物語る亀

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物語愛好者の雑文

<ミリしら>『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』ネタバレ感想&評価‼︎ ファンを信じた劇場版

 

今回は『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』の感想記事になります!

 

ミリしら(作品を1ミリも知らない)のなので、ご容赦ください

 

『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』オリジナル・サウンドトラック

 

 

カエルくん(以下カエル)

実はハイキューシリーズは、原作もアニメも全く通ってきていないんだよね

 

2010年代を代表するスポーツ漫画だから、いつかは通らなきゃいけないのだろうけれど……

 

カエル「別に、嫌いとか偏見とかがあるわけではないでしょ?」

 

主「全然ないよ。

 気がついたら45巻まで続いていて、長すぎるから読むのが難しいってだけで、ハイキュー自体に何の思いもない。

 その意味では好きでも嫌いでもないから、本当の意味でミリしらの感想ってことになるね」

 

カエル「色々とファンの方には物足りない記事になるかもしれませんが、ご容赦願います。

 それでは、記事のスタートです!」

 

 

 

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chatGPTによるこの記事のまとめ

  • 本作は既存ファン向けであるものの、22億円の興行収入が業界に影響を与える可能性があるのではないか
  • 一本の映画としてはキャラクターやバレーボールの知識が必要であったり、回想シーンの多用が問題だが、今作はファンに特化した作りになっているため、これはこれで良いのでは
  • 映像表現には賛否があるが、競技中の躍動感や後半の主観的な表現は素晴らしかった。原作の情熱やドラマの良さが感じられ、制作サイドがファンの愛情を信頼して生まれた作品だと評価される。

 

 


www.youtube.com

 

 

 

 

 

感想

 

それでは、Xでの短評からスタートです!

 

 

これは、本来自分が語ってはいけない作品なのだろうな

 

カエル「一応、ミリしらからの視点ということでご容赦を願いたいのですが、この作品を本当に楽しみたいのであれば、間違いなく原作、あるいはアニメは通ってきてから観た方がいい、いわゆるファン向けの作品ということだね」

 

主「アニメ映画っていくつかの役割がある。

 ご新規さんを作品に入れるというのもその1つで、オリジナルストーリーを展開するのがこのパターンだろう。同時期に連載されたジャンプの看板作品として例を挙げると、具体的には『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 2人の英雄』は、まさにそういう作品だった。

 自分はヒロアカをミリしらで観に行って、完全に酔いしれて原作を全巻読んで今でも大好きな作品になった」

 

blog.monogatarukame.net

 

勘違いされないように、確実にこれだけは伝えておかなければいけないけれど、どっちが良いという話ではないです!

 

既存のファンに向けるか、新しいファンを生み出すのか、というこの2つのターゲットのどちらを明確に意識していることが重要で、どちらを向いているかは、さして重要じゃない

 

カエル「それでいうと、今作は徹底的に既存ファンに向けられた作品であるってことだね」

 

主「そうだろうね。

 だから、自分はこの映画を観て『ハイキュー‼︎』という作品を理解した、あるいは魅力がわかったとは、間違いなく言えない。むしろ、そんな言葉すら憚れるほどに、ファンが愛した時間と共に楽しむ作品である。

 それは強烈な力でもあり、諸刃の剣ながらも今作はとても上手くハマった印象だ」

 

 

 

 

今作が22億円を超えたことの意味

 

今作に関しては、むしろ興行収入が公開3日間で22億円を突破というニュースの方が、騒がれているかもしれません

 

これはとても大きな意味がある出来事だと認識している

 

カエル「もちろん売り上げが全てではないですが、それもとても大切なのは当然なわけで……この様子だとリピーターも多いであろう作品なので、100億円だって視野に入るくらいのヒットだよね

 

主「これはかなりの事件というか、意外性がある出来事だ。

 『ハイキュー‼︎』映画の興行成績を語る前に、作品の人気度を測る数字というのはなかなか難しいけれど、1番わかりやすいのは発行部数かな。それだとシリーズ累計6000万部はとても素晴らしい数字だけれど、45巻ということは、1巻あたりのアベレージはざっと133万部となって、もっと売れている作品もあるにはあるよね」

 

100億円というとジャンプの看板と言われる作品でも『ONE PIECE』と『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』くらいだよね

 

国内だけならば『ドラゴンボール』ですら達成していない数字だ

 

カエル「実際に劇場特典の漫画も『ONE PIECE FILM RED』が300万部、『SPY×FAMILY CODE: White』が400万部だったものね。

 『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』が200万部だから、少なくともこの2作よりは興行的には伸びないと踏んでいたと計算されていたのでは? というのは想像できるね」

 

主「アベレージの映画料金が1500円として200万人はざっと30億円。上振れして50億円達成すれば万々歳ってところだったんじゃないかなぁ。

 蓋を開けてみればこれだけの大ヒットというのは、まさにサプライズ

 

間違いなく、ジャンプアニメ映画は大ヒットのステージを1つ登っていることを証明した

 

カエル「つまり、アニメ映画がこれだけヒットするのが異常なのではなくて、もうこれだけ稼げるのは当たり前くらいのポテンシャルがあると…」

 

主「映画業界って10億とか15億稼げれば大ヒットとよく言われていて、これは公開規模や制作費にもよるから流動的だけれど……逆に言えばその基準が劇場料金が上がって単価が上がっても変わらないのは、もはや異常な事なのかもしれない。

 もちろん売れないアニメ作品はたくさんあるから、そこをなんとかしたいという思いは自分の中にあるけれど……この作品のサプライズ特大ヒットは、もしかしたら業界全体を変えるほどのインパクトが起こる可能性があるね

 

 

 

 

作品内容について

 

一本の映画としての問題点

 

ちょっと周辺のお話が続いたから作品内容について言及しましょうか

 

う〜ん……これも評価の仕方によると思う

 

カエル「評価の仕方……つまり”一本の映画”として観るか、あるいは”ファン向け映画”として観るかってところだね」

 

主「一本の映画としてみたら、結構辛い点数がついてしまうんだよね。

 簡単に以下のようにまとめてみた」

 

  1. キャラクターの整理
  2. バレーボールの知識
  3. 過去回想などの多さ

 

この辺りが難しいポイントなんだね

 

あくまでもファンに向けた映画だから、仕方ない部分はあるんだけれどね

 

 

 

問題点① キャラクターの整理

 

①に関しては、やっぱりキャラクター数が圧倒的に多いんだよね。

 

主「こういった劇場版の場合、2時間前後に……今作の場合は90分以下にまとめるために、数人に登場人物をまとめるのが多い。そうじゃないと、ドラマがこんがらがるからね。

 だけれど今作はそうしていな。

 そもそも、物語そのものが今作だけで完結していない

 

カエル「今作はいきなり全国大会の3回戦からスタートだから、知らない人にはこんがらがるけれど、そういうのを意図した作りなんだね」

 

主「ここまでの物語を前提にしたものであり、キャラクターも関係性も理解していることを求めている作りになっているね」

 

問題点② バレーボール知識

 

次にバレーボール知識だけれど、戦法などを時間が流れる映画の中で理解するのは難しい

 

主「色々とバレーボールの戦法とかの解説はしてくれるけれど……正直、学校で基礎的なルールを習った程度では、やっていることの意味がわからない。

 いっている言葉を理解はできるけれど、納得する前に次の話に行く。

 この辺りはスポーツ映画では難しいポイントだけれど、例えば洋画のクリント・イーストウッド監督の『インビクタス 負けざる者たち』はラクビーの映画だけれど、ラクビーの説明をするのではなく、重要なポイントだけを説明するという手法をとっている」

 

 

競技の細かいルールや戦法を把握するのが大変なんだ

 

例えば自分は野球が好きだけれど、何も知らない人からしたら投手、野手、バント、盗塁とかって単語も先述の意味もわからないよね

 

 

問題点③ 回想の多さなど細かいポイント

 

3つ目は……細かい部分だけれど、やっぱり映画としての作り方に難があ。

 

主「回想シーンの羅列、試合最中に観客などの話が入ったり、コート内で競技が続いているのにキャラクター同士が会話したり……こういった描写はスポーツ漫画、アニメではよくあるものなんだけれど、テンポが阻害されてしまうんだよね

 

カエル「昔の作品だけれど有名なところでは『巨人の星』で左門豊作への投球に1話費やした……みたいなものだよね」

 

主「この部分を無くしたのが『THE FIRST SLAM DUNK』だったわけだ」

 

 

良い悪いというよりは、目的が違うって事を言いたいかな

 

主「『THE FIRST SLAM DUNK』は、1試合にかける高校生たちの情熱を表現して、とことんリアリティにこだわって作られた、1本の映画として表現した作品。

 一方で今作は、それまでのドラマの1つの帰結を描くための作品。

 目的そのものが違うからこそ、表現方法が異なるといった方がいいだろう

 

”ファン向け”の強さ

 

ふむふむ……つまり、1作の映画として勝負するのではなくて、それまでのストーリーやドラマを終わらせるための作品だと

 

それが”ファン向け”と自分が表現している理由だ

 

カエル「劇場版だからご新規さんを集めて、多くの人に楽しんでもらおうっていうタイプの作品ではないんだね」

 

主「お祭りであり、ファンに向けられた作品だからね。

 その意味では、今作を自分が適切な評価ができないというのは、極めて当たり前の話。だって、ミリしらなんだから。

 だから……また興行収入の話に戻るけれど、こういう作品が22億という興行収入を叩き出し、100億円すら可能性があるというのは、極めて特異で異例な事だ。

 それだけファンの裾野が大きいという事だからね」

 

以下ネタバレあり

 
 

 

 
映像表現について
 

では、ここからはより具体的な部分に迫っていきましょう

 

映像表現に関しては……う〜ん、言葉が難しいな

 
カエル「あんまり良くなかったということ?」
 
主「正確には、いいシーンと悪いシーンがはっきりしていた。
 その意味では劇場版というよりは、やっぱりTVシリーズにちょっと近いのかも
 観ている最中はう〜ん……となるシーンは確かにあった。
 ただ競技中の躍動感もあったし、何よりも後半の1カット風の主観の表現というのは、驚くほどに素晴らしかった。
 ここは伝説になると思うし、ミリしらだとしても、そこを観るために行くのは絶対にありだと思う。それくらい、素晴らしい表現があったので、基本的には満足できるかな」 
 
 
 
原作の良さを感じられる作品に
 

1番印象に残るのは、やっぱり登場人物たちの情熱のやり取りなのかな

 

その意味ではここまで紡ぎ上げたドラマと原作の良さはしっかりと感じられたよ

 
カエル「うちの信頼するレビュアーたちも『漫画を読んでから劇場に行ってほしい』という声は大きかったよね」
 
主「それもすごくよく分かる。
 原作の良さを感じられる作品だったし、おそらく劇場クオリティの何倍も原作が良いのだろうな、というのが伝わってきた。
 その意味では、原作が素晴らしいということを理解するための作品にはなると思う。
 だけれど同時に、今から追っても自分がそこまでの感動を得られるかはわからない。
 それはリアルタイム性の問題で……やっぱり、リアルタイムで追って、原作を愛してきた人がこの映画を見て感じるものと、映画を見たから原作を読んだ人の感覚は違うと思うし、ファンが語る原作の良さを本当の意味で理解できるかはわからないね
 
 

どうしても愛してきた時代で熟成される思いってあるものね

 

他の観客の人たちが涙を流していたけれど、そこに至る感情の流れは理解できる

 
主「先のことで色々いったけれど、それ以上に人間ドラマとやり取りに、確かにこちらも胸が熱くなった。
 それはここまでのキャラクターを愛してきた人たちにはひとしおだろう。
 その意味では、やっぱり徹底的にファン向け映画。
 でも同時に、制作サイドが徹底的にファンの愛情を信頼し、信用して生まれた映画だと思うね」
 
 
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