物語る亀

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物語愛好者の雑文

<激辛!>映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』ネタバレ感想&評価! コナンシリーズの悪いところが出尽くした作品なのかなぁ

今回は『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の感想記事となります……

 

毎年恒例のコナン映画ですね!

 

小学館ジュニア文庫 名探偵コナン 100万ドルの五稜星 劇場版 名探偵コナン

 

カエルくん(以下カエル)

うちはコナン映画に対して辛口な傾向があるのですが、今回は”超辛口”記事になります

 

ある意味では、単純な罵詈雑言よりも酷いと感じる人がいるかもしれないね

 

 

カエル「なので、この記事はある程度許容できる人のみが読んだ方いいと思います」

 

主「一応言っておくとコナンシリーズは原作を50巻くらいで止まっていて、毎年映画を観ているけれど、そこまで積極的に追っていないタイプです。

 なので基本的な設定などは知っているけれど、アニメ映画好きであって、コナン好きではないオタクの意見だと受け止めてください。

 それでは、感想記事のスタートです!」

 

 

 

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感想

 

 

それでは、X(Twitter)の短評からスタートです!

 

 

 

 

 

Xに投稿した感想

やっぱりコナンで1番好きなヒロインは和葉だなぁ… 服部との2人のラブコメが発動していて紅葉とのやりとりも含めて好みですね 

 

作品としては……もう公開しているし何を言っても作品評価も興行収入も揺るがないという安心感もあるのではっきりと言ってしまえば『よくこの企画が通ったなぁ(悪い意味で)』ですね

 

コナンムービーには割と厳しいのですが今作はコナンの型も少し破ってきているような気がしますが、その結果”型なし”になってしまった印象です

 

物語も破茶滅茶、アクションもグチャグチャ、ミステリーとしては成り立たずでアニメ映画としてどうなんだろう? と苦笑しながら鑑賞していました

 

永岡監督だと『紺青の拳』に近いですがキャラクタームービーとしてあのような破天荒さを日本でやりたいのも伝わってきたのですが、まあなんだか全部が破茶滅茶になっているだけな気がします

ここまで馬鹿げた作品に振り切ったのも1つの功績と言えるのかもしれませんが……これを挑戦としていっていいのかも微妙ですねぇ

 

個人的には毎年公開されるアニメ映画シリーズの中でコナンは大ヒットコンテンツではあるものの、映画作品としては迷子という意識がより強くなってしまいました

 

 

まあ、酷い作品だよね

 

カエル「ファンも多いシリーズだから少しは濁すってことも、今回はしないんだね……」

 

主「何を言っても評価も変わらないだろうし興行収入も稼げるから、影響ないだろうしね。

 うちは『名探偵コナン』の映画シリーズには、結構辛口なことも多いけれど、今作はより辛くなる。正直、ここまで悪くなるとは思っていなかった。

 だけれど、同時に個人的にはすっきりした思いもある

 

スッキリした思い?

 

作品の出来不出来とは関係ないところまで、コナンというIPは成長したんだよ

 

カエル「IPの成長……つまり、興行収入が稼げるようになったとか、そういうこと?」

 

主「そうだね。

 やはり映画作品にとって重要なのはお金を稼ぐこと。

 それを無しにして、興行というものは語れないし、映画文化は成り立たない。もちろんお金が全てではないけれど、それが無しでどうにかなるなんていう人は皆無だろう。

 その点で言えば、今作は作品の出来は悪いけれど、でもコナン映画だから稼げるところまできた。

 これを良しとするのか悪いというのかは各個人であるだろうし、自分も複雑なところがあるけれど……でもある意味、コナンは、誰が監督しても一定の興行を稼ぐスタジオジブリと同じくらいのネームバリューがあるIPになったと、再認識した」

 

……それって、褒めているの?

 

もちろん、落胆している

 

カエル「やっぱり落胆しているって……」

 

主「でもさ、これってとても大事なことで、日本でそれだけのIPが確実に生まれているっていうのは面白い現象だよね。

 今回のヒットで『永岡監督が女性初の100億円突破監督になる!』と憶測されているけれど、誰も永岡監督の功績って思わないでしょう。コナンというIPのおかげだと認識されるだろうし、もしかしたら今作が永岡智佳という監督の作品だということも認識されないかもしれない。

 

『鬼滅の刃 無限列車編』が歴代日本興行収入1位なのは有名だけれど、その監督の名前は映画ファンもアニメファンも知らないよね

 

主「鬼滅の場合は外崎監督がTVシリーズも作り上げているけれど、コナンは歴史があるタイトルだから、永岡監督だけの功績じゃないのは当然だとしても、ただ映画を作り上げた監督の名前が知られてないのは、やっぱりIPにしか興味がないってことだよね。

 だけれど、ここから別作品にもこの現象が派生していけば、間違いなく映画興行の世界は変わる。

 ただしそれが、良いか悪いかは別にしてね」

 

 

永岡智佳監督について

 

あとは永岡監督の特性も見えてきたということだけれど……

 

ここまでの作品を見る限りにおいて、キャラクター映画としての適性があるんだろうなっていうのは感じた

 

カエル「それこそコナンシリーズだと『名探偵コナン 紺青の拳』であったり、あとはこちらは物語を用いた作品ではないものの『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズの監督でもあります」

 

 

blog.monogatarukame.net

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突き抜けている監督と言えるのかもしれない

 

主「もちろん、キャラクタームービーを多く手掛けているので監督の作家性が出てくるタイプの作品ではないという前提は当然あるよね。

 それでもキャラクター特化型の映画を作る個性が感じられるので、そのタイプの監督と言えるのかもしれない。今作からも『紺青の拳』の、一種の馬鹿馬鹿しいとすら思うケレン味たっぷりな表現が炸裂している」

 

一方で物語はボロボロだけれど、そこはまあ、原作のこともあるので難しい部分があるんだろうね

 

主「あとは音楽の使い方に関して特徴がある監督だと認識していたけれど、今作の場合は劇伴がトリッキーだなと感じて、使い方が上手いとは思わなかった。

 無音の演出などもあって、音に対するこだわりはあるのだろうけれど、今回はスベッていた印象ではあるけれど、ここはさらに磨いて挑戦してほしいという気持ちがある。

 ただ、今作の批判ポイントの原因が、永岡監督に全てあるとまでは思っていないよ。

 むしろ、ここまで大きいシリーズで監督の裁量ってどこまであるんだろう? とは感じてしまうかな。

 総じてボロボロな作品だと感じてはいるけれど、永岡監督個人の作品はともかくとして、まあコナンというシリーズに関してはダメだなぁ……』って感じで、結構笑いながら生暖かい目で見ていこうかなって思ったよ」

 

……それってコナンシリーズに期待しているの?

 

期待するのをやめたら温かい目で見れるよねっていう、ある意味1番酷い意見かもしれないね

 

コナン映画の特徴と課題

 

コナン映画を構成する3要素

 

コナン映画に対してうちは厳しいけれど、その理由って何?

 

単純にファン映画以上のものになっていない、ということが大きいかな

 

カエル「日本はキャラクターアニメがメチャクチャ多い国だから、毎年公開されるシリーズ映画だけで『ドラえもん』『プリキュア』『クレヨンしんちゃん』をはじめとして、幾つもあるよね。

 毎年ではないけれど数年おきに公開ならば『ONE PIECE』『ドラゴンボール』『僕のヒーローアカデミア』など、さらに増えるわけで。

 その中でコナンに対しては、どのような作品という位置付けなの?」

 

ある意味では、もっとも難しいキャラクター映画とも言えるよね

 

主「上記の作品は明確な時系列がなかったり、キャラクターが成長してもリセットされるというような、映画と原作は別次元という前提がある。

 さらに言っちゃえばプリキュアはキャラクターそのものが変わっていくよね」

 

その中でコナンは原作があり、しかも基本は1本道のミステリーであり、舞台は現代の日本であり、同じ時間軸の話はやらないという制約がある。

 

主「例えば上記の作品でも、原作が終了している作品が多いというのもあるけれど、原作に影響を与えるような設定を映画で開示することは基本的にはないけれど、コナンは別なんだ。

 これは映画を作るときに足枷になるけれど、同時に原作と地続きだからこそ”映画で原作の重要事項の開示をしますよ”ということも可能であって、映画に関してはそれを行うことで興行収入を稼いできていた部分がある」

 

その上でコナン映画の強みを簡単に列挙するとこういうことだね

 

  • 原作のミステリーや展開に影響を与える情報の開示
  • キャラクター同士の関係性の強化
  • キャラ萌え

 

この上記の3つがとても重要な要素だ

 

主「逆に言えば、この3つさえ守ってしまえば、基本はどんな作品でも成立してしまうわけだよ」

 

カエル「いや、それは結構暴論じゃ……?」

 

主「今作のコナンはそれを証明したとすら思っている。

 コアなファンに驚きを与えて、キャラクター同士に萌え要素を与えればOK。

 映像表現の魅力も、音楽も、ストーリーもグチャグチャでも問題なし。

 これは究極と言えば究極のファンムービーであり、一種の理想郷なのかもしれないね」

 

コナン映画の変化

 

近年のコナン映画は少しずつ変化してきているのでは? というのは、どういうことなの?

 

原作の重要な要素を映画に取り入れるようになってきているよね

 

カエル「それこそ昔は……結構記憶頼りなところもあるけれど、シリーズもの映画のスピンオフらしく、原作には影響を与えないけれどスケールの大きなミステリーを展開する作品だったって印象かなぁ。

 だけれど2016年の『名探偵コナン 純黒の悪夢』くらいから、原作に影響を与えるような要素を入れてきたという認識をボクはしているかな」

 

主「かつての映画は、別に映画を観なくても原作のメインストーリーを理解するには、あまり影響をしなかったんだよね。

 それこそ壮大なスピンオフであって、それが良いか悪いかという話は置いとくとしても、コナンという映画の要素を楽しむための作品だった。

 だけれど今は原作の補完と新しい展開を楽しむためにシフトしてきており、その究極系が今作だとも言える

 

 

 

 

 

作劇の難易度が上昇している

 

それは上記のことに重なるね

 

作劇の難易度がかなり上昇している作品だ

 

カエル「原作と全くの別次元ならば映画オリジナルの話だけを書けばいいけれど、原作とリンクするから難しくなると……」

 

主「だから色々な試みをしていているけれど、少なくとも原作を途中で読まなくなってしまった自分からしたら、近年のコナン映画で、原作関係なく完成度を高めるための作劇で成功した作品はないのでは?

 結局上記の3つの要素さえ守れば、映画として完成はしているような状況なんだよね。

 その中でキャラ萌えに特化しながら、個性的なキャラクターの個性を発揮して、クイズなどのお約束を守りながら、ジャンルはミステリー固定で……という意味で、制約がめちゃくちゃ大きい。

 

これが『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』ならば恐竜を出したり、SFにもできるけれど、コナンはそれが不可能だ

 

主「ジャンルもキャラクターも固定化されているし、自由度がほぼないんだよ。

 その中でもコナンって1つの型みたいなものを感じることもあったけれど、今作はそれすらもなくなった印象だ

 

変化することも難しいコナン映画

 

それだけやることが多くて難しいんだね……

 

だけれど、ここいらで整理しないと行き詰まるのは目に見えている

 

カエル「だから『コナンシリーズは生暖かい目で観ていく』という発言につながると……」

 

主「このままだとキャラクター依存、原作の驚き依存に偏りすぎて、どう考えても作り続けることができないとすら思っている。

 コナンシリーズだからこその特徴、例えばメッセージ性、映像の魅力などの、キャラクター以外に特化した何か要素が必要なのではないか。

 それがドラマであるのか、ミステリーなのか、あるいは映像や音楽表現なのかは、ここでは問わないとしてもね」

 

だけれど、これで興行収入という結果が出て、ファンも喜んでいる以上、変える必要がないでしょう

 

主「だから、もう変化することができないんだよ。

 よりニッチで、アニメや映画としての魅力は少なくても、コナンファンが喜び興行収入をあげることが出来る方向を目指す……そしてそれは正しいと言えば正しい。

 これも毎年言っている気がするけれど、自分はコナン映画の対象じゃないし、お客さんじゃない。

 おそらく今後も自分のこの悪い方の期待を裏切ることはないだろう……というか、できないんじゃないかなっていうのが確信に変わった作品だったね」

 

 

 

 

 

青山剛昌ユニバース

 

その中で生まれた新しい試みというと……やっぱり青山剛昌ユニバースだよね

 

元々入っていたとはいえ、青山剛昌の他作品の要素をここまで詰め込んだ映画は初なのではないか

 

カエル「もうコナンという作品だけでは、全部を把握できなくなってきているよね」

 

主「その意味では複雑な様々な要素を色々と入れながら、なんとかかんとかまとめたお話ということもできる。

 いや、もうグチャグチャとしか形容ができないんだけれど、それでも本題のミステリーを入れて、お約束の数々、例えばクイズをやって、キャラ萌えをして、新しい発表も入れて、映画的なアクションも入れて……という幕の内弁当になっていったわけだ。

 その結果できたのが闇鍋というのは、まあ……キッドの特性も考えると作劇の難易度が跳ね上がるだろうから、しょうがないんだろうな