物語る亀

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物語愛好者の雑文

<良作>映画『夏へのトンネル、さよならの出口』ネタバレ感想&評価! 映像表現の手腕が光る作品に!

 

今回はアニメ映画『夏へのトンネル、さよならの出口』の感想記事になります!

今回の記事は紹介よりも、感想を中心とした記事になっています!

 

(C)2022 八目迷・小学館/映画「夏へのトンネル、さよならの出口」製作委員会

 

カエルくん(以下カエル)

前回は紹介記事となりましたので、こちらでは感想を中心とした記事になります!

 

なので、こちらの記事は内容に踏み込んで、語っていこうと思います

 

カエル「全体評価としては褒めが多くなりますし、前回の紹介記事で語ったことが嘘というわけではありません!

 紹介記事では、やはり内容に言及しづらいので、こちらでもしっかりと語っていこうと思います」

 

主「それでは、感想記事をスタートしていきましょう!!」

 

↓紹介記事はこちら↓

blog.monogatarukame.net

 

 

 

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作品紹介・あらすじ

◆主要スタッフ◆   

監督・脚本 田口智久(『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』など)

原作 八目迷(『ミモザの告白』など。本作がデビュー作)

アニメーション制作 CLAP(『映画大好きポンポさん』など)

 

声優・キャスト紹介

塔野カオル (CV鈴鹿央士)
花城あんず (CV飯豊まりえ)
塔野カレン ( CV 小林星蘭)

カオルの父(CV小山力也)
川崎小春(CV小宮 有紗)

 

左 花城あんず(CV飯豊まりえ)  右 塔野カオル(CV鈴鹿央士)

(C)2022 八目迷・小学館/映画「夏へのトンネル、さよならの出口」製作委員会

 

 

作品紹介  あの日の君に会いに行く。

デビュー作が第13回小学館ライトノベル大賞において「ガガガ賞」と「審査員特別賞」をW受賞した八目迷による小説『夏へのトンネル、さよならの出口』(小学館「ガガガ文庫」刊)が劇場アニメーションとして2022年9月9日に公開。
劇場アニメーション『夏へのトンネル、さよならの出口』は、監督を映像表現に定評のあるアニメーション監督・田口智久(『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』(20)、『アクダマドライブ』)、キャラクター原案・原作イラストを精緻でドラマティックなイラストレーションで知られるくっか(『D_CIDE TRAUMEREI』キャラクター原案)、制作を『映画大好きポンポさん』(21)などを手がける新進気鋭の制作会社CLAPが担当。

あらすじ

ウラシマトンネル――そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入る。
ただし、それと引き換えに……
掴みどころがない性格のように見えて過去の事故を心の傷として抱える塔野カオルと、芯の通った態度の裏で自身の持つ理想像との違いに悩む花城あんず。ふたりは不思議なトンネルを調査し欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶ。
これは、とある片田舎で起こる郷愁と疾走の、忘れられないひと夏の物語。
(公式サイトより抜粋)

natsuton.com

 

 

 

 

感想

 

それでは、Twitterの短評のスタートです!

 

映像表現の手腕がものすごく光っていた印象だね

 

カエル「田口監督作品では、うちだと『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』が最も感慨深くて……

 まだ30代と若いアニメ監督ながら、近年ではテレビシリーズでは『アクダマドライブ』などを監督しており、確かな実績を残している注目の若手アニメ監督だよね!」

 

blog.monogatarukame.net

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今作で、さらに一躍注目監督として、さらに注目されるのではないだろうか

 

カエル「そう考えると、デジモンは有名原作付き、そこから『アクダマドライブ』でオリジナルTVアニメにいって、さらに今作で原作付きだけれど1本で完結する、ファン向け作品ではないアニメ映画を撮るということでも、着実にステップアップしている印象だね」

 

主「そして本作は、この監督の手腕がとても発揮された印象だ。

 少し内容に踏み込みながら、今作の良かった点について触れていこう」

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

今作の良かった点

 

良かった点① 原作→映画に対する変化のうまさ

 

今回は映画を読み終わった後に、原作を読んだのでその視点からも語っていきましょう!

 

監督の映像化に対する脚本化の手腕が、巧いと感じたね

 

 

 

カエル「内容に関しても大きく変化しているというわけではありませんが、実は細かい部分が変わっているんだよね」

 

主「小説は新人賞ということもあってか、最初に主人公である塔野カオルの家庭環境などの状況を説明するんだ。

 そしてクラスメイトの会話や、ウラシマトンネルなどの基本的な状況について設定を開示したのちに、物語は進行していく。

 だけれど、映画は塔野カオルと花城あんずが駅で出会うところからスタートする」

 

ふむふむ……

 

こうすることで、観客が誰に注目すればいいお話なのか、というのが、とてもわかりやすくなるんだよ

 

カエル「つまり、この話の中心はあくまでも塔野カオルと花城あんずの物語であり、それ以外の登場人物はそこまで重要ではない、と……」

 

主「原作では川崎などの他の登場人物の描写もあるのだけれど、映画はある程度カットしているんだよね。

 あくまでも2人の物語であり、それ以外の物語は余計なものとしてカットしている。

 その効果がはっきりと出たのが、83分という上映時間だ」

 

最近のアニメ映画としても、83分というのは異例ではないにしろ、短いように感じるかなぁ

 

小説をそのまま映像化したら、多分100分近くはなると思う

 

主「それを映像化するに向けて、カットして、再編集して、見せ方を工夫して……という形で構成をいじることで、しっかりと映画として満足ができる作品に仕上がっている。

 だからこの映画って、セリフなどで説明するセリフがかなり少ない印象で、少なくとも自分には映像が特に頭に残るんだ。

 少し原作批判になってしまうけれど、この原作は展開などが巧い……あるいは強いタイプの作品ではない。物語そのものは弄らずに流れなどを構成して、完成度を高めているんだよ。

 ボクは原作と映画なら……映画から入ったこともあるけれど圧倒的にアニメ映画版に軍配を上げる。

 言葉で語るメディアとしての小説→映像で語るメディアの映画の構成、ひいては脚本の作り方、物語の見せ方などが、とてもうまい印象だった」

 

 

 

 

良かった点② 積み重ねられた映像的な伏線と回収

 

伏線と回収というと、最近だと『ONE PIECE』的というと伝わりやすいのか……事前にネタを振っておいて、後で回収するということが話題になりやすいよね

 

物語の構造について語られることが多いものの、今作はしっかりと映像演出として機能している印象だ

 

カエル「例えば、以下のシーンがその一例になると思います」

 

(C)2022 八目迷・小学館/映画「夏へのトンネル、さよならの出口」製作委員会

このシーンは2人の出会いを描く、ほんの冒頭5分くらい? のシーンだけれど、ここからして巧い! と感じた

 

カエル「ここを冒頭に持ってきたのは、先ほど語った脚本の巧さにも通じる部分があるのではないか? ということだよね」

 

主「何が巧いかというと、ここで2人の手をピックアップしているんだよ。

 傘を掴む手が触れ合わない=2人の心の距離感というのをきちんと描き、2人の関係性と距離感をしっかりと映像化している。

 ここでその後に2人が仲を深めていくにつれて、手の距離感は近づいていく……そしてあるタイミングで、ぎゅっと握られることになるんだ

 

こうやって映像的に説明してくれるからこそ、とても感情移入しやすい映画にもなっているわけだね

 

単純に映像が綺麗というのもあるんだけれど、あと気に入ったのはこのシーンだね

 

(C)2022 八目迷・小学館/映画「夏へのトンネル、さよならの出口」製作委員会

ここですごく、塔野カオルが花城あんずに囚われ始めている、という感覚が出てくると思うんだよね

 

カエル「中盤くらいのシーンでありますが、物語の山谷で言えば、谷場にあたる部分ですね。ここであんずの家族関係や心境を深く掘り起こすことで、その後に展開につながっていきます」

 

主「ここでとても好きなのが、2人の関係性が普通の恋愛作品のように”好き・嫌い”だけで構築されていないところ。

 この2人というのはある種の共犯・あるいは共依存関係であり、決して褒められた関係ではないんだ。それでも2人が惹かれあっていく……そして囚われの関係であるということが、髪の毛を鉄格子や運命の糸のように絡ませ合うことで、描かれている。

 色彩も見事だね。

 もちろん、撮影技術も優れているし、塗りも独特だけれど見応えがあって、映像的にも優れた作品だ

 

(C)2022 八目迷・小学館/映画「夏へのトンネル、さよならの出口」製作委員会

ハッとするほど美しいトンネルの空間

 

良かった点③ 『ポンポさん』などに通じるクリエイターとしての思い

 

次に挙げるのが、このクリエイターとしての魂という部分だけれど……

 

夢とか、追いかけたいことがあるということを肯定的に描いていたね

 

カエル「もちろん、原作でもここは描かれていますが、アニメ映画版ではさらに強調されていた印象でした」

 

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ここいらへんは『ポンポさん』のスタジオって感じだよね。

 

主「もしかしたら松尾亮一郎Pの語りたい部分なのかもしれないけれど……それは考えすぎかな。

 ちょっと話は逸れるけれど、松尾亮一郎Pは監督の持ち味をしっかりと活かしてくれるし、その力を発揮する場を与えてくれるプロデューサーなのかもしれない。

 今後にも要注目のスタジオ&プロデューサーだね

 

作中では拙くても幼い頃から漫画にかける情熱があるあんずを中心に描かれていました

 

2人も過去をひきづるけれど、その中身が全然違うんだよね

 

主「巧いな、っと思ったのは、2人が過去をひきづるという意味では同じ人間なんだよ。

 過去に出会った人……妹かおじいちゃんかという違いはあるけれど、そこにずっと惹かれている。

 でも、あんずは実はやりたいことや未来がある人で、カオルはそれがない人だった。だからこそ、2人の道は決定的に変わってしまう。

 ここはカオルの後々の行動に大きな意味があるものだから、ここでクリエイター論にグッとこないと、カオルの気持ちが嘘になる。

 でも、ここであんずのクリエイターへの思いがしっかりと描かれているから、観客も納得できるんだよね

 

 

 

 

気になった点

 

気になった点① 声の演技

 

では、次に気になった点について語っていきましょうか

 

……映像化の手腕に関しては文句なしなんだけれど、声や音響に関しては、かなり気になってしまった

 

カエル「あ、それって芸能人声優だからってこと?」

 

主「勘違いしないでほしいのは、ボク自身は芸能人声優自体には否定的ではない。巧い人も、ハマる人もいるし、それこそ『映画大好きポンポさん』は見事にハマっていた。

 そして今作も悪いとは思わないけれど……エネルギーというのかな、観客を引き込む力が少し足りないと感じてしまった

 

カエル「アニメの難しいポイントかもね。

 しかも、この作品はほとんどカオルとあんずの2人芝居だし、他にも演技達者な本職声優さんが出てくるから、そことどうしても比較してしまったのかもね……」

 

主「映像的にも、どちらかといえばリアル志向で、ケレン味は少ないタイプの作品だと思う。少なくとも『映画大好きポンポさん』に比べれば、だいぶ写実的だとも言える。

 でも物語の起伏がそこまで激しくないし、2人の会話劇が続くから、声の演技の幅がかなり問われるんだよね。そこがとても足りていないと感じてしまった。

 これは巧い下手、合う合わないではなくて、経験による演技の幅の問題だろうな……演技そのものは役に合っていると感じたよ

 

 

 

 

気になった点② 微妙にハマらない音楽

 

ここは好みの問題かもしれませんが、音楽の使い方が気になったと……

 

う〜ん……人気のアーティストで、この手法は今風でとてもやりたいのはわかるのだけれどね

 

カエル「音楽に関しては先ほどから名前を上げている『ポンポさん』でも効果的で、とてもどハマりしたので、その比較があるのかもしれませんね」

 

主「なんていうかなぁ……この音楽である必要が薄かったのと、なんとなく入れました感があったというのかな。

 全体的に音響関連に関しては、ちょっと疑問符が出てきてしまうのだけれど……特にこの挿入歌はタイミングとしては悪くないと思うけれど、ちょっと合っていないというのかなぁ……効果的ではない、といった方が印象に近いかな。

 そんな感じがしてしまったね。

 この辺りは好みもあるから、難しい部分だけれどね」

 

 

 

 

最後に

 

というわけで、感想記事に関してはここまでになりますね

 

映像化に関しては◎だけれど、音響関連が△という評価になってしまったかな

 

カエル「だから、田口監督が直接的に関わったorクレジットされている部分は評価できるけれど、それ以外は微妙ということなんだね」

 

主「もちろん、監督だから音響方面も関わっていると思うけれどね。

 この辺りは趣味の問題も絡むから、難しい部分ではあるけれど……

 でも田口監督は今後絶対に注目しなければいけないクリエイターだということが、はっきりとわかったし、その点でもこの作品に出会えたことは、ボクにとってとても有意義だったかな

 

 

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