では、話題の実写版ブリーチの感想記事になります!
……ブリーチ、にわかファンですらないんだよねぇ
カエルくん(以下カエル)
「えっと、有名作品だけれどどのくらい知っているの?」
主
「10年以上前に、話題になっている時にちょろっと読んだくらい。あとは好きな友人y知り合いに話を聞いたり、ネットの情報で知っているくらいかなぁ。
あとアニメのOPとEDはよくチェックしていた。
音楽も素晴らしいし、何よりも演出がとてもいいし。
ちょっとコアな話をすると石浜真史ファンなので、あのシドが歌うEDで『死神などが見えていない人には街のものが急に壊れたように見える』という演出には痺れたね」
カエル「えー、だいぶ偏った知識を持っているんだね。どこまで読んだの?」
主「ちょうど7巻までだから、今回実写化する部分くらい」
カエル「……7巻? そこからが面白くなって、ブリーチの全盛期じゃない?」
主「まあ、そうなんだけれど、そこで止まっちゃったかなぁ。当時から大人気だったんだけれど、なんか読む機会を逃し続けたかな。
なので10年前に7巻まで読んだ印象で語って行きますので、にわかですらない意見になります。ご了承ください」
カエル「……では、記事のスタートです!」
作品紹介・あらすじ
週刊少年ジャンプで連載されていた久保帯人原作の大人気少年漫画の実写映画化作品。死神代行となり、人々に危害を与える虚(ホロウ)と呼ばれる悪霊を滅ぼすために、奮闘する、原作では7巻までの物語を描く。
監督は『アイアムアヒーロー』『GANTZ』など迫力のある大作アクション邦画を多く担当していきた佐藤信介が担当し、脚本は羽原大介と共同で務めている。
主人公、黒崎一護には福士蒼汰、ヒロインの朽木ルキアには杉咲花を起用し、吉沢亮、真野恵里菜、早乙女太一など20代の人気のある役者を中心とし、江口洋介、長澤まさみ、田辺誠一などのベテランが脇を固める。
幽霊が見える高校生、黒崎一護は過去に虚の手によって母親を失くしていた。ある日、人の魂を食らう虚が黒崎家に現れ、窮地のところを死神と名乗る朽木ルキアに救われる。
しかし、その戦闘中に負傷したルキアの代わりに、皆を守るために一護は死神代行として虚との戦いに巻き込まれていくのだった……
映画『BLEACH』キャラクター予告(石田雨竜編)【HD】2018年7月20日(金)公開
感想
それでは、ツイッターの短評からスタートです!
#ブリーチ
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2018年7月21日
ああ、佐藤信介だなぁ
無難に迫力あるようにまとまってはいるけれど、あんまり面白くはない
どうしてもコスプレ感は否めないよねぇ
役者陣がなぁ
頑張っているとは思うけど…うん…… pic.twitter.com/iKHmuhSsUF
悪くはないけれど、良くもない作品かなぁ
カエル「最近ずっとそんな評価の作品が続いているけれど、でもいうほど酷くもないし、かといって褒めるほどでもないんだよねぇ……」
主「同日公開の『未来のミライ』は絶賛と酷評、両本の面があっての『評価が難しい』なんだけれど、本作は別に取り立てて褒めるポイントも貶すポイントもないという意味で、評価が難しい。
1番感想を語りにくいタイプの作品かなぁ……
そんなに原作にも詳しくないし」
カエル「CGや戦闘シーンは良かったけれど、それも今作が特別いいか? と問われるとねぇ」
主「物語自体も退屈なシーンも多かったし、かなり眠気に襲われたけれど、でも一応形にはなっているし、欠点もあるにはあるけれど、そこまでいうほどでもないかなぁ。まあ、原作があるから、これは監督や脚本だけの責任ではないし、いろいろな大人の事情も絡むのはわかるけれどさ。
なのでちょっと面白みの欠ける評価になります」
佐藤信介監督について
カエル「今回監督を務めた佐藤信介監督は、とても多くの漫画原作の映画を量産していて、今年は『いぬやしき』に続いて早くも2作目の大作が公開しています」
主「自分は佐藤信介作品って、漫画実写映画も多くて賛否も別れやすいけれど、でも無難に仕上げる腕のある監督だと思っている。
色々言われがちなデスノートですらも、あれはあれで原作やドラマなどが描いてこなかった、新しい形のデスノートを模索している作品だと、ある程度の評価されてもいい作品だと思っています。」
カエル「それこそ『アイアムアヒーロー』なんて傑作という人も多い作品だしね」
主「デジタル技術の使い方もとてもうまいし、アクション重視の漫画原作映画でこれだけ重用されるのも良くわかる。
そして、佐藤監督って……1作の映画としてある程度の形にまとめる能力があるんだよね。
一応映画として、物語として成立していながらも、続編が作れるようにもなっている。
それって、続編があることや、その先のお話があることの方が圧倒的に多い漫画原作作品で、これができるという点だけでも、多くの仕事が舞い込むのは納得する」
カエル「本作も大ヒットして続編を作れても問題ないし、仮にダメになってここで終わりでも特に問題ない作りだからね」
主「その無難にまとめる能力が原作ファンからは賛否を呼び、原作を知らない層からは『まあ、普通かなぁ』という評価になる原因かもしれないけれどねぇ。
自分は賛否が割れるくらいの映画がいい作品だと思っているので……」
役者について
では、本作の役者について語って行きましょう!
辛口評価になっちゃうかなぁ
カエル「漫画原作作品ってどうしてもコスプレ感が拭えない部分もあって、役者を責めるのは可哀想になることも多いけれど、本作はどうだった?」
主「まあ、等しく酷いんじゃない?
そりゃブリーチも10年以上前に7巻くらいまでしか読んでいないにわかの意見だけれどさ、役者とキャラクターの印象が違うと思うことも多々あったし」
カエル「えっと……まずは福士蒼汰から!」
主「一護のイメージには合っていたんじゃないかなぁ?
ただ、演技があんまりうまくないというか……一本調子なところがあるからなぁ。酷評でもないけれどさ。
そもそも、じゃあ誰ならいいんですか? と言われたら……思い浮かばない」
カエル「そしてヒロインのルキア役の杉咲花ちゃんですが……」
主「個人的には彼女が致命的にダメです。
やっぱり自分と相性がとても悪い。
そもそもルキナには見えないかなぁ?」
カエル「え〜? でも上手い若手女優っていう人も多いよ? うちでも以前に褒めているし」
主「彼女の実写の演技って、なぜか怒っている役ばっかりなんだよねぇ。
それが1つの演技の型であり、あの歳でそれを会得しているのは稀有な才能の持ち主かもしれないけれど……
自分が単純に……彼女がどうこうじゃなくて、怒ってばかりの人は見たくないというのもある。
すぐ怒鳴ったりするしさ、何回叫ぶな! って言いたくなったか。棒読みの箇所もあるし、出てきた当初は早口だし、予定調和な、台本が見える演技しちゃっているし。まあ、これはこの映画の全てに言えるけれど。
でも、彼女の実力を疑問視しているわけじゃなくて『メアリと魔女の花』の演技は良かった。
怒っている顔ばかりで、笑っている顔や演技をほとんど見たことない。そこが本当に残念で、もっといい役をつかんでほしいと願ってしまうほど。
本作はやっぱりキャラクターとの相性と演技指導、演出の問題も多いと思う。この作品は全体的にみんな役者が……という印象も多かった」
褒めはしないけれど、でも誰が演じても同じかも……
そもそも演技や役者以前の問題?
カエル「えっと……他には最近結婚を発表した真野恵里菜とか」
主「織姫を演じるには胸がねぇ……というのはセクハラか?
でも、真野ちゃんの方がルキアに向いているんじゃない?
あと、やっぱりもう高校生役は辛いよねぇ。
昨年公開の『覆面系ノイズ』は童顔もあって、全く違和感がなかったけれど、流石に本作は違和感があった」
カエル「それでいうとこの作品の登場人物はみんな違和感があったんじゃない?」
主「みんな20歳超えているもんねぇ。
1番若いのは杉作花ちゃんか? 彼女はそこまで違和感がなかったけれど……他のキャストもさ、年齢も含めて、コスプレ感が満載になってしまう。
大人である田辺誠一なんて酷いよ。浦原は元々不審者のような姿だけれど、あれは不審者を通り越して、ただの変質者。
そこが大きな問題かなぁ。あとは子役も典型的な日本の子役演技だし、ちょっと見ていて辟易した部分もある。
重ねていうけれど、これは作品の方向性と演技指導や演出の問題であって、役者だけの問題じゃないよ。
むしろ、誰がやっても同じかもしれない。
漫画原作映画の課題の1つでもある」
カエル「逆に良かったのは? 誰もいない?」
主「圧倒的に江口洋介は良かった!
彼はコスプレじゃないし。現実にいそうなキャラクターで、しかも江口洋介らしさ満点だし、文句なし!
ここまで色々語ったけれど、やっぱり漫画原作の難しさがあったということだ。こればっかりはなぁ……やっぱりブリーチの映像化が無理だという結論にならざるを得ないかもしれない」
以下ネタバレあり
作品考察
ブリーチらしさとは?
では、ここからはネタバレありで語って行きましょう!
う〜ん……全体的にオシャレ感が足りないんだよなぁ
カエル「ブリーチのにわかですらない僕ですら、そのオシャレ感がとてもすごいっていうのは知っているほどだしねぇ」
主「色々と工夫された演出はあったよ。序盤に文字で説明したりとか、あとは音楽を入れるタイミングとかも、計算自体はよくわかる演出だった。
だけれど、それがブリーチらしいオシャレ感が出ていたか? この映画の特徴になっていたか? というと、それは違うんじゃないかな?
なんか、演出が滑っている印象も受けるんだよね」
カエル「……演出がスベる?」
主「ちょっとダサいなぁ、と思うようなものが多かったかも。
ブリーチってネタにされることもあるけれど、単行本1冊読むのがめちゃくちゃ早いと言われるほど、文字が少なくて絵で主張してくる作品だ。なんだかんだ言っても画力に関しては文句もあまりない。キャラデザなども含めて、描き方はとてもいい」
カエル「ハンターハンター1話を読むのと、ブリーチ1冊読むのでは、もしかしたらハンターハンターの方が長いかもね」
主「じゃあ、とてつもなく魅力的な構図とか、印象に残る映像がありましたか? と問われると、自分は残念ながらそのようなシーンも見受けられなかったかなぁ」
音楽の挟み方やOPはとてもお洒落で好きです
アクションシーンについて
カエル「あれ? でもさ、アクションシーンはすごかったんじゃないの?」
主「もちろん劇場で見る価値のある、レベルの高い映画だよ。
だけれど、絶賛して『これはとてもつもない映画だ!』と言えるのか? というと、そういうものでもない」
カエル「でもさ、斬魂刀を用いた剣戟などは見応えがあったじゃない!」
主「そこもちょっと難しくてさ……確かに高速移動やカメラの切り替えの早いカット割りなどの演出方法でかなり迫力のある映像に仕上がっている。
それは間違いないよ、見応えがある。
だけれど、同時に違和感を覚えてしまうのは……なんていうか、昔の白黒映画の時代劇って『すごいな!』と思わせてくれるの。
映像技術はいまよりも低いはずなのに」
カエル「歴史に残る作品たちだからねぇ」
主「『隠し砦の三悪人』などで、三船敏郎がただ刀を構えて馬に乗って疾走するシーンだけでも、鳥肌がたつくらいかっこいい。他にもさ、間合いの取り方や一瞬の読み合い、そういったかっこよさもある。
本作はそういう格好良さではなくて、派手な演出でカバーしているけれど……なんていうか、その動の派手さを見れば見るほど、日本のあの殺陣の美学は失われたんだなぁ、という気分にもなってくる」
カエル「え〜? それを言い出したら本作だけじゃないよ?」
主「いや、まあそうなんだけれどさ。
CGの作り込み、現代の街並み、綺麗すぎる衣装をはじめとしたコスプレ感が混じるし、どうやっても斬魂刀が本物の刃物には見えないことで、どうにも動きを演出でごまかしているようにも思えてしまったかなぁ。
刀を構えるシーンで真面目にやっているのが、チャチャに見えてしまう部分もあって……無茶苦茶なことをいうけれど、実際の日本刀だったら迫力も段違いなんだろうな、って思ってしまう。
これはもう、現代で映画を作る上では、しょうがない部分かもしれないけれどさ」
カエル「え〜? でもそれはもう無理なことだよ。
頑張っていたと思うけれどなぁ」
脚本について
では、いつもよりは軽くになるけれど、脚本についても触れておきましょうか
基本的には漫画に沿っていたんじゃない?
カエル「記憶も曖昧だけれど、なんとなくこんな話だったなぁ、というのは思い出せたかな?」
主「ツイッターなどを見ても改変に対する不満点は少ないかな。
で、それを実写映画として観ると……まあ、ちょっとは違和感があるのも事実。
例えば、ホロウがやってきた記憶がなくなるから、トラックの事故でごまかしているけれど、流石にあれを実写でみると違和感がありまくる。
もちろん、それだけ適当な改変で誤魔化しているという描写でもあり、記憶改変の効果が大きいという描写だろうけれど、それでもねぇ」
カエル「現代だと防犯カメラなどもあるし、住宅地だからもっと大騒ぎになってもおかしくないよね。いくら一般人には見えないと言ってもさ、物損はあるわけだし……」
主「これは野暮なのかもしれないけれどさ。
あと、気になったのは物語のメリハリがあまりないように感じられたこと。
なんていうか、全部同じテンションで描いていて、山場と谷間の差があんまり感じられなかった。
物語って、山と谷があってそれが交互に来ることでメリハリを生んでいる。だけれど、本作はアクションや修行の描写が多くて、谷があまりないというか……結構一本調子な印象を受けたんだよねぇ」
……これでいいの?
物語での文句では……やっぱりこれで本当にいいの? って思うよねぇ
まあ、1作にまとめるための判断だったのはわかるけれど……
カエル「ソウルソサエティに行かないし、行ったらそこからが全盛期の声も大きいとても有名で面白いエピソードに入るけれど、それは明らかに長いから前後編になりそうだしねぇ」
主「多分、制作サイドとしては『るろうに剣心』を想定していたと思うんだよ。
最初に1作作り上げて、そのあとに人気が出たら〇〇編って続編に手を出すと。
本作のエグゼティブプロデューサーの小岩井宏悦はるろ剣も担当しているし、その思惑は当然あるでしょう」
カエル「最初から続編込みで始めると『ジョジョ』の二の舞になりかねないしね。あれも作品自体はいうほど悪くもないけれど、叩かれて続編の話が一切なくなっているし……」
主「だからこそ、1作にまとめるならば、そりゃ7巻までの内容をまとめるべきだし、その判断は間違っていない。だけれど、切り方が強引すぎる。
あれじゃ一護は全く成長していないじゃない?
チャドや織姫はなんのために出てきたの?
浦原はなんだったの?
それは原作を読んでいたら理解できるけれど、この映画だけでは消化不良もいいところだ。
結局一護は過去の事件にケリをつけたけれど、彼自身成長したとは言い難い」
カエル「守れられてルキアに庇われて終了だからねぇ。しかも、それで記憶改変で『思い出すかもよ』っていうのは、夢オチとあまり変わらない終わり方だし……」
主「消化不良もいいところでさ……この悔しい思いをしたからこそ、その次のエピソードが面白くなるということもあるんだけれど、ここで切るとなぁ。
どうだろう、結局原作ファンも初見さんもにわかもモヤモヤする半端な映画になってしまったのではないかな?
まあ、それも含めて『無難』という評価を下すんだけれどね。多分、激怒するって人はいないと思うんだよ」
まとめ
では、この記事のまとめになります!
- アクションシーンは見所も多いが、特別優れているかというと……
- コスプレ感は否めないのは、役者だけの責任ではない
- 物語があまりうまく構成されていないのは残念
あくまでもにわかの意見ですが
カエル「漫画原作映画の難しさがはっきりと出てしまった形だよねぇ」
主「特にブリーチもさ、和風な世界観だけれど西洋風の顔立ちのキャラクターが多いじゃない。しかもスタイル抜群でさ。
今回は出ていないけれど、夜一なんて誰が演じるのよ?
自分は褐色で巨乳じゃない夜一なんて認めないよ?」
カエル「グラビアアイドルも真っ青なスタイルばかりになるからねぇ」
主「現代を舞台としていて和装で日本人キャラクターのアクション作品だから、実写版に手を出すのはわかるけれど……やっぱり難しさが出てしまった印象かなぁ」