物語る亀

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物語愛好者の雑文

劇場版『ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow』ネタバレ感想&評価 音楽とダンスの作画が見所!

 

今年の初っ端から、ここまで大注目の作品が来るというのがすごいよねぇ

 

 

 

多くの映画ファンは”観るものが少ない1月”というけれど、アニメ好きだといきなり大忙しになるな

 

カエルくん(以下カエル)

「今週はラブライブで、来週はFateでしょ? これはアニメファンは大忙しだし、案外真っ向勝負ぶつかり合うのを興行側はお客さんを取り合っちゃうから嫌がっていたりして」

 

「普通に考えればある程度のヒットは間違いない作品だしねぇ。

 オタク層以外は全く見向きもしない作品だし、客層はどっかぶりだしな」

 

カエル「ちなみに、今回は全作のラブライブもサンシャインも未見の状態で映画に臨みます。

 テレビアニメは1話も見ていないの?」

主「う〜ん……実は、どちらも1話は見ているんだよ。で、合わないと思って視聴をやめた。

 その理由についても後々話すけれど、単なる相性の問題かなぁ。

 別に、ラブライブ自体が嫌いということはないです

カエル「熱心なファンが多い作品だけでに、あまり作品の否定はしないように。

 では、感想記事のスタートです!」

 

 

 

作品紹介・あらすじ

 紅白歌合戦に出場するなど大きな注目を集めるラブライブシリーズの第2弾作品の『ラブライブ サンシャイン‼︎』の劇場アニメ。

 2016年7月に1期、2017年に10月に2期が放送され、アイドルユニットである『Aqours(アクア)』も高い人気を集めている。

 テレビシリーズと同じく酒井和夫監督、脚本花田十輝のコンビで物語を作り上げ、おなじみの声優も続投する。

 

 スクールアイドルの祭典である『ラブライブ』で優勝を果たした私立浦の星女学院に通うAqoursの面々。しかし、学校の統廃合により新しい学校に行くことが決まっていたが、トラブルが発生する。さらに卒業旅行に向かった上級生とも連絡が取れなくなってしまい……

 

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「ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow」公開直前PV

 

 

 

感想

 

では、まずはTwitterの短評からスタートです!

 

 

作画や音楽のクオリティは圧巻の一言!

 

カエル「ラブライブシリーズの魅力といえば、何と言っても音楽とダンス!

 紅白歌合戦にも出場したけれど、このアイドルアニメ戦国時代とも言われる昨今でも、TOPレベルの人気を誇る作品は伊達じゃない! ということを見せつけるような作品だったね」

主「2018年も一番身近なところでは『ゾンビランド・サガ』があったし、2019年はうたプリ、キンプリなどのアイドルアニメ映画の公開が予定されている。もちろん、それ以外にもライブパートやダンスシーンで魅了する作品はテレビアニメも含めるとたくさん出てくるでしょう。

 その中でも、今作を超える作品が果たして出てくるのだろうか? と問われると、結構難しいかもしれない。

 それだけ音楽やダンスシーンのクオリティが高く、2019年スタートからとんでもない高いハードルが設定されてしまったとも言える

 

カエル「もうびっくりするくらいに曲数も多く、しかも1つ1つが長いんだよね!

 中には1曲まるまるダンスシーンを流す場面もあって、どれだけ力を入れているんだ? と思ってしまったほど!」

主「今後、間違いなく応援上映などの特殊な形態の上映も増えていくだろう。

 この手の作品はリピーター重視で制作されていることに多いけれど、本作も間違いなくそれを意識しているし、これだけ音楽とダンスの融合による快感があれば、かなりのヒットを狙えるのではないかな?

 

カエル「ちなみに、初見ではどうだった?」

主「初見でもあまり問題はないかな。

 もちろんキャラクターの個性やそれまでのお話は理解できないこともあるけれど、それも見ているとなんとなく理解できてくる。そして物語自体も過去作を知らないと絶対に理解できないものではない。

 その点も含めて、親切な設計ではあるよね」

 

 

 

一方で欠点も……

 

じゃあ、今度は音楽やダンス以外のポイントについてだけれど……

 

物語としては評価は難しい部分がある

 

カエル「……やっぱり、テレビシリーズを見ていないから?」

主「もしかしたらそれもあるかもしれないけれど……そもそも物語の作り方が特殊というか、ある種突き抜けているんだよねぇ。

 基本的に、物語は以下の3つの要素で構成されている」

 

  • 展開
  • キャラクター
  • 世界観(設定)

 

主「1つ1つは説明はあまりいらないかもしれないけれど、軽くお話しすると、展開はそのまんま物語の流れを表す。起承転結とか、序破急、山場、ダレ場、オチなどの要素だね。

 キャラクターは言わずもがな、個性や物語を引っ張る人物描写。

 世界観は例えば舞台、時代などを含めた基本的な設定も含める。例えば、今作であれば”静岡の高校に通う女子高生たちがスクールアイドルでトップを目指す”などだね。

 この3つのうち、どれが重要かというのは意見が割れるけれど、できればバランスよく、それでいて見応えがあるものにするのが理想だ」

 

カエル「それで、ラブライブはどんな作品なの?」

主「典型的な”キャラクター先行型”だな。

 これは現代の多くの指南書で語られているように、魅力的なキャラクターができれば物語は観客や読者を惹きつけて展開していく、という考え方だ。

 それは正しいけれど、今作はそれがいきすぎた結果、展開自体はとても難があるものになってしまった。

 それもこの後、ネタバレ込みのところで詳しく話そうか」

 

 

 

キャラクターについて

 

ラブライブサンシャインを1話を見たとはいえ、ほぼ初見ではどのような印象だった?

 

……正直、自分には合わないという気持ちが強かった

 

カエル「やっぱり相性が悪いんだ……それはなんで?」

主「う〜ん……なんというか、アニメとはいえ10代の女の子に熱狂する時代は過ぎたというか」

カエル「いや、それを言い出したら8割のアニメは観れなくなるんじゃ?」

主「自分は基本的に年長者が好きだから、せめて20代の子が出て欲しいという思いもあるんよね。

 今作の若い子はキャピキャピしすぎて、見ていて辛くなってくるというか」

カエル「……ただのおじさんじゃん」

 

主「真面目な話をすると、今作のスタート時点では上級生組はいないわけ。

 それで話が展開するけれど、全体的に……よく言えば元気がいい。

 悪く言えば落ち着きがない。

 その分、各キャラクターのキャピキャピ感が増してしまい、自分はそれが苦手なので没入感が薄れてしまったところもある。

 なんというか、典型的なオタクが好きな女の子像だよね」

 

カエル「それが人気なんだけれどね」

主「一方で、上級生組が入ると物語は落ち着きはじめる。

 これは上級生組の存在がいいブレーキ役、あるいは重し役になっているからだ。

 自分が20代以降が好きというのは別に好みだけの問題ではなくて、キャラクターのバランスを考えた時に、この手の年長者がいるとすごく便利なんだよ。

 例えば……別作品になるけれど『アイドルマスター』だったら三浦あずさ『シンデレラガールズ』だったらいっぱいいるけれど川島瑞樹や佐藤心『ゾンビランドサガ』なら19歳だけれど最年長のゆうぎり。

 年長者組というのは、物語の展開に困ったらコメディ、ブレーキ役、慰め役など多くの場面で使えるキャラクターだ。

 物語の方向性を調整してくれる役割がある」

 

カエル「言葉を変えれば、便利に扱える存在ということだね」

主「その役割を担うキャラクターが追加されてはいるけれどね。

 端的に言えば、残った6人で物語を作るのに、バランスが悪い印象を受けた。

 もしかしたらあえてそうした部分もあるのかもしれないけれどね」

 

アイドル映画と声優の関係性

 

今作はまだ若手の声優さんが多く起用されているよね

 

恥ずかしながら、自分はほぼ知らない人ばかりなんだよ

 

カエル「まだまだキャリアが浅いこともあるだろうし、今後に期待したいフレッシュな面々だよね。今は若手声優が多すぎて、覚えるのが大変! って人もたくさんいるんじゃないかな?」

主「だけれど、ここもやっぱりファン向けなところがあって……

 これが、例えば田村ゆかりとか、若手ならば早見沙織とか悠木碧などだったら、自分も知っている声優さんだから、もっと楽しめていたとは思う。

 だけれど、それって”ラブライブのキャラクターを愛する”というよりも”ラブライブのキャラクターを演じる声優を愛する”ということなんだよね。

 これは現実のアイドルもそうだけれど、最初は普通の女の子であった彼女たちが、活動を通して大きくなっていく、成長していく姿を共有する楽しみ方もある。

 むしろ、それがアイドルを応援する醍醐味かもしれない」

 

カエル「……そう考えると、女性向けのアイドルアニメとはちょっと違うかも。

 女性向け作品は一定以上の人気を集める、キャリアの長い人が多く演じているイメージがあるかな」

主「どっちが正解か、というのは難しい問題だけれど、現代はアイドルアニメやゲームが乱立しており、どれにも出たことがないという若手声優はほとんどいないでしょう。歌唱力も必須スキルになっているし、若手の登竜門として重要なジャンルだ。

 自分はあまり受け入れられなかったところもあるけれど、追ってきたファンはここまで来たか……という感慨も得られるだろうから、そこも楽しみの1つだよね

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

作品考察

 

基本的な物語が近い映画作品

 

では、ここからはネタバレありで語っていきましょう!

 

基本的な物語自体は『映画 けいおん!』に近いものがある

 

カエル「日常的な物語でバンドや音楽を絡ませると、おのずと似てくるものがあるのかもね」

主「ただし、本作はけいおんとは逆の部分もあるけれどね。

 本作は大きく分けて3つのパートに分かれていて

 

  • 序盤の日本編
  • イタリア編
  • 日本帰国編

 

 となっているわけじゃない。ここで最初に残されたメンバーたちの悩みや課題を見せた後、イタリアに行き上級生組と合流、日本に帰国してラストライブに向けて頑張る、という物語になっている。

 ただし、けいおんと違うのはこちらは”残る側の物語”ということだ

 

カエル「けいおんで例えると梓の物語ということだね」

主「キャラクターを重視している点も似ているし、物語を作るために海外に行く(旅行する)というのは、この手の日常的な物語でメリハリをつけるためには、相当いい手ということもあるだろうな。

 こういうとなんだけれど”何もない物語をいかに魅せるか”という意味では、面白い作品だよ

 

 

blog.monogatarukame.net

 

 

展開の欠点

 

でもさ、展開が悪いというけれど、どこが悪いの?

 

課題と解決が弱すぎるんだよ

 

主「この映画って大目標としては”残されたメンバーで新しい形を見つける”というものになっている。だけれど、中盤とかは……もちろんその目的もあるけれど、そちらは一度置いて他の、母親の説得などの物語に移行していく。

 しかもその課題と解決がかなりスピーディに消化されてしまい、カタルシスを感じることができない

 

カエル「もちろん音楽やダンスがいいから、ある程度の説得力はあるけれど……あれでお母さんも納得するんだ? とちょっとびっくりしたかなぁ」

主「物語としては溜めもなくなってしまっている。

 例えばイタリアに行くと決まったら、次のシーンではすでにイタリアに行き満喫していたりね。

 ちょっとびっくりしたのは、イタリアに行って上級生組が急に歌い踊り始めたところ。つまり、ミュージカル化だよね。道路を色とりどりのドレスを着て歩くという、まるで『ラ・ラ・ランド』のような映像もあってお屋敷に入ったかと思えば、次のシーンでは私服に戻っている。

 つまり、あのシーンはほぼ物語として意味を持たない。

 これはびっくりだよね、単に観客へのサービスでしかないんだから」

 

カエル「元々音楽シーンも多いから、物語を描く時間はどうしても減ってしまうだろうけれど……」

主「感情の流れもよく分からなくて急な印象を受けた。

 ずっとハイテンションだし。

 おそらく、今回キャラクターを前面に出して物語を動かすことに徹していて、整合性とか流れのカタルシスなどは一切無視している。

 でも、その割り切り方は良かったんじゃない?

 物語としての中身……テーマなどはほぼ感じなかったけれど、音楽とダンスとキャラクターで物語を語る。

 下手にそこをいじると尺も足りないし、大変なことになる。

 その意味では、この選択は正解だと思うし、これ以上の方法は難しかったかもね

 

 

 

最も上がったシーン

 

それでも、どこかで胸を熱くしたシーンはあるんじゃないの?

 

やっぱりセイントスノーは良かったよ

 

カエル「あそこだけドラマが異質だったもんね。他のパートはほぼギャグも挟んていたけれど、ここはほぼシリアス。そして走るシーンなども力が入っていて、胸が熱くなったなぁ。

 多分、テレビアニメを見ていたら、もっと思うところがあったんじゃないかな?」

主「後半のダレるかと思った部分……は物語におけるラストの前の大きな谷になる、闇落ちというか、最大のピンチをどのように描くかなぁ? と思っていたらまさかの別キャラクターを描くことで物語をしめるとは!

 これはびっくりした。想像すらしていなかったし」

 

カエル「そこから旧校舎に行ったりして、過去に決着をつけてラストライブへ! というのはいい流れだったね」

主「結局、Aqoursとしての谷は最後までほとんどなかったけれど、全体を通してみればラストの前にいい谷にはなっていた。

 キャラクター先行型の物語でも、こういうやり方もあるのか……と感心する。その一方でキャラクターの個性を出そうとして、紋切り型に見えてしまう部分もあるにはあるんだけれどね。

 全体的には決して悪くない作品だと思います。

 確かに音楽シーンは特にいい。ここだけをまとめてもう1回観たいくらいだよ。あのイタリアの上級生たちだけで歌い歩くシーンは特に好き

 

 

 

 

まとめ

 

では、この記事のまとめです

 

  • 音楽やダンスはとてもいい! ここだけを見に行く価値もあり!
  • キャラクターの魅力を最大限発揮した分、展開などはおざなりに……
  • 作品の魅力や長所をよく知った上で割り切った、いい作品だったのでは?

 

これはこれで有りです

 

カエル「……ちなみに、誰が一番気に入ったの?」

主「う〜ん……見た目はあまりピンとこなかったけれど、この2時間の中では1番目立っていたのはヨハネだよね。

 でも1番好きなキャラクターは……果南になるかなぁ。あれくらい落ち着いたキャラクターを欲している自分がいた」

カエル「……それって好きなの?」

主「元々、キャラ萌え重視の作品の楽しみ方ができないたちだからなぁ。

 とは言いつつも、アイマスは好きだから、多分キャラクターに慣れればなんてことはないんだろうけれど」

 

 

 

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