物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『ジャングルクルーズ』ネタバレ感想&評価 娯楽大作として問題ないが、映画としての深みはまるで感じられない作品に

 

それでは『ジャングルクルーズ』について語っていきましょう!

 

 

 

……久々のディズニーの実写作品じゃな

 

カエルくん(以下カエル)

「まあ、ディズニーさんは色々とあって、疎遠になってしまったからねぇ。

 今や見に行くのも大変になってきているというか……」

 

亀爺(以下亀)

「それも戦略の内じゃろうから、ディズニーとしては仕方ないじゃろう。

 それでお客さんが離れるかもしれんが、おそらく今が過渡期。

 独自の配信サイトを握った以上、今後映画館を軽視することは続くじゃろうし、それに映画館が反発することも当然じゃろう

 

 

カエル「そこいらへんはまた別に機会に語るとしましょう。

 それでは、ジャングルクルーズの感想記事のスタートです!」

 

 

 

 

映画チラシ『ジャングル・クルーズ』5枚セット+おまけ最新映画チラシ3枚 

 

 


www.youtube.com

 

 

 

 

感想

 

それでは、Twitterの短評からスタートです!

 

 

 

これは、かなり語りにくい作品ではあるの……

 

 

カエル「もちろん、ディズニーの実写映画とだけあって、決して酷評するような内容ではありません!

 多くの人が笑って、ワクワクして、ドキドキして、驚いて、心温まるような娯楽大作でしょう!

 

亀「ただのぉ……少しばかり、物語が安直であったというか……

 確かに映像表現を含めて観るポイントは多いのじゃが、大きなフックとなる描写であったり、印象に残るメッセージ性などは、少なかった印象じゃな。その意味では、ファミリーを連れてポップコーンを食べながら観るには最適な1作ではあるが、映画文化の奥深さや、新たな地平線、社会に対しての大きな問題意識などはほとんどない。

 徹頭徹尾、娯楽に徹しておる

 

カエル「なんか、悪口みたいになってはいるけれど、決して悪いことではないよね。

 元々のディズニーの同名アトラクションだって、子供たちがワイワイキャッキャしながら楽しむアトラクションだし……そこにホラーとかを満載したり、社会問題を入れてきたらそれはそれで違うしさ」

 

 

アドベンチャーとして、そして原作であるアトラクションに敬意を払ったという意味では、本当に100点満点の作品だと思うよ!

 

あとは、個人的な趣味趣向の問題じゃな。

 

亀「残念ながらわしとしては、今作を楽しめるほどに無邪気な気持ちはないし、家族を連れていったわけでもなく、肩透かしの面もあった……そのため、おそらく半年もすれば見たことも忘れるじゃろうし、年末のランキングにも掠りもしない。

 じゃが、それでいいのではないじゃろうか。

 どれもこれも、年間ベスト級! とか、この問題意識を我々も持とう! という作品ばかりでは疲れてしまう。それならば、このような娯楽作をみんなで楽しむという、その一点に関しては手放しで褒め称えたい作品である。

 六角形のパラメーターで言っても、飛び抜けた100点はないじゃろうが、全分野で60〜70点を獲得し、総合評価もそのくらいになる作品として……無難な娯楽作として、見事に完成している作品じゃな

 

東京ディズニーランド絵本 ジャングルクルーズ:ワイルドライフ・エクスペディション (ディズニーゴールド絵本)

 

映像表現について

 

ではでは、映像表現に関してはどうだった?

 

まあ、悪くはないが……色々と見ていて大変じゃったの

 

 

カエル「今回は3Dや4DXでの鑑賞をオススメしたい作品となっています!

 多分、そっちで見てことを想定した作りになっているよねぇ。

 ジャングルの奥深さを歩き回るシーンだったり、空中や水中を動き回るアクションシーンでは、水飛沫が飛んだり、座席が大きく揺れたりして、それこそアトラクションのライド感があるんじゃないかなぁ」

 

亀「まあ、どうせ配信で観る人も多いのじゃろうが……ゴホンゴホン。

 それはいいとして、映像そのものは縦横無尽に駆け回っておったの。

 昼の明るい中でのアクションもあれば、夜の中でおどろおどろしいアクションもあるし、超常現象的な驚きに満ちたものなど、工夫にあふれておった。

 しかし……これはわしの趣味もあるかもしれんが、少しバタついていた印象もあるかの

 

カエル「ちょっとやりたいことや、処理しなければいけないことが多すぎた印象もあるかなぁ。

 とても演出はわかりやすくて、冒頭のキャラクターや設定の説明的な部分も映像的に見せていて、しかもそれが子供でもわかるようなものなんだよね。だけれど……編集の問題なのかもしれないけれど、とてもバタバタしている印象があったかなぁ」

 

亀「カメラの切り替えがあまりにも早すぎたような気がしたの。

 もちろん、長回しであればいい映画というわけでもないが……それにしても、あまりにもドタバタと切り替えが多すぎる印象じゃったの。

 そのせいもあってか、序盤からアクションが多めではあったのじゃが、すっかり物語を観るのに疲れてしまった印象じゃったな

 

 

以下ネタバレあり 

 

 

 

 

 

物語に対する疑問点

 

詐欺師と泥棒の物語

 

それでは、ここからはネタバレありで語っていきましょう!

 

今作は詐欺師と泥棒の物語ではあるのじゃが……その意味があまり感じられんの

 

 

カエル「ドゥエイン・ジョンソン演じるフランク船長が色々とタネを考えて、人を騙すのが好きな人なんだよね。

 で、相方となるエミリー・プラントのリリー博士が泥棒のスキルを持っていて、それで色々なところの鍵を開けたりするというね」

 

亀「詐欺と泥棒は映画の花じゃと、わしは思っておる。

 なぜならば、この2つは知的なスリルを味合わせてくれるものじゃからな。現実世界では犯罪じゃが、物語世界であればスパイやら何やらと、人(観客)を騙すということは、弱者の兵法でもあり、ワクワク感を与えてくれる。

 しかし、今作は序盤の掴みやキャラクター紹介で消費されてしまい、その能力がなければどうにもうまくいかなった、という描写があまりにも少なかった

 

 

一応、フランク船長に関しては大きな秘密を隠すために人を騙して誤魔化してきた、というバックボーンは感じられるけれど……

 

ただ、その設定が活かされたとは思えないの

 

 

カエル「まあ、はっきりと言ってしまえば、それらの設定が物語に決定的に活きたシーンってそれほど多くないんだよね。

 例えば最後の決戦でフランクが詐欺や演技をして勝ったり、あるいは重要アイテムをリリーが盗んだりしていたら、そのスキルがあったことにも意味があったのだろうけれど……_

 

亀「本作に関してはそのような無駄とも思える設定の説明をするシーンが山盛りであったのが、非常に気になる。

 例えば、敵となるヨアヒムはドイツ出身であり、おそらく1930年代くらいの話であるじゃろうが、その設定も意味をなしたとは思えず、単なる『お金持ちの不老長寿を狙う人』であっても意味は通じるようにも感じられた。

 つまり、ナチスなどに通じる悪党にしたところで……確かに戦争などで大活躍するお宝ではあるが、物語がそうでなければいけない、という理由にはなっておらんわけじゃな」

 

カエル「今回はヨアヒムとスペインの侵略者たちと、敵も多くて雑多だったしねぇ」

 

亀「結局花をどうすればなんでも治せる薬になるのかもわからんかったしの。

 ジャングルクルーズというアトラクションを原作とする作品としては、この程度でいいのかもしれんが……物語そのものが全体的に弱すぎたの

 

 

 

 

社会性・テーマ・メッセージ性の迷子

 

それはもっと他のところでも感じた部分もあるかなぁ

 

もはや、全体的にやることが多すぎてごちゃごちゃしてしまっていたからの

 

カエル「じゃあ、今作を見終わった後に『何をテーマにした作品だったの?』と問われると、実は全く思いつかないというね。

 別に全てでメッセージやテーマ性が必要なわけではないけれど、でも必要ないと断言するには色々といれすぎているのも事実なわけで……」

 

亀「一応、女性が活躍する社会というものはいれてあるがの。 

 リリーの女性を認定しない学会の設定もラストに回収はされるものの、それ自体が物語の効果的な意味合いをもたらしたとは思えん。彼女の目的は”自分の学識の正しさを証明する”ということであり、女性の社会進出というのは2の次だったわけじゃしの」

 

カエル「まあ、なんとなくそういう設定をいれておきましたよ、というのは近年の社会問題を重視する風潮に沿っているのかもしれないけれど……」

 

亀「先進的な物語を狙うようでいて、実はそうでもなかったりの。

 女性の社会進出という意味では弱いし、相変わらず部族はウホウホやっておるし……湖の中での人工呼吸じみたキスシーンは、ロマンスとしては弱く、サスペンスとしても無理があるものであった。

 もう、やることがゴチャゴチャしすぎなのかもしれんな」

 

結局、本作は余計な設定が多すぎたということじゃな

 

 

亀「それらのゴチャゴチャとした設定は山盛りなんじゃが、それらが決定的なテーマに結びつくような要素とはなっておらん。

 だからこそ、話やメッセージが迷子になってしまう。

 確かにお宝を手に入れるという、主題のテーマは何も変わっておらん。だから、物語としては1本筋が通っておる。

 しかし、それ以外のテーマが……女性の社会進出なのか、1つの場所に押し付けられた者の解放なのか、それとも人種多様性の話なのか、夢を追うことの重要性なのか、それがはっきりとしなかったことが、本作最大の失敗なのではないかの」

 

 

 

 

最後に

 

色々と語りましたが、決して悪い作品ではありません!

 

映像表現を楽しむならば、絶対に映画館をオススメしたいしの

 

 

カエル「まあ、評価が難しいというのはそういう部分だけれど、でも冒頭に話したように、こういう爽快なだけのアクション映画があってもいいよね!

 

亀「この夏、映画館で楽しむならば、この手の作品も必要じゃしな。

 学生の夏休みに合わせて公開も理解できるし、ワクワクとしながら見てほしい作品じゃな」

 

 

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