今回はnetflixでの配信が始まった『映画 バブル』について語っていきます!
この春、注目のアニメ作品の1つじゃな
カエルくん(以下カエル)
宣伝も力が入っていたし、劇場公開前にNetflix配信ということもあって、これがどのように作用するのかも含めて、しっかりと注目していきたいね!
亀爺(以下亀)
豪華クリエイターの夢の共演でもあるから、ぜひ楽しんでいきたいものじゃ
カエル「今回は映画館と配信で2度鑑賞していますので、その感想記事になります!
それでは、スタートです!」
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- 今記事の簡単なまとめ
- 全体的な感想 → アクション◎ 物語性は△
- 良かった点 → WIT &荒木監督らしい空間的なアクション表現
- 今作で評価したい点 → オリジナルに挑戦したこと
- 今作の課題 → 物語の作り込み
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感想
それでは、Twitterの短評からスタートです!
#バブルに飛び込め #映画バブル
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2022年4月24日
オンライン試写にて鑑賞
さすがはWIT!となるような空間的な映像表現の素晴らしさは筆舌に尽くし難く、映像面において今年でも屈指の出来栄えではないでしょうか
荒木監督らしさも随所に感じられ、ハマればとことん楽しい作品になるのではないでしょうか pic.twitter.com/skkxhjvZfP
強みと弱みが、とてもはっきりしている作品じゃな
カエル「今作はNetflixで先行配信、映画館でも公開されている作品ですが……実は、試写会に2度当選したので、その両方でも鑑賞しています。
1度目は劇場で、2度目はオンライン試写会で画面越しに見ていますが……やっぱり、映画館が1番良い状態で見れる作品なのではないかな!」
亀「できれば、映画館で観てほしいという思いが強い作品ではあるの。
WIT STUDIOは特にnetflixとの関係性が強いスタジオとして知られており、例えば次世代アニメーター育成のための塾の運営などにも関わっておる。
2018年にプロダクションIGやボンズと同じく業務提携を結んでおり、それ以降は密接な関係にあるスタジオの1つでもあるの」
世界規模のアピールしていこう! という思いも強く感じられるけれど、やっぱりこの映像は劇場向きだよね!
できれば、劇場でしっかりと目に焼き付けてほしいの
カエル「『進撃の巨人』などでも監督を務めた、WIT STUDIOの看板の1人でもある荒木哲郎監督らしさが詰まった作品だと言えるのではないでしょうか。
映画での試写会では『自分が要求する作画の技術が高すぎて、スタッフに嫌がられてそう』みたいな話をしていましたが、確かに荒木監督作品って、映像的な快感がすごく強いんだよね。
それこそ『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』や『ギルティクラウン』や『甲鉄城のカバネリ』などを観ても、その映像的な迫力がとてつもなくて話題になった作品ばかりだし!」
亀「この映像面の快感をしっかりと目に焼き付けてほしいものじゃな」
長所① 圧巻の映像面について
今作の長所は何と言ってもWIT &荒木監督らしい映像面です!
やはり、映像面をみんな語りたがるのではないかの
カエル「それこそ『進撃の巨人』では立体機動装置のアクションシーンが高く評価されていたけれど、今作も同じような快楽性があるよね!
WITの映像的な強み、あるいは快楽性って”背景動画をふんだんに使った空間的な、3次元的なアクション”にあると思うけれど、今作もそれが見事に発揮されています!」
これはなかなか、他のアニメスタジオも簡単には真似できないものであるの
亀「今作はパルクールを中心として、重力が弱くなった都市を舞台に、自由自在に飛び回る少年少女たちを描いた作品である。
これらの描写の力は、おそらく日本のアニメスタジオの中でも屈指であり、こういった描写がやりたかった&強みであることを、しっかり意識しているのが伝わってくるのじゃな。
近年では『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』の中でもパルクールアクションがあったが、それに近い爽快感が得られるぞ。パルクールは、アニメ的な快感と相性がとてもいいのかもしれんな。
それがはっきりと描かれていること、これが自分達の強みであり、1番魅せたい部分であることは伝わってきたぞ!」
長所② オリジナルへの挑戦
次の長所ポイントは”オリジナル作品へ挑戦した”という部分だということですが……
これは、この作品に挑戦したこと、そのことがすでに素晴らしいという思いが強いの
カエル「あまりアニメ作品をご覧にならない方もいるかもしれませんが、荒木監督は現在45歳のアニメ演出家・監督であり、その実績はすでに述べたように十分にある方です。
次のステージは、やっぱり一般知名度を上げて世間、あるいは世界に向けて勝負していくところだよね」
亀「わしが常々感じているのは、この”クリエイターの知名度をいかに上げるのか”である。
例えば庵野秀明、細田守、新海誠などは、すでに一般層にもクリエイターとして名前が広がっており、多くの人に周知されている。いわゆる”名前でお客を呼べる”という状況にあるわけじゃな。
そして上記の3人もそうであるし、あるいは高畑勲、宮崎駿などもそうであるが、オリジナル、あるいはオリジナル色の強い作品を発表しても、高い興行成績を残すことができる。
荒木監督、そしてWITはすでに、次のステージに向かうべき時が来た、という話もできるの」
今回は有名プロデューサーである川村元気氏とタッグを組んでいますが、こちらもWIT側からお話を持ちかけたそうです
次のステージである、知名度増などに向けて勝負を仕掛けてきた、といったところじゃな
カエル「この”オリジナルアニメ映画”って、実は1番ヒットが難しいところでもあって……結局クリエイターの知名度が薄いと、声優……特に顔出し俳優をメインでやっている声優さんの知名度でしか、お客を呼べないこともあります。
今作でも脚本の虚淵玄、音楽の澤野弘之、キャラクターデザインの小畑健、主題歌の1人のEveなどの有名クリエイターの力と名前を借りて宣伝しているような状況です」
アニメ業界全体を見ても、その時代のスタークリエイターは絶対に必要だし、そのスター候補生は何人もいるけれど、なかなかその中で飛び抜ける存在というのは、やっぱり生まれにくいところがあるよね
亀「近年では『空の青さを知る人よ』などの長井龍雪監督、あるいは今年では『グッバイ、ドン・グリーズ』のいしづかあつこ監督などの、実績もある監督がオリジナル作品に挑戦しているが、それが興行的には苦戦してしまっている部分もある。
今回はネトフリということもあって、日本国内のみならず、世界に向けて挑戦する姿勢が感じられる。
それは荒木監督& WITの浮沈をかける一大プロジェクトといっても過言ではないだけに、今作がヒットするかヒットしないかは、かなり重要なことに感じている。
まずは原作知名度に頼らずに挑戦したこと、ここを評価したいの」
声優について
今回は声優に志尊淳や広瀬アリス、りりあなども参加しています!
演技そのものは、決して悪くなかったのではないじゃろうか
カエル「志尊淳に関しては、ちょっと冷めたところも多い、少し前の言い方だとスカしたタイプの主人公ということもあったけれど、良かったよね」
亀「大きな感情の起伏が求められるタイプの薬ではないので、淡々とした物言いが合っていたようにも感じられたの。
それでいうとりりあも、感情的にはそこまで激しく乱高下するタイプではないので、良かったのではないじゃろうか」
カエル「驚いたのが広瀬アリスで、結構、感情の起伏がある女性なんだけれど、しっかりと演じ切れていたのではないでしょうか。
アニメ声優は何度か経験されていますが、そこまで印象に残っていなかっただけに、ここまでできるんだ、と驚きました」
亀「本職の方々と比べると、まだまだ感情表現の起伏が少ない部分もあるが、伸び伸びとした演技をしてたのではないじゃろうか。
決して貶すべきものではないと、わしは感じたかの」
以下ネタバレあり
作品の気になった部分
気になった部分① 物語について〜目的とリスク〜
では、ここからはネタバレありで語っていきますが……ちょっとだけ、気になった部分もあっただけに、そこについて語っていきましょうか
物語に関しては、かなり難しさを感じてしまったかもしれんな
カエル「正直、1回目を観た時はあまりピンと来ていなかった部分もありました。
その時は鑑賞者である自分の体調やテンションだったり、相性の問題もあるかなと思っていましたが……2回目の方が、ずっと楽しめたような気がするね」
亀「物語そのものに関しては、少し辛口になってしまう。
今作の物語の難しさをわしなりに考えると、以下のようになると考えておる」
大きく分けて、この2種類になるかもしれないの
カエル「この2つを複合して語ると『観客が物語に巻き込まれていきにくい』という意味になるでしょうか」
亀「1に関してはわかりやすいと思うが……この作品、実にゴールがない。
彼らがパルクールのチーム戦を行って、生活をしているのは伝わってきた。しかし、あくまでもその時々に起こる問題に対処していくだけで、大きな最終目的がないわけじゃな」
カエル「『進撃の巨人』でいうところの、巨人を倒す〜とか、あるいは『鋼鉄城のカバネリ』でいうところの列車に乗って安全地帯を目指す〜とかだね」
亀「うむ。
つまり、この2点が完全に迷子になっている」
これを進撃の巨人の1巻で例えると『巨人を倒さないと人間に犠牲が出て悲惨なことになるから、巨人を倒していく』という、わかりやすい目的が提示されるわけだよね
今作では、このパルクールで負けることのリスクは提示されるのであるが、そうなると彼らの生活がどのように変化するのかが、見えてきづらい
亀「このように物語には
- 主人公の目標・目的
- それを果たすべき理由
が提示される。そしてそれに観客は納得すると思うのじゃが、今作ではそれが開示されることなく、物語が進行してしまった。だから、観客を巻き込むことができていない、と感じてしまった部分が大きいわけじゃな」
気になった部分② キャラクター描写
ちなみにキャラクター描写については?
1人1人のサブキャラクターの造形やキャラクターの性格設定はいいと思うが、2時間弱で語るには難しかったかもしれんな
カエル「ちょっとキャラクターの人数が多すぎた感はあるよね。
敵チームも含めると、20人以上は出てきたんじゃないかな?
しかも独特な設定もあるから、頭に入れることが多いというか……」
亀「後半に感動的な展開があるのじゃが、そこもキャラクター描写にイマイチ乗り切れていないために、疑問点が出てしまうようなものになっておる。
決してエクセントリックすぎず、『カバネリ』などのオリジナルものと比べると、マイルドなキャラクター設定になっているとは思うが……だからこそ、思い入れがなかなかできず”バブルといえばこのキャラクター!”みたいな、飛び抜けた魅力をもつキャラクターは生み出せなかった印象はあるかの」
気になった部分③ 全体について
これは総論となりますが、最も大きな気になった部分について語っていきましょうか
う〜む……この豪華クリエイター陣の顔が見えづらくなってしまったの
カエル「今作では、先にも語ったように荒木監督&WITらしい映像表現は、ふんだんに楽しめました。
だけれど、それ以外の……宣伝にもあるような豪華クリエイター陣の魅力が、いまいち伝わってこなかったかも……」
亀「『カバネリ』でも、荒木監督は『機動戦士ガンダム』のホワイトベースをイメージしたと語っておったが、今作もそのわちゃわちゃ感というか、多くのキャラクターが入り混じって生きている感覚は描けていると感じた。
その点も含めて、荒木監督らしい作品とも言える。
しかし……そのWITらしい映像表現と、荒木監督の物語の癖以外のものを感じたかと言われたら、少し難しいの」
共同脚本とはいえ虚淵玄らしさ、あるいは澤野弘之、小畑健だからこその味わいというものは、少し薄れてしまった印象なのかな
この辺りは、川村元気プロデュースだからということもあるのじゃろう
カエル「川村Pって大ヒットメーカーではあるし、ある種のクリエイターの癖を抜くこともできるんだけれど、同時に味わいを消してしまう部分もあるように感じてしまうんだよね……」
亀「あくまで企画・プロデューサーという立場で、どこまで作品に関与しているかは難しいが、今作はインタビュー等を読む限り、初期から深く入っていることも感じられる。
その結果、だいぶ”観やすくわかりやすい”ものにはなっているかもしれん。
しかし、決定的に強みである映像表現以外の部分がぼやけてしまった印象が強いかの。
この辺りは創作活動の難しさを感じたポイントじゃな」
最後に
それでは、この記事を終えたいと思います!
やはり、荒木監督&WITの映像表現は、かなり素晴らしいと感じたの
カエル「やっぱりオリジナルって難しいよねぇ。
1から作り上げるのと、既に1がある原作を10に積み上げるのでは、違う才能と言えるかもしれないし」
亀「わしも完成した作品を後からあーでもない、と言っているだけじゃからな。
所詮、物語の感想とは答えを見ながら参考書を解くようなものじゃ。試験中に解いているのとは訳が違う。
この勝負の結果がどうなるかはわからないが、挑戦そのものは高く褒め称えたいと強く思うの」
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