物語る亀

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物語愛好者の雑文

<良作紹介>映画『ぼくらのよあけ』感想&評価! ジュブナイルSFの良作がスクリーンに登場!

 

今回はアニメ映画『ぼくらのよあけ』の紹介記事になります!

 

基本的にはネタバレなしで書いていこうと思うぞ!

 

(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会

 

カエルくん(以下カエル)

今回は劇場公開前に試写会で見させていただいたので、作品紹介の記事ということになります!

 

亀爺(以下亀)

なのでネタバレはなし、褒め重視のレビュー記事となっておるぞ

 

カエル「最近はこのようなお話もいただけるようにはなっていますが、こちらも手放しに褒める部分が多い作品だったので、とても安心しています」

 

亀「原作は講談社で10年以上前に完結した漫画作品ということで……不勉強ながらわしは知らなかったが、まさか連載終了してから、これほどの時間が過ぎてアニメ映画かされることもあるのじゃな。

 後々に語るが、2022年のアニメ映画の不思議なリンクもあり、そちらも興味深かったの。

 それでは、記事のスタートといくかの」

 

 

 

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作品紹介・あらすじ

◆主要スタッフ◆   

監督 黒川智之

脚本 佐藤大(『交響詩篇エウレカセブン』『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』など)

原作 今井哲也(『アリスと蔵六』など)

アニメーション制作 ゼロジー(『ぐらんぶる』など)

 

声優・キャスト紹介

沢渡悠真( CV 杉咲花)
ナナコ (CV 悠木碧)
田所銀之助( CV 岡本信彦)

岸真悟(CV 藤原夏海)
河合花香(CV 水瀬いのり)
岸わこ(CV 戸松遥)
沢渡はるか(CV 花澤香菜)
2月の黎明号(CV 朴ろ美)
 

 

左 沢渡悠真( CV 杉咲花)  右 ナナコ (CV 悠木碧)

(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会

 

作品紹介  

“未来が待てなくなる” 本格SFアニメ、誕生。

 

1万2000年をかけて地球に来た“未知なる存在” と子どもたちの極秘ミッションが今、始まる―

 

講談社「月刊アフタヌーン」で連載された傑作SFジュブナイル漫画「ぼくらのよあけ」(原作:今井哲也)が、この秋、ついに劇場アニメ化!


あらすじ

「頼みがある。私が宇宙に帰るのを手伝ってもらえないだろうか?

西暦2049年、夏。

阿佐ヶ谷団地に住んでいる小学4年生の沢渡悠真は、間もなく地球に大接近するという“SHⅢ・アールヴィル彗星”に夢中になっていた。

そんな時、沢渡家の人工知能搭載型家庭用オートボット・ナナコが未知の存在にハッキングされた。

「二月の黎明号」と名乗る宇宙から来たその存在は、2022年に地球に降下した際、大気圏突入時のトラブルで故障、悠真たちが住む団地の1棟に擬態して休眠していたという。

 

その夏、子どもたちの極秘ミッションが始まった―

 

(公式サイトより抜粋)

↓公式サイトはこちらから↓
https://bokuranoyoake.com/

 

 

 

 

感想

 

それでは、Twitterの短評からスタートです!

 

 

これは褒めたい部分がとても多い作品じゃな

 

カエル「もちろん試写会で鑑賞したので、褒めが中心になるという事情もありますが……それでも、試写で見ても、これは紹介できないという作品もある中で、今作はしっかりと面白くて、是非紹介させてほしいと思うような作品だったね!

 

亀「とてもバランスが良く、完成度が高い作品という印象じゃな。

 色々な要素がありつつも、それらが全て最適な印象がある。そしてうまく絡み合い、大きな不満を持つことなく、最後にはエモい感動も味わうことができる作品になっておるの。

 その意味では、とてもうまくまとまった、技巧的な作品と言えるかもしれん

 

2022年のアニメ映画のいいところを合わせたような作品だったよね!

 

万人に……それこそ老若男女が鑑賞しても、大きな疑問を抱かれない作品になっているのではないじゃろうか

 

カエル「それこそジュブナイルSFの作品になっていて、子どもたちに向けられて作られているのがとても感じられて……それと同時に、大人もグッとくるような要素もしっかりと入れている印象だったね」

 

亀「強いて言えば……これはイチャモンかもしれんが、うまくまとまり過ぎているのかもしれん。その意味では、ガツンとくるような大きな個性というのは少ないかもしれんな。

 しかし全体を通してみれば……例えばゲームなどで使われるような六角形のパラメーターで言えば、全てにおいてレベルが高く、綺麗な六角形が形成されるのではないかの。

 物語、作画などの映像表現、音楽、キャラクター、声優、背景美術……それらがうまくマッチした、まさにアニメという総合芸術の勝利という印象じゃな

 

 

 

 

今作の魅力紹介!

 

魅力① 2022年のアニメ作品の魅力を内包した作品に

 

ボクなんかは、本作を見ている最中に『地球外少年少女』『雨を告げる漂流団地』を連想したかなぁ

 

blog.monogatarukame.net

 

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2022年はオリジナル・あるいはシリーズものではない原作がある、少年・少女たちに向けられた良質なアニメ作品が多かったということかもしれんの

 

カエル「一言で表せば”ジュブナイル作品”ということになるんだろうね。危機だったり、スケールの大きな問題を前に、少年少女たちが活躍するという、まさに心躍るような作品だったりね」

 

亀「この2作と共通するのが、そのジュブナイル作品感ということになるのじゃろう。

 また『漂流団地』とは舞台が団地であることも共通しておるし、あるいは『地球外少年少女』はSF的なガジェットの魅力なども含めて共通する部分がある。

 この辺りのリンクはとても面白いの」

 

(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会

近未来的なガジェットも面白い

 

もちろん、この2作ともにいい作品ではありますが、その良さを受け継ぐような部分もある作品だよね

 

感覚としては、ちょうどこの2作の中間といったところかの

 

カエル「上記の2作品がどちらも命を賭けた大きな危機ということに対して、今作は命まではかかりません。だけれど、SFだからこその”少し不思議”な魅力が詰まっており、それが心地いい作品でもあります。

 そして『地球外少年少女』は大人たちの活躍もありましたが、本作でもきちんと大人たちが物語に関与し、機能しているという点でも面白い部分ですね

 

亀「ジュブナイル作品の……わしとしては長所でもあり、短所でもあるポイントであるとも考えるのが、特徴として子どもたちの活躍を描く=大人たちが介入できない、という問題があるわけじゃな。

 しかし、本作は大人が大人としての役割をはっきりと果たしながらも、子どもたちの冒険を見守るような要素がある。

 その点も含めて、現代の物語としてバランスの行き届いた作品と言えるのではないかの」

 

(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会

大人が大人の役割を果たす物語としても注目!

 

魅力② 団地という身近なアイディアとSFと

 

今作はやはり、”団地が舞台”というのも1つの大きな特徴と言えるだろうね

 

(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会

 

団地だからこその味わいというのも、感じられるものかもしれんな

 

カエル「原作者の今井哲也はインタビューにて、以下のように答えています」

 

◆インタビュー記事より抜粋◆

今井:映画では団地の取り壊しが決まっていて、建物によっては解体が始まっているという設定になっています。阿佐ヶ谷住宅は、漫画の連載中はまだ建物自体はあったのですが、今では新しいマンションに建て替わりました。『ぼくらのよあけ』は、阿佐ヶ谷住宅という建物の良さも作品の一要素ですが、未来の物語で今はもうない建物をモデルにしています。未来の話なのに、阿佐ヶ谷住宅が今はもうないことに触れないのは変じゃないかな、というのが設定を変更した一つの理由だったと思います。

以下の記事より抜粋

https://virtualgorillaplus.com/interview/bokuranoyoake-tetsuya-imai/

 

やはり、昭和の香りが漂う団地という舞台こそが、今作の独特な味わいを生み出しているのじゃろう

 

カエル「もしかしたら、もう今の子は団地って知らないかもねぇ……巨大な団地みたいな集合住宅って、昭和の高度経済成長の時にたくさん作られていたけれど、もうそろそろ耐久年数もかなり過ぎてきてい流だろうし、マンションと言われた方がわかりやすいかもね」

 

亀「わしとしては、この団地という、とても日常的な場所が舞台というのも大きいと思う。

 というのも、SF設定や広大な宇宙の話をした際に、物語が壮大すぎて現実感がないものもあるじゃろう。実際に、SFでありながら現実と地続きにリンクした作品だと、どのように示すのかは難しい技術が必要とされる。

 今作の場合は、すでに時代の変換としてなくなっていく団地を舞台とすることで……少なくともわしのような、歳を召した者には、とても日常的な話の延長線上にあると感じられる

 

カエル「そしてネタバレになるのであまり深くは言えませんが、これがとても大事な意味もあるよね」

 

亀「そこのあたりも含めて、とてもうまい作品だと感じたの」

 

 

 

 

魅力③ キャラクターたちの魅力が爆発!

 

そして今作の魅力といえば、何と言ってもキャラクターたちではないでしょうか!

 

観ている最中から愛おしくなってくるの

 

カエル「何と言っても声優さんたち、キャストがとても良いよね!

 今作のキャラクターが愛せるのって、アニメ的なキャラクターに対して、しっかりとアニメ的な振り幅のある声の演技をしてくれる声優さんが揃ったからだと思います!」

 

亀「杉咲花が主役に起用されておるが、わしは彼女と上白石萌音に関しては、声優業でも天下を取れる才能だと高く評価している。

 芸能人声優では朴訥とした演技を披露する人もおるが、今作の場合はそれだと合わない部分もあるじゃろう。しかし、彼女はとても感情豊かな、アニメ向きの演技ができる役者じゃ。

 今作に関しては少年役ということの難しさもあったのか、若干声質が高い印象も受けたものの、表現の幅が広くとても好感の持てる演技であった。

 文句を言っているようじゃが、変声期前の小学生男子ということであれば、そこまで違和感を抱かない人も多いじゃろうし、何よりもそれは経験すれば改善していくことじゃろう。

 やはり声優・杉咲花の演技に関しては、魅力が溢れており、それがキャラクターの演技にもうまく乗った印象じゃな

 

(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会

 

そして、AIでありながらも2022年ベストヒロインと言っても過言ではないのが、ナナコの存在です!

 

あれはとても素晴らしいマスコットであり、相棒であり、ヒロインであったの

 

カエル「例えば『アイの歌声を聴かせて』みたいに、人間型のAIという手法もある中で、ガンダムのハロみたいな丸を重視したデザインが、そもそもロボットとして愛らしいじゃない?

 そこに悠木碧の演技が載ると、ここまで可愛らしくなるのか! って驚いたよ!」

 

亀「わしとしては、今作成功の一因はナナコの存在じゃと思っておる。

 彼女……であっているかはわからんが、とても愛らしい存在であり、時に主役の悠真を引き立たせることができたからこそ、とてもいい味わいの作品となっておる。

 ある意味ではドラえもんなどに通じるような、誰もが友達として欲しがるガジェットとして、あったら嬉しいSF(少し不思議)の象徴となるじゃろう。

 AIではあるし、性別不詳ながらも、2022年のベストヒロインキャラクターにノミネートは間違いないの」

 

(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会

 

そのほかの役者に関しても、もちろん褒めが続きます!

 

カエル「少年役を務めさせたら、今の若手声優の中ではかなり上位に来るであろう藤原夏海、一癖のある女の子を演じた水瀬いのり、そして母親役も板についてきた花澤香菜をはじめとして、みんな好演だったのではないでしょうか」

 

亀「作品そのものが温かく、SF的な要素も多く、アニメ的な映像表現もとても多い作品じゃ。

 その中でしっかりと求められるアニメ的な演技を披露しつつ、それが過剰になり過ぎないバランスだったことも良い。

 このように、キャラクターの良さとバランスの良さが見事に合わさった作品だったわけじゃな

 

 

 

最後に

 

というわけで、ネタバレなしで語れるとしたら、この辺りかな

 

ジュブナイルものでとてもいい作品だったので、是非とも多くの人に鑑賞してほしいの

 

カエル「ハラハラドキドキする部分もあるし、2時間という時間があっという間に感じるのではないでしょうか?」

 

亀「しっかりと計算も行き届いておるし、公開後にネタバレありで話したいこともある作品じゃな」

 

 

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