
かなり遅れた感もあるけれど、『宇宙よりも遠い場所』の感想といきましょう!
テレビアニメを最近、あまりチェックできていないからなぁ……
カエルくん(以下カエル)
「特にオリジナルアニメはチェックしたいけれどね」
主
「こうやって少しづつ卒業していくのかねぇ……」
カエル「いや、多分映画を見る頻度を減らせばいいだけなんじゃないの?」
主「だいたいさ……なんで本作は『宇宙』と書いて『そら』なの? おかげでサントラを探すとき『まだ発売していないのかな?』って思ったし……」
カエル「それはリサーチ不足なだけでは?
そんな話は置いておいて……今回もそれなりに長いので、さっさと記事を始めます!」
1 感想
では、今更ですが感想Tweetから始まります!
間違いなく傑作、これをリアルタイムで観なかったことを後悔するレベルの作品!
主「ちょっとだけ裏話をすると、ブロガーからするとテレビアニメってそんなに旨みがないんだよね。盛り上がりも数週間で終えるくらい旬が短いし、その割に話数も多くて鑑賞時間も長い、この先も続くかどうかはわからない……
映画はテレビ放送などもあるけれど、テレビアニメのピークは短くて1回だけの時も多い。
それでも語りたいことが多くて、そして語らなければいけない作品だからこそ、本作は取り上げました。
つまり、この記事を5月に書いていること、それ自体が本作に対する非常に高い評価だと思ってください」
カエル「最近は映画ばかりで時間がなくてテレビアニメを見ていないこともあったけれど、やはり話題作はちゃんとチェックしないとダメだって痛感する内容だよねぇ」
主「お話の根幹自体は、取り立てて珍しいことではないかもしれない。
南極に行く、という目的は確かに他に類がないけれど、少女(少年)たちが旅をして大きく成長するという物語はたくさんある。
その中でも本作はアニメとしてとても魅力的であり、自然な演出や作風でありながらも南極というあまり実写で描くことができない土地を舞台にしている。
資料があって描く技能があれば、どこでも舞台にできるアニメの強みを発揮した作品と言えるのではないかな?」
カエル「アニメの強みというとSFやファンタジーなどのようにロボットの戦闘、爆発などが多く連想されるけれど、本作のように実際に行くことが難しい土地などを舞台にするのにアニメというのは向いているんだろうね」
主「『この世界の片隅に』なども1945年の広島を再現しているし……
実写では簡単に表現できない舞台を表現する際に、アニメは有効な手法であることを証明した作品の1つと言えるだろう」
いしづかあつこ監督について
カエル「本作の監督を務めたのはいしづかあつこであり、2017年の新作映画ランキング2位の高評価を下した『ノーゲームノーライフ ゼロ』の監督でもあります。
洋画、邦画、実写、ドキュメンタリーを含めたすべての作品の中での2位なので、それだけ高く評価しているのです」
主「やっぱり、なんだかんだ言ってもアニメ業界はまだ男性監督やベテラン監督が注目を集める業界だろう。そんな中で、30代半ばと比較的若い年齢で実績を積み重ねているのがこの3人であり……
これからのアニメ業界を語る上で、欠かせない人物であることは間違いないだろうな
……というか、この3人と似た世代の吉浦康裕って何やっているんだろ?
少し前まで若手TOPになると思っていたんだけれどな」
カエル「話を戻します!
ちなみに、今回のこの作品を取り上げるに当たって少し調べたところ、いしづか監督は以前にNHKのみんなのうたの中でもTOPクラスの人気を誇る『月のワルツ』を制作したことでも有名です」
主「あの歌とアニメーションが大好きで度肝を抜かれたし、あれから何年かみんなのうたに注目していた時期もあったからね。やはりNHKはこの手のやり方で若手育成をうながして欲しいなぁ」


blog.monogatarukame.net
女性が描く強みを生かした作品
カエル「とりあえず山田尚子監督と矢島哲夫監督はいいとして、いしづかあつこ監督はどんな印象?」
主「やはり過去のフィルモグラフィーを見ても、監督作品はいわゆるオタク向けの萌え要素の強い作品や、ラノベ原作の作品が多い。実はあんまり鑑賞できていないけれど、話題になった作品も多いよね。
前作のノゲノラゼロにしても、基本は『深夜アニメらしいアニメ』だと思うわけよ。なんというか……いわゆるオタクアニメ的な演出や見せ場が多い。
その一方で、芯はきっちりと外さないというかさ」
カエル「あれもオタク向けの演出なども多かった印象だけれど……」
主「で、本作を鑑賞した印象としては……これは山田尚子もそうだけれど『女性が描く作品だな』と思った。
これの作品は男性にはこの作品は作りづらいような気がしている。なんというか……ある程度見やすいものではあるものの、女性同士のドロドロした感覚がとてもよく出ていると思うんだよ。
近年、アニメ業界では女性がとても勢いがあって、監督だと山田尚子といしづかあつこ、脚本家だと吉田玲子や岡田麿里などが特に注目を集めている。
それって、それまでの男性が描くような作品と違って、女性らしい感性がしっかりと生きた作品に仕上がっていることも大きいのだろう」
カエル「ちょっと前までアニメって男性向けのSFなどが多かったイメージだけれど、近年は日常を丁寧に扱った作品も増えてきた影響もあるかもね。
どうしてもSFって『ヤマト』『ガンダム』『エヴァ』『マクロス』など、男性的なイメージがあるし、女性の繊細な感覚を描くのに向いているとは言いづらいところがあるし……」
主「日常描写の中にある女性の感覚と、花田十輝の持つデフォルメされた女の子の……男受けする可愛らしさとでも言おうか、その両者がいいバランスでミックスされていた作品なんじゃないかな?
あとは今作もそうだけれど、ギャグとシリアス、作家性とエンタメなどのバランスも良い監督という印象だね」
2 今作の脚本について
基本となる3話構成
カエル「まず、基本的にはこのような構成になっています」
- 1〜3話 各々の出会い 目標設定と課題の提示
- 4〜6話 出発に向けての準備 物語の重要な変化を提示
- 7〜9話 南極に向かう行程 試練の時期
- 10〜13話 旅の終わりと目的の達成
主「この手のテレビシリーズの王道である3話構成となっているね。
特に序盤にゆっくりと時間をかけていた印象があって……4人全員揃うまで3話かけてじっくりと描いている」
カエル「4人という人数だからできたことかもしれないけれど、ここで1人1人をじっくりと描きながら、しっかり課題とその魅力について見せていたことが後々大きな効果を発揮しているね」
カエル「4人のキャラクター設定についてはどう思う?」
主「面白い4人組だと思うよ」
- 天然ボケながらも4人を繋ぐ役割を持つキマリ
- 物語のエンジンであり、思いが強い報瀬
- 大人で4人をコントロールする日向
- こちらもコントロール役の結月
主「全体として物語を進める、目的を生じさせるのは報瀬の役割である。彼女がすべてのスタートであり、周りをグイグイと引っ張る役回りを果たす。
一方で暴走しがちなメンバーのブレーキ役やコントロール役が日向。結月も役割は同じだけれど、日向と違い少し天然ボケなところが入っている。
そしてこのバラバラになりそうな4人組をしっかりと繋ぐのが主人公であるキマリ。役割がはっきりしているし、大人すぎる日向をカバーするのが報瀬であったり全体的にバランスがいい印象だね」
各話の重要性
カエル「次は書く話数がどのような意味を持っていたのか? ということを考えるお話だね!」
- 1話 平凡なキマリが報瀬と出会い目標を抱く
- 2話 日向加入、先人との出会い
- 3話 結月加入、最終目標の設定(4人でオーロラの観測)
- 4話 訓練開始、キマリが行く理由をさらに強くする(どこか→南極へ)
- 5話 旅たちと家族、親友との別れ(日常からの旅たち)
- 6話 目的の変更 南極よりも大切なものの発見
- 7話 多くの仲間との出会い、厳しい現実への挑戦の開始
- 8話 荒波の乗り越え方、楽しみ方を知る
- 9話 できるまで突き進む→目的の達成と『ざまあみろ!』
- 10話 別れの予感と友情の深まり→結月の解決回
- 11話 壊れた友情とお節介→日向の解決回
- 12話 目標の達成、過去と向き合う→報瀬の解決回
- 13話 日常への帰還→キマリの解決回
主「ざっとこんなところかな。
ここで上手いのが、ちゃんと後半の4話を使って南極でそれぞれの抱える事情や悩みを解決させているところ。
1〜3話においてじっくりと、丁寧に描いていて意味がここで発揮されている。
そして、本来キマリって課題を抱えていない子だったんだよね」
カエル「そもそもとしては『どこかに行きたい!』って子で、南極に着いたらそれで目的達成だったもんね」
主「だけれど、4話、5話においてキマリの課題を再設定しているんだよ。
つまり到着=ゴールではなくて、その先を明示した。
この作品は友情の物語でも、成長の物語でもある。
そしてそれと同時に『過去に向き合う物語』でもあるんだよね」
3 特に重要な話数
2話について
もちろん全話語りたいのは当然だけれど、それだと大変なことになるので抜粋して語っていこうと思います
主「2話において3人の少女たちは新宿に行き、南極行きを共にする大人たちとで会うわけだ。
自分が一気に引き込まれたのは、やはり新宿で走るシーンでさ。
走るというのは青春作品における王道であり、非常に大切な演出であるというのは何度も告げている。
それと同時に、彼女たちの南極行きが始まったことを告げているんだよね」
カエル「ふむふむ……」
主「音楽の合わせ方なども見事だけれど、自分と同じ目標を持ち、しかも南極に行ったことのある先人を発見する。
それで物語は走り出すわけだ。
この描写自体は『ギャグでありながらもシリアス』であり『動かないけれど躍動感があるシーン』となっている。
つまり、走るシーンでは物語自体は進まないけれど、彼女たちの成長を走る動きの躍動感をもって観客に伝えている」
カエル「少なくとも、新宿に向かうなどの無謀なことを行わなければ物語は全く始まらなかったんだよね……
3話の話飛ぶけれど、日向がいないと結月の記事を見つけることもできなかったわけで……
それを考えても、3人だからこそ、この南極行きは繋がったんだろうね」


6話について
カエル「……あれ? 5話はいいの?」
主「今更語る必要もないでしょう。5話は彼女たちの日常からの旅たちであり、同時に自分を支えてくれた家族、そして親友と向き合う回でもある。そして、上記のようにキマリの課題を再設定する回だね。
その次の6話も非常に大事な回で……ここは一見ギャグ回だけれど、ギャグの中にシリアスが混じっている」
カエル「パスポートを失くして大騒ぎ! ってだけじゃなくて?」
主「もちろん、それもそうだけれど……知らない場所で知らない人たちに会う→世界の広がり、を端的に表している。
そしてマーライオンを見て『意外とがっかりしないね』というのは、彼女たちは本や噂話ではなく、実際に経験して世界を広げている。
マーライオンを見なければ、多分ずっとがっかり観光地だと思っていたわけだからね」
カエル「ふむふむ……その後、あのパスポートドタバタ騒動があるけれど……」
主「ここで重要なのは報瀬の目的が再設定されている。
それまでは『南極に行くこと』がゴールだったけれど、この回において『このメンバーで南極に行くこと』という風に微妙に目的が変わっている。
それは報瀬の成長でもあるわけだね」
カエル「ふ〜ん……なるほどね」
月のワルツ
- 諫山実生
- ポップ
- ¥250

- provided courtesy of iTunes
いしづか監督のアニメーションも印象的なみんなの歌の人気曲!
7〜9話について
ここでは人生の挑戦に対する苦難と乗り越え方を描いている
主「本作において南極=未知数の未来の象徴、となっている。何もないし、どんな世界か全くわからない、そんな世界に対して挑戦していく! というのがこの3話でさらに強調されている。
それは3人だけではなくて、すべての南極へ向かう隊員たちも同じであって……子供だからとか、大人だからとか関係ない、この船に乗り込んだ人たちはみんな同じ目的を持っているんだ」
カエル「ふむふむ……」
主「大波にゆられててんやわんや、というのはそのまま人生の荒波とも言うことができる。第二次世界大戦の敗戦によって、分厚い氷という逆境の中を進むことを余儀なくされても日本は氷の中を突っ走っていくことを選んだ。
それは人生そのものであり……誰にも挑戦したことのない道を行くというのは、それだけ過酷な冒険でもある。
それでも諦めずにアタックしていく……彼女たちが選んだ道というのは、そういうものなんだよ」
カエル「そして目的地→誰もたどり着いたことのない場所について『ざまあみろ!』と高らかに宣言するわけだね」
主「みんなに笑われた夢の達成という曖昧な目標……それを南極に行くという形で可視化し、表現している。
これもうまいなぁ、と思ったよ」
12話〜人はいつ死ぬのだろうか?〜
もちろん、この終盤はどれもいい話ではあるけれど、最も重要と思われる12話について語っていきましょう!
12話で自分が語りたいのは……『人はいつ死ぬのだろうか?』ということなんだ
カエル「……よくいうのは『誰かの心から完全に忘れられた時だ』という話だけれど」
主「今回はそういう話じゃないんだよ。
葬式ってなんのためにあるのか? と言うと、日常とは違う特別な日を用意することで、その死を遺された人に教えるイベントなんだよね。
そして同時にすごく忙しいことで、余計なことを考える暇をなくしてしまう。
ただし……報瀬の場合は少し特殊でさ、遺体も何もない中でその死の実感というは、なかなか生まれてこないものだろう」
カエル「……それを認めなかったからこそ、ずっとメールを送り続けたわけだしね」
主「人が亡くなって『ああ、悲しいね』ってそんな簡単に終わる話じゃない。
脳科学者の養老孟司は父親が亡くなってから何十年もした後、ふと電車の中でそれを実感して涙が止まらなくなったというエピソードを紹介している。
……親や近しい人を亡くしたことがある人であれば、そういう経験ってあるんじゃないかな?」
カエル「葬式が終わって、しばらくしてふっとしたある日にその喪失感に襲われるということは……あるだろうね」
主「報瀬にとっては南極に向かうというのは『母の死の実感を探しに行く儀式』なんだよね。
もちろん、母親の行きたがっていた南極に行ってみたいという純粋な気持ちもあったとは思うけれどね。
この作品はそれぞれの過去と向き合い、そして踏ん切りをつけていく物語だけれど
……特に報瀬は『母が亡くなった過去』と向き合わなければいけないんだ。
これが17歳くらいの女子高生には、少し過酷なことなのかもしれないな」
カエル「『人なんて思い込みでしか動けない』って名言もあったけれど……その思い込んだら一直線でここまで来て、ようやく見つけた答えだったんだね」


溜めと爆発
カエル「……あの回って全体的に暗い印象も強かったけれど、なんていうか『100パーセント他人のためのお節介』が心に残る回だったんだったね」
主「本当にうまいなぁ、と感心するのは、コメディを入れながらも……作品のエネルギーは溜めているんだよね。
それを一気に解決する場所を探すけれど、でもそれは写真を見つけた場所では発揮しない。
3年分の時間の長さ、その積み重ねた思い……それをあのようにメールの流れる演出だけで説明してしまった。
『ノゲノラゼロ』もそうだったけれど、簡単な答えを用意しているようで、その先にある希望をきちんと描き、溜まったエネルギーを爆発させる。その発破の仕方が抜群にうまいんだよね」
カエル「……この後13話で、ギャグのように扱われているけれど報瀬が麻雀をしているじゃない?
母親に教わった麻雀を普通に打っているというのは、やっぱり1つ乗り越えたということなんだろうね」
4 本作が描き出したテーマ
カエル「やっぱり、基本としては南極に向かう中での友情と成長を描いた物語と言えるよね」
主「大雑把に言ってしまえばそういうことだろう。
今作がとても上手いと思ったのが『南極という未知の大地へ向かうところ』で……つまり、我々が知っている一般的な高校生の日常から飛び出して、少なくとも高校生では行ったことのないであろう南極へと挑戦する。
それは同時に自分の小さな世界からの脱却にもつながっている。
彼女らが進んだ距離と、心の成長がリンクしているんだよね」
カエル「ふむふむ……まず1話では、学校に通っていて主人公のキマリが、報瀬と出会って目標を決めるわけだよね?
そのあとに呉に向かうんだっけ?」
主「そして2話では日向を仲間に加えて東京の新宿まで飛び出す。この移動というのは、大人であればなんてこともないかもしれないけれど、住み慣れた町を彼女たちだけで出たことがないことを考えると……キマリなんて学校をサボったこともないんだからね。
相当な大冒険だ。
そしてそのあとはシンガポール、オーストラリア、南極と徐々に距離を伸ばしていく。
それと同時に、彼女たちは大きな成長を遂げていく」
カエル「最初は誰でも簡単に行けるような距離(成長)が、いつかは多くの人が行ったことのない距離(成長)につながるのかぁ……」


南極に向かう物語というと、やはり名作のこの作品を思い出す。
南極で料理を作ると誰でもオカンになるのかな?
じっくりと成長を描く
主「最初は大したことない冒険かもしれないけれど、でもそれがいつの間にかとんでもないように成長している。
どうしてもアニメに見慣れていると、成長はある日唐突に、急激に起こるものだと思うかもしれない。ニュータイプとして覚醒するとか、新しい世界に転生するとか……でも、この作品はそういうタイプの成長は一切しない。
一歩一歩積み重ねた先にしか成長はない、と描いているんだよね」
カエル「この作品は日常を積み重ねた作品で、女子高生が南極へ行くという設定以外では特に突飛なこともないもんね。その女子高生が南極へ行く理由も、もしかしたらありえるかも? と思うようなものだし……」
主「本作のテーマの1つが『日常からの脱却』なんだよ。
彼女たちを取り巻く小さな世界=日常を飛び出していく、新しい世界を知る……その先に大きな成長がある」
カエル「ふむふむ……」
主「近年は異世界へと飛ばされたり、ヴァーチャルな世界へ飛び込んでいく『異世界転生系』がとても人気があるけれど、本作が描いた別世界はそういうものではない。
別に異世界に行かなくても、少し行動するだけで人生は変わるし、何か大きな新しい発見や出会いがある。その意味ではノゲノラとは正反対の物語と言えるかもしれないね。
そしてこの日常からの脱却というのは、2010年代のアニメを語るのに重要なテーマになると個人的には考えているけれど……今回は割愛かな」
カエル「これを語り始めると長くなるので、今回は次に飛ばします!」
仲間との絆
今作の1番の感動ポイントはやはりここじゃないかな!?
主「自分は本作を鑑賞していて、思い出す作品があるんだよ。
『アイドルマスター』の20話、神回の呼び声も高い『約束』だ」
約束 (TV VERSION)
- 三浦あずさ(CV:たかはし智秋), 双海亜美・真美(CV:下田麻美), 四条貴音(CV:原由実), 天海春香(CV:中村繪里子), 如月千早(CV:今井麻美), 我那覇響(CV:沼倉愛美), 星井美希(CV:長谷川明子), 水瀬伊織(CV:釘宮理恵), 菊地真(CV:平田宏美), 萩原雪歩(CV:浅倉杏美) & 高槻やよい(CV:仁後真耶子)
- アニメ
- ¥250

- provided courtesy of iTunes
カエル「え〜っと……簡単に説明すると、アイドルを目指す女の子たちの成長を描いた人気ゲームシリーズのアニメ化だね。
この話はスキャンダルによって歌うことができなくなった如月千早という女の子をみんなが手助けするという話で、とても人気の高い話となっています」
主「両者に共通するものは、ある種の『お節介』だ。
本作の11話でのラストで、日向のために報瀬が啖呵を切るシーンなんて、日向自体は特にそんなことを望んでいない。むしろ、大人な対応でうまく躱そうとしている。そんな中であの態度というのは、単なるお節介に過ぎないのかもしれない。
だけれど、100パーセント他人のためのお節介はその人を救うこともある。
そしてその真っ直ぐな気持ちは、観ている観客にも真っ直ぐに届くんだよ」
カエル「……本作の友情の描写って本当に考えさせられるところも多くて、亡くなった報瀬のお母さんのために無理をしてでも南極へ行こうと思う同級生たちもいる一方で、中にはキマリの親友のめぐみのような関係もある。
そして似たようなことをしてしまう、日向のクラスメイトもいるけれど、でもキマリとめぐみの関係と、日向とクラスメイトがこうも変わってしまったのは何でだろう? とも思ったり……」
主「自分が本作を評価する最大の理由は『綺麗事な物語を描かない』ことにある。
日向のクラスメイトを許したり、あるいはめぐみと何事もなく別れる物語だって描くことができる。だけれど、今作はそうじゃない。
足を引っ張るやつもいる、トラブルメーカーもいる、外野はゴチャゴチャ言ってくる……そんな人間関係のリアルな闇を描いた上で、それでもなおその先にある友情や成長を描く。
だからこそ、胸に響く物語になっているのだろう」
まとめ!
- 丁寧に計算されて、1人1人のキャラクターにピックアップした物語
- 南極への挑戦→未来への挑戦の可視化
- それぞれの過去との決別を描く!
-
現実の過酷さも描いた上で希望を描く
カエル「そして何と言ってもこの作品は楽曲がいいよね!
挿入歌のどれもこれも名曲ぞろいばっかりで!」
主「いやー、音楽の力を改めて思い知る物語だったよね。
歌詞がこの作品とリンクしていて、それがより強い感動を生むようにできている。音楽は物語を盛り上げるために非常に重要なものだけれど、今作はその力を大いに発揮した形だな」
カエル「オリジナルアニメの底力を見事に発揮した、とても面白い物語でした!」