよね!」

主「今回の見所は3ヶ所あると思うけれど、アクションシーンなどはカメラワークもよくて、グリグリと動いたり、あとはまどマギなんかに代表される、劇団イヌカレーのような作画のシーンもある。それが作品世界観にピッタリと合っている。

 結構な意欲作でもあると思うね」

 

カエル「キャラクターに関しては言わずものがな、人気キャラクターが総出演ってこともあるし、魅力的だよ! 今回はあるキャラクターがすごく掘り下げられているけれど、これだけ見ても面白いと思ったから、ファンなら感涙ものだろうね

主「まあ、アニメ的な脚色だったり、女性向けな男性キャラクターが苦手って人もいるだろうから、万人にオススメってことはないけれど、そういうのが気になるとか、それも作品の味って割り切れる人だったら見に行くべきだと思うよ」

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

2 設定のうまさ

 

カエル「じゃあ、ネタバレありで語っていくけれど、今回は一種のゾンビ物でもあるよね

主「ここがいいなぁと思った。豪華客船を舞台にしているけれど、海の上の船という限定された場所が舞台になることで、ゾンビ特有の『多すぎる敵』ということが防がれている。

 正確にはゾンビではないから、たとえ噛まれても増殖などもしないし、敵の数が無限増殖してどうしようもない、ということはなくなっている。勝利条件が限定されているんだよね」

 

カエル「カバネリもそうだったけれど、ゾンビものって世界中でパンデミックを迎えるとかだと、もうどうしようもないもんね……」

主「無限の敵っていう時点で、どれほど弱い相手でも勝ち目がないからね。今回はさらに豪華客船にすることで、タイタニックのオマージュなんかもあって、ギャグもありながらも、結構グロテスクもあって……その意味でもメリハリが効いていたし、それだけでエンタメとしての山、谷の波ができていたと思うよ

カエル「ギャグは相性があるし、グロも少しえげつないけれど、誰が見ても楽しめるレベルでちょうどよかったよねぇ」

 

 

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3つの山場

 

主「約2時間弱という尺を超えるために、この作品は3つの山場があったと思うんだよね」

カエル「3つ……というと、

 

リジー(エリザベスの愛称)の葛藤

アンダーテイカーの過去

そしてシエルとセバスチャンの過去

の3つだね」

 

主「それ以外にもアクションシーンとか、船の沈没シーンも面白かったけれど、やっぱりこの3つが個人的に惹かれた。

 ここで作品の世界観をガラリと変えることでアクセントが効いているし、観客を飽きさせない工夫に満ちていると思う。時間も特に気にしてはいないけれど、体感としては多分1/3くらいずつに分配されていたんじゃないかな?」

 

カエル「意外と見ていて飽きなかったよね。最初の導入の時は『どうなるかな?』と思ったけれど、案外早くに事件も起きるし……」

主「ここで最初に活躍するのがリジーというのもうまいと思う。

 これで男性キャラクター3人の過去話だったら、男性キャラクターに興味がない層がそこまで乗れなかったと思うけれど、ここで少女のリジーの深堀をしてくれたことによって、一気にのめり込むことができた

カエル「わかりやすいもんね。リジーの思いとか、少女だからこそ伝わってくるものがある」

 

この作品の見方

 

主「このアニメって見方が複数あると思うけれど、個人的には『無力だけど気概にあふれるシエルを守る、ドS執事や周囲の人々』という、ある種の姫騎士物語としてみているわけ。

 シエルって、言葉は立派だけどそんなに力を持つわけではない。この映画でも見方によれば、割とポンコツみたいなところがあるわけよ。まあ、周囲が化け物すぎるっていうのもあるけれど」

 

カエル「一般的な子供だからね、仕方ない面もあるし」

主「あとは作中でも言われているけれど、すごく可愛らしい顔立ちをしているから美少女のような扱いも受けている。もちろん、男と言及されているけれど、見方によっては『ツンデレ美少女ががんばる』って話に受け取れなくもない」

カエル「美少女っていうのは置いておくとしても、ツンデレというのは間違いなくあるよね」

 

主「だからさ、見方1つかえれば、結構王道のお話でもある。もちろん女性向け特有のキャラクターが苦手ということもあると思うけれど、物語としてそれなりにエンタメとして優れた構造をしていると思うよ」

 

 

 

 

3 それぞれの過去

 

カエル「じゃあ、ここからそれぞれの過去についてという、このお話の山場であり、核心のお話になるけれど……」

主「まずは何と言ってもリジーだよね。

あの子が素晴らしく良かった! 

 この作品におけるヒロインってやっぱりシエルだと思うけれど、もう1人のヒロインだよ。

 いや、ある程度アニメに見慣れている人は誰でも気がつくと思うけれどさ……『あれ? この子って守る必要なくない?』とか。

 この作品の1つの特徴として、言葉の使い方がダブルミーニングになっている描写が多いんだよね。有名なのが『あくまで執事ですから』で、これはいうまでもなく『悪魔で執事ですから』とかけている」

 

カエル「他にも映画だと『大航海です』『大後悔death』とかもはっきりと掛けているよね。ある意味西尾維新に通じるものがあるというか……」

主「で、リジーの母親が語るのが『あの子は婚約者を守る子だから』みたいな台詞があるけれど、そこで示すあの子、というのは実はシエルではなく、リジーを指している。こういう言葉もあるし、まあ設定からして有名武家の娘ということを考えればそれなりに腕が立つ、ということは想像できるけれど……」

カエル「それでもしっかりと描写されて、良かったよね」

 

主「個人的にはさ『女の子は何でできてる?』から始まる、マザーグースの詩から始まった場面においてもうテンションが最高潮なんだよね。この詩がすごく好きだから……

 そこからのリジーの格闘シーンが始まるけれど、ここも抜群に良くて……もう見ていて痺れたね! カメラもグリグリと動くし! 

 しかもその思いも『好きな男の子の前では可愛くありたい』というあの年頃では当たり前の考えでもあって、それもはっきりと伝わってくる。田村ゆかりの好演もあって、素晴らしい場面だと思ったよ」

カエル「ここから一気にお話にのめり込んでいったよね」

 

 

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アンダーテイカーの過去

 

カエル「そして次はこのアンダーテイカーの過去だけど……あ、一時期バイクを乗り回す、アメリカの親父に変身したけれど、再び墓掘人キャラクターに戻ったプロレスラーのお話は禁止で」

主「なんだよ! アンダーテイカーって聞いたらそっちを連想するのに……まあ、いいや。

 ここもさ、結構良かったんだよね。それこそまどマギのようなイヌカレー空間で説明してくれて、それがEDでも続くわけだ。

 すごくいいよね、この絵の使い方!

 また話の内容も『命』と『肉体』に関することだから、絵のテイストと一致している。お話に深みをもたらした演出だと思うよ」

 

カエル「女性やファンなら明らかになったその素顔に熱狂するだろうし、諏訪部順一ということもあって人気もあるだろうし、しかも2面性があってカッコイイときたもんで、厨二病のお年頃だったら参っちゃうキャラクターでもあるし」

主「このEPが人気の理由がすごくよく分かる。あれもこれもと詰め込んで、この先大丈夫なの? って心配になるほどだから」

 

そして明かされる2人の過去

 

カエル「そしてここだよね。ここがあるからこそ、このお話は人気なんだと思うけれど……」

主「ここがあるのとないのでは、映画として受ける印象も全く違う。このEP0が説明的なんだけど、もっとも作品の根幹に関わる部分であり、そこを映画として見せてくれたことで観客の幅を広げることに成功しているから。

 特にさ、あの何を考えているかわからないセバスチャン目線だけど、この2人がどのように今の絆を抱いていったのか、そしてキャラクターの掘り下げにもなっているしね」

 

カエル「ここがあるからありがたいのと同時に、セバスチャンが単なるいいやつじゃないっていう、当たり前のことが補完できていたしね。シエルもただの可愛い男の子じゃなくて、その意志の強さを感じさせられたし……」

主「で、やっぱりあの描写から見るに『ファウスト』に登場するメフィストフェレスってことなのかね?」

カエル「さあ? その可能性が1番高いと思うけれど、作品を読んでいないからなんとも言えないなぁ……」

 

 

 

 

最後に

 

カエル「他にもアクションシーンやギャグシーンもてんこ盛りで、結構いい作品だったよね!」

主「いやぁ、人気原作のアニメ化ということもあって、どうなることかと思ったけれど、これだったらまた見に行きたい内容になっているよ。劇場アニメの面白いところがたくさんあると思う

カエル「人気なのも分かるしさ、ここから先のテレビシリーズが作られたら、今からでも見たい!」

主「その意味では入門編としてもいい出来になったいるよね。キャラクター掘り下げもあり、人気キャラクター総出演でもあり、その関係性がガラリと変わるところもあるし、後々の伏線を張りつつ、1つの作品としては完結しているし」

 

カエル「今月では結構上位にくる作品になったんじゃない?」

主「本当だよ! この映画は『ザ・コンサルタント』の持つキャラクター萌えとアクションを持ちつつも『沈黙』の持つ悪に身を委ねる哲学的な要素が内包している、まさしく怪物級の……」

カエル「それは絶対言いすぎ!!

主「でも面白いのは本当だから、ぜひ劇場に足を運んでね」

 

 

 

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