カエルくん(以下カエル)
「……今週は映画鑑賞後の感情の変化が激しいね」
亀爺(以下亀)
「元々戦争中の広島という重い時代に暮らす人の日常をコミカルに、しっかりと描いた今年屈指の名作『この世界の片隅に』があり、グロテスクな描写が多く、こちらも重い雰囲気である『ミュージアム』をみた後に、この映画を見るわけじゃからな……」
カエル「相変わらず……煮物とお味噌汁でご飯を食べた後に、塩だけで酒を飲んで、さらにお砂糖たっぷりのケーキを食べるかのような滅茶苦茶な食べ合わせだね」
亀「まあ、主らしいといえば主らしいがの。特に今週はバラエティに富んだ作品が続いておるの」
カエル「しかもさ、この世界の片隅にを見たあと『シン・ゴジラ』をまた見に行っているんだよね。広島の核兵器に関する作品をみたあとに、現代における核がテーマの映画を見に行くというのも、まあすごいもんだよね」
亀「そう考えると意味がありそうな、なさそうな……滅茶苦茶なことなことをしておるの」
カエル「主は『シンゴジラとこの世界の片隅にをセットでどう語ろうかな……』なんて考えてそうだけどね」
亀「……こうやって記事は量産されていくんじゃな」
1 人気アニメの劇場版
カエル「今回、この作品を語る上で大事なのは人気アニメの新作劇場版ってことだよね。オリジナルアニメではないから、お客さんを選ぶ内容になっているかな?」
亀「少なくとも何も知らずにこの映画を見に行く人よりも、テレビアニメ版のファンの方が多いじゃろうな。
ちなみに……カエルはこのアニメ、見ておったのか?」
カエル「う〜ん……実は見ていないんだよね」
亀「ほう……じゃあ、この映画が初見か」
カエル「うん。最近はさ、テレビアニメがやっぱり多すぎるからさ……全部見ている人なんて、どれくらいいるんだろうね? 特に萌えアニメでしかも日常系となると、毎期何作品もあって、差別化が難しいよね」
亀「まあ、それはそうかもしれんの。一時期の日常系アニメ大ブームの時代もあって、たくさんのアニメが出てきたからの。その中で差別化するというのも色々と大変じゃからな」
カエル「その中でも、劇場版が作られる作品って中々ないじゃない?」
亀「そうじゃな。いくら人気アニメの劇場版がたくさん作られる時代であっても、日常系アニメで劇場版を作られるほどという作品は滅多にないの。それだけの……何か特別な強みがある、ということだとは思うのじゃが。
今回のテレビシリーズ未見での鑑賞は、それを知るためのものでもあったかの」
テレビシリーズ未見でも大丈夫?
カエル「結論からいうと……全く問題なしだったよね」
亀「今回の劇場版は50分しか尺がないために、あまりピックアップされないキャラクターも多いが……それでもメインの5人であったり、作品世界というのは表現されておるし、この作品が入門となって興味を持つには十分じゃの」
カエル「物語もエピソード0のような話だしね」
亀「もちろん、原作であったりテレビシリーズを観ておいた方が楽しめるのは間違いなじゃろうが……」
カエル「それこそ『友達に誘われたから』とかの理由とかでも大丈夫だよね」
亀「日常系アニメとしてもお約束のような展開であったり、キャラクター像だからの。全くアニメを見ないというならともかく、ある程度見慣れている人であれば、特に違和感なく見ることができるのではないかの。
可愛い女の子がキャッキャと日常を送る作品が好きであれば、特に見に行くべきじゃ」
2 この作品の強みとは?
カエル「今回はさ、テレビシリーズを見ていない上に、劇場の上映時間も50分ほどと短いこともあって、実は語りにくいんだよね……」
亀「テレビシリーズを見ないでこの映画を見に行くということが間違い、という意見もわかるからの。なので、作品自体の良し悪しはあまり語ることはできん。
では劇場版のみを見た感想としては……」
カエル「う〜ん……難しいよね」
亀「決してつまらない、というわけではない。登場人物は可愛いし、この悪人が一切出てこないという空気感が好き、という気持ちもわからないでもない。
なんらかのトラブルが起きてもなんとか処理してしまうし、ある種のご都合主義のような部分もあるにはあるが、この作品に人生を変えるような劇的な物語を望むファン層というのも、あまりないであろうからの」
カエル「その意味では、日常系作品として正統派の作品だよね。この映画が合わない、というなら、ある意味では日本の萌え日常アニメに向いていないと言えるかもしれないわけで……」
亀「そうじゃの。しかし、語るのが難しいというのは、あまりにも正統派すぎて他の作品との差別化ができておるのか……よくわからんの」
カエル「う〜ん……確かにキャラクターもかわいいし、魅力があるのもわかるけれどね。こんな作品ってどっかで見たことあるような気がする、という思いがどうしてもあるんだよね」
日常系アニメの形
亀「その意味では『ミュージアム』や『デスノート』が漫画原作のミステリーサスペンスとして構造が似ておるように、日常系アニメとしての構造がしっかりと確立されているということかもしれんの」
カエル「確かにね。日常系萌えアニメの基本は『可愛い女の子の送る日常を、ただ楽しむ』というところにあるわけだもんね」
亀「その可愛い女の子もある程度テンプレートとかしておるし、ツンデレやらドジっ娘やらと色々と細分化が進みすぎた現代のオタクアニメ界の中で、全く新しいキャラクター像というのは、生み出すことも難しいのかもしれんの」
カエル「そしてそれが求められているかというと、多分そんなこともないわけで」
亀「『可愛い女の子がキャッキャと生活を送る作品の何が面白いの?』というような人がいたら、その人はもう日常系萌えアニメ自体に向いておらんわけで。
ある意味ではサザエさんなどと同じで、永遠に成長しない姿、変化しない日常に対する憧れというものがあるのかもしれんな」
カエル「だから『キャラクターがかわいい』とか『声優さんがかわいい』でいいのかもしれないね」
亀「それも一つの物語の形、ということじゃな」
最後に
カエル「今回は作品自体が50分と非常に短いこともあって、語るのが難しかったね」
亀「元々このブログのような、物語の筋の上手い下手であったり、構造を語りたがるタイプにとっては、このような日常系作品というのは1番むいていないジャンルでもあるんじゃな」
カエル「事件が起こらないから日常なわけだもんね。筋がない! って言っても、それが日常だし」
亀「色々な語り口も確かに出来るがの……例えば、炎上狙いで行くならば『日本人の白人コンプレックスが集結した作品』などの」
カエル「ああ……時々ある明らかに的外れなあさっての方向のことを語る類の批評だね。それは面白くないしなぁ……」
亀「まあ、しかしこう言う作品はファンが見て楽しむのが第一であり、ある程度資金を作れたら続編なり、OVAなどを制作すればいいのではないかの? そのために少しでも貢献したとあるならば、見た甲斐もあったというものじゃ」
カエル「……ま、そういうことにしておこうか」
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