いやー、この作品を観に行くのは勇気がいるかもねぇ
しかも、今回は『アーリーマン』も観たかったので桜木町のブルク13で鑑賞しました
カエルくん(以下カエル)
「おー、横浜近く、桜木町の人気オシャレスポット近くの映画館じゃないですか」
主
「その影響もあるのかさ、劇場内が綺麗な女性ばっかりなの。
メイクもばっちり、ドレスのような服まで着て……いや、デートならわかるよ? でも女性2人でもそんな人たちばかりで、びっくりしたねぇ」
カエル「……単なるオタクには辛い状況だね」
主「こっちは気を抜いているから、ヨレヨレのシャツでさ。いや、普通の映画館ならむしろ普通だけれど……
でも高杉真宙くんを応援する気持ちは負けないよ!」
カエル「はい、では今回は高杉くんを応援しに行ったファン目線の感想というテイストで始めていきましょうか」
感想
では、Twitterの短評からスタートです!
#虹色デイズ
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2018年7月8日
舐めてました!
こりゃ傑作ですよ!
若手俳優の見本市、エモい感動に包まれるシーンの連続に一気に引き込まれた!
演出も凝っているし、なによりも本当に役者が素晴らしい!
まあ、若干思うところもあるけど今年の恋愛スイーツ映画では抜けてます! pic.twitter.com/VHnroaqeGN
スイーツ映画に限定すれば、今年トップクラスの作品でしょ!
カエル「お! 限定条件とはいえ、結構高い評価だね」
主「この作品は誰がどう見ても若手の役者の見本市であり、いわばアイドル映画であるのは間違いない。
でも、アイドル映画なのに役者の個性が全く生かされていない……なんて作品もあるにはあるんだよ。
だけれど、この作品は違う!
各々の役者の魅力がとても発揮されているし、それを生かすための演出にも工夫が凝らされている!
原作が全16巻と長いこともあるのか、物語としては若干走っている部分もあったり、物足りない部分がないわけではないけれど……でも、全体の感想としてはとても高評価です!」
カエル「この手の作品は賛否が分かれる部分があるし、ダメだったという気持ちもわからないではないけれど……
若手役者の魅力を知りたい! という人や、他にも若い人なら、男性女性を問わずアイドルを見に行くような感覚で行くととてもハマるんじゃないかな?」
それぞれ個性の強い男4人の熱い友情!
挿入歌の良さ!
カエル「あとは……これは個人的な事情だけれど、挿入歌がとても良かったというのが大きいかもね」
主「実は私、阿部真央とSUPER BEAVERのファンでして……」
カエル「BEAVERはTwitterとかで何回か話している気もするけれど、阿部真央のことに触れるのは初だっけ?
いつからファンなの?」
主「最初のアルバムである『ふりぃ』からのファンです。というか、未だに阿部真央の最高傑作のアルバムは『ふりぃ』だと思っているくらいでさ。
元々デビューした約10年前からた大型新人として話題になっていたしね」
カエル「そこからのファンだと、阿部真央の挿入歌が流れるだけで感涙ものだよね……」
主「BEAVERもいくつものアルバムを聴きこむくらいにはファンだからさ、やっぱりその楽曲が流れるだけでテンションが大幅に上がっていってしまう部分があって……
その意味ではあまり冷静な評価ではないかもしれない。
だけれど、挿入歌と映画の相性がとてもよくて、一気に盛り上がっていく部分もあるということでもある。
もちろん、他にもフジファブリックなどの人気バンドの楽曲が多いから、一定の世代の人にはドンピシャな感動をあたえられる作品ではないかな?」
カエル「音楽ってとても重要だけれど、その使い方もよかったもんね!」
今回挿入歌として使われた『17歳の唄』
役者について〜男性編〜
ここはもう絶賛しかないでしょう!
若い役者たちの魅力がとてもよく発揮されていた!
主「先にも語ったように、この手の作品は若手の役者を多く起用して……ひどい言い方をすると学芸会演技になることもある。それに、その役者の演技の方向性とキャラクターが一致していないとかもある。
だけれど、本作はそんなことがなくて……どのキャラクターもみんな個性が光っていた!」
カエル「もちろん主役級の男4人もそれぞれ個性があっていいけれど、女子もいいんだよねぇ」
主「まず男性陣で語ると、元々自分が注目していた高杉真宙と中川大志の両者は、もうあの手のキャラクター……つまり高杉真宙はちょっとオタク寄りの文化系優男、中川大志は逆に熱血漢の番長風のキャラクターを演じると、がっちりとハマっている。
特に、中川大志って『坂道のアポロン』の時も思ったけれど、声がとてもいい。声優の細谷くんに似ている声質で、乱暴な中にも朴訥とした優しさがあって、それに惹かれていくね」
カエル「そして主演の佐野玲於はどちらかといえばEXILE系の印象もあって、ヤンキー風の印象もある役者だったけれど、今作で大きくイメージを変えてきたね」
主「完全に童貞の、女の子に積極的にいけない男の子の役だったけれどしっかりと合わせてきている。
歳も22歳くらい? と少し年上だけれど、制服もきっちりと似合っていて、少し驚いた部分もある。
むしろ、この男性陣では1番年下の中川大志が大人っぽく見えたりとかね。
ちょっと濱田岳っぽい部分もあって、いい演技だった。
横浜流星はこの手の作品でありがちなモテモテ系チャラ男だけれど、他の3人とかぶらないからこその魅力がある演技だったよ」
カエル「他にも教師役の滝藤賢一はキャラクターもとても個性が強く、登場するだけで笑いが起きるなど、コメディとしても優れている描写が多かったね!
4人の行動が本当の高校生男子っぽくて、それが面白かったなぁ」
それぞれの性格も個性も違うからこそ生きる、普段のバカバカしさ!
(C)2018「虹色デイズ」製作委員会 (C)水野美波/集英社
女優について
カエル「一方で、女優陣に対してはどうだった?」
主「こちらも基本的には賞賛だよ。
当然のことながら、この手の作品は美男美女の見本市になるけれど……しっかりとヒロインの吉川愛は『世界一の美少女』になっていた。この世界の中で、誰にも負けない可愛い女の子として光っていた。
ちょっとおかっぱの影響もあるのか、橋本愛のように見える部分もあったかなぁ。これは自分が橋本愛が好きだということもあるかもしれないけれど」
カエル「容姿についてはさすがに文句は出にくいよね」
主「でも、そんな容姿のことばかりでもはなく……例えば自分がよく言うのが『食事シーンでご飯を食べない問題』でさ。食卓を囲んでいるのに、アイドル系の役者は減量のために食べないシーンが多い。
だけれど、彼女はケーキなどの甘いものを食べるシーンでしっかりと口にしているし、何口も食べている。
体型維持のために食事制限を余儀なくされていると想像する中で、当たり前のことではあるんだけれど、この根性だけでも評価するべきだと思うよ」
カエル「それから……親友のまりを演じた恒松祐里については?」
主「恒松祐里が女性役では1番難しかったんじゃないかな?
怒っているような演技も多くて、そこは損しているなぁ……と思いつつも、笑顔になるシーンではしっかり可愛らしい。心を開いた人にはとても優しい、いい子だというのが伝わってくるし……ある意味では1番葛藤している子だからね。
1番うまい女優さんはこの子になるんじゃないかな?」
カエル「ふむふむ……それから、あとは堀田真由と坂東希だけれど」
主「今回最大の収穫は坂東希を知ったことかもしれない。
こちらもLDH関連の、E-glis系の女優らしいけれど、存在感があったかなぁ。
堀田真由も良かったし、コスプレ姿がめちゃくちゃ可愛いので必見です」
男性だけでなく、女優陣もいい作品です
(C)2018「虹色デイズ」製作委員会 (C)水野美波/集英社
役者を生かす演出
この映画で1番大きいのはここかもねぇ
役者が良かったのは演出が良かったからというのが大きい
カエル「男役4人の個性がぶつかりあわなかったように、配慮していたもんね」
主「例えば、ダメな映画の場合は主役たちをモブと同じ制服を着せて、しかも着こなし方も同じにする。
だけれど、学校の制服って全く同じように見えて、みんな着こなし方が違う。
本作ではそれが徹底されていて、例えば大人しめなメンバー……なっちゃん(佐野玲於)やつよぽん(高杉真宙)は下にカーディガンを着たりして、真面目な印象を与えている。
一方でチャラ系のまっつん(中川大志)や恵ちゃん(横浜流星)はシャツの前を開けたり、ボタンをあまり上まで閉めなかったり、ネクタイを締めなかったりということでチャラさをアピールしている」
カエル「細かいようだけれど、小物がチェーンだったりね。そういうちょっとした違いで個性を発揮しているんだ」
主「それは女子やモブも同じで、カーディガンの色、カバン、靴下の長さとか色々な部分で個性を演出している。
本作は四季と共に物語が進むけれど、その度に服装も変わっていく。
もちろん、私服もある。
その色々な衣装や美術が作り込まれているんだよ。
その象徴がオタクであるつよぽんの部屋で……あれはあれで中々カオスだけれど、やはりオタク男子感を作ろうと頑張っているのは伝わってきた。まあ、本物のオタクからすると違和感がありますが!」
カエル「……爽やかなオタクだからあれくらいでいいんじゃない?
もちろん美術以外でも構図などの映像演出でも見所の多い映画です!
特に……わかりやすいのは長撮りの動きがあるカットが多かったりして、観客を引きこもうとしているのがよく伝わってきます!」
以下ネタバレあり
欠点について
どうしても拭えない違和感
では、ここからはネタバレありで語っていきます!
最初は批判意見からいきましょうか
カエル「う〜ん……どうしても展開の速さが気になる部分もあるんだよねぇ……どことなくダイジェスト感があるというかさ」
主「本作は4人の男子生徒を中心とした物語だけれど、どうしても数が多い分1人1人に対する物語が薄くなってしまう。
特に恋愛話だけれど……もう少し間があればいいなとか、ここは尺が欲しかったとか……いつの間に? という関係に陥っている部分もあったかな」
カエル「まあ、この人数じゃどうしようもないけれどねぇ……特にそのあおりを食らってしまったのが、先生とクラスメイトの千葉ちゃんかなぁ。
とてもいいキャラをしていたのに、出番自体はそう多くないというか……」
主「特に個人的に違和感があったのは千葉ちゃん(坂東希)でさ。
あれだけスポットライトを浴びていたけれど、物語自体には……まあ、絡まないってわけでもないけれど、モブに毛が生えた程度かなぁ、という印象がある。
というのも、彼女の立ち位置はとても独特で重要なものなんだ」
カエル「他の3人が恋人や恋愛関係に発展していくのに対して、千葉ちゃんはずっと友達であり、悪友ポジションから出て行かないからねぇ」
主「あの子のポジションってとても独特で、特に最序盤では他の女子生徒よりも活躍しているし、服装なども女であることを強くアピールしてこない。例えば、スカートの下にズボンを履いていたりね。
つまり、あの子は4人と恋愛関係などに陥らない女子生徒としてとても重要な立ち位置にいて……その彼女の使い方が少し下手というか、もっといい使い方があったんじゃない? という思いはあるかなぁ」
どうしても恋愛が中心になりすぎて、大事なことがぼやけているような……?
(C)2018「虹色デイズ」製作委員会 (C)水野美波/集英社
作品の軸は?
カエル「本作最大の不満というと、やっぱりここかもねぇ」
主「どうしても人数が多い群像劇ということもあるのだろうけれど……物語自体がばらっと散らかっている印象があった。
主軸となるのはなっちゃんの恋愛劇であり、そこにまっつんの恋愛が絡んでくるけれど……その恋愛がメインとなるには、ちょっと物語が弱いようにも感じられてしまった。
特に1番難があったのがつよぽんでさ。
彼の物語は何1つとして解決していない」
カエル「つよぽんは『彼女と進路(やりたいこと)の天秤に迷う』という、ある意味高校時代では最も重要な問題を扱っているけれど、その悩みは恋愛問題が進むにつれてどっかいってしまうよねぇ」
主「自分はむしろ彼らのその後、つまり『終わり行く青春』にどのようにケリをつけるのか? ということに興味があったから、その意味では肩透かしな部分もあった。
それならばつよぽんは4人の中で唯一恋人のいる、ある種の先輩として描くのが最適だったのでは? という思いもある。
だけれど、つよぽんで描かれた悩みは青春期のものでは大事なことだから……やるならもっとちゃんとケリをつけて欲しかった。
ちょっと散らかってしまった印象が強いのが、少し残念だなぁ、と思ってしまうね」
褒めるポイント
挿入歌について
ここからは褒めるポイントです!
自分がものすごくテンションが上がったのが、やっぱり挿入歌の存在だ
カエル「特にその楽曲に思い入れがあると、余計だよねぇ」
主「例えば、先ほどから名前を挙げている阿部真央の『17歳の唄』という楽曲が使われているけれど、10年弱前に発売された時に結構聞いていたアルバムなのね。
阿部真央がリアル17歳の頃に作った歌だけれど……特にこの『ふりぃ』というアルバムは女子高生が抱える悩みや、切ない思いを歌っていて、その等身大の歌詞が自分にもとても強く響いた。
それをまり(恒松祐里)の心情とリンクさせているけれど、やはりここで一気にテンションが上がってさ……これは個人的な好みの問題も含むけれど、よくこの楽曲を使ったなぁと感心した」
カエル「特にファンだし、10年間聴いてきた思いがあるから格別だよねぇ」
主「これで同じアルバムに収録されている『Don't liave me』という曲だったら、自分は号泣していたかもしれない。
とても大好きな歌でさ、簡単に言えば『好きな人に他に好きな人がいて、取り残されてしまう自分』を歌った曲なんだよ。
友達と恋愛の境目を超えてしまった恋心を表していて……それがまりの心境とリンクしている。もちろん17歳の唄もいいけれど、こっちだったら曲調も含めて自分好みだったかなぁ」
カエル「……とことんピンポイントなわがままだね」
主「あと、SUPER BEAVERの『your song』もものすごくいい歌でさ、好きな人に色々と伝えたいけれど、その言葉では僕の気持ちを表現できないって歌なんだけれど、それが彼らの気持ちとガチっと一致している。
強いて言えば!
この挿入歌が終わるタイミングに文句がある!
あそこからがいいのに!
1番好きなポイントを外されたのは、ちょっとなぁ……」
カエル「……いや、それやっていたら5分以上挿入歌が続くからね?
どこまでも個人的なわがままだなぁ」
主「この楽曲のチョイスがとてもいいなぁ。
フジファブリックの『虹』も虹色デイズを意識したチョイスだろうし『バウムクーヘン』もよく合っていた。そのあたりのこだわりがよく感じられる楽曲だったね」
演出について
カエル「映像作品としての演出についてはどうだったの?」
主「かなり工夫されていると感じたかな。
例えばさ、お決まりの基本的な太陽と影の演出だけれど、割と序盤の方でまっつんと恵ちゃんが2人で『恋がしたい』みたいな話をしているシーンがある。
頭上には夕日がとても強く輝いていて、逆光で2人は真っ暗なんだよ。
つまり、ここでは『恋を知らない(恋をしていない、自覚していない)』というのを影にすることで表現している。
光の中にいるなっちゃん、つよぽんとの対比になっている」
カエル「ふむふむ……基本的にキラキラと輝くシーンが多いけれど、それも青春や恋のきらめきを表現していると思えば、スイーツ映画の王道の演出だよね」
主「そして色々とトラブルがあって、学校の屋上で4人が対立する瞬間がある。その時、なっちゃんが逃げ出すけれど、校舎の中へと走っていく。そこでは影になっていて、残された3人は光の中で、なっちゃんは影の中へと走っていくんだ。
つまり、恋を諦めた……あるいは失ったということを映像で表現している。
こういう1つ1つの演出はとてもグッとくるものがある」
3人それぞれが抱える思いとは?
(C)2018「虹色デイズ」製作委員会 (C)水野美波/集英社
構図のうまさ
続きましては、構図に関するお話です
計算されていていいなぁ……
カエル「えっと……じゃあ、印象的だったシーンを上げていくとどこ?」
主「そこまで派手ではないけれど、たとえば中盤かなぁ……ベランダで佇むまりをまっつんが『文化祭を一緒に楽しもう』と誘うシーンがあるけれど、そこはとても良かった。
ベランダに2人とモブの生徒がいるけれど、画面の手前側にまりがいて、まっつんは最初に奥にいるんだよ。それで、まりに気がついてゆっくりと近づいていく。これだけで『2人の距離が近づいていく』というのが表現されている。
だけれど、ここでは2人の姿はまだちょっと遠めに撮られていて、小さい。ここで2人の距離感が縮まってはいるけれど、まだあることを表現している。
そこからの……ある大きなドラマがあるけれど、この伏線というか、演出のメリハリはとても良かった」
カエル「ふむふむ……他には?」
主「特に良かったのは、先述の4人が喧嘩をするシーンでさ。ここでは最初まっつんがちょっと大きめになるような構図で撮られている。もちろん、中川大志の体が他の3人に比べてとてもいいのもあるけれど、それ以上に『彼が1番怒っている』ということを示すようにできている。
そのあと、なっちゃんとまっつんが対立する。
そのシーンではなっちゃんが少し上に上がって、まっつんは少し窪みにいて、目線が合うようになっているんだよね。
ここで2人は対等に喧嘩をしている、言い争っているということを表現していて、とても良かった。
他にもなっちゃんと杏奈(吉川愛)が気まずくなった時のごみ捨て場であった時の構図などもよく練られていて、とても好きです」
ラストの快感
カエル「そして何よりもラストシーン付近の最も盛り上がるシーンだよね!
手持ちカメラで一気に階段を駆け上るなっつんの後ろ姿をグッと追っていくあのシーンで『青春ってこれだ!』と強い感動があって!」
主「この映画は濡れて始まり、濡れて終わるけれど……スタートの時は正直意味がわからない部分もあった。
『何でこの映画ってこんなに濡れているんだ?』って。だけれど、終盤を観ると全部納得する。
あ、この映画はこのエモーショナルな快感を描きたかったんだ! って」
カエル「そのシーンで一気に興奮して、それまでの全てがこのシーンのためにあった! という強い快感があるもんね……」
主「いけ! いけ! いけ! って激アツだったもんねぇ。
ここで『上がる』『走る』『濡れる』という青春映画における快感をもたらす演出を使い切っていて、一気に快感が増していく。そしてあのラストシーンを見せつけられたら……もう納得する以外、何もないんだよ。
強いて言うならば……この後で『ハルチカ』や『PとJK』のようなEDだったら最高だったかなぁ……せっかくダンスができる人たちがいるから、もっと爽やかな爆発を見せて欲しかったというわがままが言いたくなる」
個人的な考察
ここからは与太話です
この映画って山田尚子感がとても強いんだよ
カエル「……山田尚子? 京アニのアニメ映画監督の?」
主「そう。例えば、序盤の『気になる子に用事があって会いにいったけれど、友人に断られて扉を閉められる』というシーンはそのまんま『聲の形』にあったわけじゃない?
それから、文化祭で物語が終わるというのも同じでしょ?
あとは、まりと杏奈の関係性は『たまこラブストーリー』に近いところがあって、だからこそまりの決断がとても大きな意味合いを持つんだけれど……」
カエル「青春映画におなじみのシーンが多いということでもあるんだろうけれど……」
主「青春期の終わりの予感を幸福に描く、というのは山田尚子がずっと描いてきたことで……それと同じことをしようとしているから、というのは大きいかもしれない。
ただのオタクの戯言レベルだけれど……類似性を感じさせる部分が他にもちょこちょこあって、これは面白いなぁ、と思いながら鑑賞していたね」
まとめ
では、最後にこの記事のまとめです!
- 役者陣、演出が織り成す青春劇が見事!
- 特に若手役者の魅力が詰まった、見事な恋愛映画!
- 一方では脚本はまとまっているものの、少しは粗も……
- (個人的な好みも含めて)挿入歌のチョイスがいい!
全体的に評価が高いです!
カエル「いやー、やっぱり見に行かないとわからないもんだねぇ!
こんな青春を僕も送ってみたいなぁ……そう思うでしょ?」
主「いや、全く」
カエル「……えー? そこで意地をはるの?」
主「これは青春のキラキラした部分をかき集めているけれど、青春は同時にドロドロした部分も多いんだよ。
だけれど、そのドロドロがあるからこそ将来の糧になっていく。
だいたいさ、考えてみ? こんな青春を送ったら、今頃は子供を持って休日には子供と一緒に家族サービスをしなければいけなくなるんだよ? そしたら、映画ブログなんて書いていられないじゃないか!」
カエル「……いや、それが世間でいう幸福像なんじゃないの?」
主「そんなものとは決別した! こちとら、オタクにはオタクの意地があるんじゃ!
ビバ・オタク!」
カエル「……こじらせてるなぁ」