今回は『ハウ』の紹介記事になります!
タイトルが短すぎて、検索するのが大変な作品じゃな
カエルくん(以下カエル)
色々と画像とか調べようとすると『ハウス〜〜』とかが出てきて、肝心のハウが出てこないという……
亀爺(以下亀)
しかもハウ以外で検索するのが監督名や、役者の名前になるので、それはそれでめんどくさいというの
カエル「最近の長文になっているタイトルもどうかと思ったけれど、逆にカタカナ2文字というシンプルイズベストでも、こんな弊害があるんだねぇ」
亀「まあ、それはこちら側の問題じゃし『ハウ〜1000キロmの旅路〜』みたいな副題であれば、ダサいと思う人もいるから、これはこれでいいのかもしれん。
あくまでもネット上の検索の問題じゃな。
それでは、早速じゃが感想記事をスタートするかの」
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作品紹介・あらすじ
キャスト紹介
ハウ(ベック・犬役)
赤西民生(田中圭)
安立桃子( 池田エライザ)
鍋島史郎 (野間口徹)
鍋島麗子 (渡辺真起子)
左 ハウ(ベック) 右 赤西民生(田中圭)
感想
それでは、Twitterの短評からスタートです!
#ハウ
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2022年8月18日
今週公開
主演を務めたハウ役のベックくん🐶がとても愛らしい演技を披露していて印象に残ります
映像の端々に犬童監督らしさもありながらも斉藤ひろしが原作・脚本を務めていますが語りたいことがわかりやすいと感じました pic.twitter.com/6EuICcKudG
これは色々と評価が難しい作品でもあるの
カエル「うちとしては、そこまで犬ものって得意でもなくて……そもそも、犬いないし。カエルと亀だし。
だからこういった感動作、いわゆる動物モノは苦手なところもあるんだけれど……という亀とカエルの評価だと思ってください」
亀「犬でしかできない感動、と言うのもあるわけじゃな。
最も人間に忠実であり、深い絆があるとされている動物じゃしの。これは確かに亀やカエルはもちろんのこと、犬と並ぶ愛玩動物の猫でもできない作品じゃ。
そしてこの作品を撮り切った……というよりも、演じ切ったハウ役のベックくんには、賞賛の声が寄せられてもいいのではないかの」
ただ、まさかこういう作品だとは思わなかったと言うのが、正直なところかな
犬童一心監督、あるいは原作者で脚本の斉藤ひろしのやりたいことが、ダイレクトに伝わってきたの
カエル「別に隠しているとか、そういうことではないんだろうけれど……何というか、予告とかから予想する方向とは全く違う部分に行くんだよね。
これがまた意外で、そこが賛否分かれてしまうポイントかもしれないかな」
亀「あまり深く話すと楽しみを奪ってしまうが、今の段階で言えることは『色々な意味で優しい』を目指している物語になっているということかの。
この映画を観た時の反応は……かなり分かれてしまうかもしれんな」
良かった点
名役者・ハウ!
では良かった点について語っていきましょう
何と言ってもハウ(演者ベック)の演技ではないかの!
カエル「今作はハウと名付けられた犬が主人公なんですけれど、彼がとても愛らしい演技を披露していました!
可愛いし、健気で、とてもいい子なのが画面越しで伝わってきて…!
あのモフモフとした白い毛並みを、しっかりと抱きしめてあげたくなるような可愛らしさで!
天才子役ならぬ、天才犬と言ってもいいのではないでしょうか!」
亀「2022年の主演男優賞は決まったの!
……というのは冗談としても、今作で最も重要なのは犬の演技力であるのは間違いない。まあ言ってしまえば、犬は犬であればいいという考え方もあるじゃろうが……これほど”人々の理想とする犬”を演じてくれる存在も、なかなか稀有なのではないかの。
その意味では、とても素晴らしい演技であったし、面白かったの」
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>ちなみに、その他の役者に関してはどうだったの?
おおむねよかったのではないかの
カエル「今作では、取り立てて演技がダメとか、そういうことはなかったよね」
亀「基本はハウを中心として物語が動き、役者も同じように展開されていく。
それはそれで難しさも……人間相手とは異なるからの、あったとは思うが、それでも違和感はなく演じられたと考えておる。
今作は犬が中心となるということもあり、疲れや飽きる可能性を鑑みて、ほぼ一発撮りの気持ちで望んだと監督が明かしておったが、それもいい方向に向かったのかもしれん。犬と絡む場面は、素の状態に近いものがあるかもしれんの。
ハウを前にした時の田中圭の優しそうな仕草など、とても惹かれるものがあったのではないかの」
カエル「他の役者の良さもハウが引き出していたのではないでしょうか?」
亀「今作がベストアクト! となる役者はいないじゃろうが、その逆もない安定した演技であったの。
あと面白かったのは、池田エライザが今回は地味な同僚女性社員を演じておったが、やはり脱ぐシーンがあっての。
『へそ出しくらいで良かった』というシーンがあるんじゃが、それはなんというか、池田エライザの本音のようにも感じてしまったのが、あまり作品と関係ないが笑ったところかの」
以下ネタバレあり
より深く入り込む作品感想
犬を用いたことの意味が感じられる作品に
それでは、ここからはネタバレありで語っていきましょう!
今作は、実はハウを中心としたロードムービーなんじゃな
カエル「まあ、確かにそうなる理由はなんとなくわかるよね。
なんらかの事情でハウと離れ離れになって……というのは予想がつくから、その先がどうなるんだろう? と思ったら、確かにロードムービーになるのは、わかるんだけれど……
その内容が『え?』と思うようなものでもあって」
亀「これは犬好きあるありなのかもしれんが、犬というのは、その人の本音を引き出してくれる存在でもあるからの。
だからこそ、人には見せられない弱いところを晒すことができる……そして人を変える力もあるということかもしれんな」
だから、予告とかだと”民夫とハウの感動の再会!”を中心にしているようだけれど、実はそちらよりは、ハウがもたらす人々の変化に着目した作品なんだよね
その意味では、予告編で抱いた印象を受けて映画館に向かって、肩透かしを食らう可能性はあるの
カエル「民夫とのやりとりも、実は冒頭30分くらい? の出来事で……そのその後はハウといくつかの人々との交流なので、少し唖然としてしまう部分はあるかもしれません」
亀「そこを描きたいのはよくわかるがの。
ロードムービーとしてハウがどのように変化をもたらすのか、という……ある意味では偶然迷い込んだ奇跡の犬の物語、といった方が、もしかしたらいいかもしれん。それを考えると、『民夫とハウの絆』という推し方ではなく『ハウという奇跡の放浪犬がもたらす、人々の変化』という広告の方が、より作品内容を正確に言い表せているかもしれん。
まあ、そこは宣伝の難しさということにしておくかの」
ハウを中心として変化する人々の物語
今作が描きたかった"思い"
じゃあ、今作が描こうとしていたのは、どういうことだったの?
やはり苦境にある人々、弱者の思いということができるのではないじゃろうか
カエル「簡単にまとめると、こういうことだね」
こういった人々の救済を描いていたわけだね
カエル「そう考えると、弱者目線の映画だったわけだね」
亀「そうじゃな
犬ものという感動話を下地にしながらも、本当に描こうとしたのは、その環境にいる弱者の人々の苦しみなのじゃろう。
逆に言えば、これらの人々を真正面から描いた場合、もしかしたら企画が通らないかもしれん。しかし、犬との感動という、TwitterなどのSNSなどでもバズりやすいネタを入れることで、より誰でも共感し、さらに娯楽性も高められるというアイディアだとしたら、これはこれで評価するべきものかもしれんな」
監督はインタビューで以下のように答えています
単に『犬が可愛い』から入っても、何も問題がないんじゃな
亀「この映画のような内容のテーマを描こうとすると、とてもシリアスで、場合によってはエンタメ性のないものになるかもしれない。
しかしそうではなく、社会に確かに存在する弱者を描き、その人々の救済を描く……それをエンタメとして届けるという意味では、この映画のアプローチというのも、1つの答えかもしれん。
最初は田中圭がかっこいい! でも、池田エライザを観たい!でもいいわけじゃな。そこはあくまでも入口にすぎないわけじゃから。
もちろん100億なんて興行収入は絶対に狙えないし、話題作に負けてしまうかもしれんが……それでも、この作品が果たそうとした思いそのものは、しっかりと評価するべきなのかもしれんな」
最後に
それでは、最後にこの記事を締めますが……
鑑賞中や直後は呆気にとられたというのが本音じゃな
カエル「試写で鑑賞したけれど、その時に『この映画はどう紹介すればいいんだろう?』と悩んだのも事実です。
悪い作品とは言いませんが、予想していた方向とは全く違うものが出てきたので……」
亀「しかし、考えてみればこれはこれで意義があると、今ならば感じられる。
どうしても地味な部分もある作品じゃが……この弱者救済、そして奇跡の犬という観点から、この映画を考えると色々な発見があるかもしれんの」
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