今回は東京国際映画祭で先行して鑑賞した『グッバイ、ドン・グリーズ!』に関しての感想記事になります!
公開日も発表されて、2022年2月18日(金)に決定したな
カエルくん(以下カエル)
「今年の東京国際映画祭でも、声優陣の登壇もあり屈指の激戦区となってしまった『ドン・グリーズ』ですが……うちも発売直後は出遅れたものの、なんとか後日キャンセルされたチケットを握りしめて見にいけたね」
主
「『宇宙よりも遠い場所』のスタッフということもあって、超楽しみにしていたから、毎日4回サイトをチェックしていた甲斐があった……
意外と映画祭ってキャンセルがあるから、売り切れてもチェックする粘りは大事だよな」
カエル「さてさて、今回はもちろんネタバレなしの記事になります。
かなり抽象的な話が中心となりますが、そこはご容赦ください」
主「また、本当に何も前情報を入れたくない! という人は『物語る亀というブログが大絶賛していたよ!』という記憶だけして、お帰りください。
ほんっっっっっっっっとうに、良い映画です!
では、記事を始めます!」
公開に合わせた、より詳細な記事はこちら
(ネタバレありになります)
感想
それでは、Twitterの短評はこちらになります!
#グッバイドングリーズ
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2021年11月5日
東京国際映画祭で鑑賞
この映画は詩であり旅であり哲学であり思索であり物語だ
誰もが抱える内向的な自我は、小さな映画館を誰も観たことがない世界へと誘ってくれる圧倒的な広さへと昇華される
声をあげて笑いドキドキし泣きながら笑顔になる、誰もがあの頃に帰る、そんな傑作 pic.twitter.com/2MwZgAiL4r
ちょっと、もう、圧巻です
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2021年11月5日
凄い以外の言葉がない
いしづか監督は日本最重要アニメ監督に駆け上がりました
これ、安っぽいからあんまり好きな言葉じゃないけど
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2021年11月5日
多分2022年ベストになる
もう、両手をあげて大絶賛ですね
カエル「えっと、具体的なことはあまり言えないと思うけれど……ざっくりと語るとどういうことなの?」
主「間違いなく、2022年のベストに絡んでくる作品だろう。
少なくとも2021年で語っても、自分の中では年間ベスト級。多分、自分のことを知っている人はなんとなくわかるだろうけれど、ある大絶賛した1作と比べているくらいだね。
だからこそ、年間ベスト級の衝撃を受けたというのは、何も嘘じゃない。
それくらい凄いし、多分、試写会から大絶賛を持って迎え入れられるだろう作品だ」
カエル「おぉ……当たり前だけれど、ハードルをあげまくるんだね」
主「そもそも、自分もかなり期待値高めで見に行ったんだよ。
もちろん、いしづかあつこ監督は『ノーゲームノーライフ ゼロ』が2017年の映画ランキングでは2位(アニメ映画としては1位)であり、『宇宙よりも遠い場所(以下よりもい)』は自分も大好きなタイトルだったから、だいぶ下駄を履かせている部分はあるかもしれない。
それでも……多分、この映画の魅力は誰にでも伝わるんじゃないかな」
それこそ、対象年齢や性別にこだわらずに、誰でも楽しめる作品なんだね
特に、自分は若い人に見てほしいな、って強く思う
カエル「そもそも若い男の子の物語だしね」
主「この発言そのものが、もうおじさんの戯言って感じもしちゃうんだけれどさ……でも、やっぱりこの映画は若い人に、特に10代の子に男女問わずに見てもらいたい。
それこそ『よりもい』もそうだったけれど、あれはおじさん達が『若いって良いなぁ』で消費されてはいけない作品じゃない? 10代・20代のまだ何者でもない人がみて、それで感化されてほしい作品だよ。
それと同じか……それ以上に『ドングリーズ』は、今の若者たちに届いて欲しいと痛切に願う気持ちが込められている作品なんだ」
カエル「なるほど……アニメ表現としてはどうだった?」
主「アニメ表現も文句なし。
特に美術、背景作画に関しては、おそらく現代の日本アニメでもTOPと言って良いかも知れない。それくらい、とてつもないものだし、一種の歴史となり、これから『ドングリーズに追いつけ、追い越せ』という話になるのでは無いだろうか。
空の深さとか、ちょっとした描写……畳のささくれ具合とか、そういう部分の力の入れようが半端ない。
もちろん、それ以外も素晴らしいけれど……何が凄いって、その作画技術の自慢になっていないところなんだよ。
ちゃんと物語も内包しているし、演技・音楽などの各種様々な要素が見事に融合している。
だから1作の”アニメ映画”として、とても満足度が高い作品となっているんだ!」
抽象的な感想
あんまり具体的には語れないと思うけれど、抽象的にはどんな評価になるの?
……完璧を目指さずに、満点をとっていったという感じかな
カエル「……完璧と満点?
同じ意味じゃなくて?」
主「なんていうか……完璧って言葉には、自分はパッションを感じにくいんだよね。もちろん、この映画も完璧といって良いんだけれどさ。
それよりも、加点法でパッションで綴られた満点の方が印象が近いかもしれない。
自分は”技術よりも思想・パッション”という評価者だと自己認識しているけれど……もちろん、技術があっての思想・パッションだけれど、そのパッションが全開で多くの人に伝わるんだよ。
超簡単に言えば、エモい!」
カエル「……ネタバレを避けるために、本当に抽象的な表現に終始しているね」
主「監督が舞台挨拶で仰っていたのは『よりもいは南極に行くけれど、描いていることは半径20mの世界だった。今度は外へ向かっていく物語で、そうなるうちに男の子が主人公になっていた』という話なんだけれど、まさにその通り。
基本的には男の子3人の物語なんだよ。
その意味では年齢や人数こそ違うけれど『スタンド・バイ・ミー』に近いものがある。
だけれど、中身はもっともっと小さくて……何というか、哲学的で詩的な作品なんだ。会話の中の彼らの感情や哲学がセリフとなり、詩となって、映像として発露される。その意味では実写洋画の監督だけれど、クロエ・シャオあたりがやりたいことに実は近いのではないか? という思いすら抱いている。
そしてその詩的な男子の旅という意味では、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に近い」
スタンドバイミー、クロエ・シャオ、銀河鉄道の夜、ですか……
だけれど、この作品はそのさらに先へいくわけだ
カエル「名作たちの、更に先へ……」
主「もしかしたら間口は『よりもい』の方が広いかもしれない。女の子がキャッキャしているだけでキャッチーだしね。
だけれど、深さはドングリーズじゃないかな。
総合評価としてはどっちの方が好きかは完全に好みだけれど、同じくらいか……今の自分はドングリーズの方が好きかもしれない。
それでいながらも、観客を置き去りに全くしていない。
基本的にはエンターテイメントなんだよ、この作品。
詩的で哲学的で感情的な内面を扱っているけれど、中身は完全無欠のエンタメ。
これって相当すごくない?」
劇場内では笑いもあったよね
とても狭いところを描いていたら、気がついたらとんでもなく広いところを描いている、そんな作品だよ
主「劇場がとてつもなく広がる。
多分、劇場に入った時と見終わった時って、その広さが変わっているよ。
もちろんこれは比喩表現だけれど、心情的には全く嘘ではない。
他の監督の名前を出すのはアレだけれど、新海作品でいうと『君の名は。』の登場の時と同じくらいか、それ以上の興奮を覚えた。
もちろん、売り上げが全てではないし、それは運もあるけれど、自分はこの映画は100億円の価値が十分にあると感じている」
カエル「……もはや抽象的を超えて、誇大妄想の域に達してきたね」
主「マジで凄いんだって!
自分は前から『日本のアニメ界は山田尚子といしづかあつこが中心になるかもしれない』って言っていたけれど、完全に確信に変わった。
『平家物語』の山田尚子と『グッバイ、ドン・グリーズ』のいしづかあつこという才能を、いかに世間、そして世界にアピールしていくのか。そういう次元に入ったと思っているし、この2人に一定の評価が出るようにならなければ、一介のアニメファンとして、そして泡沫とはいえ映画・アニメブログを運営している自分は敗北宣言ものだよ。
それくらい……ほんと、気持ちの上では今後の日本アニメ界の浮沈にも関わるくらいだと思っているから!」
カエル「……この思いが誇大妄想か、それとも妥当なのかは、実際に2月の公開で確認してみてください」
声優について
公開されている情報だし、多分ネタバレになりづらいのは声優さんについてだろうけれど、ここはどうだった?
2022年のベストキャラクターになる可能性があり、物語る亀としての主演、助演男優賞にノミネートは間違いないだろうね
カエル「まあ、ここも大絶賛だよね。
そもそも花江夏樹、梶裕貴、村瀬歩の時点で、アニメファンからはそこまで否定的意見は出にくいだろうし」
主「まず1つ言えるのは、花江夏樹って今現在、天下をとった男声優と言っても過言ではないけれど、時代を象徴する声だと思うんだよね。
なんというのかな……とても柔らかいけれど、芯がある人。
芯が硬いというより、弾性があって折れづらいっていうのかな。そんな声質。
それがロウマというキャラクターに合致しているんだよね。
もちろん、梶裕貴もその意味では天下に近い男性声優だけれど、本当に良い演技をしている。
だけれど、その中でも1番は……村瀬歩じゃないかな」
カエル「1番幼い外見をしているドロップ君だね」
主「村瀬歩の演技は痺れたね……すごく印象に残る。
元々男性としては声質がとても高いけれど、それがキャラクターにもとても合っているし、ドロップという役にもビッタシとハマりこんていた。あんまり詳しく語るとアレだけれど、多分見終わった後にドロップのことが頭に残る人も多いと思う。
それには物語だけでなく、演技も大きく関係しているね。
それと大事なのは、この3人だからこその演技だということ。
これも映画祭で語られていたけれど、この3人の息がピッタリとあった……司会を務めた藤津亮太が『まるでプレスコかと思うような』というコメントを発していたけれど、本当にその通りに息があっていた。
だから会話が不自然にならなくて、他のアニメ映画とはちょっと違った印象を抱くんじゃないかな? と思うよ」
最後に
とりあえず、こんなところですかね
ネタバレにならないように語ったけれど、これで伝わったかな
カエル「この記事の目的は評価とそんなことよりも『こんなに良い映画だから、ぜひ見てね!』ということです!
一般公開は2022年2月18日!
ぜひ大きなスクリーンと綺麗な音響でご鑑賞ください!」
公開に合わせた、より詳細な記事はこちら
(ネタバレありになります)
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