物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市(アニゴジ2)』ネタバレ感想 ゴジラでなければ、もっと評価できるけれど……

 

アニゴジ第2部の公開です!

 

前作は少し厳しい感想になったが、ここで盛り返せるかの?

 

 

カエルくん(以下カエル) 

「小説版の出来がいいらしいけれどね」

 

亀爺(以下亀)

「とりあえず、アニメ化ということでしばらくはアニメで楽しもうかの」

 

カエル「でもほら、ここから名作に返り咲く可能性もあるじゃない!」

亀「虚淵玄ファンからの評価は非常に高かったが、ゴジラファンの評価は低かった印象じゃな。

 では、今作はどうなっておるか……早速感想記事といこうかの」

 

 

作品紹介・あらすじ

 初のCGアニメを活用したゴジラシリーズということで話題の劇場3部作 『GODZILA』の第2作目。

 1作目の『怪獣惑星』にて衝撃のラストを迎えた主人公・ハルオたちのその後の戦いを描いている。

 監督は劇場版名探偵コナンシリーズなどを監督してきた静野孔文、『BLAME!』『シドニアの騎士』などのCGアニメーションを多く監督してきた瀬下寛之が共同で務めるほか、『魔法少女まどかマギカ』シリーズなどの脚本など予想を超える展開で人気を獲得してきた脚本家、虚淵玄がストーリー監修、脚本を務める。

 前作に引き続き宮野真守、花澤香菜、櫻井孝宏をはじめとした人気キャストに加えて、新キャラクターの双子のマイナとミアナを上田麗奈と小澤亜李と、フレッシュな面々が揃う。

 

 

 ゴジラが登場し地球は人の住めない土地となってしまった。ゴジラに復讐を果たし、地球を取り戻そうと躍起するハルオであったが、前作にて衝撃のラストを迎えて仲間とはぐれてしまう。

 そんな中、助けてくれた少女ミアナは地球人類の生き残りの女性であった。彼女ら『フツア』が持つ特殊な金属、ナノメタルが持つ力があればゴジラに勝てる存在、メカゴジラを生み出せるのではないか? 

 そう考えた帰還兵一行は、大量のナノメタルが眠るというプラントを目指す……

 

 


『GODZILLA 決戦機動増殖都市』特報

 

 

 

 

 

感想

 

 

では、まずはTwitterの短評からのスタートとなります!

 

 

かつてない短さの感想じゃな

 

カエル「えっと……何と言っても映像の迫力が素晴らしいよね!

 特にゴジラが戦うシーンは迫力満点で、前回も熱戦噴射のシーンなども思わず身を引いてしまうようなほどの絵に力があって!

 今作は炎の中に立つゴジラという絵があるけれど、そのシーンはまさに圧巻の一言! あのシーンだけでも見る価値があるんじゃないかな?

 それと音!

 何と言っても効果音と音楽が本当に素晴らしくて、いい音響の映画館で見たけれど、震えるほどだった! やはりアクションに大事な映像の迫力と、それを演出する効果音の組み合わせとなって、とても衝撃的な作品に仕上がっています!

 あとは……今作に登場する武器がすごく格好良くて、見ていてワクワクするよね! ここはさすがCGの本領発揮! というほどで、思わずため息が飛び出るほどにカッコイイアクションが続いていて!

 えっと……それと……あ〜……新キャラのマイナとミアナが可愛くて! 予告でも出ている褐色の双子ヒロインなんだけれど、もうこの子達を見るためだけに映画館に向かってもいいかも!

 えっと……それと……う〜ん……

 とりあえず、面白い作品だよ!

 

亀「ゴジラでなければの

カエル「……やっぱりその一言は入っちゃうよねぇ」

 

 

 

 

新機軸の物語ではあるものの

 

カエル「えっと……さすがに前作の『怪獣惑星』は少しだけネタバレさせてもらいます。

 今作は前作の驚愕のラストの後の物語であり、地球に降り立ったハルオたちのその後の戦いを描いた作品になっていますが……

 その兵器や宇宙船のデザインだったり戦い方が、もうこれってただのSFアニメじゃない? って違和感が大きかったんだよね。

 そして本作はそれをさらに強くした結果になってしまったというか……」

 

亀「決して駄作ではない。

 確かにアクションや兵器、ガジェットなどは見所が多い。話も……まあ、言いたいことはあるが、やりたいことなどは何となくわかる。

 しかし、本作は『ゴジラ』の名前を冠している以上、やはりゴジラ映画として重要な部分は守って欲しかった。

 これが全く新しいSFアニメであれば評価は変わる上に、ありだと褒めるかもしれんが……わしは、本作はゴジラ作品の1つであると認めたくはないかの」

 

カエル「前回と同じことを繰り返すけれど、ゴジラってなんだろう? という疑問が終始付きまとう作品でもあるんだよねぇ。

 ただ、1つ間違いなく言えるのは、本作は今までのゴジラシリーズとは全く違う作品にであり、新機軸ではあります。

 また、確かにアニメでしかできないこと……と言っても宇宙船などのSF描写だけれど、それもたくさんあります」

亀「ただ、これをゴジラとして見るというのは、ちょっとどころか相当な無理がある。

 虚淵玄をはじめとしたスタッフの意欲にあふれている作品ではあるが、その前に最低限のゴジラ映画にはしてくれ! と言いたくなる気持ちもどうしても出てきてしまうの

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

今作の思うところ

 

キャラクターについて

 

 

まずはキャラクターについて語っていくとするけれど……

 

 

魅力のかけらも感じなかったというのが正直なところじゃな

 

 

カエル「前述のようにマイナとミアナは可愛らしくて、魅力があるんだけれどね」

亀「それ以外のキャラクターが全く惹かれんかった。前作からハルオの挙動がおかしかったのは指摘したが、今作も非常におかしなことを繰り返しておる。

 そもそも、ただの暴走青年将校以外の何物でもないからの

 カエル「なんでハルオにみんなついていくのか、一目置いているのかも全然伝わってこないなぁ。上層部の指令はすぐに無視するし、復讐が主な目的だけれど、でも色々とグダグダ言っているところもあって、1つの目標に向かって欲しいという気持ちもあるかな」

 

亀「今作でもその意味不明なウジウジした言動は続いていたが……それすらも可愛く見えたのはユウコがあまりにも酷かったからじゃな。

 嫉妬で色々と無駄に動き回っておるし、唐突なラブ展開も特に必要なのか? と一気に冷めてしまう。

 ハルオにしろ、ユウコにしろ感情であまりにも動きすぎるから観ていてイライラし始めることすらあるほどじゃった

カエル「しかも戦闘に関しても足を引っ張っていたしねぇ……」

 

亀「もともとCGアニメーションはキャラクターを魅力的に描きにくい(見慣れた手書きアニメのような表現ができないこともある)という欠点があるが、そこを全くカバーすることもなかった。

 声優陣の声はいいのじゃが、それはキャラクターの魅力ではないからの。

 また、今作では宇宙人であるビルサルドの面々が重要な役割を果たすが、ガルグなどを始めとした面々の区別がつきにくいという難点もあった。

 声などで判別はできるが……これはCGキャラクターデザインの問題もあるように思ってしまったの」

 

 

 

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多くを説明する脚本

 

カエル「これは邦画ではよくいうことだけれど、今回も説明が多かったんだよねぇ」

亀「その説明を映像で見せて欲しいのにもかかわらず、状況などについて全て口で説明しておる。

 それは映像作品としてそれでいいのか? という思いも特に大きい。

 そして前作も同じであったが、特殊な専門用語が飛び交っており、観ていて理解することが難しい。

 そのような設定が細かく作られているのはわかったが、それが目当てで映画館に向かっておるわけではないからの」

 

カエル「ゴジラを楽しみに来ているから、正直SFのガジェットとかにはそこまで興味がないというのもあるのかもね」

亀「そしてこれも前作と同様、アクションがないシーン、動かないシーンはあまり面白くない。

 中盤から退屈になってしまって……感動するはずである、演説からの戦うことを決意するシーンでは、その描写に恐怖感すらあった。まるでプロパガンダ映画のような無理矢理な展開のようにも見えてしまったの」

カエル「ハルオは煽動するだけ煽動して……ってことも多いからねぇ」

 

 

脚本構成の疑問

 

亀「そして終盤の大きな決断を迫られた後の行動には、正直言ってドン引きしてしまったの。

 いや、そういう話の流れになるのはわからないでもないが……戦う相手は一体誰じゃ? ゴジラじゃろ?

 では、なんでゴジラに全力を出さない? なぜ味方どうしで意見を衝突させる?

 人類が全力を出して戦っても負ける可能性の方が強い相手に対して、余裕の行動じゃな、と皮肉の一つも言いたくなった

 

カエル「小説版はうまくやっているらしいけれど……」

亀「映画としての再構成が難しいのはわかるがの。

 あのメカゴジラに対しても、新しい試みなのはよくわかるが『見たいのはそれじゃない!』と言いたくなってしまった。

 それから、特に中盤はカットとカットの間の繋ぎがなさすぎて雑に感じてしまった。尺に収めるために色々と切るべき部分は切っていたのじゃろうが、それが中盤に関しては特にやりすぎているようにも見えてしまったの」

 

カエル「結局は虚淵玄ファンやSFアニメとして楽しみたい人は楽しめるかもしれないけれど、ゴジラとしてどのような作品なのだろうか? と期待していくと、ちょっと残念な思いもあるんだろうね

 

 

 

ゴジラシリーズの新機軸とは?

 

 

……ちょっと酷評しすぎたかな、と反省しております

 

 

よくよく冷静に考えてみると、意欲にあふれた作品ではあるの

 

 

カエル「なんか、すべてダメ! という風に読める記事になってしまっていて、そこは純粋に言葉が過ぎたのかな? と反省しております。

 最初にも述べたように、アクション描写は特に素晴らしく、CGアニメの売りである派手な演出……爆発であったり、メカの描写、空戦などはとても見ごたえがあること間違い無し!

 特に炎の中を歩くゴジラの表現は絶賛です!

亀「『シン・ゴジラ』がゴジラを神に昇華した作品だとすれば、本作はゴジラをモンスターとして描いておる。そこは確かに違和感が多々あるし、ゴジラである必要はないのではないか? という思いはどうしても生まれてしまうが、全く新しいゴジラを描こうとした苦慮であることは伝わって来る」

 

カエル「もちろん、表現できることの幅はあるしね……

 今回も『メカゴジラと戦う!』とワクワクしながら鑑賞すると、肩透かしな面もあるけれど……誰もが期待した大怪獣バトルが、あのような形になってしまったからさ」

亀「少しナノメタルが便利すぎるという疑念や、メカデザインなどの既視感があることに違和感があるものの、あのようなメカゴジラの描き方は確かに画期的である。

 そう考えると、本作はつくづく『ゴジラでなければ評価が高い』作品なのかもしれん」

 

 

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 やっぱりこの作品に囚われてすぎているのかなぁ

 

 

『クラシック』なCGアニメを

 

カエル「じゃあ、CGアニメとしてどうなのか? ということを考えていくけれど……」

亀「ふむ……わしが思うに、CGアニメは『クラシックな作品』が求められておる

カエル「えっと……クラシックな作品?」

 

亀「例えばセル画アニメの1つの形を定着させた『白雪姫』や、CGアニメが一気に注目を集めると同時に、多くの影響を発揮した『トイ・ストーリー』じゃな。

 日本では……例えばロボットアニメの通念を変えた『ガンダム』などがクラシックな作品と言えるじゃろう。

 この手の作品はそれまでと違う、その時代では革新的な全く新しい挑戦に満ちた作品でありながらも、時代を経た現代でも十分に通用する、王道の魅力に溢れておる。

 いわゆる、古典となる、お手本の作品じゃな。

 残念ながら日本のCGアニメは多くの作品が生まれておるが、まだ決定的な教科書となるような魅力を兼ね備えた作品は生まれておらんように思える。これが出てくると日本のCGアニメの方向性が決まり、一気に発展するのであろうが……」

 

カエル「興行的にも成功、批評や技術論でも多くのお手本となる作品の登場かぁ。とても難しいことではあるけれど……」

亀「今の日本のCGアニメは……特にポリゴンピクチャー制作の作品はアクションや爆発、ロボの描写は文句なしにいいと思う。見所も満載じゃ。

 しかし、それ以外の魅力が乏しい。

 今作も止まっているシーンがそこまで魅力がなく、またアクションシーンも要所要所では入れておるが、決して多いわけでもない。

 これは演出や作画技術の問題でもあるが、このハードルをいかに超えるのか……例えば、背景を美しく描くなどの方法もあると思うが、そこの工夫が欲しいと思ってしまったかの

 

 

 

 

 

まとめ

 

今回は短めですが、ここで一度まとめます

 

  • アクションパートやSFの描写、ガジェットなどは特に良い
  • ゴジラというよりはただのSFアニメ
  • キャラクターたちの行動に大きな疑問も…… 

 

……ゴジラでなければ3部作も楽しめたかも知れんが

 

 

カエル「う〜ん……次でいよいよあいつが来るらしいけれど、正直読めていた展開だからねぇ」

亀「今作のCGで表現されたメカゴジラに非常に期待をしていただけに、余計にがっかり感が強い。

 ゴジラファンのための映画ではないのかもしれんが、の

 3部作ものだから仕方ないところもあるが、1作の映画としても評価しにくい。

 ゴジラでなければもっと褒めることもできたが……わしはどうしても厳しい意見になってしまうの」

カエル「次回は2018年11月に公開予定です!」