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映画『名探偵コナン ゼロの執行人』ネタバレ感想 安室無双! 監督交代後のコナンは見所満載の大人のコナン!

劇場版 名探偵コナン 『ゼロの執行人』 オリジナル・サウンドトラック

  

今年もコナン映画の時期が来たね

 

監督交代もあって、結構楽しみなんだよね

 

 

 

カエルくん(以下カエル)

「アクションとミステリー、サスペンスのバランスなども大事な作品だからね。あくまでも推理ものだしさ」

 

 「よくあの街の殺人件数が話題になるけれど、もっとすごいのは施設の作り方と破壊され方だよな。あの1年でどれだけの大規模施設が建築されて、事件で破壊されているのか……

 それこそ、国家予算が動いているんじゃないか?」

 

カエル「特に映画版は特殊な施設を作って、そこを壊される中で逃げるのが多いから余計にそんなことを考えてしまうんだろうね。

 まあ、お金が活発に動き回っているのはいいことじゃない?」

主「これも『あのお方』の陰謀なのか……?」

カエル「はい、馬鹿なことを言っていないで記事を始めますよー」

 

 

 

作品紹介・あらすじ

 

 国民的人気漫画『名探偵コナン』の劇場アニメ作品第22作品。今作から監督が静野孔文から立川譲に変更されており、心機一転の装いを見せる。

 脚本にはコナンシリーズの他にも相棒、科捜研の女などの人気ミステリードラマなども担当する櫻井武晴が起用されている。

 おなじみの面々に加えて、人気キャラクターの安室透を中心とした公安の物語が展開され、ゲスト声優には上戸彩、華丸大吉が起用されて物語を盛り上げている。

 

 

 東京で開かれるサミット会議の会場が本番1週間前に突如爆破、炎上してしまい、警備のチャックにあたっていた公安の職員などが巻き込まれるという事件が発生した。その容疑者に浮上したのは、毛利小五郎だった。

 小五郎がそんな事件を起こすはずがないとコナンたちは奔走するのだが、その裏では小五郎の弟子であり、公安の一員でもある安室透の影がちらついていた……

 


劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』福山雅治主題歌 予告映像【2018年4月13日公開】

 

 

 

 

 

1 感想

  

 

それでは、いつものようにTwitterの短評からスタートです 

 

 

 

 

ものすごく面白かったし、好きな作品だけれど、人は選ぶだろうな

 

主「物語としては少しばかり言いたいこともあるけれど、でもミステリーやサスペンスとしてしっかりとしている部分も多い。

 近年のコナン映画では推理を中心とした作品になっているんじゃないかな?

カエル「特に遊び心が多かった印象だよね。どれだけの人が気がついているのかわからないけれど、本作を見ながら劇場で大笑いしてしまったシーンも幾つかあるし……」

 

主「その理由については後々語るとしましょう。

 ただ、本作はかなり癖のある映画でもあるのは間違いない

カエル「ちょっと難しいよねぇ……アニメ映画として小さい子供に見せるのはちょっと無理があるかもしれないかな?」

主「これはコナンのジレンマでもあると思うんだけれど、ミステリーとしてしっかりすればするほど、サスペンスとして上質なものになればなるほど、アニメとして面白くすることが難しくなっていく部分もあると思うんだよ。

 特に、2時間観客を引き込むのって結構難しくて……その意味では評価が少し割れそう。

 むしろ、大人に鑑賞してほしいね。

 この時期に公開する意義が多いにある映画でもあるから、本作を見て色々と考えてほしい部分があるかなぁ。

 ホラー的な意味ではないですが、いろいろと怖い映画でもあります

 

カエル「……ちなみに、芸能人声優の上戸彩と博多大吉はどうだった?」

主「上戸彩は普通かなぁ……特別うまくもなく、アニメ声の声優と一緒になると違和感はあるけれど、慣れるレベル。

 大吉は……まあ、うん。ご察しで」

 

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 コナン映画は新しい監督に引き継がれる

 

 

監督交代の余波?

 

カエル「今回は監督が2011年の『沈黙の15分』から2017年の『から紅の恋文』まで担当していた静野孔文監督から『デスビリヤード』『デスパレード』の監督も務めた経験を持つ、比較的若い立川譲監督に交代になっています。

 これはコナンシリーズのこれからを考えても妥当な時期での監督交代だと思うけれど……これがどのような影響があったのか? ということだよね」

 

主「静野孔文監督はアニメ版のゴジラの『GODZILLA 怪獣惑星』『シドニアの騎士』などのアクションアニメ映画の監督も務めていて、CGに対する造詣も深い監督と言える。

 アクションを重視する印象の強い監督でもあるね。

 これが近年のコナン映画では少し賛否が割れる結果にもなっていた印象もある」

カエル「コナンってアクション映画じゃないよね? という疑問符だよね……無理なアクションは元々多いけれど、さらに加速したというかさ」

 

主「ただ、その路線自体は間違いではないよ。

 やはり大きなスクリーンで、迫力のある音響と一緒に鑑賞するならばアクション要素が大事だ、というのは理にかなっている。

 そして、その結果過去最高収益も上げているんだから、興行としても文句なしだよね。

 黒の組織や怪盗キットなどのキャッチなー部分を多く使った印象もあるけれど、コナンが人気シリーズになったのは静野監督の功績ももちろん大きい。何よりもわかりやすく面白いしね」

 

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立川監督作品のデスパレード

独特な作品ですが、面白いです

 

目に付いた変更点〜コナンの対象年齢は?〜

 

 

 

新しい立川コナンってどんな印象なの?

 

 

 

大きく分けてこの3点が際立っていたかな

 

  1. ミステリー、サスペンス重視。大人向け
  2. 子供向けのコメディやアクションは要所要所で入れていく
  3. 設定に凝りすぎている印象も……

 

主「細かいことは後々話すけれど、大きく分けてこの3点で特徴があった。もちろん、プロデューサーや脚本家の櫻井武晴の影響もあるだろうから、一概には言えないけれどね。

 そもそも、コナンの対象年齢は他のアニメシリーズ映画に比べて少し高めなんだよ

 

カエル「まあ、殺人事件などを扱う映画だから、子供には見せ辛いところもあるのかなぁ……人気シリーズでファンが成長しているというのも大きいだろうけれどね」

主「ある調査によるとコナンのメインの観客は20代で約40パーセント弱、16歳から29歳の『中学生以上の若者』に縛ると全観客の約6割がこの世代という統計がある。

 また、女性人気の方が高いシリーズでもある

 

カエル「イケメンキャラクターが多いこともあるのかなぁ……今回も公開初日の金曜日の朝ということもあって、学生さんや子供はいなかったけれど、女性は結構多かったよね」

主「その層を狙いうちにして、昨年も『から紅の恋文』という少女漫画の『ちはやふる』を思わせる設定を打ち出して過去最高収益を上げている。

 それで考えると、今回かなりミステリーとして話自体は難しくはなったけれど、それでも狙っている観客層を考えると間違いではないのかな。

 ただ、やはり子供は退屈してしまうかも……本当に、子供には難しいよ。

 日本の裁判の流れとかは勉強になるけれどね」

 

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子供向けの要素として

 

カエル「でもさ、全てが全て大人向けではないんでしょ?」

主「もちろんそうだね。本作はコナンは当然のこと、公安警察でもあり、色々な顔を持つ人気キャラクターの安室透と、少年探偵団がメインで活躍するお話である。

 少年探偵団達がコメディパートを受け持ってくれているおかげで、シリアスなシーンでもしっかりと息抜きが出来ている。

 そしてキャラクター達の愛らしさで癒しにもなっていて、見事なバランスだったね」

 

カエル「今回の博士のなぞなぞも結構難しいかったねぇ……劇場で答えがわからなかったよ」

主「子供を引き込むように工夫はされているけれど、それでもちょっと退屈に思ってしまうシーンはどうしてもできてしまう印象かなぁ……

 でも、本作はそんなこの作品を楽しみに鑑賞に来てくれる子供に向けたメッセージもあって、子供にも向いているファミリー映画であることを忘れていない。

 バランス感覚は少し大人向けでありながらも、しっかりと色々な世代を意識した作品に仕上がっています」

 

 

2 多くのスタッフやキャストの意気込みが感じられる作品! 

福山雅治が歌う主題歌について

 

零 -ZERO-

 

カエル「今回福山雅治が歌う『零』はコナンのテーマにきっちりと合わせてきたね。タイアップでここまで合わせてくるのは珍しいんじゃないかな?」

 

 

零 -ZERO-

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主「歌詞を読めばわかるけれど、本作のテーマである『正義』について語っている歌なんだよね。

 誰かを守るために、正義を貫くためには刃を振りかざす必要がある。そのたくさんの正義に翻弄されながらも、自分の正義を自分の正義を貫くという作品のテーマに見事に合致した音楽になっていたな」 

 

カエル「特にさ、零というタイトルがいいよね。

 これは安室透の本名である降谷零から来ていることは、ほぼ間違いないわけで……

 本作の主要な登場人物である零を、しっかりと意識したアニソンに仕上がっているのも好感度高い!」

主「単なるタイアップで終わらなかったことも評価するべきなんだろうな」

 

 

 

古谷徹の意気込み

 

名探偵コナン 安室透セレクション ゼロの推理劇 (小学館ジュニア文庫 あ 2-33)

 

カエル「本作は何と言っても安室透の存在感が素晴らしかったよね!

 誰もが息をのむほどカッコイイ存在で、どのレビューを観ても『日本になりたい!』という感想が飛び交っているという異例な事態になっています!」

主「……あ、そんな感想が飛び交っているんだ。

 でも、今回は特にMVPを決めるならば間違いなく古谷徹だろう。

 もちろんテレビシリーズでも活躍している人気キャラクターではあるけれど、今回はコナンと対立する存在として描かなければいけない。

 演じる側としても相当気合が入っていただろうな」

 

 

カエル「それはこちらのインタビューを見てもよくわかるよね」

 

natalie.mu

 

主「記事でも語られているように、それまでと違う悪としての安室透を作りこんでいるという話だ。

 古谷徹といえば、やはり何と言っても『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイであったり、『巨人の星』などのように主人公気質の役が多い。近年でも『ワンピース』でサボを演じているしね。

 もちろん『ガンダム 00』での悪役の演技もあるけれど……どちらかというと正義側の印象が強い声優だな

 

カエル「ベテランだから色々と演じられるのは当然としても、やはりイメージとしては正義よりの人だからね」

主「元々安室透って難しい役でもあって、探偵助手、黒の組織の一員、警察庁の公安という3つの顔を演じ分けなければいけない。

 それを見事に演じ分けている上に、今回はあれだけの色気があって……もう絶賛だよね。

 誰もが認める名演技だったでしょうね」

カエル「コナンは昨年のクイーン役のゆきのさつきもそうだけれど、毎年毎年脇役も外さないよねぇ。当たり前のようで難しいことをしっかりとやっているからこそ、これだけの人気があるんだろうねぇ」

 

名探偵コナン 安室透セレクション (少年サンデーコミックススペシャル)

 

圧倒的な人気! 今年1番の興行収入も夢じゃない!

 

カエル「あまり興行に関しては語らないけれど、土日だけでも12億9600万円、金曜日も含めると16億7000万円の圧倒的な興行収入を稼ぎ出しての1位スタート……これは今年1番の売り上げを誇る邦画になりそうだなぁ」 

主「近年はアニメ映画の売り上げが伸びているけれど、今作は特にすごい。

 この数字は過去最高収入になった『から紅の恋文』に並ぶものになっている。

 そちらは土曜日公開で、土日の2日間で12億8600万円だから、同程度かそれ以上の盛り上がりを獲得しているのは間違いない」

 

カエル「え〜っと……から紅って最終的には68億9000万円でしょ?

 ということは、70億円は狙えるレベルかぁ……年間1位もほぼ確定ってレベルだね

主「昨年も邦画部門ではから紅の68億円、2位がドラえもんの44億円だから、ほぼ間違いないレベルかもしれない。

 ここにもちょっとしたカラクリ? があって、先にも述べたようにコナンは全年齢向けのファミリーアニメ映画の中では対象年齢が上だ。

 だから、子供や家族連れも来るけれど、単価が高い大人も多く足を運ぶから、動員に比べて興行収入は伸びる傾向にある

 

カエル「アニメ映画の弱点は子供料金で見るから、単価が安いことだよね……」

主「東宝としては『シンゴジラ』の82億円越えを目指したいし、それも十分あり得るだろう。

 特に今年は土曜日がTOHOシネマズデーで安かった中でもこの成績だから……異常としか言えないものがある。

 もちろん、静野監督などが築いてきたコナン映画に対する信頼の証であり、立川監督はこれをどれだけ伸ばせるのか、今後に期待がかかるね

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

3 欠点について

 

スタートから違和感が……

 

 

ここからは致命的なネタバレは避けつつ、作中に言及しながら語っていくけれど……

 

 

いきなり欠点から語ります

 

 

 

主「と言っても致命的なものではないけれどね。この後は褒めと考察一辺倒になるので、問題ありません」

 

カエル「ではでは……まずはスタートに違和感があったという話だけれど、これはどういうこと?」

主「単純に説明が多すぎるんだよ。

 博士がドローンを作るところから本作は始まる。

 相変わらず世界を変えるとんでも技術を持った発明を繰り返しているけれど、それは置いておいて……

 ドローンの説明、新しくできる施設の説明、サミットの説明、帰還してくる衛星の説明……説明だけで4つ? くらい連続で重なっているのね

 

カエル「もちろん重要なんだろうけれどね」

主「説明の描写ではテレビのアナウンサーが視聴者に説明するように演出すると、違和感も少なく作品設定を紹介できるという点で、ベターな演出ではあるけれど、それが続きすぎな印象がある。

 説明、説明、OP、説明だとちょっと話のテンポが序盤から重い。

 もう少しサラリと会話などではなく、説明ができたらベストだったと思う。ただし、結構事前説明が必要な話でもあるから、仕方ないのは重々承知ですが、そこが少しとっかかりにくくしたかな?」

 

カエル「OPはスッゴク格好よかったし、序盤で引き込む工夫はされていたけれど、もう一押しほしい! ということかぁ」

 

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コナンのアクションシーンは本作も健在!

(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 

話が難しい!

 

カエル「これは何度も繰り返すけれど、今回は結構難しいです!

 なぜならば、公安のお話だけれど警察庁(国の警察)の公安である安室に対して、警視庁(東京都の警察)の公安である風見が出てきて、さらに公安『検察』まで出てくるというね……」

主「これは仕方ないけれど、音で聴くと<警察>と<検察>はややこしいじゃない?

 それに登場人物もそれなりに出てくるし……完全新規の人はそこまで多くないけれど、かなりゴチャゴチャしています」

 

カエル「『公判前整理手続き』とか、アニメで出てくる単語じゃないよね……起訴後は拘置所に移送とか、起訴か不起訴かで揉めるとかさ、かなり突っ込んだ話だけれど、それが色々と分かりづらくなっていて……」

主「刑事事件の起訴後有罪率と公安が絡みの有罪率の差なども説明するけれど、かなり難しくて……ミステリーに見慣れていない人には、結構ハードルが高いお話かもしれないな。

 そしてこれはしょうがないけれど、そのパートが人によっては退屈に思えてしまうかもしれない

 

カエル「こう、これまでのコナンシリーズって作品のダレそうなポイントで事件が発生したり、アクションシーンがあって……その辺りは静野監督がいいタイミングで見所を入れているけれど、今作はそれがあまりないからねぇ」

主「そのような理由もあって、自分は面白いけれどさ……『あ、これあの映画で出てきたやつだ』とか、既視感もあるし。

 だけれど、ミステリーに慣れていない人や、会話劇が苦手な人には受け入れられずらい部分かもしれない。 

 自分もちょっとこのパートが長すぎる印象はあったかなぁ……」

 

 

 

 

4 考察〜本作が描き出した様々な面〜

 

この時期だからこそ響くメッセージ

 

 

批判はここまで! ここからは作品のメッセージなどについて考えていきます!

 

 

今のご時世に見ると、結構刺さるものがあるよねぇ……

 

 

主「本作のテーマにあるのが『違法捜査と正義』の問題なわけだ。

 国を守るために、正義を執行するために何をしてもいいのか……というと語弊はあるけれど、違法な行為をして隠蔽する必要もある時もあるんだよ、という話だ」

 

カエル「上司のやるな=バレないようにやれ、と解釈する世界だね。

 あの手法も怖いよね……あんなことされたら、一般人にはどうしようもないよ」

主「一般人は相手にしない公安だからこそ、国を守るために違法な行為をする……それってさ、今のご時世だと色々考えちゃうじゃない?

 それこそ、公務員が不正を働いたことが、今世間を賑わせている。

 もちろん、あの公文書書き換え問題とまったく同じ扱いはできないし、自分は是も非もここで断言することはしないけれど、でも国を守るために嘘をつくことが果たして正しいのだろうか? ということは考えてしまうわけだ」

 

カエル「ちょうど、最近そんな映画が多く公開されていて……『ペンタゴンペーパーズ』は政府の嘘を暴いた新聞記者のお話だけれど、その同時週では『ウィンストン・チャーチル』という映画があって、そちらはイケイケな鷹派のチャーチルがかなり問題のある行為もしながら、民意を扇動したり獲得して支持を集めていくんだよね」

 

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主「友達が火薬を扱う工場で働いているらしいんだけれど、何を作っているかは絶対に教えてくれないんだよね。多分、防衛関係の兵器関連の話もあるんじゃないかな?

 国家機密だから、厳重に機密保持契約を結んでいて、それを簡単に話したら国家の存亡に関わるわけだ」

 

カエル「それを開示することは正しいのか?

 本作に話を戻すと、国を守るために法を犯し、少数の人生を狂わせることになっても大勢を救うのが正しいのか、という問題だね……

主「本作が描き出した問題点は非常に重くて、すごくよく考えさせられる。

 福山雅治のEDの歌詞が響いたねぇ……」

 

 

 

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本作の笑えるメタ的な見方

 

カエル「そういえば、序盤で『大爆笑した』って言っていたけれど、それはどこなの?」

主「本作の主要登場人物の安室透は、青山剛昌がガンダムが好きだから生まれたキャラクターというのは有名な話だ。

 安室透=ガンダムでアムロ・レイを演じる古谷徹から名前をとっているし、公安関係者は降谷さんと呼んでいる。

 一方でライバルの赤井秀一はガンダムのライバル、シャア・アズナブルが赤い彗星と呼ばれていることから赤井であり、声優が池田秀一だから、そこから赤井秀一となっている」

 

カエル「声優もそちらに合わせたんだよね。結構コナンってそういう声優ネタ遊びをするよね。有名なのは名前のないモブだった高木渉刑事を、声優が高木渉だったから名前をつけたとか」

主「アニメから逆輸入されて、モブから昇格した人気キャラクターの好例だけれど……話を戻すと

 ……あんまり直接的に話すとあれだけれど、本作は『ガンダム』パロディを思わせる描写あるんだよね

 

カエル「……安室であの展開はやっぱり連想するよね

主「ガンダムシリーズ史上に残る逆襲のシャアの名場面があるけれど、それを模倣したと思われる描写がある……というか、それがメインになっていくので、それがわかった瞬間に思わず笑ってしまうというね。

 まあ、メタなお笑い話だけれど、ちょっとは意識しているんじゃないかな?

 

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

逆シャアを連想した人、他にいないかなぁ……

 

あの作品に似ている?

 

カエル「そしてこちらが本題。今回似ているなぁ……と思った作品は何?」

主「最初は『シンゴジラ』だと思ったんだよ。東京を中心とした大規模な事件が起きて、官邸が騒いで……というさ。その描写なども色々と既視感があった。

 で、はたと気がついた。これって『パトレイバー2』なんだって」

カエル「『シンゴジラ』も『パト2』にそっくりと言っていたもんね……」

 

主「パト2って『国家や法と反する正義』の関係性について言及した作品なんだよね。

 主人公たちは警察官なんだけれど、国がテロリストの手によって、このままでは潰れてしまう、その危機を救うにも上層部は責任を取りたくないからと動きが鈍い。そのために、勝手に愚連隊のような形で、正義を守るために上層部に逆らうという描写がある。

 いわば、個人の信じる正義のために違法行為に手を染めるんだよ

 

カエル「『正義と司法』の問題がここでも出てきたね……」

主「もちろん、それだけじゃない。本作では日本橋と思われる高速道路の下にある川が印象に残るけれど、それはパト2でも重要な場面の1つである。

 他にも塔が重要な舞台になっていたりとか、国や制度に対する不信感が重要な物語というのも共通点が多いと思うけれどね」

 

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自分が大好きだから、そう思うだけ?

パト2ぽい作品は多い気がする……

 

子供たちへのメッセージ

 

カエル「最後に、本作が抱えている子供たちへの重要なメッセージについて言及していきます」

主「本作では安室透と少年探偵団が重要な役割を与えられていて、それはOPでも説明してくれるわけだ。

 少年探偵団にも見せ場があるわけだけれど、それは国を揺るがす一大事なわけ。その時に、博士が『君たちがこの国を救うのじゃ』みたいなことを語るわけだ。

 これってとても大事なメッセージだと思うんだよね」

 

カエル「今作は『正義と司法』について語った作品であり、正義はない、という話でもあるけれど、その中でも『子供たちへの激励』が入っているわけだ」

主「自分がシンゴジラみたいだな、と思った理由の1つでもあって、あの作品も『日本の未来を君たちに託します!』とまっすぐ正面を向いて演説するシーンがある。そのシーンは現場に対する激励だけれど、劇場だって現場だから、そこにいる若者や子供達に未来のバトンを託したというメッセージ性が込められていると指摘した。

 本作もそれと同じなんだよ。

 何が正義なのか、国を守るために何をどうすればいいのか? 

 それは本作の中でも答えは出ていない。正直、玉虫色の回答でもある。しょうがない部分もあるけれどね。

 でも、そんな作品の最後で『今はこのような国だけれど、君たちが変えるんだ、救うんだ』というメッセージを込めることで、本作は子供たちへのメッセージ性も完備している」

 

カエル「子供も見るファミリー映画で、子供達にどのようなメッセージを残すかってすごく大事な話だよねぇ……」

主「これがあるかないかによって、作品の評価は大きく変わります。

 今作はそれが特に際立っていたし、いつものように子供達に声優を務めてもらうことの意義も確かにあった、見事なメッセージだったでしょう」

 

 

 

 

まとめ

 

カエル「では、ここでまとめに入ります。何か語っておきたいことは?」

主「自分は本作と『クレヨンしんちゃん 爆盛! カンフーボーイズ拉麺大乱』もみたけれど、実はテーマがちょっと似通っている。

 その両者を見比べてみると面白いことがあって……コナンは『正義とは何か?』というテーマにシリアスに向き合った作品に仕上がっていると感じた。

 一方でしんちゃんはとても大事なことだけれど、理想を描いたんだよね。

 この2つは対象年齢の若干の違いもあるけれど、とても重要なことだろう。日本の良いところは、一方的な正義を是として描かないところにあるからね」

 

カエル「今年のしんちゃんも面白いので、ぜひとも両作共にチェックしてください!」

 

 

 

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