大人気アプリゲームの劇場化第2弾です!
前作が良かっただけに、今回も期待しているよ!
カエルくん(以下カエル)
「全くモンストは詳しくないけれど、結局youtubeで公開されていたアニメ版も見ていたしね」
主
「今日も会社でガチャがどうとか盛り上がっていたよ。
やはり人気があるんだな」
カエル「では、その劇場アニメはどうだったのか?
早速感想記事を始めましょう!」
映画『モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ』予告【HD】2018年10月5日(金)公開
感想
ではTwitterの短評からスタートです
#モンスト #ソラノカナタ
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2018年10月5日
前作がなかなか良く、今回は錦織監督なので期待はしていたがダメなところが目立ってしまった
全てを説明するセリフ、セリフ、セリフの山に辟易し、キャラクターや設定も何処かで見たことあるものばかり
モンストでないとできない魅力はあったのか?
アクションは良かったか pic.twitter.com/UY0nKSLDMJ
残念ながら、評価は低くなってしまうね
カエル「前作の『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』が、最初はアニメ映画だから見ておくか……くらいの軽い気持ちで劇場に向かったのに傑作だったから、今回も期待していたんだけれど……」
主「モンストは一切やったことないし、周囲で盛り上がっているのは知っているけれどあんまり興味がない人間がハマるほどに、見事な作品だったんだけれどね。
残念ながらソラノカナタに関してはモンストの魅力や、本作でないと表現できない良さなどは一切見当たらない映画となってしまっていた。
酷評です」
カエル「う〜ん……何かいいところを探そうと思って、歌がいいくらいしか思い浮かばないというね……」
主「アクション描写は迫力もあって面白いは面白いけれど、では劇場で堪能するほどですか? と問われるとそこは疑問符が残る。
現代ではテレビアニメでハイクオリティーの映像が楽しめるため、ハードルは年々上がっているのは事実。それを超えるほどですか? と問われると、少し厳しいね、というほかない」
2016年に公開された前作はロードムービートしても傑作であり、オススメしたい作品です!
CGアニメーションの課題点
これは日本のCGアニメのレベルの問題もあるのかな?
どうしてもハリウッドなどと比べてしまう部分があるかな
カエル「今作はキャラクターの動きもカクカクで、数分すぎたところから『え、全編これでいくの?』と思ったほどで……結局、最後までその通りになってしまうというね」
主「う〜ん……日本の CGアニメが全て悪いとは言わないよ。もちろん、中にはハイクオリティーの作品もあって、見応えがあるものも多くある。特に、近年はレベルはさらに上がっている。
だけれど、中には『あ〜……まだこんなレベルなんだ』と思う作品もあるんだよね」
カエル「今作の課題点はどこにあるの?」
主「やっぱり、キャラクター描写の稚拙さがあるんじゃないかな。
自分は『情報量が不足している』と表現するけれど、とにかくキャラクターを動かすことで精一杯になっていて”芝居”ができているシーンがそこまで多くない印象がある。
やっぱり、CGのアクションは本当に素晴らしいと思う部分は多い一方で、物語が動かない時……ドラマパートでどれだけ面白いことができるのか? という課題がある。
例えばコメディタッチのシーンでは誇張した表現をしたり、コロコロ変わる表情が楽しめたりして、シリアスと違う魅力があったりするものだ。だけれど、動かないシーンが本当に退屈な作品が多く、そこが作品の足を引っ張ってしまう印象はとても強い」
カエル「う〜ん……これはCG アニメの他作品でも語ることだよね……」
主「映像を動かすことで面白くすることはできるんだけれど、基本的にアニメの7割くらいは動かないシーンだから、そこを魅力的にすることができないと、物語全体の魅力を発揮することは難しくなるよね……」
アニメをカバーするための脚本
じゃあ、その情報量の足りない物語をどうカバーしているの?
脚本でベラベラしゃべらせているんだよ
主「本作が1番ダメな理由がここで、何でもかんでも物語を脚本で説明してしまい、映像表現で説明しようとしていない。
例えば、今作は東京の1/3が突然空中に浮いていく、という設定があるけれど、なぜそのような状況になったのかはセリフで説明する。でも、本来映画などの映像表現であれば、普通の生活を送る人がいて、そこを空中に浮かんでいく描写を入れるとかさ、素人考えでもやりようはあるじゃない。
でもそれを全てセリフで説明するから、物語がさらにつまらなくなる」
カエル「結局説明、説明&説明だったしね……」
主「じゃあ、その設定もモンストらしさが溢れるオリジナルなものでしたか? と問われると、全く違うよね。
既視感に溢れていたし……最初の東京の一部が隔離された、なんて聞くと自分なんかは『ラーゼフォン』を連想したけれど、多くの人は最近のラノベやなろう系小説を連想するんじゃないかな?」
カエル「錦織博監督だと、最近は『とある魔術の禁書目録』などの監督を務めているから、その影響もあるのかな?」
主「自分は錦織監督だと『GAD GUARD』『忘却の旋律』あたりは色々あったけれど好きな作品だし、脚本の伊神貴世は『廻るピングドラム』『ユリ熊嵐』などを幾原邦彦監督と共同ではあるけれど、シリーズ構成を務めている。
どちらも好きな作品で主要部門のスタッフとして力をふるっているだけに、悪くは言いたくないけれど……ここまで酷い作品になっているとは、正直思わなかったというのが本音かな」
キャストについて
今回、芸能人声優がキャスティングされていますが……
……いや、芸能人云々関係なくダメでしょ
カエル「本職の声優さんもダメ?」
主「ダメというか、魅力が発揮できていない。
なんというか、キャラクターをつかむことができているのかな? って思いもあるくらいだよ」
カエル「いつも『本職のアニメ声優がアニメ的な派手な演技をするときに、芸能人声優を合わせると途端に浮いてしまう』という話はしているもんね……
まずは、窪田正孝の演技はどうだったの?」
主「思ったよりは悪くはないよ。さすがに叫ぶ演技などが達者なだけあって、しっかりとしている部分もある。
だけれど、キャラクターが良くないな、というのと、やはり本職のアニメ声優がアニメ演技をしているときには違和感はどうしてもある。
だけれど、ここから経験を積んでいけば輝く部分も大いにあるんじゃないかな? と感じさせる演技でした」
カエル「そして、次が広瀬アリスだけれど……」
主「もう、広瀬アリスが完全にノイズになってしまっている。
典型的なダメな芸能人声優の演技になってしまった印象だよ。
でも、これもキャラクターが悪いんじゃないかなぁ……謎の女の子であるソラの役なんだけれど、結構難しい役だよね。素性がわからないし、何を考えていて、何が目的なのかも最初はわからない。
少し威圧的でありながらも、主人公を引っ張っていくことが求められているという役を、見事にこなせていたかというと……まあ、出来ていなかったという話です」
カエル「本職の声優さんもダメというのは?」
主「結局、キャラクターが悪いし描き方が悪いから、演技でカバーできるレベルではないんじゃないかな?
悠木碧演じるユウナがある行動に出たシーンなどは、思わず『え?』と声に出てしまっていて……各キャラクターの描き方があまり上手でないこともあって、振り回されてしまっていた印象が大きいね。
少なくとも、本作が代表作になる人は皆無だし、上手いなぁ……と感心することは自分はなかった」
以下ネタバレあり
作品へのツッコミ
既視感のある物語
では、ここからはネタバレありになりますが……
語ることもそんなにないですよ
カエル「えっと、まずは物語全体に対して、ということだけれど……」
主「正直、見飽きたなぁというのが本音かな。
ある日急に事件が発生して、普通の少年の母親が実は力を持つ人物であり、母を救うために力を発揮する……こうして文字にすると王道の物語のようでも、実際に鑑賞すると『なんか見飽きたなぁ』というものになってしまっている。
主人公がトラブルに巻き込まれて、それを解決するために謎の少女に連れられていき……なんていうのも、ここ数年のトレンドに思える」
カエル「それだけ好きな人が多いということじゃないの?」
主「それにしてもツッコミどころが多すぎるよね。
いきなりあんなこと言われてのみ込めるわけないし、しかも設定を延々と説明しているから観客も頭に入りづらく、没入感を阻害している。映像で表現することができていないから、結局は映画としての面白さを提示することもできず……
もともとモンストが好きだったら人気キャラクターが登場するだけでも楽しめるのかもしれないけれど、一見では誰に注目すればいいのかもわかりづらい結果になっている」
カエル「結局はファン向けの映画だしねぇ」
キャラクターの描き方について
主「あとさ、キャラクターの描き方が非常にオーソドックスなものであり、目新しさがないの。
例えば、モブキャラではあるけれど事件の推移を見つめる政府の偉いさんがいるけれど、その反応は典型的な嫌な人。今時そんなキャラクター出す? と思うほどにコテコテで、びっくりしてしまったよ。
さらに色々なキャラクターもCGアニメにありがちなキャラクター像であり……もう嫌気がさしてしまった」
カエル「主人公勢とかもダメなの?」
主「ある味方が中盤あたりで過酷な戦いに巻き込まれてしまい、深手を負うシーンがあって、そこを感動的に描いているけれど、唐突すぎて何も思わない。そこまで思い入れもないし、いいキャラクターとも思わなかったし。
そのあとでさらにあるキャラクターが突然の行動を起こすんだけれど、それも理解不能。
もう、ここまできたら後は適当に好きにやってよ! と思ってしまうほどで……映画として面白さを感じることはできなかった」
カエル「え〜……褒めるところは?」
主「歌がいいのと、アクションが少し見応えがあるくらいで、それ以外は辛くなってくる。
だいたい『人間の勝利だ!』みたいな台詞、たとえ否定するためでも入れるか?
台詞としてダサい。
残念ながら考察する気もないし、擁護も出来ない。
前作が好きだっただけにかなり厳しい意見になるけれど、こんな映画を公開して欲しくなかったという思いすらある。
どうせアプリの効果もあって、それなりに売れるんでしょうが」
まとめ
短いですが、記事のまとめです……
- アクションと挿入歌は見応えがあるものの……
- 脚本、映像ともに大きな難点をいくつも抱えており、擁護が出来ない
- キャラクターがあまり良くないため、役者の評価もできずらい……
モンストが好きな人だけ行けばいいと思います
カエル「ここまでの酷評になるのは珍しいかも……」
主「語ることもないですよ。
好きな人には申し訳ないけれど、この作品を評価することは自分にはできません」