物語る亀

物語る亀

物語愛好者の雑文

映画『スパイダーマン スパイダーバース』ネタバレ感想&評価! アカデミー賞を始め世界中で評価される映画が日本上陸!

 

今回はアカデミー賞も獲得した『スパイダーマン・スパイダーバース』のお話です!

 

 

試写会で鑑賞したので、当然のことながらネタバレは一切なしになります

 

 

カエルくん(以下カエル)

「とは言っても、予告編レベルのネタバレはしてしまうので、それすらもカットしてまっさらな気持ちで鑑賞したい! という方にはオススメしません」

 

あとは、試写だったので褒め重視で語っていきます。

 と言っても、本作は褒めることがとても多くて、貶すことは難しい作品でもあるけれどね

 

カエル「日本でも試写会で鑑賞した組が大絶賛の雨あられ、おそらく2019年のアニメーション映画の中でも1番人気になるのではないか? というくらいの評価を受けています!

 うちはマーベル・アメコミ音痴だけれど、それでも楽しめるのかな?」

主「さあ、どうでしょうね?

 アカデミー賞長編アニメーション部門をはじめ、ゴールデングローブ賞などのアメリカをはじめとした各国の主要な賞レースを総なめにしていることからも、高い人気と評価がうかがえるな

 

カエル「この盛り上がりと熱量、そしてアカデミー賞効果も受けて、1週間前倒しで先行上映も決まっております!

 ただし、この先行上映は字幕版のみの模様なので吹き替え版で楽しみたい方は少しお待ちください。

 また、今作は海外製のアニメーション映画では初? だと思うけれど、音響監督の岩浪さんが予告編でもピックアップされております。

 一部劇場では特別な音響調整を行うという話もありますので、そちらにも是非注目していてください!

 

主「では、記事を始めようか」

 

 

 

作品紹介

 

 アメリカのコミックの代表的存在であり、世界的に人気のあるスパイダーマンを主人公として長編アニメーション作品。賞レースでも高い評価を獲得しており、アカデミー長編アニメーション賞を始め、ゴールデングローブ賞など多くの映画賞で受賞を果たしている。

 制作にはスパイダーマンを始め、多くのマーベル・アメコミ映画に関わってきたアビ・アラドと、レゴムービーなどが高い評価を獲得しているフィル・ロードとクリストファー・ミラーが名を連ねている。フィル・ロードは脚本も監督であるロドニー・ロスマンと共に担当している。

 英語字幕版ではシャメイク・ムーアやジェイク・ジョンソンに加えて、『スウィート17モンスター』などで注目を集めるヘイリー・スタインフェルドやニコラス・ケイジなどが担当する。

 日本語吹き替え版では小野賢章、宮野真守、悠木碧、大塚明夫、玄田哲章など豪華声優陣が勢ぞろいした。

あらすじ

 ニューヨーク・ブルックリンにある名門私立学校に転校してきた黒人の少年、マイルス・モラレスはスパイダーマンに憧れていた。息子を愛する父と母に育てられてきたが、少しだけ自立したお年頃でもあった。

 ある日、マイルスは敬愛するおじさんと共に地下へと出向くと、首筋に痛みを感じた。気がつかないうちに謎のクモに噛まれており、高い粘着力を持つ糸を手に入れていたのだが、その力をうまく扱うことができずにいた。

 そんな中、何者かによって時空がゆがめられる事態が発生し、スパイダーマンであるピーター・パーカーが亡くなってしまう。

 そしていくつもの時空がくっついてしまい、様々な次元にいるスパイダーマンがマイルスの暮らすブルックリンに登場する……

 

 

 


映画『スパイダーマン:スパイダーバース』予告2(3/1〜3/3 IMAX先行上映、3/8全国公開)

 

 

 

感想

 

では、まずはTwitterの短評からスタートです!

 

 

この映像が本当にすごい、これは映画賞も納得です!

 

カエル「では、見どころについて簡単にまとめていきましょう!」

 

 

 

見どころ① 映像の圧倒的迫力!

 

まず最初の見どころは何と言っても映像の力でしょう!

 

この映像のためだけに観に行くことをオススメします!

 

カエル「どうしても『スパイダーマンはよく知らないしなぁ……』という人もいるだろうけれど、そんな人にでもこの映像だけは絶対に体験してほしいね!

主「アニメーション表現は、今現在様々な形が生まれてきている。

 例えば日本でおなじみの2Dの手書き作画の魅力もそうだし、あるいはアメリカで主流となっている3Dを使ったディズニー/ピクサーなどを始めとしたアニメーション表現もおなじみだろう。

 それか昔ながらの人形を使ったドールアニメーションであったり、『ピングー』などのような粘土を使ったアニメーションもある。

 最近ではドールアニメーションでもCGを活用し、その圧倒的な映像表現が話題となった『KUBO 二本の弦の秘密』などは現代の進歩的なアニメーションとして話題を集めた」

 

カエル「それでいうと、本作はどのようなアニメーションなの?」

主「誰も見たことがないような作品だね。

 というのも、本作は『アメコミをそのまま動かす』ということを重視している作品のように感じた」

カエル「アメコミをそのままかぁ……」

主「その動かし方1つ1つも、例えばアメコミのコマ割りをそのまま使用したりするほか、擬音を使ったりと色々な工夫が凝らされている。

 さらに3D表現も見事で、試写会ではIMAX3Dで鑑賞したけれどその映像表現に引き込まれることが多かった。

 もともと海外の……特にアメリカのアニメーション映画は3D映えを意識した作品も多いけれど、その力が最大限に発揮された形じゃないかな?

 

 

 

見どころ② 過去のスパイダーマンオマージュもたくさん!

 

今作では過去のスパイダーマンのオマージュも沢山あるらしいね!

 

と言って、自分はあまり詳しくはないけれどね

 

カエル「例えば、本作ではマイルズが街を歩くシーンがありますが、それが過去のスパイダーマンのオマージュとして大きな話題を呼んでいます!」

主「当然のことながらスパイダーマンのアニメーションであるわけでから、過去作に対する敬意も相当強い。

 もちろん、スパイダーマンシリーズを愛する人であれば、問答無用で愛さざるをえないほどの作り手側の愛に溢れている作品でもあるんだ

 

カエル「このあたりは過去のスパイダーマンシリーズやアメコミ映画に多く携わってきたアビ・アラドが制作で関わっていることが大きいのかな?」

主「あとは当然のことながらアメリカでは国民的に人気作品であり、みんなの”親愛なる隣人”に対する思いがそれだけスタッフの中でも強いということもあるのだろう」

 

カエル「でもさ、そういう作品って過去作ばかりを気にしていて、最新のアニメーションとしては物足りないってこともあるんじゃないかな?」

主「とんでもない!

 本作は過去作に対するオマージュなどもあって、スパイダーマンファンならば誰もが納得するであろう作品に仕上がっている。

 だけれど、それと同時に”スパイダーマンという存在”をアップデートする作品でもあるんだ!

 詳しく語るとネタバレになってしまうからこの程度に収めるけれど、間違いなく今の時代のスパイダーマンとして、見るべき作品に仕上がっているね

 

 

 

 

見どころ③ キャラクターが魅力的!

 

そしてキャラクターたちも魅力的です!

 

マイルスやピーター・パーカーだけじゃない!

 

カエル「もしかしたら本作の1番の魅力はここかもしれないね!

 みんな大好きなピーターバーカーやおなじみのスパイダーマンの仲間たちは当然としても、今作のオリジナルキャラクターもまた魅力が素晴らしい!」

主「もしかしたら中には”今作のオリジナルキャラクターがスパイダーマンの世界観を壊してしまうのでは?”と思ってしまう人もいるかもしれない。

 だけれど、そんなことはありません!

 特にヒロインであるグウェン・ステイシーはとても可愛らしく、見ているだけでこちらの目がハートになってしまうほど!」

 

カエル「あとはネット上の感想だと日本の女子高生風のペニー・パーカーもとても人気があって、公開されたら夢中になる人が多いのではないかな?」

主「今作では様々な形式の漫画などが参考とされて入れて、例えばペニー・パーカーは明らかに日本の漫画やアニメ文化を意識している。

 さらにスパイダー・ハムはアメリカのアニメーションでおなじみのカートゥーンのような絵柄やキャラクターだし、スパイダーマン・ノワールはその名の通り昔ながらの白黒で渋い男らしいスパイダーマン像を見せてくれる。

 しかも、そのキャラクター像だけではなくて、その世界の絵柄などもカートゥーンや日本の漫画、アニメを意識しているのが伝わってきて、とても手の込んだものになっています

 

カエル「これほどのことをしてしまうのは、とてつもない労力だったろうな……」

 

 

 

見どころ④ 吹き替え声優陣も超豪華!

 

試写では字幕版で鑑賞しましたが、見なくてもわかるくらい吹き替え声優陣も魅力的です!

 

自分も吹き替え目的で公開後にもう1回 見に行こうかな

 

カエル「主人公のマイルズ役には小野賢章のほか、ピーター・パーカーには海外アニメーションの吹き替えではもはや常連すぎていつおやすみしているのかもわからないほどの人気者、宮野真守が担当します!」

主「予告だけでもカッコよく語る宮野真守の声が印象的だったけれど、本編を鑑賞した後だとさらにこの役は彼がぴったりだと思ったよ

 

カエル「そしてヒロインのグウェン・ステイシーには人気、実力も兼ね備えた悠木碧、スパイダーマン・ノワールには大ベテランで男が憧れる声第1位とも言われる大塚明夫、ペニー・パーカーには若手女性声優の中でも注目株の高橋李依、スパイダーマン・ハムにはコミカルな役から真面目な役まで幅広い演技をこなす吉野裕行が声を当てています」

 

主「もちろん、名前だけで選んでいるわけではない

 声優に興味がある人だったら多くの人が知っている役者を起用しているけれど、その客寄せ以上に本作の魅力を高めてくれるナイス・キャスティングであるわけだ。

 スパイダーマン・ノワールなんて大塚明夫が吹き替えているからこそ、かっこいいだけではない魅力を醸しだすことができているね」

 

 

 

見どころ⑤ スパイダーマンの象徴である『大いなる力には大いなる責任が伴う』物語!

 

じゃあ、物語の見どころは? というとネタバレ抜きでは語りづらいけれど……

 

一言で語れば『大いなる力には大いなる責任が伴う』ということだな

 

カエル「スパイダーマンを象徴する名言だよね」

主「今作はドラマ性もとても富んでいるけれど、スパイダーマンといえば何と言ってもベンおじさんを巡る悲しい事件が起きて、その力の使い方の意味を知ったことがある。

 それは本作でも受け継がれていて、スパイダーマンがその力を示すときにその責任を知るという物語でもあるんだ

 

カエル「特にある展開には衝撃を受けたよね……」 

主「元々メイおばさんも含めた家族を強調したところもあったけれど、本作でもそれは健在。

 スパイダーマン以外の作品にも通じる、現代のアメリカのアニメーション作品の多くが示してきた『家族の思い』を描いた作品に仕上がっています」 

 

 

 

 

気になるポイント〜パラレルワールド設定〜

 

そういえば、予告編で気になったけれど……ピーター・パーカーは死んでしまうんだよね……

 

ここがもしかしたら懸念ポイントかもしれない

 

カエル「やっぱりスパイダーマン=ピーター・パーカーだと思って、愛着が湧いている人も多いんじゃないかな?

 だけれど主人公が交代することに対して、色々と考えてしまう人がいてもおかしくはないよね……」

主「そこはもしかしたら1つの物語を楽しむための障害になるかもしれない。

 もちろん、それにはとても重要な意味があるし、今作の脚本にはフィル・ロードが務めているから、かなり完成度の高いものになっている。

 だけれど、やっぱりある種の主人公交代のようにも見えてしまう面もあり、そこは賛否が分かれるかもしれないね

 

カエル「こればっかりはこの作品の性質上仕方ないかもしれないね」

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

本音の作品感想

 

全体について

 

え〜っと……では、ここからは本音でネタバレ込みで作品感想に入りますが……

 

 

アガらないんだよなぁ

 

 

カエル「これだけ世間一般では大絶賛の雨あられの中で、あえて否定的意見を語るというのもなんだかなぁ……という思いもあるけれど……本当にいいの?」

主「いいんじゃない?

 いつも通り本音で語るし、忖度はする必要もないので。

 とはいっても、何かが気に食わなかったとか、この描写が問題だってことは何一つとしてないんだけれどね

 

カエル「え? じゃあ、なんでちょっと否定的なの?」

主「なんというか……盛り上がらないんだよなぁ。

 自分のテンションが上がらないというかさ。

 そこいら辺は先にも語ったけれど、自分がマーベルやアメコミ音痴ということもあるかもしれない。そもそも、スパイダーマンも全くといっていいほど知らないわけだし。

 だけれど不思議なもので、予告で流れた『スパイダーマン フォー・フロム・ホーム』はテンションが上がったんだよね。それだけトム・ホランドやゼンデイヤ、ジェイコブ・バタロンが好きってことかもしれないし、あのスパイダーマンワールドに引き込まれているのかもしれない。

 でも……本作は、少なくともアガらないだよねぇ

 

カエル「じゃあ、なんでノレなかったのか、ここから語っていこうか」

 

 

スパイダーマン好きに向けられたファン向け作品?

 

まずはどこから語っていくの?

 

今作って物語の味わいがかなり薄味なんだよね……

 

カエル「え〜? あれだけスパイダーマンの魅力をたくさん含めているし、かなり濃い味わいの作品になっているんじゃないの?」

主「……それってさ、これまで築き上げたスパイダーマンの魅力であって、本作の……マイルズや多くのキャラクターの魅力なのかな?

カエル「え?」

 

主「例えば序盤の登校中のダンスシーンなどは過去のスパイダーマンのオマージュがあり、そこがファンにはたまらないポイントとなっている。

 他にもメイおばさんや、スタンリーなどのお馴染みの面々の登場などもあるけれど、それはマーベル好きやスパイダーマン好きには当然かもしれない。

 だけれど、それはあくまでもスパイダーマンに詳しい人向けの演出なのでは?

 

カエル「……でもさ、今作はスパイダーマンという名前で描かれているから、それは当然じゃない?」

主「当然といえば当然だし、それを非難するつもりはない。

 だけれど、本作は無意識のうちに……あるいはアメリカをはじめとして世界中では当然の大人気スターであるスパイダーマンだからこそ、その基本設定を理解しているという前提で成り立っている部分がある。

 そのために、本作からスパイダーマンに入門する人向けではないようにも感じれられてしまったかな

 

 

 

 

序盤の流れについて

 

序盤から文句があるの?

 

ちょっと物語の流れが鈍重に感じたかな

 

主「これは予告の作り方や事前情報の影響もあったけれど、作中では6人のスパイダーマンが出てくるのは確定していたわけだ。その仲間達をもっと早いスパンでポンポンと出した方がよかったのでは? という思いがある。

 というのも、本作は中盤までは物語の展開が若干遅く、ダレてしまう部分がある上に……『ヴェノム』で観てしまったからか、中盤のあるシーンは特に退屈したんだよ。そこからの流れは……結構、鈍重に感じたかな」

 

カエル「ヴェノムのエンドロールで先行公開するんだなぁ……こんな新作がやるんだなぁ……と思っていたら、ちょっと編集はされているとは言えそのまま作中でも使われていてびっくりしたね」

主「でもさ、そこはすでに鑑賞済みの描写だったから、ドキドキ感が減ってしまった感もあった。

 その意味では、先に情報を出しすぎた感もある。

 さらに言えば、1人1人のスパイダーマンの扱いもどことなく中途半端な印象もある。

 特に後半出てきた3人に至っては、物語に絶対に必要なのか? と問われると、かなり疑問もあって……見せ場がないわけではないけれど、でもいなくても物語は成立してしまう。

 結局、マイルスのキャラクター設定を説明するパートが長いこともあって、各キャラクターの長所や魅力を本当に最大限活かしきれたのか? という疑問があるんだ。

 それでも魅力的だったと思うのであれば、それは今作が描いたキャラクター達の魅力よりも、ここまで紡いできた『スパイダーマン』の魅力が大きかったんじゃないかな?」

 

 

悪役の描き方について

 

ここは、批判意見ではどうしても出てくるのかなぁ……

 

自分がアメコミ映画と相容れない、最大の問題かもしれない

 

カエル「キングピンをはじめとした敵キャラクターにも、色々な事情があることはうかがい知れたのはよかったんじゃない?」

主「その心意気は評価するし、特におじさんに関する展開などはスパイダーマンを象徴する『大いなる力には大いなる責任が伴う』ということにも直結している。

 また、敵役ということで物語から排他されてしまいそうな人々にもスポットライトを浴びせることで、正義と悪の境界などを描こうという意図も感じることができた

 

カエル「じゃあ、何が問題なわけ?」

主「その描き方が中途半端なことかな。

 ここはとても難しいバランスが求められる。

 あまりにも敵を深掘りしすぎると、その敵を倒した時の爽快感が阻害されてしまう。つまり、正義の味方が果たしたことが本当に正義の行いだったのか? という疑問すら出てきてしまうわけだ。

 例えば……2019年の映画だと『クリード 炎の宿敵』を例にあげよう」

 

カエル「2019年の冒頭に公開されたロッキーシリーズのスピンオフでもある『クリード』の続編であり、高い評価を獲得したボクシング映画だね」

主「この映画では主人公のクリードと対立するドラゴ親子が登場するけれど、彼らがとても深く掘り下げられている。その結果、クリードとドラゴの戦いに爽快感があまりなく、むしろその勝敗の結果に切なくなってしまうようにできているんだ。

 一方でかつてのロッキーシリーズは敵の深掘りはそこまでされていないこともあった。特に『ロッキー3』などはそうだけれど、その結果”正義の味方(主人公サイド)が敵(悪)を倒す”という明確なストーリーとなり、爽快感が生まれている

 

カエル「敵の描き方1つで物語の結末の爽快感が決まってくるんだね」

主「今作はその敵側の描き方が中途半端な印象がとても強い。

 その結果、キングピンを倒した所でも『これで彼の思いは果たされないのか……』と爽快感を得ることもなく、一方で正義の味方として描写されるスパイダーマンに違和感を抱いてしまった。

 いっそのこと、ジョーカーなどのように圧倒的で絶対的な悪として存在した方が、倒した時の爽快感は強いんじゃないかな?

 本作はその味わいの方が向いていたと思うんだよ。

 正義の味方を活かすのは悪党のさじ加減1つであり、そのバランスの難しさを感じたかな

 

 

 

 

マルチバースだけれど……(この映画のメッセージって?)

 

本作の最大の魅力は”多くの次元にスパイダーマンがいる”ということです

 

もちろん、ここは大事なメッセージを含んでいる

 

主「どうしても白人のピーター・パーカーが主人公になってしまうことで、黒人や女性、落ちぶれた白人などがヒーローになれないかのような印象を与え兼ね合い部分もあった。

 だけれど、他の次元では黒人や女性のほか、日本やカートゥーンの形式でスパイダーマンが生まれていたら? というifの世界を楽しむことができるし、これが大きなメッセージを宿していることに理解を示すし、そこが高い評価を獲得しているのだろう

 

カエル「それでも、ここが引っかかったんだよね?」

主「……これってさ、自分が2018年に放送された『HUGっと! プリキュア』に抱いた違和感と似ているんだ。

 プリキュアの中でも多くの一般人や登場したキャラクターがプリキュアに変身することで『誰だってヒーローになれる!』というメッセージ性を発揮していた。その意義はとても大きいし、本作も似たようなメッセージを宿している。

 だけれど、それは果たして”ヒーロー”と呼べるのだろうか?

 

カエル「プリキュアの時は『みんな特別とすることで生じてしまう違和感』とでも語っているね」

主「誰でもなれるものではないからこそ英雄なのではないか?

 オンリーワンであり、ナンバーワンだからこそ、英雄なのではないか?

 もちろん、物語として……あるいは教育としては”なれる!””夢を追う!”というのは大事なんだけれど……実際問題として、誰もが特別になってしまったら、それはすでに特別でもなんでもなく、ただの人になってしまうのではないか? という疑問がある

 

カエル「う〜ん……そういうものなの?」

主「また、”誰もがスパイダーマンになれる!”というメッセージ性を内包していながらも、本作のスパイダーマン達は自分たちの世界では特別な存在であるわけだ。

 この辺りのチグハグさも気になった……だって、クモに噛まれる必要があって、それは偶発的な要素が強いわけじゃない?

 ”特別な事情があってなれた英雄=スパイダーマン””誰もがなれる”ということは、果たして両立するのだろうか?

 これはヒーローものの抱える構造とメッセージ性の不和の問題なのかなぁ

 

 

 

他のアカデミー賞長編アニメーション部門作品と比べて

 

ちなみにさ、他のアカデミー賞長編アニメーション部門の作品と比べた場合はどういう評価なの?

 

どれも”物語はともかくとして、技術は超一流”という評価だね

 

カエル「賞レースに興味がないかたのために少し説明しますと、アカデミー長編アニメーション部門は

 

  • 『犬ヶ島』
  • 『未来のミライ』
  • 『インクレディブル・ファミリー』
  • 『シュガーラッシュ・オンライン』
  • 『スパイダーマン・スパイダーバース』

 

 が本選ノミネートを果たし、スパイダーバースが受賞しています。

 技術が高いというのは日本では賛否がはっきり分かれてしまう『未来のミライ』についてもそうなの?」

 

主「自分が手書きのアニメが好きということもあるかもしれないけれど、未来のミライの手書きアニメ表現は素晴らしいし、あくまでも個人の価値観だけれど、他の4作品と比べても遜色ないどころか、最も感動したのは未来のミライかもしれないね。

 ただ、パペットアニメーションの『犬ヶ島』

 日本らしい手書きアニメの『未来のミライ』

 ディズニー・ピクサーらしいCG表現の『シュガーラッシュ2』と『インクレディブル・ファミリー』

 これらと単純に比べることはできない、というのは述べておくよ。

 でも、スパイダーバースはやはり目新しさ、オリジナリティで群を抜いている印象だな」

 

カエル「その意味でも、アカデミー賞は納得だね」

主「自分自身、長編アニメーション賞には大きな不満もあるけれど、でもこの作品の進歩性などはとても高いレベルにあるし、新たなるアニメーション表現を見ることができた。

 その意味では……批判的な意見が多くなったかもしれないけれど、でも高い評価は本当に納得するね

 

 

 

まとめ

 

では、この記事のまとめです!

 

  • 映像面の迫力がすごい! 今まで見たことがないものになっている!
  • キャラクターも魅力的で、日本でも人気爆発しそう!
  • 脚本の作り込みもある分、一部設定が賛否を分けるかも?

 

おそらく、2019年で多くの人気を集めるであろうアニメーション作品でしょう!

 

主「後半は批判するようになってしまったけれど、でもこれでよかったとも思います。

ただ、自分はこの映画の対象ではなかっただけであって、ファンの方が喜んでくれたら、それが1番よかったのかな」

 

 

blog.monogatarukame.net

blog.monogatarukame.net