カエルくん(以下カエル)
「久々の漫画レビューだよね」
ブログ主(以下主)
「特に本作は映画について語ったレビュー漫画だから、色々とこのブログと親和性はそこそこ高い作品になっているな」
カエル「……絵が描けたらまた色々と変わってくるんだろうね」
主「Twitterとかでも映画の感想を漫画にしていると目を引くからなぁ。まあ、絵が描けたらブログも色々と書き方が変わるんだろうけれど」
カエル「文字だから色々とかけるというのはあるよね。
絵だと4コマ漫画みたいなのでも時間がかかっちゃうし、情報量も詰め込めずらいし。でも絵の方がすぐに読めて好きだって人も多いだろうね」
主「……誰かこの絵を描いてくれないかなぁ」
カエル「自分で描いてみたら? できないことをできるようになるのが成長なわけだし、できないって言っているだけじゃ何も変わらないし」
主「人に見せられるものになるのに何年かかるんだろうね……」
カエル「それでは、今回の漫画はこちら!」
主「映画ファンのあるある話をまとめた漫画だよね。よし、じゃあ個人的あるある話を絡めながら、紹介していこう。
なお、この記事は2巻の発売時に書いたものを加筆修正しておりますので、2巻の感想だけ厚いですが気にせずにいてください。
どの巻も面白いです!」
登場人物紹介
木根さん
三十うん歳の独身OL。一応アラサーらしいけれども、もうすぐアラフォーも見えてきたらしい。会社でも課長らしいので、いくら漫画だとしてもご察しな年齢なのは間違いなし。
恋人なし、趣味は映画鑑賞で台風だろうが関係なし。家ではダラシないけれど、外では完璧なOLを演じている。
好きな映画はゾンビ映画などB級ホラーやアクション系ハリウッド作品。逆に名作や往年の作品などは苦手な模様。
佐藤さん
旧姓水城さん。
旦那の不倫から離婚、その後何やらとあって木根宅へ居候中。
映画はほとんど見ないので、木根さんがオススメ映画を語っても「ふ〜ん」で終わってしまうタイプ。だから木根さんとうまくいっている……のかな?
映画を見るとペラペラと映画のテーマとかモチーフなどを語りだすタイプ。つまりブログ主と一緒で、多分めっちゃ気が合うか、全く合わないかの二択な気がしている。
ジブリ映画などは大好きで、オタクな木根さん、一般人の佐藤さんという構図で話は進む。
全体の感想
カエル「映画好きにはあるあるがつまった作品だよね」
主「そうね。1巻だったと思うけれど『国内の興行収入TOP10に入るような映画は見てなくて』とか、思い当たる人はたくさんいるんじゃないの?
好きな漫画の実写版とかは一応義理みたいなものだから観に行くけれど、本心から言えば見たい映画じゃないし」
カエル「……誰に義理だてしてんのさ? でも木根さんの場合好きな映画は割とメジャーどころが多いよね」
主「そうね。漫画として有名作品を扱ったほうがいいっていう作者側の都合もあるんだろうけれど、木根さんはゾンビ映画以外は『ターミネーター』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のような王道アクション映画も大好きだから、そのギャップも面白いな。なんとなく『売れている邦画はクソだけど、売れている洋画は面白い』ってのもわかる気がするし」
カエル「2015年で言ったら『ジュラシック・ワールド』は絶賛するけれど『HERO』とか『ビリギャル』とかは酷評するみたいな。ビリギャルは評判、いいけれどね」
主「でもそれも映画をあんまり見ない一般人の、しかも有村架純ファンが評価しているだけでしょ、なんて見てもいないのに落とす気持ちがわかる人には向いている漫画だな」
カエル「もちろん、それだけじゃなくて漫画としても面白いよね。
キャラクターもきちんと魅力的だし、高校生とかじゃなくて社会人だからこその味が色々とあって!」
主「女子高生にするだけで何を描いても成立するんだけれど、本作は社会人を主人公にすることでアラサー(超えている?)の悲哀と映画好きがちょっと世間的には一般的だけれど、イケてる趣味ではないというのが出ているよね。
巻が進むごとに面白くなっていくよ」
2巻の感想とあるある話
ジブリ映画に思うこと
カエル「じゃあ2巻に絞って考えていくけれど、まずジブリの話は理解出来る?」
主「……これは理解できないんだよなぁ」
カエル「お! いきなり木根さん否定か!?」
主「むしろさ、ジブリ映画って評価高すぎない?」
カエル「……え? 大丈夫かな、こんな話をして……」
主「アニメが好きな人間からすると、確かに宮崎駿や高畑勲、スタジオジブリはクオリティが高いスタジオや監督であることは否定しようがないんだけど、じゃあ飛び抜けていいかと問われると微妙な問題でさ。
例えば『ガンバの冒険』の映画版とかさ、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』とか『王立宇宙軍 オネアミスの翼』もあるわけじゃん。昔の作品は今じゃ見るのも難しい映画もあるのは事実だけど、そういう比較対象になる作品を見ないで、ジブリだけを賞賛するし、アニメ文化を語るのって、黒澤明だけを見て日本映画界や時代劇を語るのと同じような暴論だと思うわけよ」
カエル(あ、これ面倒くさいやつだ)
主「例えばさ、現代でいうと『時をかける少女』とかの細田守作品は観るし語るけれど、『カラフル』の原恵一作品(映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲などの監督でもある)とか『言の葉の庭』の新海誠、『イヴの時間』とかは見てから語って欲しいよね。別に『ユンカース・カム・ヒア』とかミッシェル・オスロ作品を見ろって言っているわけじゃないんだから……」
カエル「楽しみ方は人それぞれです!!
はい、次行くよ!!」
吹き替え問題
カエル「これはよく話題になるよね。それこそジブリもそうだし、話題性を狙って芸能人が吹き替えることも多いけれど……主はどう思う?」
主「そこまで関心のない話題かな。基本、吹き替えで見ないし」
カエル「……お! 何か映画通みたいなこと言いだした!」
主「アニメ好きだとさ、声優も好きになっていくわけじゃん。そうなるとその声に反応して映画に集中しない場合が多いんだよね。
『お、本田貴子だ……次は田中敦子だ、少佐キター! この女性キャラ絶対カッコイイだろうなぁ』とかさ、古い映画でも『青野武、家弓家正の渋い声が……もう新録では聞けないんだよなぁ』とかさ」
カエル「ああ、役者の顔がちらつくというか」
主「ここまで拗らせるとUSJのバック・トゥ・ザ・フューチャーのアトラクションでもドク役の青野ボイスを聞くだけでしんみりしちゃうんだよね。
『ああ、この声がもう聞けなくなって、いつかは代役になるのかなぁ』なんて思ったりして。
逆に良かったのはパシフィック・リムの吹き替え版でさ、主人公を杉田智和、林原めぐみ、玄田哲章、さらに脇役に池田秀一、古谷徹、三ツ矢雄二などの名優をたくさん配置したからさ、もうアニメ見てるのと一緒だよね。その意味では作品の魅力を一気に引き上げてくれたけれど、これは監督の意図からしたら難しいところでもあるよなぁ、なんて」
カエル「はい、オタクトークが長いからここまで。吹き替え問題についてはまたいつか語りたいね」
『オススメの映画』問題
カエル「好きな映画のジャンルって人に聞かれると困るよね」
主「そうね。基本的にジャンルで映画を区別しないからな。せいぜいホラーは見ないくらいかな、怖いから」
カエル「オススメな映画を聞かれても困るよね。君の趣味に合うかはわからないけれど、って注釈が必ずつくし」
主「そうね。それを聞いてくる人って大体ハリウッド超大作を望んでいるわけでしょ? 『ハリー・ポッターと賢者の石』とかさ、そんな類のやつ。本当に好きな映画をオススメしてしていいなら『十二人の怒れる男』とか『アパートの鍵貸します』を紹介するけれど、じゃあ見ますかっていうとまた別だし」
カエル「まだその辺りはオススメしてもいいような風潮のある、ちょっと『お高い』映画だからいいけれどね」
主「お高い映画っていうけどさ、『8 1/2』を観て面白いっていう人は、オススメ映画を聞いてこない。『勝手にしやがれ』もゴダールも観てるでしょ」
カエル「作品では黒歴史の話もあるけど、主は黒歴史っていつ?」
主「今。現在進行形。
いや、誰が読むかもわからないブログにこうしてベラベラと書いているなんて、木根さんレベルの痛い人間じゃないと中々出来ないって。しかも内容が深いんだか浅いんだかよくわからないし。それこそ、町山智浩とか宇多丸くらい深いレビューなら面白いんだろうけれど、評論で飯を食っている人には逆立ちしても勝てないし。
別にブロガーになりたいわけじゃないんだけど、物語に触れたら言いたいことがたくさんあって……」
カエル「はい、長いからカットね」
マッドマックス 怒りのデス・ロード
カエル「近年の映画だとマッドマックス 怒りのデス・ロードがすごく評判が良くて、信者みたいな人もたくさんいるよね」
主「……そうね」
カエル「あれ、テンション低い」
主「……なんかさ、面白いよ? 面白いんだけど、なんでここまで高評価なのかが理解できないのよ。この作品好きな人って、木根さんみたいに
『人生で1番好き!』
っていうくらいの熱量があるじゃない。そこまで思わせるほどの魅力がわからないっていうか……」
カエル「評論家受けもいいもんね。これで評論家受けが悪かったら、いつもの『見る目がない一般人が……』が使えるのに、それもできない」
主「ノリについていけないところがあるからね。この映画を見て、『ああ、やっぱり頭空っぽにして映画を見るってできないんだな』って自分のことを再認識した気がする」
3巻の感想
カエル「では、ざっと3巻の感想だけれど……」
主「色々あるので手短に話すと、まずはヒーロー映画についての話からかぁ……」
カエル「これに関しては佐藤さんみたいな立場だよねぇ。だからと言って過去作全部見るほどの気概はないけれどさ」
主「これで全部をチェックするんだから、佐藤さんも見事にオタク要素があるよねぇ。論破したいだけウーマンとか、時々そうなっている気がするし……
なんかあの長々とした映画語りを見ると他人には全く思えないんだよねぇ」
カエル「そう考えると3巻は結構耳が痛い話が多かったような……ブログの話とか、そのまんまだし、それからテレビアニメについての話も思うところがあって……」
主「もうさ、エヴァを語っている時点で『あ、オチが読める』って状況なんだけれど、それでもしっかりと面白いんだよね。
この巻で工藤ちゃんとか、木根家が色々と出てきて、さらにキャラクター性もお話も広がっていって、さらに魅力が増していったよ」
4巻の感想
カエル「では、4巻の感想だけれど……」
主「この巻で1番ぐっときたのが『中年の思春期』についてだな。
確かにそういう映画、たくさんあるんだよ。10月にも公開していたし、それが多くに人に響くのかもしれないけれど、でも苦手なジャンルでもあって……」
カエル「特に不倫などを描いた作品はそこまで評価しないね……」
主「というかさ、中年男性を描いた作品は色々と描き方自体も多様性がある。それこそいい年しても結婚できないとか、童貞とか、オタクとか、それから会社を辞めて……とかさ、色々な描き方がある。シリアス、コメディも様々。
でも女性の中年の思春期を描くと大体が不倫ものになってしまう。で、個人的には不倫って全く興味がない。別に好きにしてくれって思うし、騒ぐことでもないし、いい年した大人が好き勝手やる分にはどうでもいいの」
カエル「男性の不倫の描き方と女性の不倫の描き方ってまた違うからね……」
主「これだけ『女性の社会進出を!』とか叫ばれていて、ハリウッド映画も恋愛に依存しない女性像がこれだけ描かれている中で、中年の女性の映画の多くが不倫とかの恋愛映画になってしまうことに違和感があるっていうことかなぁ……」
カエル「あとはビデオ、DVD、BD問題ね……
これはアニメ好きにも切実な問題で、ちょっと前にDVDBOXが出たと思ったら、BDが発売して、さらに特装版が出て……とキリがない!」
主「ビデオも多分押し入れの奥に残っているけれど、もう2度と見ることもないしなぁ。さっさと捨てないといけないけれど、その機会もなかなかなくて、結局家の中で埋もれていくという……」
カエル「最近はパンフレットもなるべく買わないようにしているもんね……漫画やら本で家が満杯なのに、さらに1度読んでおしまいになるパンフレットも買うのは相当好きな作品じゃないと、難しくなってくるし」
主「しかもシネコンだとパンフの見本誌もなかなか読めないし……ハズレの可能性もあるからさ、買うのに勇気がいるというね……」
最後に
カエル「……この記事で木根さんの魅力が伝わったのか、イマイチ微妙な気がする」
主「いいんじゃない? これだけ映画ファンの琴線に触れる作品なのは伝わったよ」
カエル「主は木根さんと話したら気があうんじゃない?」
主「どうだろうね。まあ、自分なんかにわかもんですから、木根さんには到底かないっこないんだけどね、どちらかというと佐藤さんの方が趣味が合う気がするし。でもさ、映画を見るときってのは……」
カエル(中身が木根さんと本当同じだな、こいつ)