物語る亀

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物語愛好者の雑文

<普通>実写版『映画 おそ松さん』ネタバレ感想&評価! Snow Manの役者としての今後につながる可能性を感じさせる映画に!

 

今回は実写化を果たした『映画 おそ松さん』について語っていきましょう!

 

これは、まあ、なんというか……なかなか癖のありそうな作品じゃな

 

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(C)映画「おそ松さん」製作委員会2022

 

カエルくん(以下カエル)

「どうしても題材からして”当たり屋”みたいな見方になりそうではあるんだけれど……アイドルファンとアニメファンの反応の差が激しいことになりそうな予感もチラホラ」

 

亀爺(以下亀)

「それで言えば、うちはおそ松さんのアニメはチラホラと見ておるがそこまで詳しくない。

 またスノーマンも殆ど知らず、今作が初めましてに近いかの」

 

 

カエル「じゃあなんで見にいくの? というと……監督が英勉だからです!

 記事で詳しく語りますが、実は結構好きな監督の1人なんだよねー」

 

亀「まぁ、誰もが認める名作を撮るタイプではないがの。

 というわけで、今回は『英作品としての映画のおそ松さん』という視点で見に行っておるぞ」

 

カエル「では、記事のスタートです!」

 

 

 

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感想

 

それでは、Twitterの短評からスタートです!

 

 

これは映画としては評価が難しいかもしれんの

 

カエル「もともとおそ松さんは、ギャグアニメということもあって、2時間の尺を持たせるのも難しいと思うんだよね。しかも実写化だし、さらにいろいろな意味で危ないネタも豊富な作品だから……

 なんでもできるんだけれど、同時にだからこそ難しいという作品でもあるのではないでしょうか

 

亀「はっきりと言えば、映画としては評価はできない。

 年間ベスト! という作品でもないじゃろう。かといって、年間ワーストというほどの作品でもないが……ゲラゲラと笑っておしまい、という作品という認識で間違いないのではないか。

 しかし、これがまた嫌いにはならないわけじゃな」

 

英監督が好きということもあるんだけれど、試みはすごくよくわかるしね

 

おそ松さんの実写化としては、かなり正解に近いものを提示しているじゃろう

 

カエル「正解なのに、映画としては評価できないの?」

 

亀「これがテレビドラマであったり、4話くらいの物語があるオムニバス形式であれば、まだ話は変わるんじゃろうがの。

 やはりおそ松さんというフォーマットで、2時間の尺を保たせるの非常に難しいと言わざるを得ない。

 短い小ネタで、15分から30分の物語に向いている作品じゃろう。

 一応、いろいろな挑戦やネタを入れており、あの手この手で映画を盛り上げているのじゃが……まあ、B級映画の領域は出ないの。

 英作品はどれもB級というべき作品じゃがな。

 それでも意図がはっきりとわかるような作品でもあったため、わしとしては嫌いになれない……そんな作品じゃな

 

 

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Snow Manの魅力を描く作品に

 

今回ではSnow Manが主演を務めたことも、大きいでしょう!

 

ここでは英勉の手腕が発揮されたの

 

カエル「英勉監督は、どちらかといえばいわゆるアイドル映画を中心に監督しています。演技力の評価されている完成された役者を使うというよりは、まだ演技経験の浅いアイドルを主役級に起用して、育てていくことが求められる監督だよね」

 

亀「それでいうと、今作も同じじゃな。

 Snow Manは舞台経験はあるじゃろうが、映画となるとそこまで数をこなしておらん。その中で、しっかりとキャラクターを演じる必要性があるわけじゃな。

 その役者の見せ方が英作品は上手い。

 いや、役者陣全員が『上手い!』と思わせるものではないが、きちんとその役者の魅力を発揮するような映像演出、あるいは物語になっておるわけじゃな。

 あまり評価されづらい監督ではあるが……例えば浜辺美波を『賭ケグルイ』で吹っ切れた演技を発揮させたように、その役者の秘めたポテンシャルを引き出すことのできる監督じゃな」

 

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(C)映画「おそ松さん」製作委員会2022

 

あまりネタバレにならないように話すと、今作ではSnow Manのいろいろな面が見られるような構成になっています

 

ここがアイドル映画として良かったの

 

カエル「単におそ松さんのキャラクターではなくて、いろいろなシュチュエーションになることで、その役者の可能性を発掘するような映画でもあるよね」

 

亀「恋愛劇、アクション、ゲーム作品、時代劇……この作品にでた役者たちは、今後もいろいろな作品に起用されるであろうが、その演技の可能性を提示しておるの。この映画を見て、起用したいと思う監督やプロデューサーもいるのではないか。

 アイドル映画は、映画ファンからは倦厭されやすい作品も多い。しかし、若手やアイドル俳優の修練の場であり、魅力を発揮する場としては絶対必要な場でもある。ここから成長し、一流の役者になる人もいるわけじゃしの。

 その点では、この作品のSnow Manはまさに合格点じゃ。

 絶対的に演技が上手いわけではないかもしれんが、今後の可能性を見せてくれてたし、それを引き出した英監督の演出プランが活きたと言えるのではないか」

 

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(C)映画「おそ松さん」製作委員会2022

 

ちなみに、その他の俳優に関しては?

 

基本的には若手中心ながらも、これはこれでアリだったのではないかの

 

カエル「もちろん、濱田マリ、光石研などのベテランの名優たちも参加していますが、基本的には若手主体で脇役も構成されています」

 

亀「どうしてもコスプレ感や無理が出てしまうが、背景などのセットもアニメに準拠するようなリアルすぎないものにしたため、案外普通に見えてしまう。

 今回はむつごがボケ役であり、脇役たちのツッコミの難しさは感じられてしまったものの、芸人さんではないからの。役者にはあまりない独特な役ということを考えれば、十分に演じ切ったのではないかの」

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

今作の賛否ポイント!

 

褒めポイント① さまざまな映画のオマージュたち

 

ここからはネタバレありで語っていきましょう!

 

これも賛なのかは微妙なところじゃが、いろいろな映画のオマージュや際どいネタが多かったの

 

カエル「おそ松さんって元々のアニメ版から際どくて、メタメタしい……つまり観客に架空の物語だとわからせてしまうような、下手をすれば醒めるようなセリフが多いんだけれど、今作はそれがうまく笑いにつながっているんだよね」

 

亀「アニメのおそ松さんはオマージュ、際どいネタをやりすぎた結果、欠番となってしまった回もあるくらいじゃからの……今でもレコーダーの中で、消せないわい。まあ『銀魂』みたいなものじゃな。

 それでいうと、今回も際どいネタは満載じゃ。

 メタメタしい会話だったり、の」

 

また、色々な作品のオマージュもあるけれど、過去の英作品を知っていると、笑えるものもあるんだよね

 

自分の作品であれば、大丈夫な部分もあるからの

 

カエル「例えばデスゲーム系は『カイジ』などの福本作品が前提にあるのは間違いないですし、トド松の演技も香川照之を意識しているのは伝わってきました。

 同時にゲームものというと『賭ケグルイ』があり、これも英勉監督作品なんだよね。

 途中で『賭け狂おうぜ!』なんてセリフもあったりして、明確に意識していたよね」

 

 

他にも色々なオマージュなどが見受けられたの

 

カエル「例えば、時代劇は明らかに『七人の侍』オマージュだったけれど、これは『映像研には手を出すな!』でもやっている演出法だよね。

 また裸になってしまうものは『ぐらんぶる』などでも見受けられたギャグだったし。実は色々な映画で色々なコメディ演出などをやっているから、どんなジャンルでも挑戦する監督なんだよね」

 

亀「それがうまくいっているかは……正直、評価が難しいがの😅

 ただ、その後のジョーカーオマージュや、アイアンマンオマージュもギリギリ許されそうなところを攻めるなどして、笑いを誘っておった。

 先に挙げた役者の力を引き出したこと、そしてこの笑いの演出に関しては褒めてもいいのではないかの」

 

 

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問題点<物語の構成について>

 

ではでは、問題点について語っていきましょうか

 

まあ、ダレにダレた作品じゃったの

 

カエル「ホントにワンアイディアって感じだったもんね。

 メインとなる養子関連の物語があって、それに対して物語的に進行していくというのはあったけれど……その展開が長いのなんのって」

 

亀「あのくだりを延々と30分くらい? やるものだから、ついには飽きてしまったの。3つのストーリーをボケ全開でやるから、それくらいの尺は必要だと思ったのかもしれんが……その間に全く話が進まないのは、やはり辛い。

 おそ松さんという作品のフォーマットとしては、それが間違いではないのじゃが……長編作品で行うボケとは、少し異なるということなのかもしれんの

 

後半も悪くはないんだけれど、まだそのくだりをやってんのかぁ……となっちゃったね

 

この辺りのテンポの悪さ、くどさもまた、英作品の悪癖というところかもしれんの

 

カエル「せっかくキレキレのアクションとかもあったわけだし、お話をもう少し進めてもよかったけれど……『おそ松さん』らしさを追求するならば、それはできなかったのかなぁ」

 

亀「そうかもしれんの。

 徹底的にギャグに振ったのは理解できる。

 じゃが、長編映画にするならば、やはりギャグ一辺倒ではなく、物語やテーマ性も重要だったのではないじゃろうか。

 その辺りがなかったのが、この作品が長く感じられてしまった理由の1つかもしれんな」 

 

 

 

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