物語る亀

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物語愛好者の雑文

<ネタバレ考察>『ワンピース』1044話で明かされた衝撃の事実、太陽の戦士ニカの正体とは?

 

今回は珍しく、週刊少年漫画『ONE PIECE』の本誌の感想記事になります!

 

ちなみに、後半は『ONE PIECE』の本誌のネタバレになりますので、コミックス派・アニメ派の方や、ネタバレが嫌な方は前半部分でおやめください

 

ONE PIECE モノクロ版 101 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

カエルくん(以下カエル)

「ちなみに、前半部分は、1巻の内容から『なぜONE PIECEは面白いのか?』について考察していますので、そこだけでも読んでいただけたら嬉しいです!」

 

「自分としては常々考えていたことなので、この機会に発表しようかなって。

 あんまり物語の設定とかに基づいた話ではないので、人によっては『ぶっ飛んでんな』と拒否反応はあるかもしれないけれどね」

 

カエル「それでは、記事のスタートです!」

 

 

 

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前提として〜『ONE PIECE』が持つ漫画的な面白さとは

 

まずは、今回の話の前提となる『ONE PIECEで練られている、漫画的な面白さ』について話しましょう!

 

ルフィの悪魔の実の能力は、当然”ゴムゴムの実”なんだよ

 

主「自分は、数年前に改めて思ったんだけれどさ……主人公の能力が”ゴム”って、とても上手い設定だと思うんだよね

 

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©️1997 尾田栄一郎/集英社



とても躍動感があって”マンガ的”な能力だよね

 

この”マンガ的”というのが、とても重要なんだ

 

主「ここで紹介するのが、手塚治虫が書いた『マンガの描き方』という本だ。

 ちなみに、この本は少し古くはあるけれど、漫画家の入門編としてとても重宝されているほか、アニメ監督の谷口悟朗(夏に公開される『ONE PIECE film RED』の監督)もお薦めしているから、今回の考察云々とは関係なしに、物語に興味がある人は一度は読んでおいた方がいいと思うよ」

 

 

 

この本の中では、人物描写について、このような紹介があるんだ

 

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手塚治虫 『マンガの描き方』より

 

つまり、美術の授業などと違って、人間の関節などを気にしないで、自由に描いてもいいということだね

 

これはマンガだからこその特性だといえる

 

カエル「当然だけれど、マンガ以外の……特に実写では、絶対にできない表現だし、真面目な美術系の絵だったら、こんなものを描いたら怒られちゃうよね」

 

主「でも、手塚治虫はこれを許容しているわけでだよ。

 むしろ、これがマンガの描き方だと。

 自分もそれは思っていて、だからこそルフィが”ゴム人間”というのは、とても納得がいく設定だった。つまりそれって”マンガの面白さ”を最大限に活かした主人公像だったんだよね。

 それでいうと悪魔の実の能力っていうのが、そもそもマンガ的だよね。

 人体が炎になったり、バラバラの実って実写だとグロテスクだけれど、マンガだからこそ軽く読むことができる、極めてマンガ的な能力なんだよ」

 

ふむふむ……

 

ちなみに、この『マンガの描き方』には、こんな記述もあるよ

 

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手塚治虫 マンガの描き方より

 

例えば、1番上の『女性の体は、より曲線を重視しましょう』というのは、とてもONE PIECEらしいとも思わない?

 

カエル「そういえば、手塚治虫でいうとマンガ表現で今や当たり前に使われているオノマトペ(背景に使われている『シーン』などの、環境音などの文字表現)も、手塚治虫が開発したという話だよね」

 

主「少なくとも、手塚治虫は静かな時を表すオノマトペの『シーン』については、自身でそう主張しているね」

 

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手塚作品のオノマトペ。『シーン』という擬音が生まれた瞬間という説も

 

◆手塚治虫『マンガの描き方』からの引用◆
音でない音」を描くこともある。音ひとつしない場面に「シーン」と書くのは、じつはなにをかくそうぼくが始めたものだ。
 このほか、ものが消えるとき「フッ」と書いたり、顔をあからめるとき「ポーッ」と書いたり、木の葉がおちるときに「ヒラヒラ」と書くなど、文章から転用された効果は多い。

 

これはONE PIECEで特徴的な『ドン!』というオノマトペの、大元が手塚治虫にある、ということだよね

 

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©️1997 尾田栄一郎/集英社

 

もちろん、これらはすでにマンガでは一般的な手法ではあるけれどね

 

主「ただ、ここで語りたいのは『尾田栄一郎は手塚治虫のマンガの書き方の基礎に基づいて、とてもマンガの特性を知った上で、マンガを描いている』ということなんだよ。

 1巻を読んだ時から、そのマンガ的特性を上手に使った上手さがあるし、自分はそこの気がついてから、とても考え抜かれた表現だなぁ…と感じていた」

 

ここからは1044話『解放の戦士』のネタバレを含みます

 

 

 

1044話で明かされたことおさらい

 

ここからはネタバレですが、まずは今回の考察に必要なことを少し説明すると、以下のようなことが書かれていました

 

  • ゴムゴムの実は『ヒトヒトの実 幻獣種 モデル・ニカ』だった
  • ルフィがニカとして覚醒、GEAR5として披露した

 

ここで大事なのは『ニカとは何者か?』ということなんだ

 

主「もちろん、自分は上記のような視点があるからこそ、これから話すような考察になるんだけれど……

 この時のルフィって、目が飛び出たりとか、周囲のものをゴムのように扱うことができるんだよね」

 

カエル「正直、カイドウもチートだけれど、これを見るとルフィも相当チートだよね。

 スペースで聞いた話だけれど、ここだけギャグ漫画みたいで……」

 

主「でもさ、これもまた”マンガだからこその面白さ”なんだよ。

 例えば、上記の『マンガの描き方』では、このような記述もある」

 

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手塚治虫 『マンガの描き方』より

 

マンガ的表現として、どんなにオーバーなリアクションをしても、許されるんだ

 

カエル「実際の人間ではバラバラになることはないけれど、マンガだったらダメージの表現として、それも許されるということだね」

 そういえば、尾田っちが『ルフィの能力をゴムゴムにしようか、バラバラにしようか悩んだ』という話も聞いたことがあるかな」

 

主「それについてはソースが見つからなかったので、真偽不明だけれどね。

 だけれど、ゴムゴムもバラバラも、マンガ的な表現であり、その快楽性に基づいたものだから、その2つで迷ってもおかしくはないと思う。

 そして、話を1044話に戻すと……ここでは覚醒したニカから、目や鼻が飛び出したりする描写があるわけだ」

 

そういえば、かなりマンガ的な表現が多用されていたね

 

つまり、ルフィはより”マンガ的”な主人公になった、ということも可能だよね

 

カエル「マンガのように周囲を扱うことができるし、ゴムのように伸びることも、バラバラになることもできる、と」

 

主「そういえば、Twitterで話題になっていたけれど、こういう発言も見受けられたね」

 

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©️1997 尾田栄一郎/集英社

 

”ふざけた能力”なんだよね

 

主「自分に言わせてもらえば、これは『ルフィはマンガそのものになった』ということなんだよ。

 つまり、最も絵としてふざけている、それは同時にマンガらしいものである、と」

 

 

 

 

戦士、ニカの正体とは?

 

じゃあさ、太陽の戦士ニカって何者だと思う?

 

え、だから何度も言及しているじゃん?

 

カエル「……え?言及している?

 五老星なんかは『この実には”神”の名が……』とかは語っているけれど……」

 

主「いや、だからさ。

 ”マンガ的”な能力で”神の名を持つ”人って、1人いるじゃん」

 

え……マンガの神様、手塚治虫?

 

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その通り。ニカのモデルは、手塚治虫なんじゃないかな

 

カエル「おお、そう来ましたか」

 

主「まあ、あくまでも物語上の設定に基づくものではないかもしれないけれどさ。

 でも、いろいろな役者をキャラクターのモデルにしたりとかしているし、先ほどから語っているように、尾田栄一郎が”マンガ的な描き方”に、強い興味を持っているのは間違いない。

 そのマンガ愛の熱さも、当然、世に知られている通りだ。

 『空想のように戦える』という台詞があったが、つまりこれは”マンガ(空想)のように戦える”という解釈をしたい。

 つまり、尾田っちは『ルフィ=マンガの面白さをそのまま会得したキャラクター=マンガそのもの』という覚醒をさせた」

 

つまり、あくまでもマンガとして、マンガそのものを表現しようとしている、ということなのかな

 

だからメタい話かもしれないけれど『ニカの正体(モデル)=手塚治虫』説は、自分は上記のような思考から成立すると思っている

 

主「それは究極的に『マンガでなければできないこと』であり、同時に尾田っちが導き出した『マンガとは何か?』という言及である。

 どうかね、この解釈は?」

 

カエル「これを信じるか信じないかは、この記事を読んでいるあなた次第です!

 

 

 

 

今後の展開の予想について

 

で、今後の展開についてはどう思うの?

 

これもTwitterで拾った画像で気がついたことだけれど、なるほどなぁと思ったのは黒ひげのことだね

 

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©️1997 尾田栄一郎/集英社

 

この画像で言っている太陽っていうのは、もちろんエースの必殺技、炎帝のことだよね?

 

『太陽の戦士』との関連は不明、あるいは偶然だと思うけれどね

 

主「ただ『悪魔の実には意志が宿る』と今週で改めて言及されている。

 となると、これもかねがね言われていたけれど……先代のヤミヤミの実の能力者はロックスなのではないだろうか。

 つまり、黒ひげは……イヌイヌの実、モデル・ケルベロスだとして、3つまで悪魔の実を食べられると仮定しよう。そうなると、残り2つの悪魔の実を何にするか考えた時、過去に会った中でも最強だったヤミヤミ、グラグラを選択するのは、当然ともいえる。

 そして、ヤミヤミの実にはロックスの意志が宿っている。

 そうなると……『ルフィ(ニカ)VS黒ひげ(ロックス)』という、1つの軸ができるのではないだろうか」

 

 

 

シャンクスについて

 

同時に、シャンクスについてはどのように考えるの?

 

悪魔の実に意志が宿るならば、シャンクスの元からゴムゴムの実は逃げた、ということじゃないかな

 

カエル「ふむふむ……フーズ・フーだっけ?

 ゴムゴムの実の移送中にシャンクスに取られた、という話だったけれど……」

 

主「それも、ゴムゴムの実の意思だったのかもしれないね。

 そうなると……この説が成り立つと思う」

 

  • 『シャンクスは五老星などと関与する立場だが、CP9などとは異なる立場の政府関係者』

 

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©️1997 尾田栄一郎/集英社

ふむふむ……

 

まあ、天竜人か、イム様関連なのかもしれないね

 

主「つまりフーズ・フーからゴムゴムの実を奪い取らなければいけない立場だったのが、シャンクスだった。だからシャンクスはゴムゴムの実を奪い取った。

 しかし、ゴムゴムの実の意思の元にルフィに食べられることを選択した。

 それを知ったシャンクスは、ルフィを助けたけれど……真意はこの世界の変革を望んでいる……とかかな。

 シャンクスが隠れた政府関係者ならば、頂上戦争で止めに入ったことも、納得できるし、センゴクの信頼があったのもわかる。

 この辺りは、まだまだ謎は多いけれどね」

 

カエル「まあ、でもシャンクスは全部知っている立場っぽいよね……だからこそ、今年の映画もシャンクス関連だろうし」

 

主「あり得そうなのは、ゴールド・ロジャーがゴムゴムの実の能力者だったから、船長と重ね合わせて、ルフィが食べられるのを防いだ……とかかな。

 尾田っちは、そんな単純なことはしなそうだけれど……また、色々と新しい設定が出てくるかもね」

 

 

 

 

 

最後に

 

ふむふむ……

 

あくまでも予想の範疇を出ないけれどね

 

主「ただ1つ懸念があるとしたら、ここまでぶっ飛んだ能力を出したら、この先は本当に長くないんだなってことかな。

 それこそ、ルフィが最強になるって話だし……これ以上は多分強くならない。

 ワノクニが終わった後、本当に最終章になるのだろうな、と感じさせるね」

 

カエル「そこは”ルフィ一味VS黒ひげVS世界政府”になるのかな?

 あとはシャンクスとか、あるいはミホークVSゾロは絶対必要だと思うけれど、そこはどう動くんだろうね?」

 

主「個人的な予想としては、夏に公開される『ONE PIECE film RED』と週刊誌の展開を併せて合わせてはないか? という予想がある。

 だから遅くても年内の夏前にはワノクニは終わらせて、そこで世界情勢を入れて、いよいよシャンクスとの因縁へ! という形になるのでは? と予想しています!」

 

カエル「今後のワンピースもすごく楽しみだね!」

 

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