物語る亀

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物語愛好者の雑文

<2023年の御礼>〜振り返りとお気持ち表明〜

 

えー、今回は2023年の振り返り記事となります

 

振り返りといっても、単なるお気持ち表明になりそうかな

 

カエルくん(以下カエル)

……毎年やっていた、ベストランキングはやらないの?

 

やらないねぇ……代わりに良かったアニメ作品をまとめようかとも思ったけれど、それもやらないことにした

 

カエル「……何で、やらないのかに関しては、これから説明するとして……あんまり面白くない話になりそうなので、ここでブラウザバックすることを推奨します」

 

主「本当にお気持ち表明と愚痴になりそうだからね。

 勝手に絶望してろ、と言われるんだろうなぁとわかっているし。

 何で9月以降ほとんどブログを更新しなかったのか、ということにも触れていけたらいいなと思っています。

 それでは、記事のスタートです」

 

 

 

 

 

映画・アニメ映画に絶望の2023年

 

……いきなり、仰々しいワードが出てきたね

 

なんというかなぁ……個人的には色々なことがわからなくなってしまった1年だったと思う

 

カエル「まずはうちが主戦場にしている映画・アニメ作品について語っていきましょうか。

 2023年はざっくりとどういう年だったと認識しているの?」

 

主「……これは自分の感覚だし、メンタル的な問題もあるかもしれないし、数もそこまで見れてないけれど……かなり不作の年だと感じた。

 少なくともアニメ映画に関しては大不作。

 年間ベストを組めないというのは、飛び抜けた作品がなくて……いつか説明した風に語るならば、Sランクは0、Aランクすら……どうだろう、3本くらいじゃないかなぁ。

 もちろん、100本、200本と分母を大きくすればそれだけ飛び抜けた作品が出てくる可能性は高まるから、これは単純に自分が観た本数が少なすぎるというのもあるかもしれない」

 

 

 

TVアニメついて

 

ランキングを作らないというのは、正確に言えば『観た本数が少ない&心に響かないので”作れない”ということなんだね

 

これは、何度も語るけれど、作品そのものというよりは、受け手であるこちらの問題かもしれない

 

カエル「次に、TVアニメについて語っていきましょうか」

 

主「今年は例年以上に豊作だったように感じているかな。

 放送作品数が多すぎて全部をチェックはできないし、話題作を中心に見たけれど、満足感がある作品は多かった。

 好きなところでは『ヴィンランド・サガ2期』だったり、あるいは『スキップとローファー』『ホリミヤ-piece-』現在放送中の『葬送のフリーレン』などもかなりお気に入り。

 もちろん映像表現の贅沢さは2時間に詰め込む映画には敵わないけれど、満足感だけならば、平均点でも最高点でもTVアニメの方が上だったのではないだろうか」

 

アニメ映画が不作、TVアニメが豊作な1年だったんだね

 

見た本数は明らかにアニメ映画の方が多いんだけれどね

 

 

 

 

新しい波を感じたVtuber

 

その中で、うちがここ数年どハマりしていたのがVtuberでした

 

……というか、アニメ表現に満足できなくなった原因ってVtuberだと思う

 

カエル「一般的には伸びてきてはいるけれど、コアなアニメファンを中心とした文化、という印象だよね」

 

主「うちが主催している『アニなら』の年間ベストで、宝生マリンの『SHINKIRO』を年間ベストだ! と言ったけれど……それは、まあ、その場を盛り上げるためのリップサービス込みだけれど、でも新規性という意味では、その代表でマリン船長を挙げただけで、Vtuber全体が異様に面白かったんだよね。

 ただのV豚の感想じゃねぇか、と言われそうだけれどさ。

 あと一応言っておくと、自分はスパチャはしませんが株は買っているので、その贔屓目があるのでは? という意見もあると思います。まあ、贔屓目があるから株を買っている、が正解なんですが。

 昨年にじさんじを運営するえにからが、2023年にホロライブのカバーが上場して、さらに1つ会社としても文化としてもレベルが上がった気がする」

 


www.youtube.com

 

既存のアニメ表現が霞むくらいに、Vtuberにハマったということなんですね

 

もちろん、1つ1つのライバーや映像作品を見れば、もっと上のアニメ作品はいくらでもあるよ

 

主「でもさ……端的に語ると、もう行おうとしていることのスケール感がまるで違うって感じ。

 もしかしたら、それはV全体というよりも、カバー社やえにから社だけのものかもしれないけれど……このスケール感に比べて、アニメに限らず日本のエンタメってなんてスケールが小さいんだろうって思った。

 それくらい、大きな出来事が起きているという印象だ」

 

車輪の再発明?

 

新しい波を感じなかった1年

 

その辺りの説明だけで1記事終わって、この記事が1万文字クラスになってしまうので、今回は省略します

 

途中まで書いていたけれど、あまりにも話がズレすぎてそっちがメインになっちゃいました

 

カエル「2023年のアニメ論に戻って、どのようなところが気になったの?」

 

主「……新しい波を、ほとんど感じなかったところかなぁ。

 例えばさ、2023年のヒット作……それこそ2022年末の『THE FIRST SLAM DUNK』を含めても、結局20世紀からの遺産で勝負している現状なんだよね。

 コナン、ドラえもん、しんちゃん……そこにマリオが加わり、スラムダンクが加わった。今年はなかったけれど、ドラゴンボールもそうだろう。そしてジブリ(宮崎駿)が入ってくるわけだ。

 既存のIPを活かすことは全く否定しないし、その重要性を自分も説きたい気持ちがある一方で……これは間違った慣用句の使い方なのだろうけれど、クオリティが上がるだけで車輪の再発明をしているのを、ただただ眺めているような虚しさも感じる。

 木の車輪がタイヤになれば、確かに用途が増えて素晴らしいけれど……でも、そればっかり見せられてもね」

 

優れたクリエイターを活かせているか?

 

新しいヒット作シリーズがあまり生まれていないのではないか? ということなのかね

 

もちろん、人によっては『ブルージャイアント』とか、それこそ『スパイファミリー』がそうじゃないか! という意見もあるだろうけれどね

 

カエル「新しいIPが生まれたらそれでいいという話ではなくて?」

 

主「というよりは……コピーを繰り返して劣化していっている気がする。

 2016年にブログを書き始めたときは、それこそ新海監督とか、山田尚子監督とか、新しい波を感じた。

 もちろん、自分が無知だったからそう感じたことも否定しない。

 でも今は……優れたクリエイターがいないとか、そういう話ではなく……むしろ優れたクリエイターが山ほどいるのに、その人たちを活かせていないし、そのビジョンが外部からは見えない。

 とても抽象的な話だけれど……結局、IPビジネスを行う製作サイドも、観客すらも優れた商品としての車輪を求めていて、その再発明に優れたクリエイターを消費して、徹底的に車輪を再発明している現状に見えてしまって……何を見てもクオリティや方向性の違いこそあれ、本質的には同じようなことをしているように見えてしまったのかなぁ」

  

社会的な認知・安定と進化の可能性

 

だからこそ、Vtuberに惹かれてしまうと……

 

少なくとも、Vtuberという文化はここ5年くらいで生まれたものだからね

 

カエル「もちろん配信文化とか、あるいは声をメインに活動するという意味では声優ラジオ文化などもあると思いますが、それを複合して新しいものを作ろうという意識があるということだね」

 

主「だからこそ模索しているし、問題も山ほどある。

 でも同時に、可能性の塊で、いかにアニメ・漫画を含めたエンタメ業界が膠着しているのかがわかった。

 ちょっと話は逸れるけれど……確か立川談志だったと思うけれど『五代目柳家小さんが人間国宝に選ばれた時、大衆芸能としての落語は終わった』と語っていた記憶があるんだよね。その気持ちはよくわかって、国のお墨付きができてしまうと、大衆芸能としては役割を果たし終えて、”立派”な伝統芸能文化としての側面が生まれてしまう。

 それこそしんちゃんだったり、ドラえもんだったり、あるいは手塚治虫もそうだけれど、むしろ賛否両論だったはずなのに、いつの間にか権威的になり、子どもに読ませるべき教養みたいな扱いになる。

 そうなったら……もちろん上記の3作品は作者が亡くなっているのも大きいですが、役割を終えたとまでは言わないまでも、作品が発展する面白い段階はすでに終えて、可能性が失われたのでは、と思ってしまう。

 そしてそれが、アニメ文化全体に波及しつつあるのではないか……という気持ちがどうしても拭えないんだよね」

 

 

以下、さらにお気持ち表明と愚痴

 

『アリスとテレスのまぼろし工場』

 

そしてそれが、今の……特にアニメが陥っているのではないか? と

 

もちろん、自分一人の感覚だし、そう考えない人もたくさんいると思う

 

主「別の見方をすると、自分自身の感情の変化で言えば……

 とても極端だけれど、自分の感性が死んだのかもしれない」

 

カエル「それはまた、とても物騒な言葉ですけれど……」

 

主「でも、それは偽らざる気持ちでさ。

 『アリスとテレスのまぼろし工場』がとてもブッ刺さったけれど、あれは岡田麿里の作家性と、自分が勝手に読み取った作品解釈が刺さったんだよ

 

blog.monogatarukame.net

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『もう、終わっているよ』って言われた気がした

 

主「それこそ昔の感覚で……なんとかクリエイターになりたいという気持ちもあって、その発露の場としてブログを作って、運よく書籍まで出版して、ブロガーとしては一定の成果を得た。

 こんな経験は、誰もができるものではない。

 でも、その気持ちの原体験であるはずの何か……それこそ若い頃から培ってきたもの、オカルト的にいうならば生まれてきた意味とか、使命とか、そういったものがなくなった気がする。

 それでもなんとかブログを更新していたけれど……でも、終わったことを突きつけられて、でもそれを悔しがりもせず、一方でそれで満足している自分が、何をどうすればいいんだろうって心境」

 

ブログの存在価値の消失

 

それは、まあ、なんというか……

 

でもさ、マイナスではなくて、むしろ晴々しい気持ち

 

主「多分、物語る亀というブログそのものは、アニメ興行において1つの役割を果たした部分はあっただろう。

 嫌いな人もいるだろうし、社会やアニメ業界を罵倒して悪くした意識はないのか? と問われると、ないと言えば嘘になる。多分、むかついている人も山ほどいるだろうし、そういう意見も聞いているし、こんな吹けば飛ぶような存在にアンチがいるのも知っている。

 でもアニメ映画を中心に何年も語ってきた価値というのは、一定のものがあったのではないか。

 過去記事が無駄だったとも思わないし、多分、個人でアニメ映画を語ったブログとしては大手の1つ”だった”だろう。

 でも、その役割は終えた気がする」

 

極端に言えば、今の自分には希望がない……でも同時に、焦りや焦燥、不安すらないんだよ

 

主「その意味では空っぽに近い。

 これからの人生、何をすればいいのかもわからないし、なんなら今すぐ死んでもいい。

 もちろん、今すぐに死ぬことはないけれど……でもほとんどのことがどうでもいいという心境になっている。

 だから……ブログを更新”しなくなった”というよりは”書けなくなった”という方が、実は近いのかもしれない

 

それでいうと、今のお気持ちは色々あってさ

 

主「このまま書かなくてもいいという気持ちはありつつも、同時にアニメ作品や映画には宣伝やレビューが足りないという意識もある。

 自分ができるのは、ブログなどを通して作品のレビューをすることだけれど、それで誰かが一人でも劇場に足を運び、お金を落としてくれるならば、それでいいという気持ちもある。

 その間で、今の気持ちは揺れているというところかなぁ」

 

 

最後に

 

正直なことを言うと、『アリスとテレスのまぼろし工場』で、このブログを終える気持ちもあったんだよね

 

まあ、閉鎖はしないけれど……でも、終わってもいいと思っていた

 

主「その気持ちに変化はあまりないけれど……でも3ヶ月くらいたって、また別の心境になったかもしれない。

 悪い言い方をすれば、物語る亀というブログは、才能も何もない1個人が、才能のある人たちにダメ出しをするという最低のブログだよね。

 でも、そうすることでしか、自分という存在が保てなかったということもあるのかもしれない。

 来年以降、どうするかは完全に未定です。

 閉鎖はしないですが、更新するとは言えません。

 もしかしたら、しれっと毎日更新する可能性すらあります。

 その不確実さを楽しんで生きていければいいな、と思っています

 

それでは、2023年もありがとうございました

 

良いお年をお迎えください