カエルくん(以下カエル)
「2018年2月の月間振り返り企画ですが……今月もまた異例のランキング記事になります」
亀爺(以下亀)
「いつもは月間ランキングとしてベスト5として発表するわけじゃが……今月もベスト5を選ぶことができんかったの」
カエル「もうさ、この企画でもランキング形式で発表するのも考えたほうがいいのかもしれないね」
亀「今回紹介しなかった作品でも面白い作品も数多くあり、話題になった中でも観に行けなかった作品もあるからの……
2018年に入ってから当たりの作品ばかりで、今後の年末ランキングなども先が思いやられるという嬉しい悩みがあるの。
では、2月度のおすすめ映画紹介の記事を始めるとするかの」
対象作品
記事にした作品
以上11作品
記事にしていないが鑑賞した作品(公開3ヶ月以内)
『blamk13』
『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』
『マンハント』
『劇場版Infi-T Force/ガッチャマン さらば友よ』
『アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー! な大騒動になった件』
以上16作品がノミネートです
まあ、こんなものですかねぇ……
ちなみに『犬猿』『悪女』『絵文字の国のジーン』なども注目はしていましたが……多分観に行けないだろうなぁ……
最近記事の更新が少なくて申し訳ないです
うまい作品!
スリービルボード
作品紹介・あらすじ
世界中の映画祭にて最高賞や脚本賞を受賞し、アカデミー賞の作品賞最有力候補の呼び声高い作品。
舞台などでも高く評価されており、映画デビュー作である『ヒットマンズ・レクイエム』で脚本の賞を獲得し『セブンサイコパス』などでも監督と脚本を務めてきたマーティン・マクドナー監督が本作も監督・製作・脚本を担当する。
主演はフランシス・マクドーマンドが娘の復讐に燃える母親役を演じており、アカデミー賞主演女優賞にもノミネート、また助演男優賞には署長役のウディ・ハレルソン、
因縁深い警察官役のサム・ロックウェルもノミネートしている。
娘が非業の死を遂げたのにもかかわらず、警察の捜査は難航していた。そのことに憤りを覚えた母親のミルドレッドは、街の片隅にある3枚の看板に警察に対する抗議の文章を掲載した。
それに対して警察や地元住民からの怒りの声もあり、ミルドレッドは徐々に孤立していくことになる。しかし、物語は予想に反する展開へと向かう……
カエル「まずは完成度の高さで度肝を抜かれたのが、この作品だよね!
さすがはアカデミー賞本命と言われるだけあって、隙のない作品だったなぁ」
亀「これだけの完成度を誇る作品はそうそう出てこないの。1月の『パディントン2』で度肝を抜かれ、今年はこれ以上の作品は出てこないかもしれんと思っておったが……まさかこんなに早く、同じくらいの完成度を誇る作品が出てくるとは思わんかった。
年に1作、2作かというほどの素晴らしい作品じゃな」
カエル「ある意味では差別をテーマとした分かりやすいお話でもあるんだけれど、でも人間描写がすごく複雑で何が何だから分からなくなってくる部分があって……でもそのカオスな状況が心地よくなってくるというね。
まさしく一瞬先でもどのような変化を迎えるのか、予想が全くできない作品に仕上がっていたね」
亀「それでいながら演出もキレキレであり、見所も非常に多く読み取る部分も多岐にわたる。その後の考察によって作品の色が大きく変わる作品でもある。
エンタメ要素も兼ね備えた完璧すぎるほどに完璧な映画じゃったの」
好きな作品!
羊の木
作品紹介・あらすじ
『桐島、部活やめるってよ』『美しい星』などの吉田大八が山上たつひこ原作いがらしみきお作画の同名漫画を実写映画化した作品。脚本は吉田作品であり『クヒオ大佐』も手がけた香川まさひこが担当する。
主役には今作からネットで写真が許可されたジャニーズ事務所の人気アイドルである錦戸亮、その同級生役に木村文乃、そして6人の元受刑者に北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平を起用し、独特の世界を構築する。
市役所職員の月末はある日、6人の移住者を迎えにいけと言われる。そこに向かうと明らかに周囲とはおかしな雰囲気だった。実はこの6人は元受刑者であり、自治体が住む場所と仕事を斡旋して仮出所させるというプロジェクトに選ばれた人たちであった。
不信感や違和感を抱きつつも彼らと付き合っていく月末であったが、ある日海から死体が上がってくることになる。
この死体は殺人なのか? 犯人はこの中にいるのか? 疑心暗鬼にかられる中で、物語は静かに動き始める……
カエル「もちろん他にも好きな作品も多いけれど、『この作品は好きだ!』と思ったのが羊の木になるのかなぁ?
ちょっと賛否は分かれているところはあるんだけれど、地味ながらも見どころの多い作品に仕上がっているね」
亀「予告編を見たところだと元殺人犯たちが再び牙をむくかのようなものであったが、今作はどちらかというとヒューマンドラマとなっておる」
カエル「それぞれの事情により殺人を犯してしまった人たちがどのように更生していくのか……それも見どころの1つでもあるけれど、何と言っても役者の演技が見事!
誰もかれもが魅力的な演技をしていたね」
亀「それまでのイメージを覆すような俳優もいたりするの。
それと同時に、それらの演技や演出が一体となったラストを見たとき、カタルシスがあった。
地味な作品かもしれんが、吉田大八監督らしい1作とも言えるの」
感動した作品!
ぼくの名前はズッキーニ
作品紹介・あらすじ
第89回アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされ、アヌシー国際映画祭で最高賞のクリスタル賞と観客賞を受賞、また日本のTAAFにて長編コンペディションで優秀賞を獲得している、世界的に評価の高いパペットアニメーション作品。
監督は今作が初長編作品となるクロード・バラス。
また日本語吹き替え版には峯田和伸、麻生久美子、リリーフランキーなども参加している。
とある事情によって母親を亡くしたズッキーニは施設へと入所することになる。持ってきたものは父親の描かれた凧と、母親の形見である空き缶だけ。そこで待っていたのはそれぞれ特別な事情を抱える子供たちだった。
彼らとの衝突や交流を繰り返していたある日、カミーユという女の子が施設に入所してくる……
カエル「世界で絶賛されたパペットアニメーションの傑作がいよいよ日本で公開したけれど……これはガツンとくる作品だったね。
60分台と非常に短い作品でありながらも、テーマ性、メッセージ性に優れていて見所も多い作品だったなぁ」
亀「これはぜひとも鑑賞して欲しい作品じゃな。
鑑賞中ずっと涙が浮かんできて、彼らの一挙手一投足に注目してしまう。どのような人生を歩んできたのか……その思いがぐっと伝わってきた時、こらえきれないほどの感動に包まれる作品じゃった」
カエル「これはもっと評価されてしかるべきだし、評価されないといけない作品でもあるとおもんだけれどなぁ……」
亀「パペットアニメーションということで少しとっつきにくいところもあるのかもしれなんが、特に大人が泣ける作品に仕上がっている。
そろそろ公開が終わってしまう映画館もあるから、早めに観てほしいの」
楽しめた作品!
グレイテストショーマン
作品紹介・あらすじ
19世紀のアメリカに実在した興行師であるバーナムを描いたミュージカル作品であり、昨年大きな話題を呼んだ『ララランド』のベンジ・バセックとジャスティン・ボールが担当した楽曲も大きな話題となっている。
監督はマイケル・グレイシーが勤める。
主演のバーナムにはヒュー・ジャックマン、ビジネスパートナーのフィリップ・カーライルをザック・エフラン、バーナム夫人はミシェル・ウィリアムズが演じる。
貧しい家庭で育ち、仕立屋として父と共にお屋敷にきていたバーナムは一人の裕福な家庭で育つ少女とで会う。身分の違いもあり彼女とは別れ離れになってしまうが、諦めずにアタックを続けた結果見事婚約を果たすものの、仕事は何をやってもうまくいかない。
そんな時に銀行の融資から大金を手に入れたバーナムは美術館を買うものの、お客さんは全く来なかった。このままでいけないと必死に考えた結果、サーカスを始めることを思いつく……
カエル「今月1番の注目作!
アメリカでは若干批評家評が割れたようだし、当初の興行はあまり良くなかったようだけれど、一般観客の口コミや後押しもあって大ヒットにつながったという作品だね」
亀「何と言っても楽曲の魅力が非常に大きく、思わずサントラを購入してしまうほどじゃな。もちろん、わしらも購入してしまったの。
映画としての出来にはちょっと思うところもあるのじゃが……それでも、そんなことを忘れるくらいミュージカルのダンスと楽曲がとても魅力的な作品でもあったの」
カエル「テーマや描かれている見世物にされてしまう人たちに描き方などでも賛否は分かれていたけれど……『最も崇高な芸術とは人を楽しませることだ』というバーナムの名言の通りの映画だったんじゃないかな?」
亀「今作も音楽の魅力がとても大きく、ぜひ音響の良い映画館で鑑賞してほしい。ソフトで家で鑑賞すると、少し魅力が落ちてしまうかもしれんからの」
その他の作品について
カエル「では、それ以外の作品についてもちょっと考えていくと……これがデビュー作になったけれど、後々も注目していきたい監督が多かったかなぁ」
亀「まずは俳優である斎藤工が監督を務めた『Blamk13』じゃな。芸能人監督というと少し色目で見てしまったりするものじゃろうが、本作は映画として非常にきちっとしているような作品じゃった。
父親の葬儀の話であるのじゃが、喪服の黒と周囲の光の白のコントラストの作り方であったり、またバッティングセンターやタバコといった小道具の使い方、他にも様々な部分で工夫が見られて、驚きに満ちた作品でもあったの」
カエル「全体的なテイストは黒澤明の『生きる』を基にしているのかなぁ? と思いきや、中盤で笑いを入れてきたりして、飽きさせないような工夫もあって……この約70分間の上映時間も火葬場でご遺体が焼かれるまでの時間だと考えると、葬儀の映画として見事な構成だったね」
亀「俳優出身監督が撮るからかもしれんが、俳優もまた魅力的も撮影されていたの。
今後の活躍をさらに期待したい、若手監督の1人と言ってもいいじゃろうな」
カエル「そして今後の作品に期待という意味では岡田麿里初監督作品の『さよならの朝に約束の花をかざろう』もそうだったね。今回はPAworksが総力を挙げてきたけれどい、その力の入れようがよく分かる映像と音楽のクオリティとなっていたよね」
亀「残念ながらわしには合わない部分もあったのじゃが……これだけの作品をデビュー作で作り上げたことも素晴らしく、またこれから先どのような作品を作り出すのか楽しみではあるの」
カエル「他にも『ロング・ロング・バケーション』とか『RAW』なども魅力あふれるいい作品だったので……本当に豊作な1ヶ月間だったね」
3月公開作品について
カエル「では来月の作品だけれど……ここはもう大作ばかりだよねぇ。まずはいきなり3月1日に『シェイプ・オブ・ウォーター』『15時17分、パリ行き』『ブラックパンサー』から始まるというとんでもない日からスタートなります」
亀「さらに『ちはやふる 結び』や『映画ドラえもん のび太の宝島』『リマンバー・ミー』などの子供向けアニメ映画も大作が続々公開という月になるの」
カエル「何から手をつけていいのか、全くわからないよねぇ……しかも小規模でも『ラッキー』などのように魅力的なタイトルが多く公開されて、すごく忙しい月にはなるんだろうね」
亀「最近更新頻度が落ち気味であるし、3月は年度末で忙しいこともあるからの。何とも言い難いところもあるのじゃが、なるべくレビュー記事を少しでも多く書いていっていきたいの」
カエル「というわけで、大激戦の3月はどうなるのか?
映画館にみんな行こう!」