物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『デスノート Light up the NEW world(2016)』感想 デスノートの可能性の多さを感じさせる一作!

カエルくん(以下カエル)

「ここに来てデスノートの新作(略称デスノートLNW)が公開されたね」

 

ブログ主(以下主)

「もうブームが10年前と聞いて、驚愕だよ。そんなに時代がすぎたのかって」

 

カエル「今回映画館に行ったら、ハロウィンというのも関係あるのか、小学校低学年っぽい子供もいたもんね」

主「そんな年の子が見てもわかるのか? なんて思いながら見ていたけれど、ずっと大人しくしていたよ。偉いもんだ。

 しかし、その子が生まれた時にはデスノートはもうブームも終わっていただろうから、そう考えると時の流れというのは恐ろしく感じるな

カエル「主も年をとったもんだね……」

主「こうしていつか、亀爺みたいに『わしの若い頃は……』を連発する高齢者になるんだろうな」

カエル「……まあ、あれはあれでどうかと思うけれど……じゃあ、感想記事を始めるよ」

 

 

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 1 ネタバレなしの感想

 

 新作公開に最適な時期

 

カエル「まず、この時期にデスノートの新作が公開されることについてはどう思う?」

主「タイミングがいいなぁって思ったよ。それこそテレビドラマシリーズもあったけれどさ、デスノートは設定自体が非常に魅力的なんだよね。それこそ、ドラマや映画にしやすいし。

 命のやり取りというスリリングなゲームでありながら、ノートに書くだけというお手軽な方法、キャラクター数も限られてくるし、やろうと思えば原作みたいに頭脳戦、爆発、トラック突入でもなんでもできる。

 小規模にも大規模にも演出できる、優れた設定を持つ作品だよね。しかも『ノート』だから時代性も問わないし。やろうと思えば……英語の問題はあるにしろ、昭和だったり江戸時代でも、もちろん国が変わってもデスノートの話はできるよ。大ヒットするのは当然だな」

 

カエル「しかもあれから10年で、過去作の続編として製作するには丁度いい時期かもしれないね」

主「これ以上時間をおくと出演した俳優陣も年をとりすぎるだろうしな。あの時はまっていた中高生だったら、今はお金をある程度自由に使える年齢になっているし、もっと年上であればそれこそ家族で……まあ、あんまり子供が小さすぎると無理かもしれないけれど、家族で映画を観に来るかもしれない。

 そう考えるとこの10年という歳月は絶好の機会だっただろうね

 

キャストについて

 

カエル「今回の新作のキャストについては……とりあえず若手俳優が多い印象かな?」

主「結構、難しい役どころが多かったなぁという印象。あとでまた話すけれど……リアリティラインの設定があまり固まっていないんだよね。

 だからハイテンションな、エンタメ重視の演技の方がいいのか、ローテンションでリアルな演技の方がいいのか、迷っている印象があった。それが中途半端な結果になったね」

カエル「これも便利な設定ゆえかもしれないね」

主「個人的にはエンタメ重視の、ハイテンションな演技が良いと思うんだよ。デスノートという非現実的なお話だし。だけど、その場面場面を見たら、割とリアリティがあるというか……いや、リアリティはそこまで高くないけれど、ある程度写実的に演出などで作られているからさ、そこで違和感があったかな」

 

カエル「その中でも良かった俳優は?」

主「やっぱり竜崎役の池松壮亮。

 彼が1番エンタメとして振り切った演技をしていたし、それが作品世界観とマッチしていたと思う。ひょっとこのお面とかさ、話し方だったり、挑発だったり、風貌だったりという面において、キャラクターが立っていた。

 あとは、池松壮亮ってずっと目が潤んでいるのね。それも印象に残ったな。

 今作のMVPは池松壮亮だね

カエル「他の役者は……難しい役が多かったかな?」

 

主「あんまりネタバレしないように話すと、結構いろいろと複雑な映画なんだよ。

 それが1番わかりやすいのが戸田恵梨香でさ、個人的には作中、怪しい演技も多いなって印象。だけどさ、10年前の役をやってくれと言われて……しかも、その頃と同じ役だけどキャラクターは成長しているわけじゃない? 10代の少女と20代後半? の女性だと、演技も違うし。

 それを正解がない中でどう演じればいいのか……それを迷っている印象はあったかな。でも、他の人じゃできないしね」

カエル「他の役者も……例えば三島を演じた東出昌大とかも、色々と難しいしね」

主「でもさ、それだからこそ生きる部分もあって、映画作りって大変だなぁって思ったよ」

 

 

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全体的なネタバレなしの感想

 

カエル「ネタバレなしでいうと、やっぱりデスノートは当たりが多いって印象があったけれど、今作も、まあ当たりだったんじゃない?」

主「監督の佐藤信介って『アイアムアヒーロー』とか『図書館戦争』などの、漫画やアニメ、ラノベ風小説が原作の映画化が多い人だし、しかも結構評価が高い監督だから、やっぱりのその肝を熟知しているのかな、って印象がある。

 今回の映画も難しいと思うよ。原作はあるし、金子版デスノートの続編だし、テレビ局との兼ね合いやら予算も当然あるし。それでも、これだけのものができるというのは、監督の手法ということはあるだろうね」

 

カエル「詳しくはまたあとでって話だけど、まあまあ面白かった

主「漫画原作映画って色々言われるけれど……そしてその批判が正しい映画もあると思うけれど、最近はそれなりに面白い映画も多いと思う。ちはやふる <上の句><下の句>』とかさ、それこそ上記の作品とか。

 原作や前作映画のファンが見ても、デスノートが完全新規の人が見ても、ある程度楽しめる作品になっていると思うし、デスノートという作品の可能性が色々あるということも感じた。

 ここから先、どう展開するのかわからないけれど……それこそ完全新作を作るのか、シリーズ化するのか、スピンオフを作るのかわからないけれど、ハリウッドが制作しても面白いことになるだろうね」

カエル「それこそもっとシリアスな……『新世界の神』とかが登場しない作品にしてもいいしね」

 

 

以下ネタバレあり

 

 

2 序盤に感じたデスノートの可能性

 

カエル「まず、説明から始まるわけだけど……」

主「ここはある程度のうまさというか、省略の良さを感じたかな。

そもそも

『なぜ6冊のデスノートが地上に落ちたのか?』

『デスノートってそもそも何?』

『キラって誰?』

という基本的なことを完全新規の人にもわかりやすく説明するために、セリフをずらずらいれないで、文字でチャチャっと説明してしまうのはいいと思う」

 

カエル「そしてその内の1冊が……寒い地域の、ロシアの医師のところに行くわけだ」

主「なんで日本ばかりにデスノートが落ちてくるんだよ、というツッコミもあったと思うけれど、それをスタートで回避したわけだ。そしてその使い方が『安楽死としてのデスノート』となっている」

カエル「これはいいアイディアだよね。デスノートのこれほど有意義な使い道も他にないよ」

主「ここの場面は静かに、重く進行しているんだよ。ここだけ別の映画みたいな雰囲気でさ。個人的にはこういった……『デスノートを使うか使わないかの葛藤劇』というのもありだと思った。

 本来ならば……デスノートを使った後の葛藤ってあってもいいじゃない? だけど、それは作品の主題じゃないからさ、あまり出てこないんだよね。安楽死とセットで、悩む作品というのも……地味だけどね、あってもいいよ

 

カエル「実際、リアルに考えたら、ノートを使う可能性も高いとはいえないしね。死神は見えるようになるから信じるかもしれないけれど、それでも使うかというと……人を選ぶよ。自分ならどうするかな?  使わないかな?」

主「そこまで殺したい相手もいないしなぁ……まあ、それは今回の作品の主題から外れるからいいけれど」

 

 

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日本のスタート

 

カエル「舞台を日本に移して、まず通り魔的にデスノートを使うという場面からスタートだね」

主「ここは良かったと思うよ。ツッコミどころはあるけれどさ……警察の初動速すぎない? とか、群衆も通り魔だと気がついていたから、何度もやっていて警戒中だったのかね? あと、これは作品全体に言えるけれど、ノートに名前を書くの早すぎるとかさ」

カエル「また細かいところを……デスノートの存在って世間的にはそこまで広まっていないんじゃなかったっけ? あとモブの中には『神経ガスじゃね?』と言っている人もいたし」

主「まあ、そこはいいか……通り魔的な犯行が続いたあとで、あのひょっとこ竜崎が登場するわけだ。

 ここは面白かったね。これだけのパニック状態で、正義の味方のように現れる竜崎……いいアイディアだったよ」

 

カエル「主はそういう外連味のある演出、好きだもんね」

主「この作品はやっぱりエンタメ全開で作っていいと思う予算の関係とかもあるだろうけれど、リアルなテイストを……それこそ冒頭の外国のリアルなノリを期待している人はほとんどいないわけだし。自分は観たいけれどね。

 そしてノートを回収するわけだけど……わからないのは、彼女は自殺したってことなのかな?

カエル「描写的にはそうだよね。他の人に書かれたってことはないだろうし、単独犯みたいだし」

主「その理由とかもよくわからないんだよなぁ……何か見落としているかね?」

カエル「う〜ん、どうだろう? 紫苑(菅田将輝)の仲間ではなさそうだけど……」

主「まあ、それもいいや。ツッコミどころはあるけれど、物語としては面白いスタートだなぁって思った」

 

※見落としていたみたいです。

 

 

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3 中盤のシーン

 

カエル「そして新生キラの登場と、竜崎たちの説明、死神の説明などがあって中盤に入るわけだど……」

主「やっぱり、前作の続きというのがこの作品を作る上では良かったね。最高の状態で引き渡しがされていると思ったよ

カエル「……というと?」

 

主「前作の主人公であるキラも、ライバルのLもすでに公式に死んでいるわけだ。それでいながら前作の人気キャラクターである海砂はまだ生きている。これは、前作の主人公に縛られることなく物語を作り出せるし、海砂も出すことができるからね。あとはスポットで登場して貰えば、それでいいわけだ。

 たまに続編ものでなぜ前作の主人公が出ないのか、不明な作品があるでしょ? その理由は絶対過去の主人公の方が人気で、次作の主人公やキャラクターを食ってしまうからと言われている。だから出せないわけだけど、今作はなぜキラやLが出てこないのか、はっきりとわかるしね」

 

カエル「確かにね」

主「でもなぁ……この中盤のシーンは微妙だったなぁ」

カエル「う〜ん、少し説教くさい気もしたし、どうにもキャラクターに大物感が足りないなぁ

主「本作の敵役である紫苑が、やっぱりキラと比べると小物感がある。やっていることはサイバーテロばかりだし。

 この限られた時間の中で表現するのは難しいけれど、竜崎、三島に比べて露出も少ないし、他の人との絡みもないから、大物感がどうしても伝わってこないんだよね」

 

この竜崎の表情とか、結構好き。いいキャラしてるわ。

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警察のゴタゴタ

 

カエル「ここは中盤の山場以降の場面かな」

主「紫苑の本拠地に突入して、大きな事件が起こるんだけど……ここがさぁ、何か説教臭く感じたんだよ。邦画で嫌いな部分とでもいうか。

 正論かもしれないけれど、正論は口にすると説教臭くなるんだよね。親の言うことを聞かない子供と一緒でさ、それはそうかもしれないけれど……という気持ちになる」

カエル「主は特にそういうの嫌いそうだものんね」

 

主「みんなの友情とか、職務とか、正義心とか、そういうことは言葉にしない。もっとサラリと演出とかで淡々と語るべきなのに、道徳的な物語を目指しすぎているような気がした。

 だから警察内部の友情などのやり取りを強調するような場面になったのは……冷めちゃうなぁ」

カエル「シンゴジラの『仕事ですから』くらいサラリとしていた方が主の好みかもね」

 

主「名前のやり取りとかさぁ……あんなのいる? って思っていた。後半を考えたら必要だったんだけど。

 この中盤はあえて置きにいったというか、捨てにいったような気がする。そのあとにつなげるための伏線張りだね」

カエル「まあ、そうだろうね。名前はラストに向けて大事だったからね」

主「あ、でも中盤では、海砂のポテチは好きだよ。あれは原作でも特に人気の……ツッコミ満載だけど、ファンには喜ばしいシーンだったし。そういう場面も多かったかな」

 

 

以下 さらにネタバレあり!

 致命的ネタバレなので、未鑑賞者は読まないことをお勧めします!!

 

 

4 その後のやり取り

 

カエル「ネタバレしないように語るけれど……さらにショッピングビル? で直接対決があったわけじゃない?」

主「そうね。そこもさぁ……小物感があるんだよね。知能バトルというほど知能バトルじゃないし、竜崎のキャラクターを生かすためには紫苑を強力な敵にしなければいけないんだよ。

 だけど、それができていない。やっぱり徹頭徹尾ツッコミどころ満載の小物になっている。

 なんであいつがそのまま海砂に近づいちゃうのよ? 海砂が名前を書く可能性を、考慮できなかったの? とかさ。まあ、小物だよ。

 だから相手をする竜崎も小物のように見えちゃう。頭脳バトルとしては……ねぇ」

 

カエル「でもさ、海砂のラストは結構良かったよね」

主「あのまま生きていても、そう長くない命のはずだったしなぁ。むしろ、よく10年生きたなぁと思ったよ。あれ、死神の目の取引2回って原作だけだっけ? そこいらへんの設定は映画版は忘れているけれど……」

カエル「あのラストの願いは、やっぱり昔から読んでいたファンには堪えるものがあったんじゃない?

主「結局最初から最後まで月のことだけを思い続けたんだなぁ……意外と純粋なキャラクターだよね」

 

ラストバトル

 

カエル「そしていよいよ、6冊のノートを持って約束の地へ向かうわけだけど……」

主「あそこまでも意味がわからなかった。なんで6冊集めてあそこに行く必要があるの? って。だけど、これも今までの伏線だったんだね」

カエル「まさかね……小物小物って思っていたけれど、本当に小物だったとは!

主「ネタバレありと言いつつも、ここは個人的にあまり語りたくないから、濁すけれど……館でああいう展開になって、窓から光が差して一気に外連味が増すわけじゃない? それまで中途半端な演出とかじゃなくて、一気に派手な演出を持ってきてさ。

 まあ、あの状況で弾がほとんど当たらないっていうのもご都合といえばご都合なんだけど……やっぱり竜崎はデスノートで確約していたから、あそこでは必ず死なないというのもあるのかね? でも弾は当たるから、重体にはなるのか?」

 

カエル「どうだろう? でもそう考えると、キラの方はおかしいけれどね」

主「だけど、ここにおいて……それまでのツッコミどころ満載の、ダメ映画ぽい部分が、全て『あえての伏線』だったことが明らかになったわけだ。

 だから、キャストに関して『難しい』と言っていたのは、この部分なわけ。決して、リアルテイストな話でもない、むしろエンタメ重視なんだよ、作品自体は。だけど、隠された設定などもあるから、それを察知されないように、だけどそこと矛盾しないように演じなければいけない。

 まあ、あの人は忘れている設定だけどね」

 

カエル「ここで一気にエンタメ演出をしたよね。そして多くの伏線が回収される、と」

主「まあ、ツッコミどころもあるけれどさ、ミステリーとして、サスペンスとしては、まあまあ良かったと思う。ああいう展開になるとはあまり思っていなかったし、それまでの発言の疑問もある程度晴れたし」

 

 

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ラストシーンについて

 

カエル「そして留置所の中での会話になるわけだ」

主「ここでこの作品のタイトルの意味が全てわかるよね。『Light up the NEW world 』って、そのままの意味だったね。ライト=キラが導く新世界って。しかも、この先の展開を考えても、中々面白いよ。

 だって、あの人がああなるってことは、〇〇が〇になるってことでしょ? これは原作にもなかったしね」

 

カエル「……ネタバレ防止のためにわかりづらいことになっているね」

主「さらにあのスタッフロールの後で再び『ええ!』ってなるし。その意味では原作を読んでおいたほうがいいかもね」

カエル「しかし、これは続編を作るのかな?」

主「どうだろう? いくらでもできるけれど……作らないかな? この後の続編となると、続編の続編だから、相当売れないと難しいだろうし。原作の登場人物で生きているのって……キラの妹くらい?」

カエル「かもねぇ。それも重要キャラかというと、微妙なところだし……」

 

 

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5 全てを終えての感想

 

カエル「じゃあ、感想記事を終わりにする前に、どういう印象を持った?」

主「まずは、この作品は個人的にはデスノートの原作とアニメを除いた実写作品の中では、だいぶ好きな作品になった。

 金子修介版もドラマ版もそうだけど、先にも言った通り勧善懲悪が過ぎるように思ったんだよね。デスノートの面白いところって『ライトが正義なのか?』という問いもあると思うんだよ。現に、ファンの中では『ライト派? L派?』という論争もあったし。

 だけど、実写版になると『どんな理由であっても、どんな相手であっても殺人はいけないことだ』という名目上で、その描き方が一面的になってしまった感がある。これが個人的にはいただけなかった」

 

カエル「言っていることは正しいけれどね」

主「自分はL派だし、ライトに賛同はできないよ? だけど、物語の中で強すぎるメッセージはただの説教になるからさ。それを寓話として処理するならばいいけれど、そうはなっていない。ある意味ではチャップリンの『独裁者』と同じで、確かに言っていることは素晴らしいし、名スピーチだけど、映画でやることではないと思う。そういう言葉を入れると、違う重みが出てきちゃうし。

 金子版は、教育映画になっちゃっているような気もしていたのね。

 だから過去の作品はイマイチかなって思いもあった」

 

カエル「じゃあ、今作のラストは比較的満足なんだ」

主「原作と違ったものを作る上で、デスノートという優れた設定がある中で、このように改変したという点は、評価できるよ。悪い映画じゃないし。

 さらに言えば……穿った目線で見れば、監督も過去のデスノートに批判的な意味合いもあったのかな? って。だから、あれだけ正論を吐いていたデスノート係の警察官の……名前がある目立った人たちをああしたのかなって」

カエル「ああ、批判を兼ねてってこと?」

 

主「そう。1番ダレる中盤に『いかにもなテレビ主導の漫画原作映画』みたいな場面を入れて、最後でそれを笑い飛ばすように、外連味とともに仲間たちもあっさりとああいう形にした。

 しかも、その友情は、職務精神は仮のものだったというね。そう考えるとさ、あの女性の最後も……『そんな臭いセリフはいらねえんだよ!』という意味に聞こえてくる。まあ、あの死神のラストもよくわからなかったけれど!」

カエル「さすがに穿ち過ぎだと思うけれどね……」

 

 

 

最後に

 

カエル「さて、これでデスノートのお話も一件落着だけど……」

主「面白かったんじゃない? やっぱりさ、映像化した時に必ずキラが負けてお終いっていうのは好きじゃないのよ。それも選択肢の一つだけど、これだけ実写化した中でどれも似た様なラストっていうのはね……原作でも一度はキラが勝っているわけだし。

 だから、今作みたいなラストがあってもいいと思うよ。というか、ない方がおかしい

カエル「まあ、ねぇ。『どちらが正しいのか?』というテーマを持たせるならば、キラを断罪するのは違うしね」

主「結局、キラにはキラの正義があり、LにはLの正義がある。その意味でも正義と正義の戦いでもあるんだよ。だから、一方的な正義の断罪はこの作品にはそぐわないと思うけれどなぁ……

 まあ、本作も正義と正義の戦いにはなっていないけれどね」

 

カエル「じゃあ、主がデスノートの設定を使ったら何がやりたい?」

主「短編だったら、さっきあげた『デスノートを使うか使わないかの葛藤』もいいし、あとは『こんなデスノートは嫌だ4コマ』とかかな。

 長編なら……もっと、6人のキャラクターを主義をはっきりとさせてのバトルロワイアルがしたい。なんか『未来日記』とかに似た作品になるかもしれないけれど……

 あれ? そう考えると完全に新しい描き方って意外とないのか? いやいや、確かに全く新しい作品というのはないだろうけれど……デスノートを使った儲け話は……できるのか?」

カエル「……ただの妄想でそこまで真剣に悩まなくてもいいよ」

 

 

追記

 

カエル「デスノート、評判悪いね」

主「まあ、そうだろうね。結構色々な評を見たけれど、叩かれている印象かな。デスノートの高度な頭脳戦、心理戦をやって欲しいというのもわかるし、中盤のダメ映画部分が足を引っ張っているのもあるね」 

カエル「……そうねぇ。主はなんでそこまで評価したの?」

主「デスノートの高度の頭脳戦なんて、元々望んでいないから。というか、できないよ。映画でやっても、観客の頭がこんがらがると思うし、そんな作品になると思っていないし。あれはゆっくりと読めて、時間的都合もあって、何度も繰り返し読み直せる漫画だからできることで、映画は流れるから。インフェルノだってそうでしょ? 映画の頭脳戦やミステリーには限界がある。

 こんなもんかな? ってレベルだった。元々ハードルは低かったし。新しいデスノートの可能性が観れただけで十分かな」

 

カエル「まあ、漫画原作と前作があるから、何をやっても叩かれれるだろうしね」

主「続編ものの難しさだよね。だったら、いっそ月とLとは全く別作品のデスノートをやらない限り、多分、何を作っても叩かれる。人気原作の難しさだね」

 

 

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