今回はかなり公開から時間が経ちましたが『トップガン マーヴェリック』について語っていきます!
これは2022年の大ヒット作品として語っておかないといけないかな
カエルくん(以下カエル)
今更ながら、なんで語ろうと思ったの?
主
元々、そんなに語ることはないだろうなぁ……と感じていたんだよ
カエル「大ヒット作品=語ることが多い作品、ではないからね」
主「熱い洋画ファンが多いだろうし、自分はアニメに全振りしてもいいかなぁ、とか思っていてさ。そんなに思い入れがあるタイトルじゃないし。
でもこれは観とかなきゃいけないぞ! ってなことで鑑賞して、思いの外語りたいことが多かったので、今回遅ればせながら語りました」
カエル「なるほど……それでは、記事のスタートです!」
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感想
それでは、Twitterの短評からスタートです!
『#トップガン マーヴェリック』
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2022年7月24日
誤解を恐れずにいうならば本作は
○中身の薄い面白さ
○おじさん達向けのいわば「なろう系」
に満ちていて娯楽大作としてかなり高い完成度を誇ると感じました
特に音楽と音響が素晴らしい…!
OPからぶち上がりますね pic.twitter.com/ZuCD1JSx1k
ちなみに褒めてますよ、ちゃんと
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2022年7月24日
これは流行るの、わかる気がするなぁ
カエル「だいぶ遅い鑑賞になりましたが、本作は日本だけでも興行収入100億円を突破しました!
それだけ多くの人に愛されているし、近年はどうしても劇場はアニメ映画は好調だったけれど、洋画で好調な象徴的な作品がなかったから、今作がその地位についたという形だね!」
主「確かに娯楽映画として、完璧に完成されていたね!
これから色々と語るけれど、自分もあのOPで確かにテンションがぶち上がったよ」
音楽と映像の魅力がものすごく大きかったんだね
それを邪魔しないのが、とても娯楽映画としての強さを感じたよ
1作目の『トップガン』について
トップガン前作は観ているの?
観たけれど、思い入れがあるタイプではないんだ
カエル「80年代を代表する1作であるだけに、熱いファンも非常に多い作品ですが……とりあえず前作の印象と簡単に述べると、どんな感じ?」
主「よくできた青春映画だなぁという感覚だったかな。
簡単に述べるけれど、80年代というのは戦争映画も二極化してくる時代だ。
それまで戦争映画といえば『地獄の黙示録』だったり、あるいは『ランボー』などのように、戦争の暗い面を強調する作品も多かった。反戦的な雰囲気を携えた映画、とでもいうのかな。
一方で時代はベトナム戦争も終わり、レーガン政権のへと移行。その後はパパブッシュも含めて、共和党の時代となるわけだ」
つまり、保守的な映画への移行ということだね
その時代に生まれたのが『愛と青春の旅だち』だったり、あるいは本作のような、青春の爽やかさを携えた軍隊ものだ
この辺りは以下の記事が詳しいから、参考にしてください
基本的には『トップガン』の構造とは『愛と青春の旅だち』と同じだと言ってもいい
カエル「軍人が青春になる時代であり、映画の描き方が厭世的な軍隊から、若者が憧れるような軍隊へと移行していく時代だね。
それこそ、共和党の時代って印象もあるかなぁ」
主「そのことに対する反応は色々あるだろうけれど……これから語るけれど、前作の『トップガン』というのは、言ってしまえばその青春期の憧れと成長で成り立っているような映画なんだ。
もちろん、音楽の使い方や機体のかっこよさもあるだろうけれど、そういった"カッコいい"だけで成立しているような映画といえる。
戦争の過酷さも語らない、仲間は傷つくけれどそれが決定的な厭世的気分にさせない……それはある意味では"中身がない"ことにつながるかも知れない。
だけれど、それが娯楽作品としての強さでもある」
作品考察
『トップガン マーヴェリック』の"中身がない"強さ
何度も呟いているけれど、今作が”中身がない”というのは、悪口ではないの?
どちらかというと褒め言葉かなぁ
カエル「そういえば、岡田斗司夫が『トップガンマーヴェリックは中身がない』と語ってプチ炎上していたけれど、それと同意見なわけ?」
主「まぁね。
岡田斗司夫の映画論評は、どちらかといえば自分はゲラゲラ笑いながら観ているけれど……というか、自分の映画感想も『ふむふむ……』と感心されるよりは、ゲラゲラ笑いながらこんな意見もあるのね、くらいで受け止めてほしいと思っているけれど、今作においては全く意見が同じになる。
本作は徹底的に”中身がないように脱色”されているんだよ」
中身がないだけでなく、脱色しているの?
非常にセンシティブな問題を扱いつつも、それを感じさせないようにしているんだ
主「例えばさ……今回の敵って、どこの国?」
カエル「え? どうだろう……核開発をしているから北朝鮮とか、あるいは中東の国だったりするのかなぁ。
でも雪が積もっているから、暑い国ではないよね……。
となるとロシアとかだけれど、ロシアって別に核保有していても国際条約的には問題がないし……あとはアメリカと対峙する関係の雪が積もる国ってどこだろう」
特定の国ではないとは思うけれど……
つまり、そういうことなんだよ
主「今作がどこか実際に存在する国であれば、明確に政治性が生まれてしまう。
例えば80年代ならばまだ冷戦時代だった。だけれど、例えばこれが砂漠地帯だとしたらイランとか中東を思い浮かべるだろうけれど、それもない。つまり米国とどこかの国の対立を煽るものでも、描写するものでもないんだ。
今作は国際関係や戦争について語る意図はない、という明確な表明なんだよ」
カエル「そういう難しい問題は語らないんだね……」
主「それから、今時の洋画は"ポリコレ"という言葉が吹き荒れている。
人種的多様性とか、あるいは女性の活躍だよね。その目線で見ると、今作も女性のフェニックスが、メインパイロットのキャラクターとして登場している。でもさ、それを過剰に煽ってないよね」
確かに『女性がすごい!』という映画ではなかったよね
自分は今作のキャラクター配置は、とても物語として理に叶っていると感じているんだ
主「例えば軍人が何人もいたときに、パッとみてわかるような個性がほしいじゃない?
そうなると、女性だとか黒人、あるいはボブのようなメガネくんがほしいじゃない。だから配置しましたという程度なんだよね」
ポリコレ的な政治的メッセージはないと?
あっても薄い。
主「全くそのメッセージが気になるようなものではない。
結局、トム・クルーズという白人のイケメンの昔ながらのスターが主人公ということもあるのだろうけれど、そういった政治的な意図やメッセージは一切ない」
カエル「確かに、あの作戦とかそのまんま『スタウォーズ EP4』だったよね。狭いところを高速で移動して、そのまんま小さい的に当てるとかさ」
主「軍事作戦を明確にパロディにすることで、政治性を失わせているんだもん。うまいよね。
実は日本でも似たように政治性を脱色しようとして、逆に炎上してしまった例がある。
『空母いぶき』なんだよ」
あれはあれで意図は明白なんだけれどね
主「実は政治性を抜くというのは、そんなに簡単なものじゃない。特に軍事作戦ものは、リアルになればなるほど、政治性は増していくものなんだ。
だけれど今作はその脱臭に成功し、あくまでもエンタメとして魅せることに成功した。
じゃあ、その脱臭した先に何があるのか?
あるのはただ1つ、"トム様カッコいい!"なんだよ」
トム様かっこいい!に満ちた作品〜なろう系の同じ構造〜
……トム様かっこいい?
やっていることは、なろう系と全く同じなんだよ
カエル「なろう系ってアニメとかで言われているけれど、つまり『小説家になろう!』で連載されているような作品ってこと?」
主「より正確にいうならば、無双系でもいいかも知れない。
これがアニメであれば、異世界転生なんだよ。
すごい能力を持った主人公が、異世界に転生して無双するような話。
もちろん『トップガン』の場合はマーヴェリックは元からスーパーパイロットではあるけれど。教官として後輩たちに指導していく。生意気な後輩たちは教官を侮るけれど、実力が超すごいからやがて認めてくれる。
そして昔馴染みの女性といい感じになって、最後は現場復帰して超すごい能力を見せつけて、不可能なミッションをこなす……
ほら、これだけ見ると、アニメとかで見慣れたものじゃない?」
……まあ、確かにちょっと『お兄様』みたいな声が聞こえてきそうだけれど
これは物語における王道パターンの1つなんだよ
主「例えば……そうだな、自分がいつもあげる例では池波正太郎がそうなんだけれどさ。
『剣客商売』とかは、まさにこのパターン。凄腕の達人のおじいちゃんとその息子が世の悪事を暴いていく、みたいな話だけれど、すごく娯楽作品として完成されている。
今作も、おじさんたちにしてみれば、溜飲が下がるよね」
カエル「『トップガン』に熱中した世代だけでなく、その後の世代でも、若い人に侮られている日々がスカッとするってこと?」
主「そうそう。
さらに若者からしたら『あのおじさんカッコいい!』だし、単純に面白いから満足するしさ。
だからなろう系とか、異世界転生系のフォーマットって、すごく娯楽として強いんだよ。
若者向けの場合は異世界に転生するけれど、おじさん向けの場合は凄腕パイロットが現場復帰するというさ。そしてどちらも無双するのは同じ。
そこに爽快感がある。
だから、本作はその爽快感などを妨げるようなこと……つまり余計な中身、政治的なメッセージなどはいらないわけだ」
逆にそう言ったメッセージがあると、爽快感が邪魔されてしまうと……
まあ、そういう政治的な話でもないからね
主「その意味では、古き良きハリウッド映画そのものと言えるかも知れない。
前作の『トップガン』で語ったように、あくまでも音楽と機体と魅せ方を工夫して、徹底してカッコいいに振って、戦争を語るつもりはないんだよ。でもそれでいいんだ。娯楽というのは楽しいが1番だから。
だから、本作の強みは『中身を薄くすること』『無双系の構造』という2つに、徹底的に振ったこと。
ひいては”カッコいい”を限界突破させたことだ。
そういう作品は誰がみても面白いし、強いよ」
最後に
というわけで、遅くなった『トップガン マーヴェリック』評価でした
悪口が並んだようだけれど、全部褒めてます!
カエル「……色々と思うところがある方もいらっしゃるかも知れませんが、うちとしては褒めてますよ」
主「自分は結構物語の中身に注目しちゃうけれど、中身がないとこれだけ娯楽強度が高まるんだなぁ…と改めて勉強になった。
これはこれで1つの物語形式として、しっかりと心に刻みました」
カエル「……なんか、どこか小馬鹿にしているような気もするけれど、そうじゃないんでしょうね……
勘違いされないように、気をつけないとね……」