物語る亀

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物語愛好者の雑文

<ネタバレ>『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』 興行収入とファン向けという映画としての勝利条件

 

パシャ✨📸パシャパシャ✨📸

 

えー、この度は、お忙しい中にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます

 

パシャ✨📸パシャパシャ✨📸

 

………………

 

(C)2023青山剛昌/名探偵コナン製作委員会



 

カエルくん(以下カエル)

えー、この度は『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』につきまして、さまざまなご意見を頂戴しました

 

カエル「そのため、今回は謝罪と釈明の会見を開かせていただきます」

 

…………

 

カエル「確かに、辛口記事を書いている以上、様々なご意見がくることも想定はしておりましたが、やはりこの作品は色々な思いがある方も多いようですので、ここで主の方から一言、謝罪をしていただきます」

 

主「…………作品に対する自由な言論が大衆に左右されてちゃ、おしまいだよな(ボソ)

 

カエル「ほら! そんなこと言わずに謝って

 

主「……えー、何が悪いかわかりませんが、大変申し訳ありませんでしたー(棒)」

 

カエル「謝る気あるの❗️❓

 

主「アンチコメントは書かないでください。

 書いたら法的措置をとりますから」

 

カエル「政治ネタはやめろ😡‼️

 というわけで、記事をスタートさせます……」

 

 

 

感想記事はこちら

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釈明……?

 

というわけで、この記事が始まりましたが……まずは釈明ということで……

 

だからさ❗️ ボクは「100億円稼ぐのが悪い」とも、「ファン向けだから悪い」とも言ってないの❗️

 

カエル「はい、クールダウン、クールダウンね」

 

主「なんか『辛口内容が100億円どうのこうのっていちゃもんじゃないですか?』とか言われるけれど、記事内でもボクははっきりと『ボクは興行収入を稼ぐことはとても大事だと感じているし、目標として100億円を達成することは、コナンにとって悲願であり、その姿勢そのものは支持する。』と書いているんですよ。

 そしてファン向けで悪いとも書いてないし、亀爺だってそこは『しかし、わしとしてはファンが喜べばそれでいいと思うがの。』と言っているじゃない!」

 

カエル「……それがすっごい嫌味くさいと思われているんじゃないの?」

 

主「もう、悔しくて悔しくて……夜もお昼寝を除けば10時間くらいしか寝れないし、お昼はプロテインしか喉を通らないんだよ……」

 

カエル「……それって、ただのロングスリーパーが置き換えダイエットしているだけじゃ?」

 

 

 

 

勝利条件の達成

 

……あ、おふざけはここまででいいですか?

 

はい、ここからはきちんと真面目に語っていきますよ

 

カエル「まあ、あの記事が『辛口』と言っている以上、色々な意見がくるのもわかっていたわけで……それこそコメントも自由なわけだしね。

 その中で、感想記事の切れ味が少し悪いというのも、色々言われる原因なんだろうけれど、どうしてそんな感じになったの?」

 

主「単純にさ、勝利条件が何か? という問題だと思うわけだよ」

 

カエル「……勝利条件?」

 

主「そう。

 例えば、全方向において完璧で、誰もが楽しめて、観客全員が100点をつけて、批評家も絶賛で、賞レースも取りまくって、歴史に残って、興行収入も歴代最高で……という映画を目指したいことはあるだろう。

 でも、そんな映画はほとんど存在しない。

 いや、全くないってわけじゃなくて、例えば宮崎駿作品なんかはそのレベルにあるのかもしれないけれど……99%の作品は、そんなの不可能なわけだ。

 まあ、ディズニーとかはそこを目指している感はちょっとあるけれどね」

 

まあ、そんな完璧な夢物語が達成できたら苦労はしないわけで……

 

予算や納期、人員、技術など様々な条件やハードルがある中で、何を勝利条件として、何を目標として達成するのかが求められているわけだよね

 

カエル「それがコナンの今作の場合は、『100億円を達成する』と『既存ファンを喜ばせる』だと?」

 

主「逆にいえばさ、毎年公開するアニメ作品で100億円チャレンジができる作品て、他にないんだよ。

 3年に1回の『ワンピース』だって、前作の興行収入3倍以上という、まさかあんなにヒットするとは思わなかっただろうし。

 そのために、今作から感じる勝利条件ってのは『100億円を達成する』『ファンを喜ばせる』『原作を壊さないで原作者の青山剛昌が認めるギリギリのラインを攻める』だと思うんだよ。まあ、これは個人の勝手な憶測だけれどさ。

 そして、それは100%……いや、150億、場合によっては200億も夢ではないとすると120%以上達成していると言えるわけだ」

 

ONE PIECE FILM RED

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映画の勝利条件

 

客観的には大勝利の本作

 

どんなにうちがグダグダ言っても、今作はとても成功した作品となることは間違いないしね

 

それこそ『黒鉄の魚影』が今後のコナン映画、あるいはファミリー向けアニメ映画の基準の1つになる可能性すらある

 

カエル「レビューサイト評価でも高評価、興行収入も抜群、ファンも喜んでいる……しかも、劇場特典なしで達成だから、これであと、何が足りないというのか? という話でもあるし……」

 

主「だからさ、どんなにボクがグダグダ言っても、今作の勝利は少しも揺るがない。

 ボクは野球が好きだから野球で例えるけれどさ……どれだけ巨人やソフトバンクが補強して優勝しても、優勝という目的を達成しているから完全に勝ちなんだよね。それを『強奪』だとか言っても、それは優勝という結果の前にはなんの意味もなさない。

 ボクとしては西武ファンだからさ、若手を育てながら勝つというというやり方の方が好きだよ。でも効率がいいわけではないし、若手を育てたから優勝の価値が高まるかというと……個人個人の中では高まるかもしれないけれど、優勝という結果だけで見たら、一緒なんだよ」

 

つまり、映画に関していえば「作品内容が面白いか否かは関係ない」って意見にも聞こえるけれど……

 

「面白い」って言葉の内実が何かって話なんだよね

 

主「それこそ勝利条件の話だからね。

 例えばさ、よく聞くのが『肝心の脚本が〜』って意見だけれど……じゃあ、脚本の良し悪しってそんなに簡単に判断できるのって話。

 脚本って、例えば話の整合性だとすれば、そんなのバラバラで面白い作品なんていくらでもあって……それこそ、いつもいうけれど宮さんの『カリオストロの城なんて、整合性があまり無い名作として有名なんだよね。

 でも紛れもない名作。

 そんなの、たくさんある」

 

 

もちろんこれが仮に『完璧な脚本を作る』が目的だとしたら、それは失敗しているからダメだけれどさ

 

主「そもそも脚本がボロボロでも映像表現、音楽、役者、その他色々な面があって、それが飛び抜けて素晴らしかったら、それはそれで面白いわけ。

 その作り手の勝利条件が脚本以外のところにあったら、脚本がボロボロでも目的は達成しているのではないか?

 『2001年宇宙の旅』とか、脚本の良し悪しで語るのは難しいよ。でもあの映像表現とかは、圧倒される。それを好むか好まないかは別の話でね

 

 

『黒鉄の魚影』の勝利条件

 

そうなると、本作の勝利条件は先ほどから挙げている3つだとすれば……

 

話の整合性とか、ツッコミどころとか、そんなのどうだっていいよ

 

主「多分、本作ってもっと大枠から考えていると感じるんだよ。

 『今回は黒の組織を出そう、灰原を主軸にしてオールスター映画にしよう、ミステリーも入れよう、コナンファンに喜んでもらおう』というのが主軸。で、それを達成するために老若認証とか、パシフィック・ブイとかの色々な設定が生まれた。

 潜水艦とかさ、正直呆れたよ。

 でもさ、潜水艦を出したいってのが、この作品のスタッフがやりたかったことではないのは明らかだよね」

 

今作の主軸はあくまでキャラと原作の関係性であるだけで、話の整合性などはどうでもいいと

 

どうでもいいと言っていいのかは微妙だけれど、優先度は低い

 

主「だから老若認証とか、いくらでも社会的なテーマが作れる題材だけれど、それを語ることを放棄している。

 ボクはそれをテーマ性のなさだと思うし、キャラにもオールスターにも興味が薄いから、つまらないと判断する。

 でも、それを目的にする人はたくさんいるし、その結果、客観的な大成功が生まれたって話じゃん

 

 

 

”原作に忠実な名作””原作を破壊した名作”

 

この話をすると、原作と映像化作品の関係にもつながるよね

 

今は原作に忠実であることを過剰に求めている時代だからね

 

カエル「まあ、うちも『原作のIP(知的財産)を扱うならば、その原作に寄り添うべきだ』という意見は持ちつつ……でも、その原作を壊したからこその名作も、たくさんあるんだよね」

 

主「それこそ宮さんの『カリオストロの城』なんて、どこにモンキーパンチのルパン3世の要素があるんだって話。

 皆無だよ、全くの別キャラだよ。

 でも今の観客の8割は原作のルパンは読んでいないし、ルパン三世でイメージするのは宮崎駿ルパンやPart2のコミカルな路線。だから原作はとっくの昔に破壊され、イメージそのものが乗っ取られている。

 それでいうと押井守もそうでさ、『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』は、特に原作破壊として有名だよね」

 

 

 

だけれど、これらの作品は今でも名作として語り継がれているよね

 

それは原作を破壊して、監督やクリエイターの作家性を全開にしたからだよ

 

主「まず間違いなく言えるのは、この2作はこの路線が大成功だし、歴史的にも重要だった。

 『カリオストロの城』の映像表現がなければ、後のジブリがどうなったかもわからないし、日本のアニメ表現の歴史が大きく変化した可能性は十分ある。

 『ビューティフルドリーマー』がなければ、今でもアニメは”漫画映画”と揶揄され、映画として評価されていないかったかもしれない。

 こういった原作を破壊してまでも達成された名作や作家性があるからこそ、技術は革新して進化する。

 ボクたちはその歴史の上にアニメ映画を楽しんでいるわけだし、ボクはそういう作品も好きだ」

 

ファンが喜んでこそのコナン映画

 

だけれど『コナン』でそれをやるのかって話だよね……

 

ここで立川監督が作家性を発揮して『コナン』を壊して、誰が喜ぶのかって話

 

カエル「興行的にも失敗して、ファンも総スカンで、原作者も怒って……誰も得しない可能性もあるわけだ」

 

主「それで名作が生まれる可能性も否定できないけれどね。

 だから『ファンが喜べばそれでいい』という内実はそこでさ。

 結局、ンシリーズを革新するとか、今作はそういうことを目的とした作品ではないの。

 コナンで老若認証が持つ社会観システムの是非、なんてテーマをやっても、誰も得をしない。

 それよりはコナンが活躍して、灰原がピンチして、蘭が戦って、おっちゃんが眠って……といういつものコナンを欲していて、それを達成したんだよ。

 その結果の前には『話の整合性がない』とかさ、あるいは『100億をとりたいが先行しすぎていて歪な作品になっている』とかは、どうでもいいの。瑣末な問題」

 

はっきりといえば、ボクは今作はとてもつまらなかったと思うよ

 

主「でもさ、ボクがつまらない作品に徹したからこそ、今作は大成功しているんだよ。

 そしてその勝利条件も達成方法も理解できるし、なんならば好感が持てる。だからつまらないけれど、素晴らしいわけ。

 確かにお金を稼ぐことは全てじゃない。

 でも、お金を稼ぐことは大きな目的なんだよ。

 そしてその先では、もしかしたら立川監督はオリジナル映画などの大きなチャンスがあるかもしれない。東宝もここで稼いだお金を、次の作品に回すことができる。そのためには稼ぐ作品は絶対に必要。

 言うなれば作品と商品の違いかもしれない。作品としては好きじゃないけど、商品としてはとてもいいと感じている。

 だから、今作を物語としては否定だけれど、作品や興行としては肯定するというのが、ボクの今作のスタンスですって話でした

 

 

 

最後に

 

というわけで、コナン映画に対して思うことの記事でした

 

いい記事案をもらったなぁ

 

カエル「この話を聞いても、やっぱり納得できない人やツッコむ人はたくさんいるでしょうけれどね」

 

主「基本的に自分は発表された文章や作品は、すでに読み手の誤解が発生しているというタイプの書き手だから、別にいいけれどね。

 作者・書き手が思いもよらなかった誤解にこそ、批評は宿る。

 ただ、今回はそれがあまりにも通じていない感があったので、改めて話しました」

 

カエル「……これって謝罪というよりかは開き直りだよね?」

 

主「はい、そうですけれど!?

 そりゃ、アンチコメントはない方が嬉しいので、優しい意見をお願いします。

 まあ、でも、普段自分も辛口を書いているから、それは言われても当然だと思っているけれどねぇ」

 

カエル「お手柔らかにお願いします」

 

 

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