今回は『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』の感想記事になります!
ヒットを記録している男性アイドルアニメの劇場版であり、ライブアニメ映画じゃな
カエルくん(以下カエル)
公開から時間は経ってしまいましたが、実は初日に応援上映で鑑賞しています
亀爺(以下亀)
ちなみに、1st dayだけ鑑賞しての結果じゃ
カエル「うちは特別作品のファンではない、というのは、先に言っておきます」
亀「作品ファン以外の、アニメ映画をたくさん見ているアニメファンの意見として捉えていただけるとありがたいの」
カエル「それでは、感想記事のスタートです!」
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感想
それでは、Twitterの短評からスタートです!
劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit Day1
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2023年5月21日
人気アイドルスマホゲームのライブ版を劇場でアニメ映画化とあって見てきましたが、やはり知らないアーティストのライブを見にいくのはハードルが高いですね💦
CG表現や歌、楽曲のレベルは高くて他のライブ作品と比較しても劣るものではないかと pic.twitter.com/WzJT28EYAu
ただし気になったのは”ライブ感”の作り方ですね
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2023年5月21日
ライブの醍醐味というのはその場で起こっている現象=ライブ感だと思いますが、CGでアニメだとどうしてもライブDVDなどを見ているのとあまり変わらない印象も
声出しや応援上映の形式も含めてどのように一体感を出すのかが問われている気がします
今作があくまでもライブにこだわったために自然な作りになっており、他作品のようなケレン味がなかったこともアニメ作品である意味が感じられなかった原因かもしれません
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2023年5月21日
でも好きなアイドルやキャラクターでこういった作品が作られるのは羨ましい‼️
自分もアイマスでこういった作品が観たい‼️
これは今後に期待、と言ったところかの
カエル「背景から説明すると10年代以降のアイドルアニメ隆盛の時代を経て、劇場アニメでも2016年の『KING OF PRISM by PrettyRhythm』などのヒットを経て、応援上映の文化も定着の兆しを見せています。
特に女性向けの男性アイドルアニメのライブというのは、近年盛り上がりを見せており『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』などは20億円を超える大人気作品となっています」
今作もその流れに乗り、大ヒットを記録しておるの
亀「それだけアイドルアニメにおけるファンを対象としたライブものというのは、何度でも通いたくなるほどの魅力を兼ね備えているということじゃな。
これは物語で魅せるという旧来のアニメ映画作品と異なるものであり、ある種のネタバレ……展開がわかっており、内容が全く同じであっても、ライブであれば何度でも通いたくなるほどの魅力があることでも、ビジネスとしても大きなことじゃろう」
やっぱり好きなアイドルが大きな画面で踊って歌っているのって、何度見ても楽しめるからね!
この辺りは男性向けアイドルアニメも参考にするべきポイントじゃな
亀「それに応援上映を行うことで、観客の一体感も生まれる。劇場でなければできない体験を提供してくれるわけじゃな。
もちろん、通常上映もあることからゆっくりと観ることもできるのは当然。この選べるというのが、とても大事であるし、グッズなども多く販売できるという利点もあるじゃろう」
作品の評価
ここまでは背景の解説みたいになったけれど、作品そのものとしてはどうだったの?
わしとしては可もなく不可もなく、と言ったところかもしれんな
カエル「あー、ちょっと手厳しいのねぇ」
亀「まあ、わしは本作の特別なファンではないからの。
逆に言えば、ファン以外の目線であるとも言えるし、あるいは『BanG Dream! FILM LIVE』も含めて、たくさんのこういった劇場公開されるアニメライブ映画を観てきたということでもある。
その中でいうと、本作は”リアルなライブ感重視”といった印象じゃな」
カエル「リアルなライブ感というと、本当にライブを見ているような印象になるような作品ということだね」
亀「そうじゃな。
例えば上記のキンプリ、あるいはうたプリなどは、時には爆発や空を飛ぶような、アニメらしいバカバカしいような表現も見られる作品じゃ。
それはそれで、ケレン味として面白くもあり、ライブの見せ方としてはありじゃろう」
『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』より
現実では困難な演出をアニメだからこその演出で見せる
一方で、本作はそのような演出はあまり見られない
カエル「暗転して次のキャストが登場するまでの間とかも含めて、リアル寄りだったという評価なんだね」
亀「おそらく、今回のライブはそのまま現実で行おうとすれば、可能なのではないだろうか。
それくらい”現実に存在するアイドル”として描こうとする意図が感じられたし、そのクオリティ自体は……CGキャラクターなどのクオリティは悪いとは思わなかった。
一方で、このリアル感が、映像表現としては退屈感を出してしまった印象じゃな」
今作の挑戦と課題〜アニメ映画におけるリアル感とは何か?〜
その退屈感や欠点というのは、どういうところにあるの?
単純に、ライブの魅力とは何か? ということに行き着くのかもしれん
カエル「ライブの魅力かぁ。
ボクはそこまでライブにいくわけではないけれど、それでも最近は行けてないけれど年1回は行くかなぁ。CDとかとは違う、ライブならではの魅力っていうのも、たくさんあるよねぇ」
亀「そうじゃな。
ここで難しいのは映画とライブ感というのは、そこまで相性が良くないということじゃ。
ライブというのは1回性というのが重要になる。何度も巻き戻したり、同じ体験をすることができない。例え同じ演出・同じセットリストであっても、観客が変われば流れも空気感も変わる。
全く同じライブを何度もやることは、不可能に近いわけじゃな」
ライブはなまもの、ということだね
当たり前じゃが録音・録画ではないこそ”ライブ”というわけじゃからな
亀「しかし、一方で本作は映画という構成上、録画・録音された映像や音楽を観るという形式になっておる。
そしてそれをライブというのは、かなり難しいじゃろう。
編集はされているし、何度も繰り返して鑑賞できるようになっているものを、ライブ映像とはなかなか言わない」
まあ、それはそうかなぁ
そうなると、ライブ感を生み出すものは何か? という問題になるわけじゃな。
亀「当然ながら今作はキャラ(声優)の歌声も、ライブパートもおそらく台本にあるものを読み上げている。
しかし、ライブというのは、そういうものではない。
CDに比べて音程を外す歌手や演奏、歌詞を間違える、音のバランスが崩れるようなハプニング、作り込まれていないMC……そういった、ある種マイナス面と受けとめられるものも含めて、その1回性がライブ感を作り上げる。
それを映画ではライブ風に演出すればするほどに、ライブではない違和感が生じてくる。もちろん、カメラワークなどの問題もあるが……わしが1番問題だと感じたは、ここじゃな。
だからこそ、そのほかのライブアニメ映画はケレン味をたっぷりと入れている。これはアニメの強みでもあるし、そこまで行くとライブ感の不在ということは、気にならなくなるのではないか? というのが、わしの結論じゃ」
ライブ感を与えるライブ映画とは?
色々な映画があるけれど、その壁をどのように乗り越えているの?
1番わかりやすいのは『バンドリ』じゃろうな
バンドであることにこだわる作品ということだけあって、ライブ感を感じるアニメ映画だったよね
亀「今作は楽器の音を強めにすることで、歌唱が聞こえづらいほどの調整になっているのじゃが、それがかえって作品のライブ感を強める結果になっておる。
あるいはパフォーマンスの魅力という意味では、実写じゃが『ボヘミアン・ラプソディ』などは、まさにこのバンドリと同じような魅力を内包した作品と言えるじゃろう」
もちろん、これらの作品はバンドの作品であり、アイドルのライブとはまた違うじゃろう
亀「しかし、今作のライブ感を生み出すには、参考になる部分も大いにあるのではないか?
今作やこのジャンルは、まだ始まって数年であり、作品数もそこまで多くない。その中で実験的な部分も大いにあるジャンルじゃろうし、世界的に見ても珍しい作品だと感じている。
今後も様々な実験を経てクオリティも上がっていくじゃろうし、オレンジは力のあるスタジオのため、もっと進化していくじゃろう。
そこも含めて、今回は課題もありつつも、今後に期待、という評価になるかの」