いよいよ、今月トップクラスの注目作! ジュラシックワールドの続編の公開です!
いやー、やっぱり無条件で期待してしまうところがあるよねぇ
カエルくん(以下カエル)
「でもさ、あんまり洋画大作を見ていなかったり、好きじゃなかったりするのに、ジュラシックパークシリーズは別なんだね」
主
「やっぱり怪獣が好きなんだろうなぁ。
このシリーズはそれこそ公開直後からずっと熱中していたし、前作も当然公開初日に見に行っているからね」
カエル「たださ、こう言っちゃなんだけれど、前作があれだけ絶賛された完璧な作品だったからこそ、ちょっと期待する一方で怖いところがあるよねぇ」
主「では、そんな大人気作品の新作はどうだったのか?
レビューを開始していきましょう!」
作品紹介・あらすじ
世界的な人気を誇るジュラシック・パークシリーズの最新作であり、2015年に公開されたジュラシック・ワールドの続編となる作品。
監督は前作のコリン・トレボロウから『怪物はささやく』『永遠のこどもたち』などの作品の監督を務めたスペイン出身のJ・A・バヨナが務める。なお、コリンはスピルバーグとともに製作総指揮に名前を連ねるほか、前作も脚本を手がけたデレク・コノリーと共同で脚本も務めるなど本作にも深く関係している。
クリス・ブラット、ブラウス・ダラス・ハワードなどは続投のほか、新キャラクターも多く登場する。
前作で古代から蘇った恐竜たちの島であるイスラ・ヌブラ島に火山の大噴火の兆候が出ていた。危険を冒してまで恐竜たちを助けるか、もしくは自然災害による死を見守るのか議論が紛糾する中、恐竜を助けようとクレアは方々に手を回していた。
そんな中、ジュラシックパーク建設に大きく関わったロックウッド家の屋敷に招かれたクレアは、ヴェロキラプトルのブルーの救出を依頼される。そのためにはラプトルの調教師であったオーウェンの協力を取り付けて、再び島に舞い戻るのだが……
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感想
では、いつものようにTwitterの短評からスタートです
#ジュラシックワールド2
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2018年7月12日
鳥肌がヤバイ!
今年の大作洋画はどれもすごいけれど、本作は抜けているかも…大好きな作品です
子供は劇場で観たら泣いちゃうかもねぇ
ただ、もしかしたら賛否は割れるかもなぁ pic.twitter.com/sjqgq9f7Ns
鳥肌たちまくりで、とんでもない作品ですよ!
カエル「劇場でも思わず身がビクッと動いてしまうほど驚くシーンも多くて……これは結構迫力もあって、恐いジュラシックパークが帰ってきた! という喜びもあるね!」
主「それと同時に本作は本当に『上手い』映画でもあってさ!
アクションシーンだけでじゃなくて、人間ドラマの見せ方なども、ただ派手なだけではないくて多くの意味が込められた作品に仕上がっている。
欠点としては……やっぱり上映時間が長いことかなぁ。
少しだけダレていると感じてしまうポイントもあるかもね。自分はそこも含めて大好きだったけれど、人を選ぶ部分は若干あるようにも感じられた」
カエル「時間が長いから、ある程度はどうしようもないかねぇ。そもそも、これだけの大作シリーズの続編となると、絶対意見が割れてしまう部分もあるだろうし……」
主「ネタバレなしとしては、前作とは全く違うテイストと味わいに仕上がっています、とはいっておこうか。
あと、とても重要な生命工学について考えさせられるようなテーマもあり……そして『ジュラシックパーク』らしさにも溢れた作品でした!」
前作のジュラシックワールドについて
カエル「では、ここで少しだけ前作のジュラシックワールドについて触れておこうか。当然劇場で初日に鑑賞したけれど、その時の感想は?」
主「もう鳥肌ものだったよ!
自分は本当にジュラシックパークシリーズが大好きでさ、あのテーマソングも必死になって練習して演奏できるようになったほどに愛しているシリーズだったから……スタートで、あのテーマソングが流れてきた時点で1つ涙だよね。
そしてその後は感動の雨嵐でさ……あんまり直接的にネタバレができないから、濁していうけれど、あいつが出てくるじゃない?」
カエル「いつものようにドッタンバッタンの大騒動が起きて、それをどうにかしようと戦っている最中で、あの人気者が登場するシーンだね」
主「そこで『いよ! この千両役者!』と叫びたくなるほどだった!
もちろん初代をはじめとした歴代シリーズに対してのリスペクトも多くて、それでいながらも完全御新規さんでも理解しやすい物語に仕上がっていて……少なくとも自分には文句のつけようがない作品だったんだよ」
前作と今作の大まかな違い
カエル「じゃあネタバレしない程度に今作と前作の違いを説明すると、どうなるの?」
主「う~ん……すっごく大雑把に言えば『動』の魅力に満ちていたのが前作のジュラシックワールドだとしたら、
今作は静の魅力に満ちていた作品と言えるかな」
カエル「……そのフレーズは便利だからよく使うよねぇ」
主「でもさ、それで正解だったと思うんだよ。
それこそパーク時代もあれだけの歴史的大傑作作品の続編として、2であるロストワールドが公開されたけれど……まあ、正直その評価は芳しくないわけだ。
それは1のあの衝撃をさらに大きなものにしようとして、単純な物語になってしまったことも理由の1つだと思う」
カエル「ドタバタのスケールを大きくして、島から都会にしても観客は満足しずらいって話かもねぇ」
主「その点では本作はとても工夫が凝らされていて……監督のJ・A・バヨナ作品ではこのブログでは『怪物はささやく』を扱っているけれど、その要素もあるんだ。つまり、監督の作家性も大いに発揮されていて、それが前作と全く違う味に仕上がっている。
でもジュラシックパークシリーズが抱える重要なテーマはしっかりと示されているからさ、本作はロストワールドの二の舞にならなかった。
正直、無理だと思っていたんだよ。あれだけの完璧な前作からどのようにつながるのだろう? と不安半分だったけれど、このやり方ならば大賛成。ただし、望んだジュラシックワールドじゃない! と怒る人も……もしかしたらいるかもねぇ」
絵としての美しさ
カエル「最近、CG表現を多用した大作映画をたくさん鑑賞していて、特に気になるのがこのポイントだということだけれど……」
主「なんかさ、映像としての美しさが足りないなぁ、と思う作品もいくつかあるんだよ。
もちろん背景などの作り込みは素晴らしいけれど、観ていてじんわりと感動するような映像があまりないような気がしてしまう。
例えば、以前にスターウォーズの時に語ったけれど、EP4のタトゥーインで夕日が沈む描写はとても美しい。それは特撮ではなくて、自然を撮っているからというのもあるでしょう」
カエル「特にジュラシックワールドは自然の産物である恐竜を生き返らせるということを考えれば、島の自然の美しさなどが大事になってくるもんねぇ」
主「本作はその意味でも評価が高いです!
まあ、前作からもとても美しい自然が見れたけれど、今作はさらにそれを進化させたようにも感じられた。今回はあらすじにあるけれど、島が噴火の危機を迎えている。
そのやりとりも魅力なんだけれど……あるシーンではCGとは思えないような圧倒的な儚い美しさもあってさ……本当に完璧だった」
カエル「あとは終盤のドタバタのシーンとかも、とても怖いんだけれど美しいシーンなどもあって、そちらも見所となっています!」
この4人は多く登場します
(C)Universal Pictures
役者について
カエル「前回からの続投キャストも多いけれど、役者については文句なし?」
主「少なくともクリス・ブラットとクレア役のブライス・ダラス・ハワードはやっぱり良かった。
特にブライスの方は相変わらず胸の膨らみを強調してくれて、良い目の保養になります」
カエル「……え? エロ目線?」
主「というか、前作から特に文句はないので。
キャラクターとしての立ち位置とかにはあるとしても、それは設定の問題だから、役者は関係ないし。
でもなぁ……今回気になったのが、島に同行するジア役のダニエル・ピネダがさぁ……いや、これこそ彼女が悪いわけではないんだけれど、やっぱり気になるんだよねぇ」
カエル「今回は同行する2人の若者がアジア人(アジア人のように見えるけれど白人でした。訂正します)と黒人で、ここで白人主導という批判を回避しようとしているんだろうけれど……」
主「これはSWEP8のローズもそうだけれど、見た目がどうとかではなくて、単純にずっとキーキー言っている人って、男女問わず見ていてちょっと不快じゃない?
そのヒステリーをどうにかしてよ! って思っちゃってさ。
強い女性像というものを履き違えているとしか思えない。
まあ、ローズほどひどくはないし、可愛らしい部分もあるけれど……彼女だけがノイズだった」
カエル「それ以外は子役の子も含めて……というか、このメイシー役のイザベル・サーモンが本当に素晴らしかったからね!」
主「海外は本当、次から次へと魅力的な子役が出てくるよねぇ。
この映画の2割くらいは彼女の魅力によるところが大きいでしょう。もちろん、半分は恐竜たちです。何よりの主役は彼らなので、ぜひとも彼らの活躍に目を向けてください」
以下ネタバレあり
本作のテーマとは?
では、ここからはネタバレありで語っていきましょう!
何から語っていこうかなぁ ……」
カエル「まずは、本作が描いたテーマってなんなの?」
主「それこそ、この映画がずっと描いてきたことだよ。つまり『生命と倫理』の問題だ。
生き物を作り出すのは神様以外にはやってはいけないし、それはできないこととされている。
だけれど、人間はついに過去の生命を……恐竜を復活させることに成功してしまった。
これは羊のドリーの問題からずっと続いているけれど、クローンという問題は倫理の壁がとても大きい問題だ」
カエル「最近ではついに中国で猿のクローンが誕生して、世界中で議論が巻き起こっているね。その過程において、2匹のクローンが生まれるまでに78回の失敗を繰り返している、なんて話を聞くと、生命をなんだと思っているのか! と怒りたくなる気持ちもわかるかなぁ」
主「話を今作に戻すと、特にワールドに関しては2つの遺伝子を混ぜて全く新しい生命を生み出す研究をしている。それは確かに画期的な研究ではあるが、凶暴な恐竜が生まれる以前に、そもそもそんなことが許されるのか? という疑問はある。
特に日本人はキリスト教圏ではないから、ちょっと軽く考えがちな問題だけれど……国によっては神様を侮辱するような行為だから、余計に色々ともめてしまうところはある」
この両者の間の絆はまだ残っているのだろうか?
(C)Universal Pictures
監督の他作品と比べて
カエル「今回は監督の味が出た作品ということだけれど、それはどういう点がそう感じるの?」
主「記事にも書いたので『怪物はささやく』を引き合いに語っていこうか。
この作品を簡単に説明すると、1人の少年が怪物と向き合って、色々な試練を乗り越えていくという物語で、少年の成長と怪物との対決がセットになっているんだ」
カエル「ふむふむ……それでいうと本作もまた怪物(恐竜)との対決の物語になっているね」
主「今作ではメイシーがとても重要な役割を果たすけれど、彼女が主に登場するのは物語の後半になる。序盤はむしろ、物語に一切絡んでこないんだよね。
この構成ってちょっと不思議じゃない?
そんな扱いのキャラクターだったらさ、何もわざわざ登場させることもなく、前作のキャラクターたちだけで物語を構築してもいいわけじゃない? それに、子供のキャラクターが欲しければ前作にも登場した子達もいるのに……わざわざ作中の時間と現実の時間の3年間をリンクさせた意味もあまりないようにも感じられるでしょ?」
カエル「まあ、やりようはいくらでもあるよねぇ」
主「それでもこの作品はメイシーでないとダメだった。
その理由こそが、この作品をより魅力的なものにしているわけだ。詳しいことは後々に話すとしようか」
メイシー役のイザベル・サーモンが非常に可愛らしい!
(C)Universal Pictures
2つ物語
カエル「本作って多く分けて2つの物語があるわけじゃない?
前半の島で恐竜たちの救助へ向かうパート、そして後半のパートがあって……3部構成などではないのが印象的かなぁ」
主「言ってしまえば前半は『みんなが望んでいた、いつものジュラシックパークの世界』だよね。
おそらく2ができると聞いていて、誰もが連想していたのが前半のパートでさ……ち
ょっと鑑賞時にびっくりしたのが、アクションシーンが結構長めなんだよ。この作品は2時間半あるのに、まだ序盤でなぜこれほど長いアクションシーンがあるのか?
その答えは簡単。
ここまでが今までのジュラシックパークに抱いていた印象の物語だったから。
そして、ここで終了なんだよ」
カエル「……この後の物語こそが、監督が真にやりたかったこと?」
主「そうだろうね。
最初にも語ったけれど、ここでそのままいつものドタバタパニックムービーにしてしまったら、ロストワールドになってしまう。
そこと明確に差別化をするために、あえてあの狭いフィールドを選び、今回の強力な敵もあのようなサイズの敵になった。
巨大化すること、より大きなフィールドにすることだけが進化でない。
むしろ、より小さくすることで描ける物語もある……むしろ、最初のジュラシックパークだって、Tレックスよりも小さな恐竜たちの方が怖かったしね」
カエル「2つの物語というと、登場人物が二手に分かれた時に片方でのピンチと、もう片方のピンチが連動しているというも面白かったよね」
主「物語を分けることの意義が見事に発揮された、うまく練られた脚本でさ……
本作って本当に映画がうまいの!
それこそ中盤の海のピンチのシーンの長回しであったり、後半の標本を間に挟んでの戦いであったり……この魅せ方が抜群にうまい!
だからこそ、若干地味な絵柄なんだけれど、大きく飽きることなく作品を最後まで鑑賞できたんじゃないかな?」
作品考察
子供とジュラシックワールド
では、ここからは独自の視点がさらに強くなる作品考察です!
本作は『子供の映画』でもあるんだよ
カエル「ジュラシックパークシリーズって、子供が主人公みたいなところもあるよね。恐竜が大好きな少年たちが巻き込まれて……という展開も多いし」
主「では、本シリーズにおける恐竜というのは『遺伝子工学で生まれてしまった命』そのものなんだよ。
さらに言えば、人間の科学力が暴走した形で生まれてしまった……作中の表現を使うならば、まさしくクリーチャーだ。
そして……今作のメイシーはその恐竜たちと対になるような存在だった」
カエル「あれは……予想はできたけれど、ついにジュラシックワールドでそれをやるんだって……」
主「本作の後半は明らかにメイシーの映画になっているんだよ。
普通の恐竜たちは『科学によって蘇った命』
今作最強の敵は『科学の暴走で誕生してしまった命』
この2つの存在と対になっているのが、当然メイシーである。
そう考えると、後半のベットの中に隠れるシーンなどは、少女が自分の中に抱える闇と向き合うシーンだということもできる」
カエル「……一歩間違えればメイシーもあのような存在になっていた可能性だって0じゃないし……それこそ、先ほどの実験の話ではないけれど、失敗してしまった命もあるだろうし……」
主「それは監督の前作である『怪物はささやく』と全く同じ構図なわけだ。おそらく、監督が本当にやりたかったのはここだろうし、その試みは完全に成功している。いや、見事としか言いようがないね」
本作と似ている作品①
カエル「引き合いに出して語りたい作品があるということだけれど……」
主「それはもちろん、この作品です!」
カエル「あ〜……やっぱりシンゴジラなんだねぇ」
主「本作は行き過ぎた科学の暴走という意味ではゴジラとほとんど同じメッセージを内包している。
シンゴジラに限らず、ゴジラは核という存在とどのように向き合うのか? ということをメッセージとして内包した映画になっているものが多い。
一方でジュラシックパークシリーズは、当然生命工学なんだけれど……進化しすぎた科学の暴走という意味では、どちらも同じなわけ」
カエル「ゴジラが核兵器の象徴、ジュラシックパークの恐竜が生命工学の暴走の象徴ということだね」
主「だけれど、本作はあのようなラストを迎える……これをどのように解釈するのか? と言うと『行き過ぎた科学を止めることは難しい』ということだ。
もうすでに中国の例を挙げたけれど、猿のクローンを作るところまで科学は進歩している。おそらく、人間のクローンが生まれるのも時間の問題だろう」
カエル「……倫理の壁はあるけれど、どこかの誰かがやる可能性はあるからね」
主「これは核でも同じでさ。どれだけ頑張ったとしても、核兵器も原子力発電所も無くなることはありえない。日本が全部廃止したとしても、世界ではむしろ原子力発電所は増えていく傾向にある。
例えばさ、車が空気を汚すからみんな自転車に乗りましょう! と言っても、それは無理なんだよ。今更人類が自転車や馬車の時代には戻れない。進んでしまった科学力を捨てることは不可能だ」
カエル「学習するはずだ! などのいろいろな意見があるけれどね」
主「現代はそういうリスクを……科学が暴走するリスクを抱えながら、それでも制御していくしかないと自分は思う。
そして、この映画もそのように描いている。
それはシンゴジラと全く同じであり、この2作品は『科学技術=怪獣(恐竜)』の象徴として描いたことで、かなり似ている作品と言えるだろう」
本作と似ている作品②
カエル「そうして、もう1つがこの作品です」
主「ミュウツーの逆襲だね」
カエル「この映画の公開日にポケモンの新作も公開するから?」
主「それもちょっとはあるかもしれないけれど……この両者は『クローンと倫理』というテーマを扱ったことでは似たようなことを描いている。
自分が強く惹かれたのは『コピーの存在を認められるか?』という問題なんだよ」
カエル「最後に生き残った恐竜たちに、大きな試練が訪れて……それを救うのか、それとも救わないのか? という大きな葛藤があるんだよね。
その葛藤がクレアがあの事件をどのように反省しているのか? という重要なシーンになっているけれど……」
主「『ミュウツーの逆襲』のテーマは『本物の命と偽物の命』なんだ。コピーされた生み出された存在には、生きる権利というか、彼らの存在する理由はあるのだろうか?
そもそも、存在していていいのだろうか?
それを探し求めている物語でもある」
新たなるジュラシックパークシリーズへ
カエル「そして、本作はジュラシックパークシリーズとしてもさらに進化をしたんだね……」
主「それまでのジュラシックパークというのは、生命工学と倫理を扱っている作品も多いけれど、ほとんど作った側の人間の物語だった。
だけれど、本作においてそれは『作られた側』の物語へと大きな変化を遂げている。
その意味では本作もミュウツーの逆襲と全く同じ。
ある登場人物が下した大きな決断は、賛否があるだろうけれど……でも、ジュラシックパークという作品は、自分の解釈だけれど、人工的に作られた生命の否定はしていない。
あの人物がああいう決断を下したことによって、生命賛歌の作品ともなっているし、そしてそれはその人物が葛藤を乗り越えた、大きな成長を描いている点でとても重要な描写だと思うね」
カエル「問題はこの後がとても難しいということだけれど……」
主「いやー、どうするんだろうね?
一応、本作において作り出した者と作られた者の対比はできたし、その両者をしっかりと描くことも成功している。
だけれど、だからこそ下手するとただの予定調和の物語になってしまうわけで……次を制作する監督の苦悩を想像したくもない。
自分が脚本家だったら逃げ出すよ、きっと」
ちょっとだけ苦言を
カエル「え〜最後に苦言を少しだけ」
主「この映画、すごくいい話の流れになっていたし、ジュラシックパークらしくちょっとバカなキャラクターたちが、欲を出したせいで……というおきまりの流れもあって面白い。自分は絶賛です。
ただ! ただ数箇所だけとても文句が言いたくて……」
カエル「それはどこなの?」
主「セリフで説明しすぎなんだよ!
あのキャラクターがとても重要な秘密を抱えていることは、描写だけでもわかるんだよ。それをわざわざセリフとして話す必要があったのだろうか?
そして上記のラストの大きな決断の時、その理由をペラペラ話したでしょ? あれも納得いかない!
戸田奈津子がわざわざわかりやすく訳したのか、それとも言語からしてそうなっているのかはわからないけれど……そこだけは残念だったね」
カエル「邦画の悪癖として何でもかんでも説明してしまう、ということをいつも指摘しているから、余計に気になったのかもねぇ」
主「あと、あのテーマソングはもっと流して欲しかった……本編では1度も流れたいなから、ある意味ではサプライズではあるけれど……劇場の大音量で聞いて浸っていたかったなぁ」
まとめ
では、まとめです!
- ジュラシックパークシリーズらしい、だけれど全く違う意欲作!
- 演出が冴え渡る作品!
- 生命工学と行きすぎた科学に対して、警鐘と1つの答えを指し示す!
- ところどころきになるところはあるものの、鳥肌ものの作品!
満足度は非常に高いです! 是非とも劇場へ急いでください!