今回は新シリーズが制作された『蒼穹のファフナー THE BEYOND』の感想となります!
今作はテレビアニメなのかな? それともOVA方式なのか?
カエルくん(以下カエル)
「今の所、自分たちが調べた限りでは『先行上映』とだけあり、公式がどのような形態で放送するのかまで発表していないような状況のようですので、どちらとも受け取れるような形となっています。」
主
「『順次』という言葉もあるから、この先も映画館でも上映するのか?
イマイチよくわからない方式だな」
カエル「でも、ファフナーは固定ファンの多い作品ではあるし映画館で上映してくれるならば……もちろん近くの劇場でやるならば、という前提だけれど、お金を払ってども観たい! という人はいるんじゃないの?」
主「少なくともうちは最後まで行くつもりではあります。
ちなみに自分はテレビシリーズは1期からリアルタイムで追っかけていて、ドラマCDまではチェックしきれていないくらいのファンですが、2期は2015年のアニメ作品の年間ランキングでも上位につけるくらいはまっています。
それでは、早速になりますが感想記事のスタートとなります!」
感想
では、Twitterの短評からスタートです!
ファフナー見たけれど…うん? 本当にこれでいいの?
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2019年5月18日
EXODUSのあとテレビspか何か見逃してる?
久々にキャラクターたちやファフナーワールドを見れたし動きが最高で最終話まで見るけれど期待と恐怖が五分五分で交差してしまった
美羽ちゃん可愛い、真矢は…本格的にヒットマンに転職した? pic.twitter.com/4EKp7SGR1q
これは……期待と不安が半々なシリーズになりそうだな……
カエル「もちろん、まだ物語は始まったばかりであり、発表されているように全12話ということになると全体の1/4ということになります。
これは”もう1/4消化した”と見るか”まだ1/4しか終わっていない”と見るかによって、意味合いが大きく変わるのかもしれませんが……」
主「まず、間違いなく言えるのは『ファフナーという作品が人気らしいから見に行こう』というライトなファン、あるいはシリーズ初見さんには全くオススメしない。
これは1期、テレビSP、劇場版、2期と順を追って追いかけてきた人のみが対象となる作品であり、初心者には理解できるものとは思わない。
ド派手な戦闘シーンなどもあり、近年はロボットアニメが少なくなっていると危惧される中で、いわゆるリアル系のアクション演出が見たい! という人にはぜひ劇場で体験してほしい。
少なくとも1話などのど迫力な戦闘は面白く見られるだろう」
カエル「その意味では、作画や演出の面に関しては文句がないんだね?」
主「ただし……近年はテレビシリーズのレベルが圧倒的な向上しており、例えば『鬼滅の刃』などは劇場で見ても……もちろん『ここは手間を節約しているな』と思わせるシーンなどは当然あるけれど、全体的には高いクオリティの作品が多い。
見方を変えれば一部の制作スタジオのクオリティが異常なだけとも言えるかもしれないけれど……
それと比べてしまうと違和感はあるし、作画上のセーブ、あるいは省略を感じる。
今作がテレビシリーズ用に作られているのか、それともOVA方式なのかはわからないけれど、劇場で見る分にはリッチさでは見劣りしてしまう部分もあったかな」
混迷を増すファフナーの物語〜少しだけ過去作品を振り返る〜
もう少し突っ込んでお話をすると、どのような点がイマイチだったの?
うーん……ファフナーってどんなお話なんだっけ?
カエル「え? 基本的には人類が普通に暮らしていたら宇宙からケイ素生命体であるフェストゥムがやってきて人類を滅ぼそうとするから、それに対抗するというお話でしょ?
で、子供しか乗れない兵器である”ファフナー”に乗って戦うというもので…」
主「そうだよなぁ……いやさ、1期はまだ単純な物語だったと思うんだ。
主人公たちが暮らす竜宮島があって、子供たちがそこを守るためにファフナーに乗る。大人たちは子供を戦場に送る事に自責の念はありながらも、ファフナーを操れるのは子供だけだから苦渋の選択をして精一杯支えていく。
竜宮島VSフェストゥムの基本線があり、そこに外の人類たちの組織である国連が関与してきて、三者三様の陣営で物語を進めてきた」
カエル「テレビSPは前日譚で感動するお話だったし、今でも『どうせみんな死ぬ!』からの『なんでこんなことを書いた! 言え!』なんて名シーンとして語り継がれているよね」
主「劇場版は1期の続編であり、ファンだったらたまらない物語となっていた。
公開当時劇場で観たけれど、ファンである女性が『総士〜』と言いながらボロボロ泣いているのを見るくらいには、熱いファンがついた作品だ」
カエル「そして2期になっておなじみのキャラクター達の様々な戦いと出来事があって、特に17話は神回として高く評価していたじゃない。
うちでもファフナーの2期はその年を代表するアニメ作品だったと高く評価していたよね?」
主「その評価は今でも揺るがないし、ファフナーで1番好きだったのがカノンだったから、さらに引き込まれた。
コードギアスのシャーリーもそうだけれど”主人公に対して恋心を寄せ、さらに実質的には結ばれる可能性の高いヒロインであるのにもかかわらず、物語がそういう作品ではないために別れてしまう”という女性キャラクターに弱い傾向にあるのでね。
で、そんなカノン贔屓な話はどうでもよくて…でも、まあこのあたりでもだいぶ混迷していたわけですよ」
もはやシリーズファンでもついていけないほどの混迷した物語に?
では、話をTHE BEYONDに戻しましょう
もはやグチャグチャすぎてどのような状況下わかりづらくなってきている
カエル「そもそもこの1話の作りって挑戦的だよね。
2期からこの映画につながる何らかの作品があったのか、あるいは物語の終盤を先に見せてから過去の回想という形で始まるのかと思いきや、普通に始まっていきそのまま物語が続いていくというさ……」
主「この判断についてはまだ最後まで観ないと結論を出せないだろうけれど、あくまでも現段階では悪手だったと言わざるをえない。
一見さんお断りとばかりに、新規の観客を放り出してしまうのは仕方ない。そもそも、そういう面はどうしても出てきてしまう物語ではあったし、コアなファンが支えてきた作品とも言えた。
でもこのスタートは、そのコアなファンすらも置いてけぼりにしたのではないだろうか?」
カエル「新キャラも当たり前のように出てきて、しかもドラマも1番盛り上がっているんだろうなってところを急に見せられてもね。
ただ、アクションシーンは本当に素晴らしかったよ!」
主「ここは映画館で見た意義があったし、ファフナーという物語の魅力をロボットバトルと捉えるのであれば、確かにその魅力がダイレクトに伝わってきた。
だけれどそれぐらいかなぁ……2期のラストで島が沈んだりして、その復活と奪還だけでも楽しみにしていたけれど……もちろん、それはそれでまた別にやるのだろうけれど、今回のスタートはかなり特殊なスタートだった。
それと……これは今更語ることではないかもしれないけれど、キャラクターデザインがねぇ」
カエル「もともとが15年前の作品からスタートということで、時代を感じるとか?」
主「平井久司のキャラクターデザインが嫌いなわけじゃない。『スクライド』は今でもたまに見返すくらいどはまりしたアニメ作品だし、他にも『ガンダムSEED』なども楽しんで見ていた。
だけれど……やっぱり、キャラクターデザインのバリエーションが少ない気がする。
特に美少女。
顔の造形が被るのは仕方ないとしても、髪型のバリエーションなども少ない(キャラ数が多すぎて相対的な問題もある)ために、キャラクターの見分けがつきづらい。皆城のコアはともかく、それ以外との見分けがつきづらい。
黒髪ロングになるともうお手上げ。
誰が誰だかわからん上に、説明なしの新キャラや成長したキャラクターも出てくるとなぁ」
カエル「このあたりは長寿作ならではのポイントかもね」
主「あとは単純に一騎が人間をやめて、総士も我々が知る存在とは正確には違うから、そのあたりで主人公不在な感があったかなぁ……」
ネタバレをしながら語ると……
じゃあ、まだ3話だけれど少しだけネタバレをすると、どのような印象になるの?
ファフナーというシリーズのが抱えてきた”フェストゥムとの対話”の面が強調されるのかもしれない
カエル「今回は2話でフェストゥムが偽りだとしても平和を望んでいて、その通りに暮らしていたというのが衝撃だったよね。亡くなった人々が復活していたりして、過去作を思い返して悲しくなってしまったり」
主「今作のスタートはあの状況だけ、特に総士の目線だけを追うと竜宮島の面々の方が平和を脅かす悪である。
そして作中で語れていた『平和を乱す存在、争うことしかできない』というのは人類の特徴の1つをついているとも言える。
実際、ファフナーという物語は人間同士の戦いも含めて、平和を維持することができない悲しみも描かれていた」
カエル「2期以降は”知的生命体としてのフェストゥム”という点も少しずつでてきたのかな」
主「対話をするための存在としての新人類”エスペラント”が生まれており、その代表が美羽ということになるのだろう。その意味ではようやく対話に向けた準備が終えようとしており、これから対話が始まるのかもしれない。
でもさ……これだけシリーズが進むことの弊害ってやっぱりあるんだよ。
それが1期から登場する旧キャラクターの存在。
もう彼らに少年らしい熱さなどはなく、完全に大人として分別がつくようになってしまった」
カエル「それは欠点というか長所というかは別としてね」
主「でもさ真矢はもはや完全にゴルゴとなってしまい、ヒロインとしての風格も失われた部分がある。それに一騎は人間をやめて超兵器みたいな存在となっているし……
あの少年たちの熱さがあって、未熟だからこそのドラマとなっていた部分が今作まで行くと完全に失われている印象がある。
そのかわりに後輩たちが2期では未熟だからこその成長などを担当していたけれど、今作ではその役割が総士ひとりに集中している印象がある。
その結果……元々の性格とは違うこともあり違和感があるのと、若干一人だけ空気のよめないキャラクターで”ウザい”性格に見え始めているのではないだろうか?」
カエル「あくまでも個人の感想です」
主「でさ、1期からのキャラクターたちが大人になってしまうことによって”全体を生かすために犠牲はつきもの”というリアリストな印象を与える。
そのあたりが物語としては魅力が薄れているような印象がある。
1期のファフナーってあくまでも”子供が戦い、大人がそれを支える”というものだったのに、今は”大人も戦い、次世代を始動する”という形になっている。
つまり一騎たちの目線が変わってしまい、子ども目線から大人目線となっている。
それって物語としては大きな変化であるわけだ」
カエル「日本のアニメの大半が少年少女たちが主人公なのも、組織論や常識論に縛られない、ある種の未熟さによる人間的成長をドラマの軸にしているところがあるからかもね」
主「結論を述べると”一騎や真矢が大人となり、大人目線となることで『大人のエゴの物語』になる可能性があるのではないだろうか?”ということを危惧している。
つまり、1期や2期であれだけ敵のように扱われた人類軍や国連のような存在。だけれど、視聴者はずっと1期から追いかけてきたから盲目的に主人公たちを応援して、それに気がつかないというパターンだってある。
愛があるからこそ、盲目的になることはよくある話なんだ。
それが新しいファフナーの味となる可能性もあるけれど……自分にはかつてのファフナーの魅力が失われる予感もあり、そのあたりの期待と不安は五分五分というところかな」
まとめ
では、この記事のまとめです!
- 戦闘シーンの迫力などがあり、アクション描写が楽しめる!
- ファフナーファンでも難しい!? 一見さんはついていくのが難しいかも…
- キャラクターの成長などもあり物語が変化しているように見えて期待と不安は五分五分といったところか
とりあえず最後まで見届けようとは思います!
カエル「まあ、いろいろ語ったけれど楽しみであることには変わりないしね」
主「あとさ……どうでもいいことだけれど1つ言わせてもらっていい?」
カエル「はぁ、どうぞ?」
主「真矢はまだミニスカートでいいと思うだよなぁ…今いくつくらいだっけ?
まだまだ若いはずだし、あの衣装が見慣れているから今の大人スタイルの制服姿は違和感があるし、なんかがっかりだわ……」
カエル「はい、与太話で終了です!」