物語る亀

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物語愛好者の雑文

『リズと青い鳥』ネタバレ感想&考察、解説 本作に込められた『愛』の演出を紐解いていく

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(C)武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会
 
 

えー、今回も長い記事になりそうです

 

 

 

なんか、京アニは本当に毎月語っている気がする……

 

 

カエル「別に特別京アニ信者というわけでもないんだけれどね。もちろん、好きな制作会社ではあるけれど……」

主「3、4ヶ月に1度くらいのペースで映画を公開するからさ。総集編も多いとはいえ、このペースは異常だよね。

 この後は……それこそユーフォが控えているのか? 近年は特に重なっていたからなぁ……」

カエル「そして山田尚子作品はどれもこれもが大傑作なので、ぜひとも語りたいことが非常に多いというね」

 

主「最初に語ったように、この記事は相当長いので覚悟してください!

 読み進める価値はあると思います!

 それから、本作は100人が100人違う感想を持つ作品だと思うので、あくまでも一つの意見です!」

カエル「では記事のスタート!」

 

 

 

 

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『リズと青い鳥』ロングPV

 

 

1 公開直後の今の感想

 

じゃあ、考察記事に行く前に感想だけれど、実際はどんな印象だったの?

正直『え?』という思いが強かった。

 

主「これはインタビューでも語られていたけれど、ユーフォシリーズは基本的には『動』の物語だったんだよ。

 これはほぼ全てのアニメがそうだけれど……つまり、爆発シーンやロボットの戦闘シーンがない代わりに、魅力的なキャラクター描写が多い。萌えやセクシーな描写も含めてだけれど、そして熱い展開であったり、魅力的な音楽演奏シーンの動の魅力に溢れていたわけだよ」

 

カエル「でもさ、今作はそれが……ほぼないんだよね」

主「『映画 聲の形』を自分は完璧な作品だと思っていて、その理由としてはイジメや障害などの重い社会的なテーマを含んでいながらも、それに対してお為ごかしや机上の空論のような結論をつけていないというのもある。そして、なによりも動と静のバランスが見事なものだった。

 ただ、人によっては中途半端だという人もいて……それはそれでわかるけれどね。趣味嗜好、どう観るかの違いでもある。

 そして、本作はその動の部分の捨てて、あまり劇的に演出してこなかった

 

カエル「もちろん、見所のあるシーンは多いけれど、派手ではなかったりね」

主「その意味では、本作は自分がとても評価しづらい映画でもある。

 本作の技術や意義はとても理解できるし、重要な位置付けになる。今後、もしかしたらこの映画が1つの基準になるかもしれない。

 だけれど……個人的に『面白いか?』と問われると微妙なところで……自分は脚本や展開、テーマを重要視するからさ。

 これは初見時の感想だけれど、もしかしたら山田尚子や京アニについて何も知らなかったら『退屈な映画』とこけおろしたかもね

 

 

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2回目を鑑賞して

 

カエル「だけれど、それは全く違ったと2回目では印象が大きく変わったと?」 

主「これほどまでに変わるとは思わなかった!

『素晴らしいけれど、面白くはない映画だなぁ……』から『これほどの映画を面白くないって思った自分は何だったんだ?』と思うほど!

 間違いなく今年屈指の映画だし、現状では……他の映画と単純に比べられないけれど、NO.1をつけてもいいかもしれない!」

 

カエル「おお! そこまで行くんだ!」

主「この作品は他の作品と何もかもが大きく違う。初見時のネタバレなしの感想記事で、昨年1番の評価をつけたヴィルヌーブの『静かなる叫び』を出したけれど、その判断をした自分、偉いぞ! と思うほど。

 自分は確かに山田尚子ファンだから贔屓目な部分もあるかもしれないけれど、何度も鑑賞して受け取り方が大きく変わる映画なのは間違い無いだろうな

 

 

 

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京アニの挑戦と暴走 

 

 

前回の感想記事でも述べていたけれど『京アニの挑戦と暴走』なんだね

 

京アニって時々暴走するんだよね……

 

 

 

主「『エンドレスエイト』は明確に挑戦でもあり、暴走でもある。演出の見所は多く、勉強になることも多いけれど、テレビ放送には全く向かない内容だ。

 他にも『涼宮ハルヒの消失』の2時間40分というアニメでは異例の上映時間の長さも挑戦であり、暴走と言えるかもしれない。もちろん、高い評価を受けているけれどね。

 それから……ユーフォシリーズだと『響け! ユーフォニアム 届けたいメロディ』は総集編でありながらも、単純な総集編ではないという異例なことをしている。これも1つの挑戦だ。

 このように、京アニは特異な挑戦や、時として暴走にしか見えない作品を発表している。

 本作も初見時の自分には『暴走』だと思ったほど、尖った作品です

 

カエル「もちろんどのスタジオでも特徴があって、挑戦や暴走をしているけれど、京アニのそれはまた別だ、という話だね」

主「たぶん、この作品を作らせてくれるスタジオって無いんじゃないかな?

 普通は怖くてできないよね。アニメってエモーショナルな快感が売りになっているのに、本作はその快感が抑制されているからさ、どこも制作を怖がると思うよ」 

 

 

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『90分』という上映時間について

 

 

 

主「これを言うと映画好きにバカにされるだろうけれど……自分は理想の映画の上映時間は90分から120分の間だと思っている。

 そこから短くなる分には構わないけれど、長くなればなるほど作劇の難易度は上がっていくし、観客は飽きてくる」

カエル「アニメ映画って基本的に2時間以内に終わる作品が多いのは、もちろん長くなればその分、作画などの手間が増えることもあるけれど、大人に比べると集中力がない子供向け作品が多いから、その配慮というのもあるよね」

 

「多くの人が集中できる最大の時間が90分と言われていて、大学の講義1回分くらいだよね。

 で、本作の上映時間は90分だけれど、これはまさしく英断だろう。

 もし本作の上映時間が10分増えたら……おそらく評価はガタンと落ちるだろう。

 もっと言えば、さらに短くてもよかったかもしれない。自分は75〜80分くらいがベストだとも思ったかな。

 それだけ鑑賞するのに集中力と緊張感を必要とされるほどに精緻に作り込まれた抑制された物語だ。

 そんな『静謐な物語』だからこそ、本作は高く評価される作品となった」 

 

 カエル「脚本構成とかの物語のお勉強には全くならない作品かもねぇ……」

主「この映画は間違いなくアニメの力、音楽の力……物語の力を信じている。勇気のある演出であり、とても意義がある作品だ。

 はっきり言えば、これが中途半端なバランスを意識し始めたら、ただの普通の綺麗なアニメが1つ生まれただけだろう。

 ここまで振り切ったこと、それ自体がとても尊く、立派な挑戦である。

 だからこそ、初見時の自分は評価に困っていたわけで……本作を回数を重ねて見るうちにどう評価が変化するか? が楽しみな作品でもあるね

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

2 『リズと青い鳥』の演出について〜概要〜

 

キービジュアルが示すもの

 

では、ここから本格的な考察と参りますが……まずは事前情報からわかるもの、ということで本作の公式ビジュアルをごらんください

 

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主「このビジュアルに込められた情報量がまた素晴らしくて……彼女たちがどのような関係なのか、よく分かるようになっている。

 右下に青い羽があるから、この上からのアングルは青い鳥の視点だと思われる。それをじっと見つめるみぞれがいるけれど……注目して欲しいのは希美なんだよね。

 彼女は親友であるみぞれの方を向いていない。視線も外を見ているようにも見えるし、青い鳥やみぞれを見ているような、見ていないような……

 だけど、この2人からは相手が後ろにいることを信じて疑っていない。この2人の関係はそんな関係なんだよ。背中を向けていても、相手がそこにいることを疑いもしない関係性。

 そして足元に楽譜が散らばっているけれど、それは音楽が彼女たちを繋ぎ止める鍵であることを示しているんじゃないかな?」

 

カエル「続いてこちらのキービュアルです」

 

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主「ここで重要なのは『リズたちは窓の外の世界にいる』ということ。

 本作に注目する上で大事なポイントの1つがこの『窓の演出』なんだよ。

 窓の外に何がいるのか? 彼女たちは窓を通して何を見ているのか? それがこの作品を紐解く大きな鍵になる」

 

 

 

3つの階層の存在

 

次に語るのが3つの階層についてということだけれど……

 

本作が示した3つの階層を簡単に説明すると、こうなります

 

  • みぞれ達の現実の吹奏楽の世界=現実の世界
  • リズと青い鳥の物語の世界=空想の世界
  • 水彩画のような青い鳥の描写=抽象の世界

 

 という風に解釈することができる。

 で、この3つの世界が交互にリンクするのが本作なんだ」

 

カエル「現実性が上がっていくほどに、より精緻な……と言っていいのかな? 線がしっかりした、現代的なアニメになっていくよね。話の抽象度が高いと絵も抽象的だったり、昔話のようだったりして」

主「それぞれの世界をこのように表現することによって、より寓話的な物語であることを表現している。

 そして絵のタッチを直接変えることで、ある種のメリハリとなり観客が飽きさせないような工夫にもなり、アニメーションとして新たな表現方法の模索にもなっているね

 

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本作のゲスト声優が本田望結である必要性はあったのではないでしょうか?

 

本田望結について

 

カエル「ここでちょっと賛否が出そうなのが、本作でリズと青い鳥の声優を務める本田望結についてだけれど……もちろん、メディアに宣伝してもらうための話題作りの面があるのも当然ではあるけれど、この選出についてはどう思う?」

主「ここもちょっと難しくて……技術的なことを語ると、確かに拙いところはあるかもしれない。だけれど、まだ15歳だしさ、大人気声優だって同じくらいの年頃の時はもっと酷かったりもしたから、彼女自身がどうのこうの気にすることはないと思う。

 では、この演出が何の意味を持ったのか? というと2つの意味があると思うんだよね

 

  • 抽象世界の変化の見せ方
  • リズと青い鳥の同一性=みぞれと希美の同一性

 

カエル「ふむふむ……プロの声優が演じないことで、童話を語っているかのような演出がしたかったということだね?」

主「それも理由の1つだと思うし、この映画で重要などちらがリズで、どちらが青い鳥? という問題にもこの演出で答えになる。それは後述するけれどね。

 そしてリアルに15歳で世界に挑み続けながら、役者も目指す彼女が演じることに意義がある。

 つまり、2つの道を目指す彼女の存在がそのまま希美とみぞれになるんだよね」

 

カエル「つまり、本田望結が希美とみぞれの両方の面を兼ね備えた存在であり、しかも15歳でリアル青春を送っている年頃だからこそ、その寓話性に意味があったということかぁ

主「だからこの起用は意図もあるし、見事にハマっていると思うよ」

 

 

 

 

3 作中の演出考察

 

序盤から音楽室に入るまで

 

では、ここから作中に言及しながら演出の考察を繰り広げていくけれど……

もうさ、何から語っていいのかわからないよね……

 

カエル「この序盤から音楽室に入るまでで注目したところを箇条書きで上げていくと以下のようになります」

 

  • 希美とみぞれの足の動きの違い
  • 階段を上る時、先に行く人
  • 太陽と希美と青い羽
  • 挨拶について
  • 上履きの置き方
  • 2人の歩き方

 

カエル「……もうこれだけで1記事書けるくらい多いね……」

主「とりあえず順番に序盤から語っていくと、本作は登校するところから始まるわけだ。もうここから情報量がとんでもなくて、緊張感があるんだよね。

 ここでも、例えばみぞれの視点になった時にカメラをちょっと揺らすなどの細かい工夫が込められている。

 そして希美が登場するけれど、その足もすごく『ズンズン!』と音がしそうなほど自信に満ちているじゃない?

 これがオドオドとしたみぞれとの最大の違いでもある」

 

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このシーンだけでも情報量がとんでもない……
(C)武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会

 

階段を先に登るのは?

 

主「ここで重要なのが先に階段を登るのが希美だということ

 これは後々の伏線でもあり、この2人の関係性を象徴していることでもある。

 そして太陽と希美と青い羽をみぞれが一人称で眺めるシーンに変わるけれど、ここで彼女が眩しそうにそれを見つめている。これは青い鳥と希美に太陽=強い光が当たることで、強い憧れを抱いていることを連想させる」

 

カエル「もうここだけでも情報量がとんでもない……」

主「さらにさ、注目したいのは、この2人は挨拶を交わしていないんだよね。

 『おはよう』の一言もなく話は過ぎていく。

 これはこの2人がそんな挨拶もかわす必要がないほどに信頼し合っている証拠でもある」

カエル「ふむふむ……」

 

主「先に歩くのは希美なんだけれど、後ろを振り向くこともなく話すこともなく、自信満々でノシノシと歩くでしょ? その後ろをちょこちょことみぞれが続く。

 ここを見るとやはりこの2人の関係性をリードしているのは希美なわけ。

 そして、希美はみぞれが後ろから付いてきていることを全く疑ってもいない。全幅の信頼を寄せている。

 音楽室に着く前に希美って一回転しているんだよね。これは今日もみぞれと吹けることが嬉しいという感情が、思わず出てしまった瞬間だろう。

 これだけで2人の関係性って完全に表現されているんだよ。そして、それはこの後にさらに発揮されていく」

 

 

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 ヴァイオレットと共通するテーマでもあるのかなぁ……

 

希美ってどんな女の子?

 

 

じゃあ、次に音楽室に到着してからを語る前に、とても大事なことで希美の人間像について迫っていくという話だね

 

 

希美はどんな女の子なんだろうね?

 

 

主「希美ってさ、確かに可愛らしくて、どこか男性的な印象を与える、さっぱりとした女性の見えるかもしれない。

 それはそれで否定しないけれど、自分ははっきりと言えば、この映画で1番『怖い』存在って希美だと思っている

カエル「……あれ? みぞれじゃないんだ?」

 

主「みぞれってすごくわかりやすい女の子でもあるんだよ。

 本作でゾクっとしてくるのは、女性の怖い部分が表現されているところで……自分に言わせて貰えば、この映画はホラーのレベルです。

 これは希美だけではなくて、優子、みぞれ、麗奈、新山先生あたりは特に女性のこわさが発揮されている。

 剣崎と夏妃はまた別かなぁ……でも掘れば怖いところはあるだろうな。

 久美子なんて出番がないだけで、テレビアニメでも女性の怖いところがすごく発揮されているじゃない?

 武田綾乃が原作なこともそうだろうし、本作で言えば山田尚子や吉田玲子などの女性陣が主導で作っているからこそ発揮される怖さだろう」

 

カエル「えっと……その怖さってどういうことなの?」

主「静かに圧力をかけてくる怖さっていうのかなぁ……言葉と思いが裏腹で、かなりねじ曲がっているけれど、それがすごくわかりづらい怖さ?

 映画を表面的に見るとみぞれが執着しているように見えるけれど、自分は逆だと思う。

 本作は希美がみぞれに執着(強く意識)しているし、かなり強い情念を抱いている。

 そのちぐはぐさが感動的でもあり、そして恐ろしくもある……それが出ていたのが冒頭の音楽室だよ」

 

 

 

 

音楽室の2人

 

カエル「ふむふむ……では、その音楽室の演出について語っていきましょうか」

主「みぞれが何かを話そうとしているけれど、希美ってそれを遮るように、言葉を被せながら話すんだよね。それってどういうことかというと『それ以上私に話さないで』という意味があると思うんだよ。

 みぞれの髪の毛が希美に触れそうになると、彼女はそれを拒否するような行動する」

 

カエル「……あれ? それって嫌っているから?」

主「それで正解でもあり、逆でもある。

 大好きで、情念がたっぷりこもっているから、拒否をするの。

 好きだからこそ、その好きが暴走してしまうかもしれないことが怖いのではないか? ということ。そして嫉妬もあるよね。強く意識しているからこそ、あまり触れたくない気持ち。

 『好きの反対は無関心』の理論と同じで、嫌いというのは執着しているという意味では、好きと同じようなものなんだよ」

 

カエル「それだけ希美は色々な執着を抱えているということ?」

主「希美って男性的なサバサバしている点が多く見受けられるから男性的に見られることも多いけれど、自分は逆に極めて女性的な女の子だと思う。多分、みぞれを男性にするとわかりやすいよ。

 最近の作品だと『君の膵臓が食べたい』みたいなものでさ、みぞれは気弱な男子に簡単に好意を振りまく女子みたいなもの。だけれど、男子が一線を越えようとしたりすると、サラリと逃げていく猫みたいな女の子」

 

カエル「まあ、オタク向けアニメとかでもある、男を弄ぶ系の女性像かな」

主「ただ、面倒くさいのは他の女が近づこうとすると全力で嫉妬する部分で、自分は付かず離れず生殺しにさせるのに、他の人が近づくことを許さない系の女子。

 ……わかるかな、この感じ?」

カエル「……一種のヤンデレっぽいなぁ」

 

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絶対に付かず離れずの距離感、間合いを維持する希美

(C)武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会

 

希美の歪み

 

 

希美がみぞれのことを強く思っているというシーンはあるの?

 

 

この映画はそういうシーンしかないと言いたいほど、たくさんあるよ

 

 

主「例えば希美がみぞれをプールに誘うシーンでさ『他の子も誘っていい?』とみぞれが言った時、ちょっとポカンとしたんだよね。少し動揺している。

 他にも剣崎梨々花と仲よさそうにし始めると、なんとも言えないような微妙な反応をするじゃない?

 

カエル「受け取り方が色々あるシーンだよね」

主「決定的なのが図書館。

 みぞれが図書委員に責められていると、必ず希美が登場して場を収める。

 これってホラーじゃない? お前、どこにいたんだよ? って。

 だけれど、必ずみぞれのピンチには駆けつけるし、それだけじっと見つめているということなんだよね

カエル「……確かにそう解釈すると、ずっと知らないところでも見ているのは怖いかも……」

 

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2人だけの演奏

この時のピッチの違いがこの作品の全てを表していると山田監督とは仰っていました

(C)武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会

 

 

光の反射からわかる希美の思い

 

主「それが最大限に出たのがみぞれがフグに餌を与えているシーンでさ、あそこではフルートが光を反射して、それがみぞれにあたるわけ。

 それで2人が窓越しに挨拶する。

 じゃあ、あのシーンってどんな意味があるの? と言うと、希美がどれだけみぞれを見ているのか、という視線を可視化したシーンだと思うわけだ

 

カエル「つまり、あの光は希美が普段から浴びせている視線だと?」

主「そう。

 みぞれは全く気がついていないけれど、希美はずっとみぞれに視線を送っている。

 学生時代って特にそうでさ、好きな子や気になる子はずっと視線を送り続けているじゃない? そんな感じ。

 本作を表面的に見ると、確かにみぞれ→希美のように思うかもしれない。でも、実際は全く逆で……逆でもないけれど、より執着しているのは希美の方なんじゃないかな?

 

カエル「進路も希美が音大に決めて、みぞれがついていく、みたいな流れになっているけれど、実際はみぞれに音大の話が来たから希美が音大志望に変えるって流れだもんね……」

主「どちらも執着しているけれど、希美はそんなにさっぱりした女の子ではないよ。

 むしろその逆で、情念たっぷりでずっと見ていて、何かあったらすぐ駆けつけるくらいにそばにいる関係だということがこれでわかるんだよね

 

 

映画「たまこラブストーリー」【TBSオンデマンド】

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山田監督のフィルモグラフィーの1つ

単体でも素晴らしい恋愛アニメです!

 

新山先生と希美の会話

 

えっと……あの何気ない会話が大事なの?

 

女性ってすごく怖い存在だと思い知るよね……

 

 

主「自分が1番『女性の怖さ』が出ていると思ったのが、このシーンでさ。

 音大進学しますよ、って告げた時、絶妙な間合いになるじゃない? あそこでどんな心理戦が繰り広げていたかというと……自分の想像だけれどさ、新山先生は『え? この子も受けるの?』という疑問があったように思える」

 

カエル「少なくとも、誘いはしていないからね……」

主「『まあ、無理だと思うけれど』とかさ『目指す分には頑張って』とか、そういう感情があるように見えてくる。

 というかさ、今作の新山先生がメチャクチャ怖いの! 

 表情は確かに変わらなくて笑っているようにも見えるけれど、会話の端々や行動の1つ1つにとてつもない意図があるように見えてくる。

 その『女と女の無言のバトル』が繰り広げられたのが、このシーンなんだよ」

 

カエル「まあ、それは各々の感性によるものだけれど、その前に滝先生が語っていた『楽譜には載っていない間合い』を読むことを観客にも要求してくる映画であることは間違いないよね。

 1つ1つの行動に意味があり、その裏を読むのがすごく大変な作品でもあるよね……」

 

 

 

 

4 中盤から後半にかけて

 

みぞれとフグ

カエル「では、ここまでは希美について熱く語ってきたので、次はみぞれについて語るけれど、彼女は寡黙ながらも感情がすごく豊かな子で、そして依存体質であるという、こちらはこちらで強い女の子でもあるよね……」

 

主「今回注目したのが『フグの面倒を見ている』というシーンでさ。

 心理テストなども使われるけれど、心理学で魚や熱帯魚を愛する人は孤独が好きだったり、一人の世界に閉じこもる傾向があるんだよ。

 ほら、犬や猫などと違ってかまって遊ぶこともできず、ほぼ眺めるだけじゃない?

 それってみぞれの性格にも合致しているよね」

 

カエル「……ちなみにうちでよく登場する爬虫類は?」

主「変人でマニアック。特殊な趣味や見方をしている人」

カエル「……当たっているのかなぁ」

 

主「それはいいとして、他にもリズと青い鳥の本を読んで想像の世界に没入してしまうなど、自分の世界が豊かだからこそ、どこか孤独になりやすい女の子でもあるんだよね。

 そのような性格もフグだけで語ってしまうなど、本当に見事な演出だなぁ……と感心したよ」

 

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特別な世界であるリズと青い鳥

(C)武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会

 

窓の演出の多用

 

カエル「そういえば、割と序盤で『窓の演出が大事』って語ったけれど、それってどういうことなの?」

主「今作における窓とは『目に見えない壁』を表現をしていると思っていて……透明なようで、でも確実に存在する壁とでもいうのかな?

 例えば先ほどのキービジュアルでも窓の外に幻想的な世界が広がっていたじゃない? 

 これは2人の演奏の世界の心象風景として、リズたちがいることを示している。

 それから、先ほどにもあげたように窓ガラスごしにフルートの光が当たったりさ、終盤でみぞれの演奏が終わった後、希美を発見するのも窓ガラスごし。他にも序盤でみぞれが希美との仲を悩むシーンでも、ガラスに映る自分と対面していて、そこでは自分しか見えていないことを表現していたり。

 他にも、久美子と麗奈の演奏も窓を開けて覗き見るなど、窓ごしの演出がすごく多い

 

カエル「確かに窓が結構多い作品かもね」

主「窓を開ける、窓越しに見る、窓を閉める……それらの演出がそれぞれの心理をじっくりと描いているんだよ」

 

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この表情がすごく印象的でした

(C)武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会

 

終盤の2人の感情①

 

そして演奏シーンが終わった後に話は飛んで、あの2人がぶつかり合う描写になるわけだけれど……

 

 

とてもいい場面だけれど、最も解釈が分かれるシーンだよね

 

 

主「ここがさぁ……とんでもなくいいんだよね。

 みぞれの『好き!』の嵐の前に、希美が何を思っていたのか? ということが重要だと思うけれど……

 自分はさ、あの時希美は『知ってる』って思っていたんじゃないか? って」

 

カエル「……『知ってる?』」

主「もしくは『わかっている』でもいいけれどね。

 せっかく外へ羽ばたこうとしている青い鳥=みぞれを見送るために、わざと冷たい言葉を投げかける。

 いや、半分は本心だったかもしれないけれど、必死で後ろで手首を押さえつけて、広い空へ飛び立たせようとしている。

 でも、みぞれは希美への愛を何度も何度も口にする。

 その時さ、希美は驚くほど微動だにしない。

 泣くでも、喜ぶでも、笑うでも、怒るでも、衝撃を受けるわけでもなく、ただただ聞いている。

 これってさ……『知ってる』って感情表現だと思うんだ」

 

カエル「希美はみぞれに愛されていることを知っていて、しかも自覚している……?

主「そう。希美は必死になって彼女から離れよう、飛び立たせてあげようと頑張っている。だけれど、当のみぞれは希美にハグをして愛を叫び続ける。だけれど、それを返してしまうと我慢できずに気持ちが溢れ出してしまう。だから必死でごまかし続ける。

 みぞれの叫んだ愛に対する回答が『みぞれのオーボエが好き』なんだよね。

 その一言って『I LOVE YOU』に対して『Me Too』の返事でもある。これだけで希美の決意は全て決壊して、好きという言葉を返してしまった。

 2人の気持ちが初めて一致して、そして共鳴した……そんなシーンだけれど、そんな簡単なものでもない」

 

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こらえきれない思いの発露……

(C)武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会
 
 
終盤の2人の感情②
 
カエル「もう1つの意味合い?」
主「この作品がぐっちゃぐちゃなのはさ、そんな簡単に解釈することを許さないというところにあって……自分は希美がみぞれに執着していることは間違いないと思っている。ただ、その執着という言葉に色々あって……
 先にもあげたように『好きの反対は無関心』なんだよ。
 実は好きと嫌いってそこまで変わらない。
 本当に嫌いだったら、嫉妬する関係だったら無視すればいいけれど、それができないほどにグチャグチャな感情になってしまっているわけだ」
 
 
カエル「……え〜っと?」
主「このシーンは『大好き』のシーンであると同時に『大嫌い』のシーンでもあって、希美の心はそんなに簡単に割り切れるものじゃない。
 ましてや親友だと思っていた人間が、自分より遥か先に行っている……この絶望感はとても大きい。
 自分が『知ってる』と訳したのは……『好意を知っているよ、ありがとう』という好意もあれば『好意を知っているから、もうやめて』の意味合いもある。みぞれが好きと言えば言うほど、希美は虚しくなってくるよ。
 あの『みぞれのオーボエが好き』は『Me too』でもあり、同時に『ごめんなさい、あなたの好意は受け取れません』という、相反する、矛盾するようなことを一緒に告げているんだよね」
 
カエル「あの後ろで手を組んで、抱き合っても2人の心はかみ合わないという話だね……」
主「このシーンが素晴らしいのは、お互いに大好きをぶつけ合うという脚本(セリフ)のシーンなのに、その意味が食い違っているところ。
 そしてそんな単純な……好き、嫌いという二元論に陥らずに、様々な感情が混じり合い、それが無限の解釈を産んでいるところだよね

 

 

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そしてラストシーンへ

 

 

カエル「そしてラストシーンへつながるわけだね」

主「ここで注目してほしい点は3つ」

 

  • 学校から出て行く
  • みぞれと希美の立ち位置
  • 彼女たちの歩く方向

 

カエル「学校を出て行くのは山田監督もインタビューで答えていて『彼女たちが学校という鳥籠から外に出た』という話だよね」

主「この意味については後述します。

 今回で重要なのは階段を先に降りるのは希美だけれど、上段にいるのはみぞれだということ。

 つまり、相変わらずこの2人の関係性のイニシアチブというか、先に行動を起こすのは希美だけれど、才能などの面において上に立つのはみぞれである、というこの90分間の変化をこの1シーンで描いてしまったわけだ」

 

カエル「ふむふむ……構図で表現しようという演出だね」

主「そして、何よりも素晴らしいのがこの後の歩く方向で……『聲の形』などでも何度も言及しているけれど、歩く方向が上座から下座(画面右から左)の場合は自然な流れを表し、未来に向かって希望を持って進む様子を描いている。

 つまりさ、本作は明確にハッピーエンドなんです。

 これがすごく大事なんだ。

 そして、ハッピーアイスクリームで2人は一瞬だけ重なり合い、そしてまた離れていく。この2人の90分の物語は、ここに意味があったんだよ」

 

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振り向く希美

 

最後にシーンで希美が振り向くじゃない? あれってどんな意味があるの?

 

これが1番大事!

 

 

 

主「作中で何度も繰り返し描写されていたように、希美は必ずみぞれの先を行くんだよ。そのことにみぞれは違和感を持っていないし、その後ろ姿を眩しそうに見つめるカットからも、そのことに納得して彼女を追いかけている。

 だけれど、最後の最後でその状況が変化するんだよね

 

カエル「あ〜……2人の『関係性の変化』をたった一瞬、振り返ることで描写するわけだ」

主「ここで重要なのが『2人が向かい合った』ということ。この作品では実は希美とみぞれって全く向かい合っていない。2人の言葉はあべこべに食い違っていたし、ピッチもずれていて『もっと音を聞きなさい』と注意されているほどだった。

 だけれど、このシーンで初めて2人は向かい合っている。

 その関係性の変化に驚くみぞれがいて……そして希美は顔の描写がされていないけれど、おそらく会話の流れから笑顔のような明るい表情を浮かべているだろう。

 つまり、あのラストシーンこそが本作が『物語はハッピーエンドがいいよ』と何度も話している希美の本当の想いだろうな」

 

 

カエル「ふ〜む……当たり前かもしれないけれど、最初から最後まですごく考え抜かれているんだね……」

主「ここまでで約1万字越え……これでも語りたいことはまだまだ尽きない作品です。

 これだけ演出技法が繊細に込められたとんでもない作品はそうそうないよ……もちろん、自分が気がつかないことも多いだろうし、相性もあるんだろうけれどね」

 

 

 

5 全体を通しての考察

 

山田尚子のフィルモグラフィーで本作は?

 

ここからは全体を通しての考察になります

 

 

山田監督の過去作と比べて考えてみましょうか

 

 

主「簡単に言えば以下のようになっています」

 

 

  • 映画 けいおん!!→幸福な日常からの卒業
  • たまこラブストーリー→幼馴染、友情から恋愛への変化
  • 映画 聲の形→過去の呪縛からの解放

 

 

主「これを見てもわかるように、山田尚子は青春期のある区切りを今までずっと描いてきた。

 青春期にとらわれることなく、そこから解放されることを重点的に描いてきた作家なんだよね。

 では、リズはどのような物語なのか? というと『少女たちの別れの予感を幸福に描いた』ということにある」

 

カエル「……幸福に、なんだ」

主「さっきも書いたけれど、ラストにおいて悲劇的な演出は一切ない。別れの予感でさえも、幸福な笑顔で描いている。これを祝福と言わずになんと言おうか」

 

映画「けいおん!」【TBSオンデマンド】

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本作とセットで鑑賞したい!

色々とリンクする部分が多いです! 

 

 

映画 けいおん! のアンサー作品として

 

カエル「そして本作はけいおんに対してアンサーを突きつけた作品でもあるんだね」

主「『映画けいおん!』は自分も高評価を下すけれど、でも日常から脱却としてはありえないことが多くある。例えば、4人全員が同じ大学に進学(したと思われる)のは常識で考えれば一貫校でもない限りありえないよね。

 高校生の頃の日常というものは、必ず別れが訪れる。けいおんなどが描けなかった『別れの予感』に対してどのように描くのか……それが本作の大きな特徴となっているんだ」

 

カエル「今までの作品が描けなかったことを、さらに突き詰めて描いたんだね」

主「本作は『才能の壁』とか『不幸な別れ』と解釈する人もいるだろうけれど、自分は全くそうは思わない

 最後に語る『私がみぞれの音を支えるから』という言葉は、何もコンクールだけじゃないかもしれない。彼女はもっと後……もしかしたら音大で、その後でもみぞれの音を支えようと懸命な努力を重ねるかもしれない。それだけの情念を持った女性だからね」

 

カエル「初めて2人の才能の壁を知ったけれど、その壁すらも突破する可能性は十分あるわけで、そもそも高校生17、18歳でその道を諦めるのも早すぎる気もするね」

主「舞台挨拶で山田監督も『望美は強い女だから道を変えるかもしれない』と語っている。自分もそれに大きく賛成で、現段階では壁はあるかもしれない、階段の段差はあるかもしれないけれど、将来はわからない。

 そういった将来の希望すらも肯定的に描いている

 

 

映画『聲の形』DVD

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何度も言いますが、パーフェクトなベストムービーです! 

 

学校から出て行く

 

カエル「これも山田監督のインタビューでもあるけれど、本作は『学校という鳥籠から外に出て行く』物語でもあるんだよね」

主「このラストは『映画 けいおん!』と全く一緒だよね。

 他にも自分が連想したのは、やはり前にも語ったから印象が強いこともあるけれど『少女革命ウテナ』でさ。この作品は『女性という価値観からの解放』を描いているんだけれど、やはり学校から外に出ることで物語は終わりを告げている」

 

カエル「学校って生徒たちを守ってくれる場でもあるけれど、同時に縛り付ける場でもあるわけで……特殊な環境でもあるからね」

主「『たまこラブストーリー』も学校から飛び出して走っていくラストシーンが印象的だし『聲の形』は学校を出て行くわけではないけれど文化祭というハレの日でそれまでの憑き物が落ちる物語でもある。

 実は山田尚子が描いてきた作品のラストは似通った印象が多くて、それが『青春からの卒業、変化』の象徴だということことなんだろうな

 

少女革命ウテナ 絶対進化革命前夜

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どちらがリズでどちらが青い鳥?

 

カエル「ここも結構意見が分かれるところでさ、作中では一定の回答を示したけれど、これはどう考えるの?」

主「う〜ん……結局、本作の素晴らしい点ではあるけれど、明確に答えがないんだよね。

 そしてこの問題も答えがない。

 序盤の注目ポイントで重要な点が『上履きの演出』と書いたでしょ?

 これが1番最初に発揮されたのが『涼宮ハルヒの消失』だったと思うんだよね」

 

 

公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失

 

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カエル「えっと……確かキョンが上履きを履くときにちゃんと上履きを履くのではなくて、下に投げ捨てた後に足だけで行儀悪く履くのが、性格を描写していてリアリティがある、という話だったよね」

主「現実でも靴の履き方、脱ぎ方、揃え方って性格や育ちが出るじゃない。

 本作でも序盤でその描写があって、おそらくみぞれが靴をゆっくりと下ろして揃えて履いて、希美は投げ落として足だけでお行儀悪く履いている。

 それが何? というと……リズは靴を揃えて夜寝るんだよね。この描写からすると『リズ=みぞれ』だという説も成り立つ」

 

カエル「もちろん、作中で語られたように『みぞれ=青い鳥、希美=リズ』でも解釈できるわけだ」

主「でもその関係性ってものすごく簡単に揺らぐ。

 実は希美を縛り付けているのもみぞれかもしれないし、逆かもしれない。

 その2人の同一性を見事に演じたのが本田望結であり、彼女の価値はここにあるわけで……これがうまい人だと明確に区別をつけてしまって、同一性の意味がなくなってしまうかもしれない。

 だからこその起用だったし、その演出意図は明確に機能しているよ」

 

 

映画『リズと青い鳥』ED主題歌「Songbirds」

本作のEDを歌ったHomecomingsの楽曲も見事にマッチしていました!

 

 

仏教が語る『愛』と『諦め』

 

 

最後は宗教の視野から語る『愛』についてです

 

 

愛の意味って結構語るのが難しいよね……

 

 

カエル「これはつい最近、『ヴァイオレットエヴァーガーデン』に記事でも語ったことだね」

主「仏教が語る愛とキリスト教が語る愛の意味は全然違う。

 仏教の愛は執念であり、悟りを開くのに邪魔なものとして語られる。四苦八苦の、苦の1つでもあるんだよ。

 今作を見るとそれはわかりやすいと思うけれど、やはり彼女たちは自分たちの抱える『愛』という名の情念に悩まされているわけだ」

 

カエル「そして希美は『諦める』わけだね」

主「この諦めるというのも仏教だと意味が違う。仏教では『明らかに見極める』という意味になるんだ。

 できるかできないかを明らかにして、見極めること……それが諦めること。決して物事を辞めるだけではない。

 希美が『できる!』と思ったら、それもまた1つ『明らかに見極めて』みぞれと同じ道に進む可能性もある。

 その時は一般の大学に進む道を諦めることになるかもしれない。

 何かを選択するということは、何かを諦めるということだ。だけれど、それは音楽の道とまだ確定したわけじゃない。

 本作は『愛』と『諦め』の物語だとしても、言葉のイメージと意味は全く違う可能性もあるよ、とここで語っておきたいね

 

 

 

 

 

まとめ

 

というわけで、2記事にわけたのに長い記事になったねぇ

これでも語りたいことの7割くらいだからね。

 

主「中盤の話などはほぼほぼカットしました。長すぎると読むほうも疲れちゃうからね」

カエル「もちろん、この意見がすべての正解だという気はありません!

 ただ、こういう受け取り方もできるし、千差万別の反応をする作品だと思うので、ぜひとも自分なりの解釈を見つけてください」

主「間違いなく今年の……これからの日本アニメ界に残る大傑作です!」

 

 

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