いよいよクイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーを扱った本作が公開です!
やっぱり、日本で1番人気の洋楽のバンドといったらクイーンになるんじゃない?
カエルくん(以下カエル)
「有名だったらやっぱりビートルズだろうけれど、人気となると多くの世代が知っているし、10年くらい前にもブームがきたクイーンも候補には入ってくるだろうね。ランキングをとれば、おそらくTOP5には入ってくるんじゃない?」
主
「自分も特別好きなバンドだから、かなり熱い思いがあるよ」
カエル「洋楽にはあんまり詳しくないけれど、クイーンは別なんだね」
主「やっぱり10年ちょっと前にあったキムタクのドラマから派生したクイーンブームは大きい。
といっても、自分はK-1が大好きだったから、アンディフグの入場曲だった『We Will Rock Rou 』に馴染みがあったのも大きいけれどね」
カエル「いまだに多くの映画やドラマなどでも楽曲が使われているので、思い入れがある方や曲を聴けばなんとなくわかる方も多いのではないでしょうか?
というわけで『ボヘミアン・ラプソティ』の感想記事のスタートです!」
感想
まずはTwitterの感想からです!
#ボヘミアンラプソディ#LIVEZOUND で鑑賞、拍手あり!
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2018年11月9日
もうクイーンの声が響き渡るだけで涙目ですよ…反則的な楽曲の魅力にも満足
最高のサウンドで観たこともあり、完全にライブ会場にいる気分に…応援上映したいなぁ
映画としては思うところありも、これ以上ない音楽映画としての魅力に拍手! pic.twitter.com/6yD9Sb535J
やっぱり胸熱でとてつもない音楽ですよ
カエル「ちなみに、公開初日の夕方の評価として、Yahoo!映画ではレビュー平均が4,70、映画ドットコムが4,4、Filmarksが4,4と異常とも言える高評価が並んでいます!
これは2018年も2ヶ月を切ったところで出てきた、今年屈指の傑作と言っても過言ではないのかな」
主「いまだに根強いクイーン人気が伺えるよね。
もちろん自分も賛ですよ、というかこの作品を否定する材料がほとんどない。
音楽映画としての完成度も非常に高いし、とても面白くて幅広い層が受けれ入れてくれる作品に仕上がっているのは間違いない」
カエル「やっぱり、音楽の力って偉大だよねぇ」
主「ただし、自分としてはちょっと思うところもあって……というのは、この作品を支えるクイーンの魅力は120パーセント伝わったし、これほどうまくまとめてくれたことに感謝もある。フレディの人生を中心に、うまくこの時間に納めたな、という思いもある。
ただ、音楽が絡まないシーンなどが若干退屈にも思えてきたんだよね……
主に人間関係のドラマ部分に関しては、もう少し魅せ方が工夫されていた方がいいのかな? と思ったり。
でも全体としては間違いなく傑作だし、終盤の盛り上がりなども見所抜群だったね」
ボヘミアン・ラプソティといえばやはりこの構図!
音響のいい映画館をお勧めします!
今回は川崎にあるチネチッタのLIVE ZOUNDで鑑賞しました!
やっぱり圧巻の音響ですよ!
カエル「実は11月2日の金曜日から、新千歳空港で行われたアニメーション映画祭に参加しようとしていたけれど、この映画のLIVE SOUND試写会と被るために、直前まで飛行機のチケットを取らないで様子を見ていました」
主「それだけ楽しみだったし、どうしても行きたかったんだよね。結果的には落選したので、そのまま新千歳に行きましたが、この映画は絶対にいい音響の映画館で観ないと勿体無い。
特に都心周辺であれば、川崎のチネチッタか、立川のシネマシティになるんじゃないかなぁ……もちろんIMaxなどもいい。
とにかく、絶対に音響のいい劇場で観てください!」
カエル「家でDVDなどで観るのとはまた違うよね。そして、多くのお客さんとこの興奮を共有するのも大事だよね」
主「今回は応援上映ではなかったものの、何人かのお客さんは明らかにリズムと一緒に肩が動いていたし、自分もなんども歌い出したくなる気持ちをグッとこらえていたし。
それが他の人も同じだったのが伝わってくるからこそ、是非とも劇場で観て欲しい、観客も巻き込んだライブ感を味わって欲しいね」
クイーンのアルバムといえば日本ではジュエルズが有名かなぁ
このアルバムから入門した人も多いのでは?
役者について
クイーンのメンバーになり切った役者陣はどうだった?
いやー、よかったでしょう!
カエル「もともとそこまで詳しいわけではないけれど、たまにライブの映像などで観ていたクイーンを思い出したよね」
主「今作では演奏や音声は当時のメンバーのものを使用しているけれど、動きなどは当然役者陣が完コピしています。
最後の21分間に渡るライブシーンはLive Aidというアメリカでも伝説のチャリティーイベントのものを使用しているけれど、その映像をしる人たちからも似ているという評判が多いんだよね」
カエル「あのフレディの歌声を再現できる人なんて皆無だし、口パクだけれどこれでよかったんじゃないかなぁ」
主「主演のレミ・マレックも容姿が特別フレディに似ているというわけではないと思うんだけれど……少なくとも自分はちょっと違うなぁとは思ったけれど、でも動きなどはフレディぽくてとても魅了された。
それは他のメンバーも一緒だよね」
カエル「容姿などの面でも特に違和感なく鑑賞することができるのではないでしょうか?」
主「ネタバレなしの最後にどうしても語りたいのが”猫”と”日本”の存在!
この作品では度々猫と日本に関するものや情報がちょいちょい挟まれるけれど、それは日本への興行上のアピールなどではなく、フレディが本当に愛したものだからだ。
猫の可愛らしさと、ちょいちょい小ネタレベルで挟まれる日本要素を、フレディの愛したものをぜひ感じてほしいね!」
以下ネタバレあり
作品考察
スタートの演出から涙
では、ここからはネタバレありで語っていきます!
まずスタートからずるい作品だよねぇ
カエル「本作のスタートというと、やっぱり20世紀フォックスの音楽とか?」
主「そこもすごく考えられていて、いい音響の映画館だったら一気に引き込まれた。
さらにいえば、最初に流れる楽曲が『Somebady to love』だったわけじゃない?
愛に全てを、と訳されることもあるけれど、この歌詞は『俺に愛すべき人を見つけたくれないか?』というもので、本作で愛にもがき苦しむフレディともリンクしているわけだよ」
カエル「フレディ自身は結構勝手なことをしているけれど、本当の愛を求めていたわけだしね……」
主「もちろんクイーンの名曲だからというのもあるけれど、ここでSomebady to loveを選択することによって、その後の本作の流れなどを予告している部分もあり、それが自分にはガツンと刺さったね」
カエル「それでいうと、中盤から終盤にかけて流れる『 Under Pressure』なんかも重圧に押しつぶされそうだ! という彼の心の声を叫ぶような楽曲だし……」
主「本作はフレディの背中がとても印象的に映されているけれど、日本で限定販売し、ブームを巻き起こしたアルバム『ジュエルズ』においても写っているのはフレディの背中でしょ。
やっぱり彼の背中は……拳を突き上げている後ろ姿は、ファンの心を掴んで離さない魅力があるということだろうな」
あまりにも現代的な映画
しかし、こうやってみるとフレディの人生って波乱万丈だよねぇ
自分としてはちょっと出来過ぎだよなぁって思った部分もある
カエル「もちろん映画用に時系列を組み替えたり、一部脚色を加えてはいますが、フレディの人生自体はかなり波乱万丈なものです」
主「現代の売れる、あるいは評価される映画の条件がいくつかある。
- ゲイ、レズなどのLGBTに関する問題(女装を含む)
- 移民などの差別に対する問題
- 病気や障害などから立ち上がる描写
- 様々な家族像を見せる姿
あと大きいのは女性の独立を描いた作品なんだけれど、これは本作にはないので除外します。
それでいうとさ、本作はあまりにもうまくできすぎているよね」
カエル「まあ、フレディの人生だから出来過ぎというのも変な話ですが、インドで長く幼年期を過ごしたあと、ザンジバル革命に巻き込まれてしまい、家族でイギリスで亡命します。
そして結婚後に同性愛者として目覚め、エイズによって命を落としてしまいます」
主「この部分を強調することによって、現代の映画としもっとも評価されやすい作品として仕上がっている。
しかも、フレディの人生を歪めることなくね。
この着目点は見事である一方で、自分としてはあまりにもできすぎたようにも見えることから、ちょっと引いてしまうというか、穿った目をしてしまったかなぁ」
カエル「うますぎるからダメってのも変な話だけれどね……」
主「最初に述べた『人間ドラマが〜』というのはこの部分であって、あまりにもこの要素を強調しようとするあまりに、ドラマとしての面白さは減ってしまったようにも見える。
だけれど、本作が高い評価を受ける理由は何と言っても楽曲の良さなんだ」
圧倒的なクイーンの楽曲の良さに痺れていく!
もうそこは疑いようがないというか、そこを否定したら『じゃあなんでクイーンの映画を見に行ったんだよ』ってレベルの話だもんね
ただ、それに頼りすぎているかなぁ
カエル「ファンとしては往年の名曲を劇場のいい音響で聞けたら、それだけで最高なんじゃないの?」
主「最高だよ!
だからこそ、思うところもあるのかなぁ。
有名な『Bohemian Rhapsody』の逸話をあのようにしっかりと見せてくれたし、自分は音楽史上最高の発明とも思っている『We Will Rock You』の印象的なビートの誕生秘話を見せてくれただけでも十分。
欲を言えば日本コンサートの様子などもあればよかったけれど、ちらっと写っていたけれど、日本の着物か何かが部屋に飾られていたよね?
親日家らしい一面もちゃんと映してくれていた」
カエル「……それでもちょっと思うところはあるんだ」
主「う〜ん……すっごい贅沢なことをいうけれど、今作の魅力ってクイーンの楽曲の魅力が7割くらいを占めているような気がするんだよ。
ものすごくうまくできたライブDVD+再現VTRっていうのかなぁ」
カエル「……でもさ、この題材ならばそうなって当然じゃない?
むしろクイーンの魅力を紹介するという意味では、間違いなく100点の出来なわけだし」
主「だから言葉に困っているんだけれど、本作が”1本の映画”として……物語として評価できるのか、と問われたら、自分はちょっと言葉に困る部分がある。
いや、もちろん傑作なんだけれど、なんていうのか……綺麗すぎるというか、クイーンてこんなに綺麗なバンドだったっけ? というか。
結局最後にエイズのお話と『We are the Champions』があり、さらに『Don't Stop Me Now』の誰も俺を止められないぜ! って歌詞を流されてしまうと、全部丸く片付けられてしまうよね、というか……」
カエル「それ、イチャモンにすらなってないよ」
主「これだけ魅力的な作品を次々生み出したのはもちろん素晴らしいけれど、それこそミュージックビデオ的すぎるというか……
まあ、イチャモンなんだろうなぁ……」
カエル「ちなみにミーハーな僕としては『I Was Born To Love You』を流してくれたらもっと嬉しかったかな。日本では特別人気が高い楽曲だしね」
本作の違和感の正体〜伝記映画の難しさ〜
でも、アメリカだとトマトメーターでは批評家票はそんなによくないんだよね
伝記映画の難しさだよねぇ
カエル「え〜っと、この映画はフレディの人生を歪めてはいませんが、ただし時系列は大いに歪めています」
主「本作ラストのLive Aidは1985年に行われているけれど、その前後のフレディの年表はかなり入れ替わっている。
例えば、Twitterで話題になっていたけれど、フレディのソロデビューの前にはすでにロジャーとブライアンがソロでデビューしており、他のメンバーもソロ活動には積極的だった。
他にも1985年にリオで60万人の観客動員を達成し、そのあとにLive Aidがやってくるから、実はクイーンの活動期でも中期くらいの出来事なんだよね」
カエル「へぇ〜……なんか映画では中盤でクイーンの影響の大きさを示すためにリオの話をしていたけど、Live Aidと同じ年なんだね」
主「さらに言えばフレディのエイズ問題だけれど……
- フレディがエイズに感染を知ったのは1987年と言われている
- ポールプレンターは1986年までフレディの元で働いていた
ということを考えれば、この映画ではエイズが原因でみんなが仲良くなったようになっているけれど、それは全くの別問題だというのがわかる。
しかも、恋人のジム・ハットンと交際を開始したのは1984年であり、Live Aidの前には交際しているんだよ」
カエル「まあ、これは映画を面白くするための脚色だから、そこまで目くじらをたてることもないだろうけれど……」
主「ちなみに女性の恋人ではメアリー一筋のように描かれていたけれど、オーストリアの女優と付き合ったり、ゲイというよりはバイセクシャルであったみたい。
まあ、ゲイの場合って遅くに同性愛に目覚めることも多くて、結婚して子供が生まれてから自分はゲイだったって知る人もいるから、なんとも言い難い部分だけれどね」
カエル「史実と違うと考えるよりは、それだけモリモリな要素をうまくまとめたと考える方がいいのかなぁ」
まとめ
では、この記事のまとめです!
- 間違いなく今年を代表する映画の1つ!
- クイーンファンも初心者でも伝わる圧倒的な音楽の魅力が◎
- 狙いすぎ!? でもこれがフレディの人生なんです
まあ、最後のは自分がちょっと疑問に思ってしまった部分なんで……
カエル「実際にいた人を扱うからこその違和感もあれば、脚色や取捨選択は当然あるものだからね」
主「これでまたクイーンブームが来るといいなぁ。まず、TUTAYAからクイーンのアルバムはなくなるんじゃない?」
カエル「世界を駆け抜けた、日本陣も大好きなバンドの勇姿をぜひ劇場で!
あと映画館さんは応援上映をよろしくお願いします!」
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