物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『ハウ』ネタバレ感想&評価! 田中圭とベックの感動の再会…だけではない物語!?

 

今回は『ハウ』の紹介記事になります!

 

タイトルが短すぎて、検索するのが大変な作品じゃな

 

ハウ (朝日文庫)

 

カエルくん(以下カエル)

色々と画像とか調べようとすると『ハウス〜〜とかが出てきて、肝心のハウが出てこないという……

 

亀爺(以下亀)

しかもハウ以外で検索するのが監督名や、役者の名前になるので、それはそれでめんどくさいというの

 

カエル「最近の長文になっているタイトルもどうかと思ったけれど、逆にカタカナ2文字というシンプルイズベストでも、こんな弊害があるんだねぇ」

 

亀「まあ、それはこちら側の問題じゃし『ハウ〜1000キロmの旅路〜』みたいな副題であれば、ダサいと思う人もいるから、これはこれでいいのかもしれん。

 あくまでもネット上の検索の問題じゃな。

 それでは、早速じゃが感想記事をスタートするかの」

 

 

 

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作品紹介・あらすじ

◆主要スタッフ◆   

監督・共同脚本 犬童一心(『ジョゼと虎と魚たち』『のぼうの城』など)

脚本・原作 斉藤ひろし(『余命1ヶ月の花嫁』など)

主題歌 GReeeeN

 

キャスト紹介

ハウ(ベック・犬役)
赤西民生(田中圭)
安立桃子( 池田エライザ)
鍋島史郎 (野間口徹)
鍋島麗子 (渡辺真起子)

 

左 ハウ(ベック) 右 赤西民生(田中圭)

(C)2022 「ハウ」製作委員会

 

作品紹介・あらすじ   婚約者にあっさりフラれ、人生最悪な時を迎えていた市役所職員・赤西民夫(田中圭)。
横浜で一人空虚な日々を送る彼は、上司からの勧めで、飼い主に捨てられて保護犬になってしまった真っ白な大型犬を飼うことになってしまう。
犬はワンと鳴けず「ハウッ」というかすれた声しか出せない。とびっきり人懐っこいこの犬を、民夫は“ハウ”と名付け、1人と1匹の優しくて温かい日々が始まった。民夫にとって最初は戸惑うことも多かったハウとの暮らしだったが、何をするにもいつも一緒な“2人”の絆は次第に深まり、いつしかかけがえのない存在となっていった。
ハウと民夫の最高に幸せな時間はずっと続くと思っていたのだが……。
そんな時、突然ハウが姿を消してしまう。

果たしてハウと民生は再会できるのか?
この夏、最大の優しい物語が登場!

haw-movie.com

 

YouTubeで作品紹介用のショート動画もあげています

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感想

 

それでは、Twitterの短評からスタートです!

 

 

これは色々と評価が難しい作品でもあるの

 

カエル「うちとしては、そこまで犬ものって得意でもなくて……そもそも、犬いないし。カエルと亀だし。

 だからこういった感動作、いわゆる動物モノは苦手なところもあるんだけれど……という亀とカエルの評価だと思ってください」

 

亀「犬でしかできない感動、と言うのもあるわけじゃな。

 最も人間に忠実であり、深い絆があるとされている動物じゃしの。これは確かに亀やカエルはもちろんのこと、犬と並ぶ愛玩動物の猫でもできない作品じゃ。

 そしてこの作品を撮り切った……というよりも、演じ切ったハウ役のベックくんには、賞賛の声が寄せられてもいいのではないかの

 

ただ、まさかこういう作品だとは思わなかったと言うのが、正直なところかな

 

犬童一心監督、あるいは原作者で脚本の斉藤ひろしのやりたいことが、ダイレクトに伝わってきたの

 

カエル「別に隠しているとか、そういうことではないんだろうけれど……何というか、予告とかから予想する方向とは全く違う部分に行くんだよね。

 これがまた意外で、そこが賛否分かれてしまうポイントかもしれないかな」

 

亀「あまり深く話すと楽しみを奪ってしまうが、今の段階で言えることは『色々な意味で優しい』を目指している物語になっているということかの。

 この映画を観た時の反応は……かなり分かれてしまうかもしれんな」

 

 

 

 

良かった点

 

名役者・ハウ!

 

では良かった点について語っていきましょう

 

何と言ってもハウ(演者ベック)の演技ではないかの!

 

カエル「今作はハウと名付けられた犬が主人公なんですけれど、彼がとても愛らしい演技を披露していました!

 可愛いし、健気で、とてもいい子なのが画面越しで伝わってきて…!

 あのモフモフとした白い毛並みを、しっかりと抱きしめてあげたくなるような可愛らしさで!

 天才子役ならぬ、天才犬と言ってもいいのではないでしょうか!」

 

亀「2022年の主演男優賞は決まったの!

 ……というのは冗談としても、今作で最も重要なのは犬の演技力であるのは間違いない。まあ言ってしまえば、犬は犬であればいいという考え方もあるじゃろうが……これほど”人々の理想とする犬”を演じてくれる存在も、なかなか稀有なのではないかの。

 その意味では、とても素晴らしい演技であったし、面白かったの」

 

(C)2022 「ハウ」製作委員会

 

<p

>ちなみに、その他の役者に関してはどうだったの?

 

おおむねよかったのではないかの

 

カエル「今作では、取り立てて演技がダメとか、そういうことはなかったよね」

 

亀「基本はハウを中心として物語が動き、役者も同じように展開されていく。

 それはそれで難しさも……人間相手とは異なるからの、あったとは思うが、それでも違和感はなく演じられたと考えておる。

 今作は犬が中心となるということもあり、疲れや飽きる可能性を鑑みて、ほぼ一発撮りの気持ちで望んだと監督が明かしておったが、それもいい方向に向かったのかもしれん。犬と絡む場面は、素の状態に近いものがあるかもしれんの。

 ハウを前にした時の田中圭の優しそうな仕草など、とても惹かれるものがあったのではないかの

 

カエル「他の役者の良さもハウが引き出していたのではないでしょうか?」

 

亀「今作がベストアクト! となる役者はいないじゃろうが、その逆もない安定した演技であったの。

 あと面白かったのは、池田エライザが今回は地味な同僚女性社員を演じておったが、やはり脱ぐシーンがあっての。

『へそ出しくらいで良かった』というシーンがあるんじゃが、それはなんというか、池田エライザの本音のようにも感じてしまったのが、あまり作品と関係ないが笑ったところかの」

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

より深く入り込む作品感想

 

犬を用いたことの意味が感じられる作品に

 

それでは、ここからはネタバレありで語っていきましょう!

 

今作は、実はハウを中心としたロードムービーなんじゃな

 

カエル「まあ、確かにそうなる理由はなんとなくわかるよね。

 なんらかの事情でハウと離れ離れになって……というのは予想がつくから、その先がどうなるんだろう? と思ったら、確かにロードムービーになるのは、わかるんだけれど……

 その内容が『え?』と思うようなものでもあって」

 

亀「これは犬好きあるありなのかもしれんが、犬というのは、その人の本音を引き出してくれる存在でもあるからの。

 だからこそ、人には見せられない弱いところを晒すことができる……そして人を変える力もあるということかもしれんな」

 

だから、予告とかだと”民夫とハウの感動の再会!”を中心にしているようだけれど、実はそちらよりは、ハウがもたらす人々の変化に着目した作品なんだよね

 

その意味では、予告編で抱いた印象を受けて映画館に向かって、肩透かしを食らう可能性はあるの

 

カエル「民夫とのやりとりも、実は冒頭30分くらい? の出来事で……そのその後はハウといくつかの人々との交流なので、少し唖然としてしまう部分はあるかもしれません」

 

亀「そこを描きたいのはよくわかるがの。

 ロードムービーとしてハウがどのように変化をもたらすのか、という……ある意味では偶然迷い込んだ奇跡の犬の物語、といった方が、もしかしたらいいかもしれん。それを考えると、『民夫とハウの絆』という推し方ではなく『ハウという奇跡の放浪犬がもたらす、人々の変化』という広告の方が、より作品内容を正確に言い表せているかもしれん。

 まあ、そこは宣伝の難しさということにしておくかの」

 

(C)2022 「ハウ」製作委員会

ハウを中心として変化する人々の物語

 

今作が描きたかった"思い"

 

じゃあ、今作が描こうとしていたのは、どういうことだったの?

 

やはり苦境にある人々、弱者の思いということができるのではないじゃろうか

 

カエル「簡単にまとめると、こういうことだね」

 

◆今作が描こうとしていた”弱者”の思い◆ ○赤西民夫(田中圭) →人生が上手くいっていない者
○朝倉麻衣(長澤樹) →学校でのいじめと原発事故被害者
○関根志津(宮本信子)→シャッター商店街で夫との思い出を守る
○森下めぐみモ(トーラ世理奈) →夫のDVに苦しむ女性

 

こういった人々の救済を描いていたわけだね

 

カエル「そう考えると、弱者目線の映画だったわけだね」

 

亀「そうじゃな

 犬ものという感動話を下地にしながらも、本当に描こうとしたのは、その環境にいる弱者の人々の苦しみなのじゃろう。

 逆に言えば、これらの人々を真正面から描いた場合、もしかしたら企画が通らないかもしれん。しかし、犬との感動という、TwitterなどのSNSなどでもバズりやすいネタを入れることで、より誰でも共感し、さらに娯楽性も高められるというアイディアだとしたら、これはこれで評価するべきものかもしれんな」

 

監督はインタビューで以下のように答えています

 

◆犬童一心監督のインタビューより◆
犬童:自分の中では、どこまで下の年代に観てもらえるか、という気持ちがあります。というのも、自分が子どもの頃に観た映画を考えた時、例えば戦争映画にしても、結構シリアスな大人向けの内容でしたが、意外ときちんと受け止められていたと思うんです。だから本作も基本は大人向けではあっても、小学生が観ても大丈夫だろうと思うし、ぜひ観て欲しいと思っています。その上で、子供たちがどう思ったか、どう捉えたかを知りたいですね。 。

tvbros.jp

 

単に『犬が可愛い』から入っても、何も問題がないんじゃな

 

亀「この映画のような内容のテーマを描こうとすると、とてもシリアスで、場合によってはエンタメ性のないものになるかもしれない。

 しかしそうではなく、社会に確かに存在する弱者を描き、その人々の救済を描く……それをエンタメとして届けるという意味では、この映画のアプローチというのも、1つの答えかもしれん。

 最初は田中圭がかっこいい! でも、池田エライザを観たい!でもいいわけじゃな。そこはあくまでも入口にすぎないわけじゃから。

 もちろん100億なんて興行収入は絶対に狙えないし、話題作に負けてしまうかもしれんが……それでも、この作品が果たそうとした思いそのものは、しっかりと評価するべきなのかもしれんな」

 

 

 

 

最後に

 

それでは、最後にこの記事を締めますが……

 

鑑賞中や直後は呆気にとられたというのが本音じゃな

 

カエル「試写で鑑賞したけれど、その時に『この映画はどう紹介すればいいんだろう?』と悩んだのも事実です。

 悪い作品とは言いませんが、予想していた方向とは全く違うものが出てきたので……

 

亀「しかし、考えてみればこれはこれで意義があると、今ならば感じられる。

 どうしても地味な部分もある作品じゃが……この弱者救済、そして奇跡の犬という観点から、この映画を考えると色々な発見があるかもしれんの

 

 

 

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