今回は『劇場版 Free! the Final Stroke 前編』の感想記事となります
前編だけの評価ということもあり、少し短めの記事となるぞ
カエルくん(以下カエル)
「京アニがほこる女性向けアニメシリーズの金字塔であるFreeもついに最終章!
というわけで、見に行ってきました」
亀爺(以下亀)
「このシリーズは映画も充実しているから、追いやすくて嬉しいの」
カエル「なんだかんだで追いかけてきたからね。
あんまり女性向けの、男性たちがわちゃわちゃするスポーツモノって苦手な部分もあるけれど、本作はその嫌悪感もほとんどなく観れたよね。
その意味では、男性にも女性にも愛されるシリーズだと思います」
亀「特に水の表現なども話題になったからの。
ではでは、早速感想記事のスタートと行こうかの」
感想
それでは、Twitterの短評といきます!
free前編
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2021年9月17日
よく言えば安定・安全に作られている
作画・演出に見応えがありキャラクターの魅力を発揮した映像美が楽しめる
ただし前編ということはあるが全体的に後日談じみた感は否めず話が動いてはいるが盛り上がるのは後半に入ってからと、物語としては少し手堅すぎる印象を受けてしまった pic.twitter.com/NU9MFR5T7q
あとは水泳描写も台詞の説明が多くて映像で説明する部分が少ないように感じられてしまった
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2021年9月17日
とはいえキャラクター命の作品なので問題は薄いか
しかしあの展開は何回目だよ、とツッコミたい気持ちも僅かにあるかなぁ
安定の映像表現が楽しめる作品ではあったの
カエル「まず、間違いなく言えることは全体的な評価としては、かなり高めになるのではないでしょうか?
もちろん前編ということもあって、1作の映画としての評価は難しいですし、あくまでもシリーズファン向けの作品なので……ここから入門というのも無理でしょう。
同じ京アニ作品のシリーズ最終作でも『たまこラブストーリー』とか、あるいは『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ならば、映画版からの入門も可能だと考えますが……今作はそういうタイプの作品ではないってことだね」
亀「この視点がとても重要な印象があるかの。
つまり、本作はあくまでも『”それまで作品を見てきてくれたファンの向けての”劇場版』であるということじゃな」
映像表現について
映像表現そのものは、さすが京アニという感じで、全く文句がないよね
見ていてはっとするような演技も非常に多かった
カエル「これはともすれば当たり前なんだけれど、キャラクターの理解度がとても深いというかね。
仕草や動き1つ1つとっても、静止している瞬間がほとんどないのではないか? というほど作り込まれているし……その魅力というのが伝わってきた。
どうしても女性向けの男性がいっぱい出てくる……何というか、乙女ゲーみたいな作品って苦手なんだけれど、Freeに関しては問題なく観れてしまうというのも、この映像表現とキャラクターの理解度があるというか」
亀「リアルな方向の男性像ではなく、デフォルメされながらも、男性が観ても不快に思わない描写になっているというかの。この辺りは京アニらしいのかもしれんな。
また水泳描写なども迫力があり、非常に見応えがあった……が、一方で競技シーンでは説明台詞が多く、映像で魅せることはできていても、映像で説明することができていなかったのが、少し気になるかの」
カエル「この辺りは水泳という、誰かと決着がつくけれど、直接コンタクトがないスポーツということもあるのかな。
また陸上などであれば話は変わるのだろうけれど……」
亀「試合シーンがメインになる作品ではないしの。
しかし、文句があるのがそのくらいじゃな。それ以外に関しては映像表現に関しては満点に近いじゃろう。
2021年トップレベルとまでは言わんが、しかし劇場でやるべきクオリティにしっかりと仕上がっており、見応えはあったの」
物語について
で、物語に関してだけれど……
ここはちと、評価が難しいかもしれん
カエル「物語的には、前編ということもあるけれど……全体的にはほとんど話が動かないというか、動いてはいるけれど、そこに感情が乗らないというか……少し変な気持ちがしたかなぁ」
亀「この物語の難しさでもあるのじゃが、基本的にはエピローグ風に見えるという部分が大きいじゃろう。
大きな物語としては高校生編で1つの区切りを迎えておる。そして3期を経て今作に繋がるわけではあるが、世界を舞台に戦うというよりも、遥がどのような道を選ぶのか、というのが中心の物語となっており、より内省的な物語ということもあるじゃろう」
カエル「『二十歳過ぎればただの人』って言葉も印象的に使われていたし、才能と努力の壁でこえらないものも、結構強く描かれていたよね」
亀「じゃが、基本的にはテレビシリーズや劇場版から続く大きな物語の最終章というよりも、この映画そのものがエピローグ(後日談)という印象がとても強かった。
冒頭の大学の文化祭などは、まさにキャラクターを魅せるためのお祭りであるし、色々な側面もあるよという説明的な表現と言えるじゃろう。
わしとしてはやはり2クール目で大きな物語がひと段落つき、その後の物語の方向性が少し弱いように感じている部分もある。
その中でこの映画が始まったことにより、やはりエピローグみが強く感じたのかもしれん」
エピローグ風っていうのは……終わった後の後日談だから、悪く言えばおまけみたいなものってことになるのかなぁ
ファン向けのサービスを目的とするアニメ映画では、よくある作品群である。むしろ、テレビアニメを基にしたアニメ映画としては、王道かもしれん
亀「もちろん、本作はおまけでもなければ、エピローグでもない。
明確な最終章であるわけじゃな。
しかし、物語を始動させるのが、ちと時間がかかったというか……ようやくドラマがスタートしたと思ったら、次回に続くになってしまって印象じゃな。
物語が動き始めても、観客がそのストーリーラインに乗りづらいというか、結局は遥の内省的な面が強調されすぎた印象じゃ」
カエル「もちろん、それが悪いってわけじゃなくて……ここから後編を見ないとなんとも言えない部分はあるよね。
ただ、前編だけの評価を現時点ではしなければいけないわけだから、その意味ではまだ全体の中盤ということもあって、評価が難しいってだけでさ」
亀「基本的にFreeという物語、あるいはキャラクターが好きな人であれば、上記のような違和感は抱きにくいかもしれん。なぜならば、何度もいうようにファン向けであり、キャラクター表現や映像表現は一級品であるわけじゃからな。
わしも記憶があるが、好きなキャラクターが動いているだけで嬉しいという気持ちはよくわかる。
しかし、1作の物語としては問題があると言わざるを得ないし……あとは、あの今回の動き始めたドラマも、正直に言えば同じことの繰り返しにしか思えん。
その行き違いを何回繰り返すのか? といういう思いもある。
いい加減そこら辺は2人とも学習して欲しいし、ああいう言動を軽口として処理するのが、幼馴染の男性のコミュニケーションという印象もあるかの」
カエル「ああいうのって、僕も記憶があるけれど……割と普通にあることだし、そこまで深刻にならないで処理しているよね。
その意味では2人とも真面目すぎるのかな」
亀「良くも悪くも、後編を見なければなんとも言えないかの」
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