今回は『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021』の感想・評価記事になります!
1年ぶりのドラえもん映画ということで、楽しみなポイントもたくさんあるの
カエルくん(以下カエル)
「コロナ禍もあり、厳しい状況が続いていましたがドラえもん映画が、春映画に帰ってきました!」
亀爺(以下亀)
「この状況下では厳しいものがあるかもしれんが、興行的にもどれだけ盛り上がるか、是非とも楽しみにしたいところじゃな」
カエル「それでは、早速ですが記事のスタートです!」
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この予告編もドラえもんが帰ってきたことをアピールしているように感じられる始まり方
感想
それでは、Twitterの短評からスタートです!
#ドラえもんのび太の宇宙小戦争2021
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2022年3月4日
1985年に発表された原作を良リメイク
アニメ映画の優等生であるドラえもん映画らしく今年もレベルが高さが味わえます
何よりも戦闘描写が迫力満点!
まさかドラえもん映画で板野サーカス的なミサイル軌道が観れるとは… pic.twitter.com/CIzFaEZdBQ
今年も安定・安心のドラえもんクオリティじゃな
カエル「近年のドラえもん映画の安定感も素晴らしいよね。
毎年公開されていますが、アニメ映画界の優等生です!
主にこの3つのポイントが優れていると思います!」
日本が世界に誇る、全世界規模で優れたアニメ映画じゃな
亀「やはり『ドラえもん』で子どもさんの映画デビューを考えている大人も多いじゃろう。
それに対応するように、しっかりと子どもたちでも理解ができる物語を噛み砕いて描き出している。それだけでなく、道徳的なメッセージにも優れているわけじゃな。
今作でも『戦争と平和』をテーマに、どのような政治が社会体制があるべき形なのか、しっかりと教えてくれる作品となっている。これは……まあ、場所によってあるべき社会体制というのは異なるので、西側諸国の価値観が強いものの、平均的な日本人の価値観としたら是とできるものが多いのではないじゃろうか」
今作もその点は健在で、誰が見ても称賛できる内容となっています!
これは”誰にでも楽しめる”と”教育的メッセージのある、深みのある話”を両立できるのがドラえもん映画の強さであるの
カエル「また、映像面に関しても、日本のアニメ映画として安定して一流の作画・演出技術を披露しています!
ドラえもんレベルだと毎年興行収入50億円を狙えるけれど、すごいのがきちんと50億円以上の価値がある、リッチな映像を披露するところだよね!」
亀「一部では50億円、100億円超えるような作品ですら『映像面ではそこまでではないかも……』と思う作品もある中で、毎年安定して高いクオリティを維持している点でも評価が高い。
それでいながら、グロテスク&バイオレンス&エロティックなどの描写は抑えられている。
今作でもしずかちゃんの可愛さや、各種アクションシーンを興味深く眺めておったぞ!」
今作の映像面の特徴
① アクション・宇宙戦争描写の面白さ
ではでは、映像面に関して少し語っていこうか
Twitterの短評でも書いたが、アキションシーンが見応えがあって素晴らしかったの
カエル「今回は1985年に公開された『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争』のリメイク作品となっていますが、映像面に関してはまさにリッチになっているよね!
特に宇宙戦争描写がある作品なんだけれど、それが迫力満点で!」
亀「短評にあるように、複数のミサイルが高速で複雑な軌道を描く、『超時空要塞マクロス』などでもお馴染みの板野サーカスと呼ばれる独特の作画技術に似たような映像が今作でも使われておる。
もちろん、大人&アニメファン向けの作品ほど過剰・過激な演出ではないが、単純に早いものが動くだけでも、心躍るものがあるじゃろう。
また戦車やロケットの戦闘描写も多く、男の子がワクワクするような描写が多い。
この辺りは……子どもたちでなく、大きなお友達も一緒になって歓声をあげるような映像になっており、アクション&宇宙戦争作品としてもしっかりと面白く、入門編にふさわしい内容となっておる」
迫力のありつつも見やすいアクション描写が多く流れます!
② キャラクター描写の面白さ
次に重要なのが、キャラクター描写ですね!
ここが近年のドラえもん映画の核となっているの
カエル「もちろん色々なテーマを描けるのが、ドラえもん映画の魅力ではありますが……何と言ってもお馴染みのキャラクターたちの動きや魅せ方がとても良いです!」
亀「この辺りのキャラクター作画技術に関しては、近年のアニメ作品が見習うべきものがたくさんあると思っておる。
実は子ども向けでありながらも、この技術がとても高いのがドラえもん映画の特徴であり、毎年毎年見るたびに圧倒されてしまう。
今作では……特にしずかちゃんの可愛らしさ、そしてスネ夫が目立っておったの」
宇宙小戦争の影の主役は、実はスネ夫だったりするんだよね
彼の持つ葛藤などが、この作品をさらに深くしておる
カエル「普段はお調子者で、でも怖がりで……そういったスネ夫が宇宙戦争に巻き込まれるからこそ、そこで行われる葛藤は当然のものなんだよね。
その差がガツンと観客に伝わるような映像になっているんだよね」
亀「例えば指パッチンのような仕草で、みんなに対してアピールするような仕草ではプラスの面での生き生きとした様子を伝えておる。しかし、その逆に暗いところで疼くまる様子などでは、その葛藤を描いているわけじゃな。
こういった動きの積み重ねによる心情表現なども注目のポイントであるの」
今作の影の主役であるスネ夫
③ 大きさを見せるために構図の良さ
これは今作の題材が”大きさの異なる相手”だからこその構図の良さが、かなり目立ったよね!
一眼で大きさの違いや、小さな世界の面白さが伝わるように作られているの
カエル「ゲストキャラクターのパピとの縮尺の違いを見せるのって、アニメならではだからこその面白さでもあるよね!
今作ではそこが遺憾無く発揮されており、特に序盤の地球パートでは小さい世界の面白さが際立っていました!」
亀「この辺りは藤子・F・不二雄先生が解説した画像も昔見たことがあるの」
他にも比較対象となるものをたくさん入れることで、そのサイズ感を描いているわけじゃな
亀「現実ならば例えばマッチ棒やライターで大きさを比較するが、今作では小さな世界をしっかりと作り込んでいるわけじゃな。
また、序盤ではジオラマセットが登場するが、この質感などが特に素晴らしい。
ここをバギーカーで走り回るシーンがあるのじゃが、それらのシーンでは明らかにジオラマ感が残るように映像が作られており、小さなミニチュアを走り回る面白さに満ちておる。
この”小さな世界”を冒険する楽しみを、是非とも味わって欲しいものじゃな」
以下各描写のネタバレあり
物語面について
① 序盤の入り方のうまさ
では、ここからは物語面について触れていきましょう!
宇宙小戦争の魅力の1つは、何と言っても導入のうまさじゃな
カエル「宇宙規模の大きな戦争が始まっていて、しかもそこから脱出しないといけないという重大なことが起きているんだよね。
その時点では彼らが小さい人たちだというのはわからないんだけれど、そこにミニチュアの映画撮影現場を移すことで、大きな宇宙戦争→小さなミニチュアという、人物の大きさが違うことが導入できています!」
亀「ここはオリジナル版もそうであったが、導入がため息が出るほど美しくうまいと感じられた。
しかもオリジナル版、今作と、映画制作の現場が変わり、その撮影風景も刷新されている。だからこそ迫力のある映像が楽しめるわけじゃな。
宇宙という広大なステージを舞台にしているにも関わらず、日常的なシーンから始めることで観客が一気に物語にのめり込むことができるの」
② 魅力的な敵キャラクター、ドラコルル
オリジナル版でも強敵のイメージが強かったドラコルルだけれど、今回はさらに知将であり、統率力もある強大な敵であることが強調されていたね!
敵が強力だからこそ、今作は輝くわけじゃな
カエル「ドラえもんの敵キャラクターも記憶に残る人が多いですが、今作のドラコルルもその1人ではないでしょうか。
特にギルモア将軍の下で力を尽くす姿などは、まさにドラえもんたちの上をいくほどの知略があり、チートアイテムとも言える秘密道具を持つドラえもんたちを追い詰めるほどの能力は、まさに圧巻と言えます」
亀「今作のドラコルルなどもそうであるが、戦争の恐ろしさ、自由への弾圧を描くにはこのような間抜けではない知将の存在が必要じゃろう。
その点では恐ろしくありつつも、まだ理性的な一面も持ち合わせているドラコルルの存在はまさに主人公サイドをさらに引き出すための名脇役と言えるじゃろう。
元々面白い存在であったが、今回のリメイクでとても素晴らしいキャラクターに成長しているように感じられたの」
最強の敵、ドラコルル
③ 自由のために戦う人々の描写
今作ではオリジナル版に比べて、自由のために戦う人々の描写が特に足されています!
ここが強いメッセージ性を発揮していたの
カエル「オリジナル版は『結局大きくなったドラえもんたちが暴れて、より強い武力で勝利』という側面があったんだよね。この辺りは藤子先生も落とし所が見つからなかったのかな? と思う部分もあるけれど……
今作もそのような一面は継承しつつも、勝利したのは自由を求める民衆の力という描写が、より強調されているように感じました!」
亀「この描写があるのとないのとでは、感じるものが違うからの。
武力に勝るから勝つのではなく……そのような一面もあるものの、それよりも多くの民を先導する指導者としてパピが優れていたからこそ、このような勝利に終わったわけじゃな。
演説シーンも含めてこの辺りの描写もメッセージ性が強く、優れていたように感じられた。
まあ、敵役のギルモア将軍はあまりにも……という気はするが、そこはドラコルルが優秀な部下であるために、あまり気にならなくなっているの」
カエル「あとは……今の国際情勢だと色々と考える部分も多くて、多分ロシアと中国ではこの映画は公開されたないだろうなぁ……という思いもあったりね」
亀「明確に独裁者などの専制君主制度の否定であり、民主主義の物語じゃから……実は今作は政治的な側面が非常に強いので、評価は国によって変わる可能性も大いにあるの」
④ 少しだけ苦言
じゃあ、ここで気になったポイントを少しだけあげると以下のようになります
ここは元々薄い&ないところを足しているから、仕方ないのかもしれんな
カエル「まず①に関してですが……僕なんかは、見ている最中はスネ夫の気持ちも真っ当なものだよね、と思ったんだよ。
だって、スネ夫には宇宙戦争は関係ない話だし……わざわざ宇宙に命を賭けに行くことが正しいというのが、あまりピンとこないという気持ちもわからなくはないのかなって」
亀「そうじゃな。
今の社会情勢を考えれば、ウクライナに義勇軍で行くことが正しいわけではない。心情としてそうしたい人もいるかも知れんが……部外者であるスネ夫にとっては、それこそ別の星のお話であるわけじゃ。
重要なのはスモールライトを取り戻すこそ、そして家に帰ってご飯を食べることである。
だからこそ、スネ夫のあの葛藤は真っ当なものとも、わしは考えるし……むしろ戦意が高揚する中だからこそ、あのような意見は大切にしないといけないと思う。
そこがオリジナル版と同様に曖昧な形で決着がついてしまうのは、わしとしても不満があったの。
これが……例えば武力ではなく、スネ夫の知恵でドラコルルを出し抜いてみんなを助ける、などであれば、また違う感覚になったのじゃろうが」
それから、ビイナの存在も少し疑問だったのかなぁ
明らかに芸能人声優(松岡茉優)を起用するためだけのポジションになってしまったからの
カエル「確かに、現代の宣伝戦略として芸能人声優を起用するのは大事だし、そこに反対はしませんが……無駄なキャラクターが1人増えてしまった、くらいの印象であるんだよね」
亀「ここを安易な恋愛にしなかったのが、現代的な描写と言えるのかもしれん。
しかしビイナが絶対にこの作品に重要なキャラクターか、と呼ばれたら、そこまでではない。ただ囚われていただけであり、パピの描写にもいろいろな側面を映すことはできたが、それが絶対に必要なものではなかった。
今作は登場キャラクターも多いために、そこが少しノイズになってしまった感もあったかの。もちろん、松岡茉優の演技が悪いということではないのじゃがな」
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最後に
というわけで、今回はここで記事は終了となります
全体的にはとてもいいリメイク作品であったの
カエル「1985年版も面白くはあるけれど、やっぱり時代を感じる中で、序盤をスピードアップしたりと様々な試みがあったからね。
その辺りでも良リメイク作品と言えるのではないでしょうか」
亀「やはりアニメ映画界の優等生らしく、今年も楽しませてもらった。
来年も公開するようなので、楽しみにしたいところじゃな」
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