物語る亀

ネタバレありの物語批評

書評『蜂蜜と遠雷』感想 本屋大賞と直木賞のW受賞も納得! 恩田陸の集大成にもなる作品では?

亀爺(以下亀) 「それでは、久々に書評と行くかの」 ブログ主(以下主) 「ここ最近は全く書いていなかったかなぁ。映画ばかりで小説を読む頻度も減っていく一方だし」 亀「発売からだと半年以上、直木賞も本屋大賞も当の昔じゃからの。旬もとうに逃してお…

『不良少年とキリスト』から考える無頼派としての太宰治について

カエルくん(以下カエル) 「桜桃忌も過ぎてこの記事を書くのもなんだけれどね。 今年はいったの?」 ブログ主(以下主) 「さすがに平日に桜桃忌に行くのはなぁ…… 記事でも書いたけれど、昨年は日曜日であることにも加えて色々と重なった年でもあってさ。太…

『当て屋の椿(既刊14巻)』感想 エロチックの中にある男と女の業

カエルくん(以下カエル) 「LINEマンガでの読めるようになったとのことなので、ここで改めてレビューを書きなおすとしますか」 ブログ主(以下主) 「しかしLINEマンガも攻めるなぁ……全年齢向けの作品ではあるけれど、結構過激な性描写の多い作品だよ? し…

漫画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』既刊6巻の感想 浅野いにお……タイトルながくない?

カエルくん(以下カエル) 「今回は過去の記事のリテイクも含めて、浅野いにおの最新作のお話をするよ!」 ブログ主(以下主) 「記事のリテイクは大事! とはいうものの……結構面倒くさい作業なんだよね、これ」 カエル「漫画の場合、新刊が発売して次々と更…

書評『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』感想 岡田麿里の脚本の原点がここに!

亀爺(以下亀) 「今回は久々の書評といくかの」 ブログ主(以下主) 「アニメと映画大好き人間だと思われているかもしれないけれど、小説も好きなんだよ! ただ最近は読めていないだけで!」 亀「映画は手軽じゃからな。大体が2時間前後で終わってくれるし…

キンコン西野の『えんとつ町のプペル』無料公開騒動について思うこと

カエルくん(以下カエル) 「今日が直木賞の発表日だね (恩田陸の『蜂蜜と遠雷』が受賞しました! おめでとうございます!)」 ブログ主(以下主) 「……そうだな」 カエル「なのに、その当日の記事がこれでいいの? まだ5作中1作しかレビューしていないよ!…

小説『夜行(森見登美彦)』感想と考察 『10年目の集大成』とはどういうことか?

亀爺(以下亀) 「久々の小説の記事じゃの」 ブログ主(以下主) 「そうね……新作となると相当久々だよね」 亀「そんなに忙しいわけでもないのにのぉ。 そんなんだから『映画批評ブログ』という認識になってしまうんじゃぞ」 主「ここ最近はそれで全く間違い…

小説『海の見える理髪店(荻原浩)』感想 

カエルくん(以下カエル) 「少し前に芥川賞作品を語っていたけれど、今回は直木賞作品にも手を出したんだね」 亀爺(以下亀) 「元々主は純文学よりも大衆文学のほうが好きじゃからな。主は芥川賞よりも直木賞のほうが興味はあったはずじゃ」 カエル「で、…

小説『コンビニ人間(村田沙耶香)』感想、書評 『普通』を際立たせるもの

亀爺(以下亀) 「とうとう話題の芥川賞に手を出したか! もう少し早い段階で読んで、書評を書いても良かったのではないかの?」 ブログ主(以下主) 「……まあ、ね。そりゃ、ね」 亀「何か煮え切らないの? どうした、何かあったのかの?」 主「……元々さ、そ…

新書『ゴジラとエヴァンゲリオン』感想 特撮の歴史の整理に欲しい一冊

カエルくん(以下カエル) 「……今日もまたゴジラネタなの?」 ブログ主(以下主) 「昨日もゴジラで更新しようとしたけれど、忙しすぎて無理だったわ……」 カエル「別に更新頻度はいいんだけどさ……ゴジラネタはいつまで続くの?」 主「一応、今回で最後かなぁ…

アニメや漫画は『文学』になりうるのか?〜『人生に、文学を。』炎上騒動から考える〜

亀爺(以下亀) 「いやぁ、また荒れておるのぉ」 ブログ主(以下主) 「まさか、あのキャッチコピー1つで炎上するなんて夢にも思わないだろうな」 亀「まずはそのキャッチコピーを確認して欲しいから、URLを貼っておこうかの」 www.jinsei-bungaku.jp 主「………

夜長姫と耳男(坂口安吾)とヤンデレの美〜感想と解説〜

亀爺(以下亀) 「なあ主よ、なんでこのタイミングで『夜長姫と耳男』をチョイスしたんじゃ? 夏っぽい作品なら細田守作品特集もあれば、芥川賞、直木賞の発表もあれば、グラメのドラマ化に合わせて原作本を売り込むいい機会じゃろう」 ブログ主(以下主) …

夏休みの宿題に! 年代別で読書感想文にオススメ本を紹介していくよ!(大人にもオススメ)

カエルくん(以下カエル) 「そろそろ子ども達も夏休みを迎える季節だね」 ブログ主(以下主) 「そうね。もう一月以上も休みになるとしたら、定年で会社から卒業するか、ドロップアウトした時だからなぁ。逆に一月も休みがあると、どう過ごしていいのかわか…

小説『罪の終わり(東山彰良 著)』感想 情報化社会が終焉した後の救世主誕生物語

亀爺(以下亀) 「小説について触れるのも久しぶりじゃの」 カエル君(以下カエル) 「本当はもっと書評も書きたいけれど、中々ね」 亀「映画も見て、漫画も読んで、アニメも見て、さらにそれをブログにまとめて、となると一番時間のかかる小説とか本となる…

小説『桐島、部活やめるってよ』感想とちょっとした分析

亀爺(以下、亀) 「今日もいい天気じゃの。小雨が降っておって、亀には丁度いい季節じゃな。こんな日は茶でもすすりながら、ゆっくりとするのが一番じゃなぁ……」 カエル君(以下カエル) 「亀爺! 今日はいい本読んだから、その作品について語り合おう!」 …

桜桃忌に行ってきた(2016)

亀爺(以下亀) 「今年も桜桃忌の季節がやってきたかぁ……」 カエル君(以下カエル) 「桜桃忌って何?」 亀「まずはこの記事を見て欲しいのだが……」 blog.monogatarukame.net 亀「まあ、簡単に言えば太宰治の誕生日であり、命日の事じゃよ。こんな日だから、…

6月19日は桜桃忌なので、簡単に紹介していく

「6月19日は何の日?」と尋ねられたらどのように答えるだろうか? 調べたところによると『朗読の日』(6ロウ 1ト 9ク)の日であったり、『ロマンスの日』(6ロマン 1チッ 9ク)という無理やり感のある語呂合わせの記念日であったり、『ベースボールの日』(…

角田光代のおすすめ作品『ランドセル』の感想とちょっとした解説

ここ最近、知り合いに高校生の国語の教科書を読ませてもらう機会があった。 教科書に載る作品というと『こころ』を筆頭に古典や文豪の作品ばかりというイメージだが、その中でも意外な作家の作品が収録されているため面白いので、機会があれば読むようにして…

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』感想と考察、そして『愛』の分析 

久々にこの作品を語ってみたいなぁ、と思い立ち記事を書くことにしてみた。 なぜ今更になって『砂糖菓子の弾丸』なのかと問われると、「暴力も喪失も痛みもなにもなかったふりをしてつらっとしてある日大人」になった、今の私だからこそこの作品を読み返す意…

砕け散るところを見せてあげる 感想 複雑だなぁ……(後半ネタバレあり)

最近書店やらTwitterやらで話題となっていたので、とりあえず購入してみた。新書や学術系、明治から昭和にかけての短編小説ばかり読んでいたので、ここまで纏まった長編小説を読むのは久しぶりな気がしてくる。 表紙は大好きな浅野いにおだったこともあり、…

有川浩 おすすめ作品と簡単なあらすじを紹介するよ

私の数少ない読書における自慢の一つが、有川浩のデビュー作を初版で読んだ、ということである。 そこから先、ずっと追いかけていたので有川浩が人気者になっていき、スター街道を走っていく姿を一緒になって追いかけていたのである。ただの1ファンであるも…

なぜ本を読むのか? その理由を考えてみた

今回の記事は前回書いた記事の続編になるが、この記事だけ読んでも理解できるように書いていく。 一般的に本を読む理由 本は勉強の役にたつ? 勉強と学問 ニュートンのリンゴ 好きだから読む、好きだから書く 本を読む理由 前回の記事はこちら blog.monogata…

本をブログで紹介するならば、小説よりも実用系がいいけれど……

たまにはちゃんとした本のことでもブログに上げようかなぁ……なんて思いながらも、ここ最近はあまり活字を読めていないので、何をあげるか少し悩むような状況である。 昔は年間100冊前後と、まあ本好きだったらそこそこかな? というほどの数を特に選ばずに雑…

祝!西尾維新のデビュー作『戯言シリーズ』アニメ化決定!! その魅力を解説するよ!

まさかの情報が入ってきたので書いていきます! 化物語シリーズ、刀語、めだかボックスなどアニメ化作品も多く、掟上今日子の備忘録ではまさかの実写化など、メディアミックスにおいても活躍中の西尾維新のデビュー作が、まさかのアニメ化決定! 私自身、10…

子供に読み聞かせたい絵本『くまとやまねこ』

今回はいつもと趣向を変えて、絵本を題材に紹介記事を書いていきたい。 私は以前、絵本を研究したことがあるが、一冊あたりの値段が高いことと(カラー印刷と大判だから仕方なし)図書館の絵本置き場に一人で行くことが躊躇われたため、結局数冊だけ読んで終…

本多孝好 FINE DAYSの考察

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE たまには小説についても語ってみようかなと思い立って何の本にしようか迷っていたが、私が特に好きな現代作家の1人である本多孝好の青春小説について語ってみようと思う。 ちなみに本作品は短編であり、FINE DAYS…

BLUE GIANT(ブルージャイアント)8巻 感想 ネタバレあり

まずはマンガ大賞2016、3位おめでとうございます! どうしてもマンガ大賞は有志が無償で投票しているため、有名作品が有利になってしまうものであるが、その中でも大人気作で1位の『ゴールデンカムイ』2位の『ダンジョン飯』、4位の『僕だけがいない街』を相…

通勤途中に小説を〜短編小説 『見えないもの』

今週のお題「卒業」 三月に入ると一時期に比べて、寒さもだいぶ和らいできた。つい一月前は雨が降るたびに『雪が』と騒いでいた天気予報も、今は花粉と桜の開花予想に話題が集中している。 終業式も終わり、職員室とは別に用意された準備室に戻ると老齢の教…

ちはやふる31巻 感想 粘れ!

このブログは立ち上げてまだ2か月なのだが、ちはやふるの記事は2回目。えらい早いスパンで出版したなぁと思ったら、映画公開に合わせてきたか。当たり前といえばそうなのだが、このスパンで出してくるのは少し驚いた。 さて、まずは前回書いた30巻の感想を紹…

通勤途中に小説を〜短編小説 『あい傘』

雨が降ってきた。 ちょっと見栄を張って入ったルノアールは、大きな商店の立ち並ぶアーケード通りの二階にあって、大きな窓に面した席から下を覗くと、雨粒を避けようと走る人の姿があった。心なしか、小降りにもかかわらず雨の中で濡れ鼠になることを厭わず…