読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

物語る亀

ネタバレありの物語批評

キンコン西野の『えんとつ町のプペル』無料公開騒動について思うこと

カエルくん(以下カエル) 「今日が直木賞の発表日だね (恩田陸の『蜂蜜と遠雷』が受賞しました! おめでとうございます!)」 ブログ主(以下主) 「……そうだな」 カエル「なのに、その当日の記事がこれでいいの? まだ5作中1作しかレビューしていないよ!…

小説『夜行(森見登美彦)』感想と考察 『10年目の集大成』とはどういうことか?

亀爺(以下亀) 「久々の小説の記事じゃの」 ブログ主(以下主) 「そうね……新作となると相当久々だよね」 亀「そんなに忙しいわけでもないのにのぉ。 そんなんだから『映画批評ブログ』という認識になってしまうんじゃぞ」 主「ここ最近はそれで全く間違い…

小説『海の見える理髪店(荻原浩)』感想 

カエルくん(以下カエル) 「少し前に芥川賞作品を語っていたけれど、今回は直木賞作品にも手を出したんだね」 亀爺(以下亀) 「元々主は純文学よりも大衆文学のほうが好きじゃからな。主は芥川賞よりも直木賞のほうが興味はあったはずじゃ」 カエル「で、…

小説『コンビニ人間(村田沙耶香)』感想、書評 『普通』を際立たせるもの

亀爺(以下亀) 「とうとう話題の芥川賞に手を出したか! もう少し早い段階で読んで、書評を書いても良かったのではないかの?」 ブログ主(以下主) 「……まあ、ね。そりゃ、ね」 亀「何か煮え切らないの? どうした、何かあったのかの?」 主「……元々さ、そ…

新書『ゴジラとエヴァンゲリオン』感想 特撮の歴史の整理に欲しい一冊

カエルくん(以下カエル) 「……今日もまたゴジラネタなの?」 ブログ主(以下主) 「昨日もゴジラで更新しようとしたけれど、忙しすぎて無理だったわ……」 カエル「別に更新頻度はいいんだけどさ……ゴジラネタはいつまで続くの?」 主「一応、今回で最後かなぁ…

アニメや漫画は『文学』になりうるのか?〜『人生に、文学を。』炎上騒動から考える〜

亀爺(以下亀) 「いやぁ、また荒れておるのぉ」 ブログ主(以下主) 「まさか、あのキャッチコピー1つで炎上するなんて夢にも思わないだろうな」 亀「まずはそのキャッチコピーを確認して欲しいから、URLを貼っておこうかの」 www.jinsei-bungaku.jp 主「………

夜長姫と耳男(坂口安吾)とヤンデレの美〜感想と解説〜

亀爺(以下亀) 「なあ主よ、なんでこのタイミングで『夜長姫と耳男』をチョイスしたんじゃ? 夏っぽい作品なら細田守作品特集もあれば、芥川賞、直木賞の発表もあれば、グラメのドラマ化に合わせて原作本を売り込むいい機会じゃろう」 ブログ主(以下主) …

夏休みの宿題に! 年代別で読書感想文にオススメ本を紹介していくよ!(大人にもオススメ)

カエルくん(以下カエル) 「そろそろ子ども達も夏休みを迎える季節だね」 ブログ主(以下主) 「そうね。もう一月以上も休みになるとしたら、定年で会社から卒業するか、ドロップアウトした時だからなぁ。逆に一月も休みがあると、どう過ごしていいのかわか…

小説『罪の終わり(東山彰良 著)』感想 情報化社会が終焉した後の救世主誕生物語

亀爺(以下亀) 「小説について触れるのも久しぶりじゃの」 カエル君(以下カエル) 「本当はもっと書評も書きたいけれど、中々ね」 亀「映画も見て、漫画も読んで、アニメも見て、さらにそれをブログにまとめて、となると一番時間のかかる小説とか本となる…

小説『桐島、部活やめるってよ』感想とちょっとした分析

亀爺(以下、亀) 「今日もいい天気じゃの。小雨が降っておって、亀には丁度いい季節じゃな。こんな日は茶でもすすりながら、ゆっくりとするのが一番じゃなぁ……」 カエル君(以下カエル) 「亀爺! 今日はいい本読んだから、その作品について語り合おう!」 …

桜桃忌に行ってきた(2016)

亀爺(以下亀) 「今年も桜桃忌の季節がやってきたかぁ……」 カエル君(以下カエル) 「亀爺、桜桃忌って何?」 亀「まずはこの記事を見て欲しいのだが……」 blog.monogatarukame.net 亀「まあ、簡単に言えば太宰治の誕生日であり、命日の事じゃよ。こんな日だ…

6月19日は桜桃忌なので、簡単に紹介していく

「6月19日は何の日?」と尋ねられたらどのように答えるだろうか? 調べたところによると『朗読の日』(6ロウ 1ト 9ク)の日であったり、『ロマンスの日』(6ロマン 1チッ 9ク)という無理やり感のある語呂合わせの記念日であったり、『ベースボールの日』(…

角田光代のおすすめ作品『ランドセル』の感想とちょっとした解説

ここ最近、知り合いに高校生の国語の教科書を読ませてもらう機会があった。 教科書に載る作品というと『こころ』を筆頭に古典や文豪の作品ばかりというイメージだが、その中でも意外な作家の作品が収録されているため面白いので、機会があれば読むようにして…

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』感想と考察、そして『愛』の分析 

久々にこの作品を語ってみたいなぁ、と思い立ち記事を書くことにしてみた。 なぜ今更になって『砂糖菓子の弾丸』なのかと問われると、「暴力も喪失も痛みもなにもなかったふりをしてつらっとしてある日大人」になった、今の私だからこそこの作品を読み返す意…

砕け散るところを見せてあげる 感想 複雑だなぁ……(後半ネタバレあり)

最近書店やらTwitterやらで話題となっていたので、とりあえず購入してみた。新書や学術系、明治から昭和にかけての短編小説ばかり読んでいたので、ここまで纏まった長編小説を読むのは久しぶりな気がしてくる。 表紙は大好きな浅野いにおだったこともあり、…

有川浩 おすすめ作品と簡単なあらすじを紹介するよ

私の数少ない読書における自慢の一つが、有川浩のデビュー作を初版で読んだ、ということである。 そこから先、ずっと追いかけていたので有川浩が人気者になっていき、スター街道を走っていく姿を一緒になって追いかけていたのである。ただの1ファンであるも…

なぜ本を読むのか? その理由を考えてみた

今回の記事は前回書いた記事の続編になるが、この記事だけ読んでも理解できるように書いていく。 一般的に本を読む理由 本は勉強の役にたつ? 勉強と学問 ニュートンのリンゴ 好きだから読む、好きだから書く 本を読む理由 前回の記事はこちら blog.monogata…

本をブログで紹介するならば、小説よりも実用系がいいけれど……

たまにはちゃんとした本のことでもブログに上げようかなぁ……なんて思いながらも、ここ最近はあまり活字を読めていないので、何をあげるか少し悩むような状況である。 昔は年間100冊前後と、まあ本好きだったらそこそこかな? というほどの数を特に選ばずに雑…

祝!西尾維新のデビュー作『戯言シリーズ』アニメ化決定!! その魅力を解説するよ!

まさかの情報が入ってきたので書いていきます! 化物語シリーズ、刀語、めだかボックスなどアニメ化作品も多く、掟上今日子の備忘録ではまさかの実写化など、メディアミックスにおいても活躍中の西尾維新のデビュー作が、まさかのアニメ化決定! 私自身、10…

子供に読み聞かせたい絵本『くまとやまねこ』

今回はいつもと趣向を変えて、絵本を題材に紹介記事を書いていきたい。 私は以前、絵本を研究したことがあるが、一冊あたりの値段が高いことと(カラー印刷と大判だから仕方なし)図書館の絵本置き場に一人で行くことが躊躇われたため、結局数冊だけ読んで終…

本多孝好 FINE DAYSの考察

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE たまには小説についても語ってみようかなと思い立って何の本にしようか迷っていたが、私が特に好きな現代作家の1人である本多孝好の青春小説について語ってみようと思う。 ちなみに本作品は短編であり、FINE DAYS…

BLUE GIANT(ブルージャイアント)8巻 感想 ネタバレあり

まずはマンガ大賞2016、3位おめでとうございます! どうしてもマンガ大賞は有志が無償で投票しているため、有名作品が有利になってしまうものであるが、その中でも大人気作で1位の『ゴールデンカムイ』2位の『ダンジョン飯』、4位の『僕だけがいない街』を相…

通勤途中に小説を〜短編小説 『見えないもの』

今週のお題「卒業」 三月に入ると一時期に比べて、寒さもだいぶ和らいできた。つい一月前は雨が降るたびに『雪が』と騒いでいた天気予報も、今は花粉と桜の開花予想に話題が集中している。 終業式も終わり、職員室とは別に用意された準備室に戻ると老齢の教…

ちはやふる31巻 感想 粘れ!

このブログは立ち上げてまだ2か月なのだが、ちはやふるの記事は2回目。えらい早いスパンで出版したなぁと思ったら、映画公開に合わせてきたか。当たり前といえばそうなのだが、このスパンで出してくるのは少し驚いた。 さて、まずは前回書いた30巻の感想を紹…

通勤途中に小説を〜短編小説 『あい傘』

雨が降ってきた。 ちょっと見栄を張って入ったルノアールは、大きな商店の立ち並ぶアーケード通りの二階にあって、大きな窓に面した席から下を覗くと、雨粒を避けようと走る人の姿があった。心なしか、小降りにもかかわらず雨の中で濡れ鼠になることを厭わず…

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 4巻感想 タイトル、なげぇな……

浅野いにおの新作であるデッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(以下デデデデ)の4巻が発売されたのでその感想を。 それにしてもタイトルが長いなぁ…… デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 4 (ビッグコミックススペシャル) 作者: 浅野…

有川浩の「新品を買ってほしい」という提言に関して反論する

こんな記事を見つけたので、思うところを書いていく。 (消えちゃいましたので代わりの記事をはります) blog.monogatarukame.net

当て屋の椿 12巻の感想 鳳仙の過去は決着、そして椿の過去へ!

当て屋の椿の新刊が発売したのでその感想を書いていく。個人的には2巻の時点から好きな作品で、楽しみにしている作品だが12巻で95万部って漫画としてどうなんだろう? 少年漫画の桁違いの売り上げを見ているから、青年誌の売り上げってよくわからんのだよな…

通勤途中に小説を〜短編小説 桜花〜

西高東低の冬の寒気も少しずつ去っていき、少し前まで身を切らんばかりに冷えた風が、ほのかに暖かくなってきた。今年は暖冬だったから冬の間も暖かい日が何日も続いたが、それでも春の匂いの訪れはようやく、といったところだろうか。 このくらいの気温にな…

ましろのおと 弘前大会編までをまとめて感想(8巻〜15巻まで)

ここ最近発売された15巻にて一つの区切りがついたので、8巻から15巻まで(竹の華入店から弘前大会まで)を読み直した。その感想や気になった部分をあげていく。 絵が上手いだけでなく、これだけ内容の深い世界観を描き出せるから本作はやはり素晴らしい作品…

通勤途中に小説を〜エンジェルキッス〜

お題 初夏 女 下駄 雲ひとつ無い青空にぽっかりと存在を強く主張する太陽が周囲を焼きつける。まだまだ日差しは弱いというが、暑さは日に日に増していき、すでに長袖はタンスの奥にしまわれて久しい。 アパートを出ると熱気が俺を襲う。一歩足を踏み出すだけ…

パンプキン・シザーズ 20巻の感想 面白い思想と細やかな作り

月刊少年マガジンで連載中のパンプキン・シザーズの新刊が発売されたのでそのレビューみたいなものを書いていきたい。 本当は今月の月マガレビューでも書こうと思っていたのだが、川原正敏作品が新連載に伴う準備のため休載(むしろ始まってもいない)、ポー…

通勤途中に小説を〜短編小説 『星』

気がつくと周囲は夕闇に閉ざされて、ほんの少し先さえも、光のしっぽすら見えない中、俺は草むらに横になっていた。別に遭難したとかいう大事な話ではなく、町外れの森の中を、真っ昼間から陽の光を木々で避けながら、ずっと草を敷き布団にしていたのだ。 大…

通勤途中に小説を〜短編小説 『幽霊』

線香の灰や枯れた花が一掃され、ぺんぺん草一つ生えないまでにキレイに片つけられたのは少し前のことなのに、今では夏に供えられた花がそのままに風に身を揺らしている。枯れススキは風情があるが、枯れ仏花は恐怖心を煽るだけだ。それだけに墓場には相応し…

物語を作りたい人が始めにやるべきこと

個人的物語論 今回は小説が上手くなるためにやるべきことについて語っていこう。 いきなりだが、ある当たり前のような常識を覆すような言葉から言わせてもらう。 「物語を作りたければ、まずその手にある本や映画を見てはいけない」

今更語る火花 又吉直樹は高すぎるハードルを越えられるのか?

2015年に発売された書籍の中で、最も売れた本は又吉直樹の『火花』だったようだ。 当然のことながら芸人としての知名度込みの人気だろうが、芥川賞を取ったことでより注目度は増してしまい世間では『太宰越え』なんて言われてしまう始末(太宰どころか村上春…