物語る亀

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物語愛好者の雑文

名探偵コナンの映画シリーズの興行収入が伸びる理由がわかる! 紺青の拳の最終興行収入予想と今後の課題とは?

 

今回はみんな気になる”なぜコナンの興行収入はここまで上がったのか?”について考察していきす!

 

 

 

 

 

なかなか面白いデータが取れたよ

 

 

カエルくん(以下カエル)

「ちなみに『紺青の拳』に関しては当然のことながらまだ最終興行収入が発表されていませんが公開初日である平日の金曜日だけで4億円以上を売り上げるという、子供向けアニメ映画では驚異的な売り上げは記録しています!

 

「大人を中心としたファン層の幅広さを象徴しているね。

 また、座席数では2位の作品と比較すると10倍以上の売り上げがあるというから、本当に驚異としか言いようがないんだけれどさ……」

 

カエル「ちなみに、今年のコナンは例年のことながら賛否が分かれていますが、個人的には近年では屈指の良作だと思います。

 まあ、それもコナンになにを求めるのかって話かもしれないけれどね」

主「では、うちでは珍しい? 興行関連の考察記事を始めましょうか。

 ちなみに、作品の出来と興行は一切関係ないというスタンスでいきます。

 特にシリーズものはその出来よりも、ブランド力の方が大事だったりするので……

 もちろん、そのブランド力を高めるためにいい作品を作り続けることはとても大事だけれど、毎年公開されるアニメシリーズ映画における出来不出来と興行の関係って、語るのが難しいところもあるしね」

 

カエル「はい、てなわけで記事のスタートです!」

 

 

 

 

 

 

 

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コナンの興行成績について

 

まずは、コナンの興行成績についてデータを使って振り返ってみましょう

 

 

ふふふ……今回は初めての試みで秘密兵器があるのだよ!

 

カエル「お! その秘密兵器って一体!」

主「それが……これだ!

 

 

カエル「……あ、グラフね」

主「初めてエクセルでグラフを作ってみたよ!

 というのもさ、ワードファイルはよく使うんだけれど、エクセルってほとんど使わなくて……普段文章作成ばっかりだからねぇ……」

カエル「……うん、ただのパソコン音痴だね。

 ちなみに、このグラフにはコラボレーション作品の『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』は入っていません。

 さて、こうやってグラフで見てみると一目瞭然でコナンの興行収入が上がっていて、しかも近年はかつてないほどの急上昇をしているんだね

 

主「コナンが公開を開始した97年からグラフを製作したけれど、意外なことに最初は11億円とそこまでの客入りではなく、シリーズ最低となっている。

 そこから3年目には20億円を突破し、その後は30億円前後を売り上げる人気劇場シリーズとなっている」

カエル「30億円って相当すごい数字だよねぇ……」

主「じゃあ、ここでもう1つのデータを見てもらいたい」

 

 

カエル「ドラえもん、クレしんを含めた春の代表的な劇場シリーズ作品を足したグラフだね。こちらも97年からのグラフになっているけれど……ドラえもんの2005年がないのは、声優交代などで作品自体が制作されていなかったためです」

主「ちなみに、プリキュアシリーズはだいたい10億円前後とこのグラフに入れても横ばいにしかならないので外しています。

 これを見てわかるのが、春のアニメ映画自体の興行収入が上がっているわけだ。

 クレしんがちょっと上がり下がりをしているから別のグラフを用意しよう」

 

 

カエル「2005年は上記の理由でドラえもんがないから激減しているけれど、大体春のアニメ映画は右肩あがりなんだね

主「クレしんも2015年に初の20億円を突破するなど盛り上がっているんだけれど、残念ながらコナン・ドラえもんが競合となってしまい、興行成績は伸び悩んでしまった。

 現に2015年は3作品とも高いレベルで成長中であったけれど、ドラえもんとコナンが一気に飛び抜けた影響がきた形だ。

 この少子化の時代にこの興行成績は異常だとも言えるかもしれない。

 もちろん、この時期は多くの作品が春休み、GWを見越して大作が相次ぐからね」

 

 

 

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夏のシリーズアニメ映画の代表であるポケモンと比較

 

じゃあさ、これって春アニメだけの傾向なの?

 

……そうとも言い切れないんだよねぇ

 

カエル「例えば……夏のアニメ映画のお馴染みであり、シリーズ人気も強いポケモンとかはも右肩あがりなわけ?」

主「一目瞭然、このグラフを見てほしい」

 

 

カエル「あー……公開時期が違ったり、ポケモンの場合は最初の『ミュウツーの逆襲』が異例の大ヒットしていることもあるけれど、興行収入は落ち気味なんだね……」

主「もちろん、春と夏ではライバルも違うし単純な比較はできない。

 このグラフだけ見るとポケモンもダメかと思われるかもしれないけれど、安定して30億円前後のヒットはしているだけに、大事な存在だ。

 コナン、ドラえもんが異例なんだよね」

 

カエル「ちなみにさ、なんでここまで乱高下しているわけ?」

主「……実はポケモンの『ミュウツーの逆襲』は運にも恵まれていたんだよ。ここでもう1つのグラフを出そう」

 

 

 

カエル「……ちょっと分かりづらいグラフだけれど、ジブリとポケモンの比較のグラフね」

主「このグラフの中で100億円以上の作品はあの大巨匠の作品なわけです。

 ちなみに興行的にイマイチなのは、他の監督の作品であり、このグラフからは高畑勲監督作品は興行的には突出していないために除きました。

 つまり、ミュウツーの逆襲はジブリと被らないタイミングで公開されており、高い興行的成功を獲得した。だけれど、その後はジブリが強力な競合相手となってしまった感もある。

 もちろん、飽きなどもあるだろうけれどね」

 

カエル「だけれど、近年のジブリがいなくても興行的には盛り上がらないんだね。

 特に2016年『ボルケニオンと機巧のマギアナ』が21,5億円と歴代最低興行収入となってしまっているけれど?」

主「そこはねぇ……相手も悪い。

 2016年ってファミリー層むけの映画(と思われる作品)だと『ファインディング・ドリー』(最終日本興行収入68億3000万円)が同日公開で、翌週には『ONE PIECE FILM GOLD』(51,8億円)があって、その後には『シンゴジラ』(82,5億円)に『ペット』(42億3800万円)に加えて、とどめに『君の名は。』(250,3億円)が来る。

 逆に言えば、これだけの強豪ぞろいの中でも20億円はヒットさせる力があるコンテンツと言えるけれど……勝ち切るには難しい局面もあった

 

 

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なぜミュウツーの逆襲を3DCG化するのか?

 

ということは、今年は『ミュウツーの逆襲』を3DCGで行うのって……

 

テコイレの意味合いが強いだろうねぇ

 

 

主「だいたいアニメ映画興行は3年サイクルと言われている。

 つまり、1つの作品を制作したら次に同じ監督が作品を公開するまで、だいたい3年かかる。新海誠も細田守も、3年に1回ペースなのはそのためだ……もちろん、スタジオの量産力の問題や名義貸しなどの例外もたくさんあるけれど。

 現に、2016年に『君の名は。』をはじめとしたアニメ映画がたくさんヒットして、その結果2019年に大量のアニメ映画が作られている。

 どれも共倒れの可能性もあるけれど、企画開始から公開までだいたい3年ペースだから今年に固まっている。

 それでいうと、今年は『マギアナ』が興行的に苦戦したこともあり、切り札であるミュウツーをリメイクで投入した、という見方もできる。

 それにポケモンの場合は海外人気も根強いので、海外では一般的なCGで製作することによって日本以外での興行を狙ってきた可能性も高い。

 それだけ、CGに対して自信があるのかもしれない。

 まあ、簡単に言えばファミリー向けシリーズもののアニメ映画=伸びている、というわけではないけれど、春アニメは全体的に伸びていると言えるね」

 

 

 

 

コナンはなぜ爆発的に興行収入を伸ばしているのか?

 

春のシリーズアニメ映画全体について

 

では、ここからは話を戻して”なぜコナンが興行収入を伸ばしているのか?”というお話だけれど……

 

自分の憶測もあるけれど、まずは”春アニメ映画がなぜ伸びているのか”という点に着目しよう

 

カエル「一番言われているのが、ご長寿シリーズだからこそ、ファン層が幅広くなり子供以外も見に行く人が多いということだよね」

主「これはデータでも出ていて、2010年から2016年の”性年代別意慾度”を見ると、2010年には15〜19歳女子が全体の中でも最も高い意慾度の割合を記録していたのが、2014年には20代女子が超える結果となっている。

 これは男子でも同じことが起きており、15〜19歳男子が多かった割合が、2016年には20代が上まっている。

 つまり”10代が中心の興行”という形態から”20代が中心の興行”という形態に自然に変化していることがあげられる

 

カエル「映画って10代女子が1番映画館に向かうために、この層をどのように獲得するかが問題だけれど、コナンはこの層をガッチリと掴みつつ、大人になっても離さないんだね」

主「さらにテレビでの宣伝や露出も年々減っているけれど、それでも興行収入や意欲どは上がっているという結果もある。

 つまり、もう既に”コナンだから見に行く”というサイクルが出来上がっているんだ

 

gem-standard.com

こちらの記事を参照しました

 

 

 

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コナン映画が突き抜けた”キャラクター映画”としての側面

 

なぜコナンがここまで飛び抜けたのか? という最大の理由はどこにあると思う?

 

クレしん、ドラえもんとの映画の差じゃないかな?

 

カエル「もちろん対象は違うけれどクオリティ自体にはそこまで大きな差はないよね?」

主「1つ言えるのは、コナンは大人が見に行きやすい。

 自分はアニメ映画を積極的にみにいくようにしているけれど、やはりドラえもんはまだちょっと緊張する。これがプリキュア、しまじろう、アンパンマンだと更に緊張してしまい、映画館に向かう足取りは重い。実際、大人だけで観る人は少ないしね。

 その点ではコナンはファミリー向けとオタク向けのちょうど中間点という強みがある

 

カエル「逆に、小さな子供には殺人事件が起こるコナンはみせづらいかもしれないなぁ」

主「そして最大の要因と思うのが”キャラクター映画として突き抜けたコナン”という点だ。

 クレしんやドラえもんももちろんキャラクター映画の側面もあるけれど、基本的にゲストキャラクターは映画限定の存在である。原作が実質上終了していることもあるし、登場人物がある程度限られる日常的なコメディということもあるのだろう。

 一方で、コナンは現在進行形で原作も進んでおり、サブキャラクター・準レギュラーの数も多い。

 ピックアップされるゲストキャラクターも、原作でも既に高い人気を誇る人物ばかりだ」

 

カエル「考えてみるとそれって映画でピックアップしても問題のないほどの人気キャラクター数を誇るということだもんね……」

主「キッドなんかは数年おきに出ているけれど、そこに赤井秀一や安室透も加わり、さらには平次やらもいるからね。クレしんやドラえもんでは……例えば”ミッチーとヨシリンが大活躍!”と言われても、ピンとこないんじゃない?」

 

カエル「いや、それはそれで見てみたいけれど……興行にはつながらないのかなぁ……」

主「つまり、原作から高い人気を誇るキャラクターをピックアップすることによって、キャラクタームービーとしても注目を集める作品となっている。

 これがドラえもんやクレしんとの最大の違いだろう」

カエル「……キャストに人気がついて興行に大きな影響を与える日本らしい理由なのかなぁ」

 

 

 

 

コナンの抱える課題が見える『紺青の拳』

 

これだけ盛り上がりを見せるならば、もうコナンに敵なしじゃない!?

 

……残念ながらコナンには大きな課題があるのかもしれないな

 

カエル「その課題って……?」

主「簡単に言えば海外人気ですよ。

 海外では大ヒットを記録する『アベンジャーズ』ですら、日本ではコナンの前には悔し涙を浮かべるしかない。だけれど、海外からすると”なぜコナンがここまで流行るのか?”は全く理解できない。

 それはそれだけの知名度や人気を獲得することができていないからだ

 

カエル「日本の映画興行全体に言える課題だよね……日本にいるとあまり見えづらい部分もあるけれど『ドラゴンボール ブロリー』なんかはアメリカでもメガヒットを記録しているし……」

主「実は中国において日本のアニメの人気は非常に高い。

 『ドラえもん』シリーズは近年1億元(約16億円)を超える高い人気を誇っている。そしてコナンも……毎年公開ではないけれど、昨年の『ゼロの執行人』は1億元を突破、韓国や東南アジアでも高い人気を誇り、海外興行収入は21億円を超えて、安室透は世界では”100億の男”となったわけだ」

 

カエル「つまり、海外でヒットするポテンシャルはあるということ?」

主「その通り。

 ドラえもんは前述のようにファミリー層を中心に高い人気を誇り、中国などの世界でも高い興行収入を獲得している。

 ドラゴンボールもブロリーの大ヒットがあるけれど、そのようになる可能性はコナンも秘めている。しかも、コナンは大人の鑑賞も可能な毎年公開のアニメ映画というアドバンテージがある。

 その課題を積極的に解消し、世界に誇るアニメ映画にするための工夫が『紺青の拳』では見られんだ

 

紺青の拳の海外展開に向けての工夫

 

その工夫って”海外が舞台””英語の多用”だよね

 

普通に考えるとファミリー向けnアニメ映画で”英語の多用”っておかしんだよ

 

カエル「コナンでもニューヨークなどの海外のお話はあるけれど、わざわざ英語にしたりしないで日本語で通したりしているもんね」

主「紺青の拳の中では英語のシーンが少なくない上に、わざわざ英語専門の声優までつけていたりする。

 登場人物の多くが日本語を話せるというのが不思議なくらいに英語が飛び交う。

 普通はアニメ映画においてここまで英語を使わない。ドラえもんの場合はほんやくこんにゃくなどもあるけれど、そんなことをしなくても最初から日本語を話させてもいいのに、そうはしないわけだ

 

カエル「つまり、それが海外に向けたアプローチの1つなのではないか? ってことだね」

主「この試みがうまくいくのかはわからないよ。

 だけれど、日本において高い興行収入を獲得しても、限界はある……だろう。そのさらに先を見据えた海外戦略の一環としては、的外れとも言い切れない。

 舞台をシンガポールにし、誰もが知る観光地を使い、そしてあのホテルに対して誰もが思い浮かべるような妄想を実現させたこと……それが海外にどれだけ受けいられるか、ということじゃないかな

 

カエル「コナンが日本を飛び出していく! というのも日本だけにこだわらないコナン像としても、広く受け入れられてほしいね!」

 

 

 

まとめ〜紺青の拳の興行予想〜

 

では、この記事のまとめです!

 

  • コナンに限らず春のシリーズアニメ映画全体が伸びている!
  • 夏アニメは競合も多いためにポケモンは苦しい戦いも……
  • コナンは今後、海外に向けて展開する!(かも?)

 

今年のコナン映画の興行にも注目です!

 

 

カエル「それでは最後に『紺青の拳』の日本における最終興行収入はどれくらいだと思う?」

主「……今の勢いならば120億円くらいじゃないかな?

カエル「お! 公開前は80億円くらいと予想だったけれど、さらに伸びるんだね!」

主「単純にキャラクター映画として面白かったし、ちゃんと盛り上がったし、過去にないほどの興行を叩き出しているしね……100億は突破する予感がある。ましてや4DXなどにも向いているし。

 ちなみに世界興行収入では……中国で公開されるかはわからないけれど(政治的な思惑なども絡むため)仮に公開されたら世界で150億も夢ではないかもしれない

 

カエル「どんどん想像は膨らみますが、コナン以外の作品も後に続いて欲しい! ということでこの記事を終わりにします!」

 

 

 

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