カエルくん(以下カエル)
「えー、この人気アニメシリーズ2作が公開される大激戦の中で唯一の洋画勢!
かなり楽しみにしている人も多かったのでは無いでしょうか!」
亀爺(以下亀)
「監督交代の余波もありながらも、どのような物語になっているのか楽しみじゃな」
カエル「前作は日本中のオタクが歓喜したからねぇ。
もうロボット系のアクション映画では金字塔と言ってもいいぐらいの人気を誇ったんじゃ無い?」
亀「その続編とだけあって、注目度も非常に高い作品じゃな。
それでは、感想を始めるとするかの」
作品紹介・あらすじ
ギレルモ・デル・トロが監督を務めて日本でも話題を集めた『パシフィック・リム』の続編。今作ではテレビシリーズやNetflixなどでも活躍するスティーブン・S・デナイトが監督を務めて、デルトロは制作総指揮に回っている。
また前作のキャラクターも引き続き登場するほか、日本人として新田真剣佑がハリウッドデビューすることでも話題に。
本作では吹き替え版のキャストもアニメを中心に活躍する声優陣を揃えており、そちらも注目のポイントとなっている。
怪獣の襲来から10年が過ぎ、平和を取り戻した世界。
そこで暮らすジェイク・ペントコストは街のゴロツキとして生きていたが、知り合ったリーウェン・シャオと共にイェーガーと呼ばれる巨大ロボットに乗り込むことになる。
訓練中に突如襲いかかってくる謎のイェーガーの正体は?
そしてジェイクを待ち受ける運命とは……?
1 感想
カエル「えー、ではいつものようにTwitterの短評から始めますが……」
#パシフィック・リムアップライジング
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2018年4月13日
予告から思ったけれどこれじゃ単純なよくあるSF映画だよねぇ
パシリムの魅力がなくなっちゃった
愛がない
つまんないなぁ
カエル「なんというか、酷評のようだけれど、個人的にはそこまでの酷評ではないです。
ただ、なんていうか……これパシフィック・リムである必要性があるのかなぁ? という思いがあるというかさ」
亀「監督交代の余波が大きかったの。デル・トロも一応製作総指揮であり、色々と口は出しておったらしいが……根本的なところがまったく違うことが浮き彫りとなってしまった印象じゃな」
カエル「う〜ん……なんていうかさ、例えるならば、5年前にすごく話の合うオタク仲間がいて、ちょっと気持ち悪いと思われるようなところもあったんだけれど……小太りでさ、髪もボサボサで、でもアニメや特撮の話になるとすっごく饒舌になる友達。
で、5年ぶりに再会したら、なんか垢抜けちゃって『え? アニメ? ……まあ、普通に見るかな?』くらいのイケメンに成長しちゃったような気分なんだよね……
あの頃のお前はどこ行った? っていう……そんな量産型イケメンを期待したわけじゃないのにさぁ」
亀「大事なのは、本作もそこまで悪い作品ではないということじゃな。
それなりに体裁は整っておるし、見所がまったくないわけではない。
ダメ映画、というほどではないとは思うのじゃが……個性が見えてこなかったということじゃな。
時間も20分ほど短くなって、見やすくはなったが……まあ、それがいいか悪いかは何とも言えないところじゃな」
やはり1作目の印象が強すぎるのか……?
吹き替えについて
カエル「今回吹き替えで見に行ったんだよね」
亀「前回のパシフィック・リムも、傑作になったのは吹き替えの力も非常に大きいと思っておる。
前作で主人公を演じたのが杉田智和であり、人気声優でありながらも非常に濃いオタクとして有名であり、男性人気も高い。
その人物が冒頭から少し話すだけで、やはりアニメが好きな人間には一気に高揚感を覚える部分があった」
カエル「いつもは叩かれがちな吹き替えを選んだスタッフも、この作品に関しては文句のつけようがないほどで……ヒロインを演じた林原めぐみは、一時代を築いた女性声優だし、吹き替えの力で言えば人工知能との恋を描いた『her/世界でひとつの彼女』でも見事な演技を披露しているよね」
亀「他にも古谷徹や池田秀一、三ツ矢雄二などの多くの名声優が名を連ねておるし、ロボットアニメ好きにはたまらんキャストだったの」
カエル「それは今回も同じで、主人公も杉田智和から中村悠一に変更になった時に、テンションが上がったんだよね。
有名な話だけれど杉田智和と中村悠一ってとても人気のある声優だけれど、古くからの友人同士で、とても仲が良くてプライベートでもよく遊んでいる関係なんだよ。この杉田→中村のバトンタッチで声優ファンにもアピールすることに成功していると思うし」
亀「他にも早見沙織や坂本真綾、小野大輔などの人気声優を多く起用しておる。
わしは決してアニメに多く出演している声優が吹き替えを務めるだけで『豪華声優陣』というつもりもないし、吹き替えをメインで活躍する声優も多く居る。
じゃが、本作はあえてアニメでも名を見る機会の多いキャストを多く起用することによって、アニメファンをより獲得しようという意図があるのは明白じゃな」
親友として有名な2人が前作から主役をバトンタッチ!
しかし……この写真の2人が若すぎて誰だか戸惑う……
匂いがしないパシフィック・リム
カエル「たださぁ……なんていうのか難しいけれど、この作品って匂いがしないんだよね……
前作はむせるほどオタク臭が漂ってきたんだよ。
それこそ、画面の端々からオタクがワクワクするものを組み上げていて、それこそイェーガーの重厚な姿とかさ、廃墟1つとってもすごくアニメ&特撮的だったわけじゃない?
だけれど……本作はその要素がまったく感じなくなってしまったんだよねぇ」
亀「ふむ……
現代風にフラッシュアップされたと言ってもいいかもしれんし、よりスタイリッシュな作品に仕上がっておる。
前作の問題点としてあったのが、暗いシーンがあまりにも多すぎたことじゃな。
これは『GODZZLA』や『ジュラシック・ワールド』もそうであるが、暗いシーンが多く水辺の戦闘はCGの粗がごまかしやすく、そして水しぶきなどで重量感や立体感を出すことができるという利点があるようじゃ。
しかし、それをあまりにも多用してしまい、映画として見づらくなってしまったのもまた事実であるの」
カエル「それはそれでいいんだけれどさ……こう、僕が望んだパシリムではなくなったんだよね……
もちろん明るい場面でバシバシ戦闘を魅せてくれるのは望んでいたことでもあるし、とても嬉しいけれど、それであの味わいまでなくなっちゃうのはなぁ」
亀「それこそ吹き替え版の味として、前作では杉田智和が『ロケットパンチ!』などと叫んだりと、ファン心理をくすぐるものがあった。
しかし今作は……これは声優が悪いという話でもなく、当たり前かもしれんが、アニメというよりも洋画の吹き替えになってしまっておる印象じゃな。
全体的に全てがおとなしくなっており、その辺りが少し違和感として働いたのかもしれん」
以下ネタバレあり
2 個性を感じない物語
序盤から動きが見づらい
カエル「では、ここからは作中に言及しながら語っていくけれどさ……そもそもの問題として、何をしているのかわかりづらいし、カメラも揺れすぎて色々と見づらいだよねぇ」
亀「スタートから逃げているというのはわかるのじゃが、なぜ逃げているのか、また逃げなければいけないのか? ということについてはよくわからんかった。
逃げるシーンが欲しいから逃げる、という風に見えてしまったところはあるかの」
カエル「不良少年たち云々カンヌンは別にいいんだけれどさ、それってパシリムに求めている要素じゃないと思うんだよ。もちろん、キャラクターの成長などでも重要だけれど……なんていうか、『キターーー!』と言えるような高揚感が欲しいわけじゃない?
だけれど、それがあんまりなかったというか……小さいやつが来ても、なぜだか興奮しないんだよね」
亀「ふむ……これは細かいニュアンスの違いかもしれんの。
イェーガーのデザインも『マクロス』のようであったり『パトレイバー』ようなものもあり、細かいところでは『フルメタル・パニック』を思わせるものもあるのじゃが……なぜだか『ぽい』で終わってしまう部分があったの」
カエル「機体に関しては機械音痴で見分けがつかないこともあるからさ、ロボオタの人たちに任せるとしても、なぜだか高揚感を覚えることがなかったんだよね……
形は真似ました、に見えてしまったんだよねぇ」
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物語全体がスタイリッシュに?
カエル「その理由の1つがさ、よくあるアメリカの青少年の成長譚になってしまったこともあるのかなぁ……」
亀「前作もそうではあるのじゃが、ラブロマンスも少なめの作品であった。本作もそこまで多くはないが、どこかラブロマンスが増えてしまったような印象もあるかの」
カエル「そもそも、物語自体がそこまで面白くないというか……
青少年たちがグダグダと何かやっているお話になっているじゃない?
前作だと、主人公以外のパイロットたちが国別になっていたり、色々な設定があってわかりやすかったの。だけれど、本作は国籍も人種も全部バラバラにしてしまうことによって、却ってキャラクター性がなくなってしまうというね」
亀「中国人が多く出てきたが、中国語と英語を話す意味もよくわらんかったの。あるシーンでは中国語、あるシーンでは英語になり、その使い分けに基準もないように見えた。
おそらく、中国への営業の意味合いもあるのじゃろうが……それにしても、見るべきポイントが少ない映画でもあったの」
カエル「何がやりたいのか、全く見えてこない作品でもあったよねぇ……
前作の登場人物の扱いも、まああの人が寝返ったのは何となくそうなるのかなぁ……という予想はしていたけれど……でも菊地凛子はないよねぇ」
亀「こればかりは愛がないと言われてもしょうがない部分も大きいと思うがの」
日本描写のあやふやさ
カエル「他にもさ、日本に対してリスペクトしています! と言いながらも、肝心の日本描写のあやふやさが気になったかなぁ。
富士山が重要なポイントになるんだけれど、あの周辺ってあんな大都市ないし。むしろ、日本というよりはアメリカの大都市っぽいし」
亀「看板の意味不明な文字も見ていて『ブレードランナー』を思い出したの」
カエル「富士山の山頂付近で生えているのが針葉樹ってなんだよ!
そんなに高い標高で木々が生えているわけがないし……もっと低い標高で戦っていたということなの?」
亀「それはわからんが、ツッコミどころは満載だったということじゃな。
そういった1つ1つの疑問が積み重なってしまい、結果的に『なんだこの映画は?』となってしまったこともあるのかもしれんの。
しかし、それを差し引いて考えると、決して悪い映画ではないと擁護はしておく。ただ、あのパシフィック・リムの続編であることが信じられないだけじゃ」
カエル「う〜ん……これが1作目だとしたらさ、続編が公開されるか? と問われたら、答えはNOだよね。だって、キャラクターもロボットも怪獣もアクションも優等生ではあるけれど、魅力に溢れているとは言い難くて……
とりあえずまとまっているなぁ……という印象しか残らなかったよ」
まとめ
カエル「では、最後になりますが……自動操縦のロボットとか、それを釣り上げて運んでくるとか、なんかエヴァのオマージュが一杯あるなぁ、という印象だったね」
亀「やはり向こうの人からしても日本の作品でエヴァというのは、連想しやすいものなのかもしれんの」
カエル「なんていうかさ、語ることがほとんど無い作品でもあるんだよ。
個性がなさすぎて見終わった後に『……フゥ〜ン』で終わってしまう作品でさ。
例えば、世紀の駄作であっても語ることが多い作品ていくらでもある。人によって意見が分かれたり、見所のあるシーンやダメだったシーンを語ることもできるけれど、パシリム2に至ってはそれも無いという……」
亀「テーマも何も見えてこなかったからの。
ただの青少年たちの物語であり、見所も少なく、前作の設定などをそのまま受け継いだだけに見えてくるの。
できれば『ここが悪い!』という批判もしたいのではあるが、それも見当たらん。
何も言えない映画であったの……」
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