物語る亀

ネタバレありの物語批評

夏休みの宿題に! 年代別で読書感想文にオススメ本を紹介していくよ!(大人にもオススメ)

 カエルくん(以下カエル)

「そろそろ子ども達も夏休みを迎える季節だね」

ブログ主(以下主)

「そうね。もう一月以上も休みになるとしたら、定年で会社から卒業するか、ドロップアウトした時だからなぁ。逆に一月も休みがあると、どう過ごしていいのかわからんよ」

 

カエル「主は学校の宿題を早く終わらせた人? それともギリギリまでやらない人?」

主「提出しない人

カエル「……それってどうなの?」

主「どうなのと言われる何ともいえないけどさ、子どもの頃なんてそんなもんじゃん。人生で学校の宿題を提出したのは小三までかな

カエル「……そのとき何があったかは聞かないでおくよ。それでさ、今回は一応物語評論ブログだからさ、子ども達のためにおススメの読書感想文を書く題材の本を紹介してあげようよ!」

主「まあ、子どもたちがこの記事をどれだけ読むかは疑問だけどな」

カエル「まあまあ……ちなみに大人にもオススメの本を多く紹介するよ!」 

 

 

小学校高学年向け

 モモ ミヒャエル・エンデ

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))

 

 あらすじ

 ある西洋の街では色々な人々が時間に追われることなく、余裕を持って日々の生活を送っていた。しかしある日、『時間貯蓄銀行』と名乗る黒服達に時間を盗まれ、人々は余裕を失っていた。

 少女モモは時間を取り戻すべく、時間貯蓄銀行と対峙する……

 

カエル「もう児童文学の鉄板だよね

主「たとえるならば不思議の国のアリスに世界観は似ているかもな。時間がテーマだし、少女モモの奮闘といい、子どもには読みやすい題材じゃないかな?」

カエル「しかもモモって子供向け作品ではあるけれど、大人が読んでも問題ないって風潮があるもんね」

主「感想文のポイントとしては『時間を奪われる』という所かな。これを近代化の波として、時間とお金のワークライフバランスの観点から書けば100点を狙えるんじゃない?」

カエル「……小学生だから、もっと簡単でいいでしょ。『忙しそうでこんな世界は嫌だと思いました』とかさ」

 

未来予報 乙一

さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)

さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)

 

 あらすじ

「お前ら、いつか結婚するぜ」

 小学生の時、彼女との未来を予言されたものの、それ以降目を合わすこともできなくなってしまった僕。成長をしてもブラブラとやりたいことも見つからない日々。そんな中、僕は彼女に対する思いを強くしていく……

 

カエル「乙一の短編作品だね。ダークな話も多い乙一だけど、これは白乙一と呼ばれるように、結構……読みやすい話だね」

主「乙一は子供が読むには短いし、ちょうどいいと思うんだよな。これ以外にもこの本に収録されている中だと『手を握る泥棒の話』や、別の本だけど『しあわせは子猫のかたち』や『CALLING YOU』あたりもオススメだな」

カエル「当時はライトノベルとして出版されているけれど、結構毛色が違うしね。挿絵もある小説って感じがする」

主「読書感想文のポイントとしては、主人公の気持ちと相手の気持ちに注意して書くこと、ってところかな」

 

 

中学生にオススメ

もの食う人々 辺見庸 

もの食う人びと (角川文庫)

もの食う人びと (角川文庫)

 

 あらすじ

 世界の食とはどうなっているのだろうか? 世界中を回り続けた著者が、貧困地域やチェリノブイリ汚染地帯、紛争地域を回り、その『食』について掘り下げる短編集。

 

主「これは実際に中学生の時読んでいたら、教師に絶賛されたから間違いよ。ただ食文化に興味があっただけなんだけどね」

カエル「世界中の食の風景を探るっていうのはすごくわかりやすいよね。そこに暮らす人の苦悩だったり、当時の世界情勢なんかも見えてくるし」

主「もう20年前の作品だけど、今読んでも感じるものは大きいと思う。思想的に左寄りなのは認めるけれど、その思想云々よりも前に、世界ではどんな『食』が行われているのか、よく分かるね。

 ポイントはとにかく読んでほしいな。そこから得る感想があるはずだから、それをそのまま出すだけでいいと思う」

 

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  A Lollypop or A Bullet (角川文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)

 

あらすじ

 あたし=山田なぎさの住む田舎町に、都会から芸能人の娘である海野藻屑が転校してきた。彼女は自分のことを「人魚だ」と言ってはばからない。

 嘘つきで残酷だけど、どこか放っておけない藻屑と、徐々に仲良くなっていくのだが……

 

カエル「こちらも元々はライトノベルとして出版された作品だね。今はラノベがOKなのかな?」

主「関係ないよ。これは直木賞作家桜庭一樹が文学界の注目を集めるきっかけになった作品だし、キーポイントとなる作品だから。大体、角川文庫から出版されているんだから、ダメな理由がないだろう」

カエル「……主はそれで最後までごり押しするんだろうけれど、みんながみんなそんな人たちばかりじゃないよ」

主「でも、実際中学生が読むにはすごくいい小説だと思う。語ることも多いし、面白いし、読書感想文にはむいている作品だよ。書くことのポイントはこちらの記事を読んでね」

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 草の花 福永武彦

草の花 (新潮文庫)

草の花 (新潮文庫)

 

 あらすじ

 結核によりサナトリウム(病院)に入院している私は、そこで汐見という男と出会う。汐見の症状は非常に重かったのだが、詩人の彼はそんな自分の命に関心など払うこともなく、危険な手術に挑む。

 そんな彼が書いた手記を、私は見つけるのだった……

 

カエル「これは昭和文学の名作だよね。中学生にはハードルが高いんじゃない?」

主「まず読み方の問題だな。この作品を名作文学として読もうとすると、中々読みづらいから、まず汐見の厨二病感を楽しむんだよ。どうしても長いのが無理なら、この『冬』っていう部分だけでもいい」

カエル「……え? そんな読み方していいの?」

主「いいよ。そして『第一の手紙』のパートはBLとして、『第二の手紙』は妹萌え系として楽しめ。そうするとだいぶ読みやすくなる」

カエル「いやいやいや、そんな読み方邪道でしょ!!」

主「いいんだよ。夏目漱石のこころだってBLだってNHKやら偉い学者先生が言ってるんだから、読み方は自由。感想文もそこをマイルドに注目すればいい」

 

 

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中学生編のまとめと読書感想文の書き方

カエル「これは若干先生とかの受けを意識した小説でもあるけれど、実際主が中学生なら何で書く?」

主「そうね。例えば伊藤計劃の『ハーモニー』なんかはSFだけど書きやすいと思う。あとは軽いところで有川浩の『海の底』とか、森見登美彦もいいし、ご飯が好きなら小泉武夫の『不味い!』とか『一度は食べたい うまいもの漫遊記』とかさ。野球が好きなら澤宮優でもいいと思う。『人を見抜く、人を口説く、人を活かす プロ野球スカウトの着眼点 』とか『記録より記憶に残る野球狂列伝』とかさ」

 

カエル「そんな本でいいのかな?」

主「まず、個人の意見として大事にして欲しいのは読書は楽しいということ。

 つまんない本なんて読む必要は一切ない。

 それから、どんな本を読んでも切り取り方が大事だということ。同学年のやつが『キノの旅-the Beautiful World-』の感想で賞をもらっていたけれど、それでもいいんだよ。大事なのは作文の書き方だから」

カエル「その書き方ってどうすればいいの?」

主「まずは好きなところを並べてみて、それを自分の身近にあることで考えてみる。例えば、キノの旅で言えば1話目が『人の痛みがわかる国』という作品なんだけど、自分がその国に行きたいかどうか、同じ状況になったらどうするか、なんかを書いていけばいいと思うね」

 

カエル「じゃあさ、そういうことも含めて、オススメとか関係なしに主が今学生なら、なんの本で感想文を書く? 1冊だけあげてよ」

主「……寺山修司の青少年のための自殺学入門……へへへ」

カエル「……この人ケンカ売る気しかないな」

 

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高校生編(大人も含む)

カエル「高校生に読書感想文ってあるのかな?」

主「知らん! ここからは大人にもオススメの本を紹介していくぞ」

 

 徒然草 吉田兼好

現代語訳・徒然草 (河出文庫)

現代語訳・徒然草 (河出文庫)

 

 カエル「え!! いきなり現代人じゃ難しい古典じゃん!!」

主「だから、視点を変えてみるべきなんだよ。徒然草ってどんな話かというと、当時の大人気作家吉田兼好が考える、大人のマナーであったり、生きる上での考え方の本なんだよ!

 つまり、現代で言えば自己啓発書と一緒!!

カエル「……そんな認識でいいの?」

 

主「いいよ。

 どこの誰ともわからない下らない自己啓発書を読むんだったら、徒然草を読んだ方が100倍マシだ!!

 例えば、男の生き様と色恋を学びたかった第三段を読みなさい。何かやりたいことがある人は五十九段を読みなさい。そこに答えが書かれている!!

 個人的に好きなのは三十五段で『字が下手でも代筆されるのはカッコ悪いよね』とか、近いところだと三十八段で『財産や名誉なんて求めたら、人生滅茶苦茶になるよ』とかが好きだな。

 あとは、実際十段くらい抜き取ってそれについて感想書けば終わるんだから、楽なもんだよ。全部読む必要なんてないんだから」

カエル「……どうなんだ? その発想は……」

 

 枕草子 清少納言

枕草子 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

枕草子 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

 

 カエル「え〜!! また古典なのぉ〜!!」

主「枕草子ってのは、むしろ現代女性に読んでもらいたい一作なんだよ! じゃあこれを現代の形に翻訳するとどんな感じになるか、わかるか?」

カエル「え〜なんだろう……難しいなぁ」

主「これは現代風に言えば、仕事バリバリOLの愚痴日記であり、ブログの精神と同じなんだよ! 

 結婚はしているから恋愛の悩みはそこまで多くもないけれど、旦那の愚痴ばかりだし、職場の愚痴だったり、尊敬する上司の話だったりと日々の生活を面白おかしく書いているんだよ!」

 

カエル「ブログと同じ感覚で読んでいいの?」

主「むしろそれが正解じゃない? 『春はあけぼの』なんてのは春は朝が一番好きっていうだけの話だし、約300記事書こうとしている感性鋭い雑記ブロガーの奮闘記として読めば中々面白いよ。

 例えば第二十三段には『地方から手紙よこすなら、プレゼントくらいつけなさいよ』とか書いているし、第百八十八段には『日本語が乱れてるわ!』なんて書いてある。現代と感覚が似ているよね。

 これも10段くらい抜き出して書けばいいし」

 

 堕落論 坂口安吾

堕落論 (280円文庫)

堕落論 (280円文庫)

 

 カエル「これは主の好きな坂口安吾の代表作だね。なんでこれにしたの?」

主「まず、安吾の面白いところは厨二病をこじらせすぎて、言ってることは滅茶苦茶だってところなんだよね。堕落論の場合は『もう落ちるところまで落ちてさ、人間らしい生活を送ろうぜ!!』って言ってるんだけど、これを現代社会で言ったら大ブーイングの大炎上だよ。マナーなんて無視していい、不倫もやりまくろうぜって話だから。

 でもそれの力強さが面白いよね

 

カエル「……安吾だったら先生の受けがいいのはなんだろうね?」

主「やっぱり『風と光と二十の私と』なんかは安吾の教師時代を描いていて面白いよね。あとは安吾お得意のヤンデレ小説『夜長姫と耳男』なんかは滅茶苦茶だとは思うけれど、最後はヤンデレ万歳!! ってなるから面白いよ

カエル「……あんたは本当に安吾ファンなのか?」

 

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 本多孝好 FINE DAYS

FINE DAYS (祥伝社文庫)

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 あらすじ

 高校生の僕はある日転校生の彼女と知り合う。どうやら彼女は前の学校でも『呪われて存在』として扱われていたらしい。そして彼女のことを邪険に扱った学校教師の『ニヤケ』がその次の日、学校の屋上から飛び降りて自殺した……

 果てして彼女の呪いは本物なのか?

 

カエル「最後は現代小説のFANE DAYSなんだね。なんでこの作品?」

主「単純に高校生が主役の作品だし、後個人的に好きだから。それから、書くポイントは下に関連記事を置いておくから、そこに書いてあるけれど、この作品ってただのミステリーじゃないんだよね。深読みすれば結構色々なものが見えてくる。

 本当は桐島、部活やめるってよとかゴドーを待ちながらとかも候補としてあげようかなって思ったけれど、折角だから過去記事の宣伝も兼ねて短い方にした。でも、本当に好きな作品だし、面白いからオススメだよ」

カエル「短いから読みやすいしね」

 

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最後に

カエル「というわけで本を紹介してきたけれど、どうだった?」

主「読書感想文があっていいなぁと思うよ。

 こういう物語の感想ブログを書いていると余計思う。だって宿題でもないのに毎日のように物語の感想を書いてさ、それで誰が評価してんのか、面白いのか面白くないのかわからないような記事をあげている人間からすればさ、炎上する心配もなく評価してもらえる読書感想文なんて羨ましいよ」

 

カエル「じゃあ文章代行サービスでもやったら?」

主「多分、歳とか関係なく書いちゃうけどね。

 でもさ、実際読書って楽しいんだよ。

 興味がある分野について学べるしね。学校の勉強で本を読むのが嫌になるのも解るけれど、面白い本に触れてさ、興味あることに特化していってほしい。これからの社会は『オタク』が求めれられる社会だと思うから。スペシャリストって言い方をしてもいい。

 好きってエネルギーは本当に強いよ。どんな辛いことも乗り越えられるし、辿った道筋を振り返るとトンデモないことになっているかもしれない。

 好きなことを見つけて、それに関してスペシャリストになってほしいね。何でもいいから語ってほしい」

 

カエル「……珍しくまともなことを言ってるね」

主「で、この記事が参考になったら上に貼ってある広告をクリックする! はてなユーザーはブックマーク!! するとみんなハッピーだから!!」

カエル「……感動したボクが馬鹿だったよ……」 

 

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