カエルくん(以下カエル)
「ハクメイとミコチがアニメ化されたよ!
この瞬間をどれだけ待ち望んだことか!」
亀爺(以下亀)
「ここ最近、漫画大賞などでも『なぜハクメイとミコチがランクインもしていないのだ!』と憤ってきたからの。掲載雑誌がマイナーなのと、そこまで大ヒットするような派手な展開やキャッチなー作品ではないが……」
カエル「それでもずっと応援してきたからねぇ。
ここ最近も『ふらいんぐうぃっち』とか『メイドインアビス』とか、応援してきた作品がアニメ化などを迎えると嬉しいものがあるよね。特に、評判がいい作品でもあるし」
亀「別にアニメ化が作品のゴールではないのは当然じゃが、それだけ高く評価されているということでもあるしの。
これを機に作品の知名度も上がり、人気も一気に出て、そしてこの記事がたくさん読まれるようになればみんなWIn-Winじゃの」
カエル「……まあ、Win-Winだけれど、最後だけはかなり自分勝手な物言いだよね……
じゃあ、ハクメイとミコチの紹介記事を始めるよ!」
登場人物紹介
ハクメイ
今作の主人公。
女の子だが工作や釣りが趣味で、活発なアウトドアタイプと男勝りなところがある。少々ガサツに思えるようなところもあるが、仕事に関してはすごく繊細な職人タイプ。
かつて旅をしていた経験があり、 知識が非常に幅広い。また、実は読書家な一面もある。基本的にはハクメイが発案をして、ミコチがそれに付いていくという展開が多く、引っ張っていくタイプ。
ミコチ
黒髪の女の子で本作のもう1人の主人公にしてヒロイン。
雑貨屋に卸すジャムなどを作る仕事をしており、料理や裁縫、衣服の制作などが非常に得意。男らしいところのあるハクメイの女房役と言える立ち位置。
好きなものに関しては目がなく、布を見るとすぐに欲しくなってしまい他の店に行くことができないほど。
何事にも活発に行動するハクメイを止める役割なども担っているが、大体は一緒に行動する羽目になる
コンジュ
街一番の歌姫であり、ミコチをライバル視している。
吟遊詩人であり、彼女の奏でる歌には誰もが歓喜する力がある。竪琴と艶やかなアルトボイスが自慢。
一方、性格はガサツで抜けたところもあるなど少し問題もあるが、そこも彼女の魅力。ファンも多く、誰からの愛されている。
セン
研究所に一人で暮らす研究者(発明家?)
彼女の発明は非常に独特なものであり、誰もが驚くものである。それがどんなものかは、ぜひ作品を読んで確認してね。
何かと力が必要なことも多いときに手助けをしてくれる。街から外れた場所に一人で暮らしているが、別に人嫌いというわけではなさそう。自分の身の回りのことにはあまり頓着せず、生活は機能性を優先させるところがある。
本作の魅力
カエル「じゃあ、ここからハクメイとミコチの魅力について解説するけれど……」
亀「小さきものは、皆うつくしじゃな」
カエル「……え? 急に何?」
「枕草子の有名な146段じゃよ。おそらく春はあけぼのから始まる一段の次に有名な段と言ってもいいのかもしれんの。
枕草子は現代で言うところのバリバリ働くキャリアウーマンの愚痴日記みたいなもので、今ならばコミックエッセイとして書かれていそうな内容なのじゃがな、146段には『小さきものはみなうつくし』とある。
現代語訳では『小さいものは皆可愛らしい』といったところかの。日本人のDNAの中には小さいもの=可愛いものという認識がどこかしらにあるということじゃな」
カエル「シルバニアファミリーとか、おままごと用のドールハウスとかもそうかもね。本作では登場人物がほぼ2、3頭身で描かれているけれど、それにもちゃんとした理由があるんだよね」
亀「ハクメイとミコチなど、今作の登場人物はみんな小人で、身長は普通の人間の手のひらよりも小さく、おそらく親指ほどしかないのではないじゃろうか? 普通の人が出てこないからわからんところもあるがの。
そんな小人が自然の中で時には危険な目にも遭いながらも、楽しく暮らしている様を描いているおる」
カエル「それだけでも面白さがわかるよね」
書き込みがすごい!
カエル「この作品の魅力はなんといっても書き込みの凄さだよ!」
亀「掲載されているハルタは今話題のダンジョン飯だったり、個人的に好きなジゼルアランであったりと、意欲作も多く注目を集める雑誌だが、乙嫁語りのヒット以降は書き込み重視の作品も多く発表している傾向にあるの。
街の描写であったり、自然の木々や草花の描写は見事の一言で、非常に丁寧な作りを感じさせてくれる」
カエル「あとは新人を多く起用しているということでも有名らしいね」
亀「論より証拠ということで、まずはこの絵を見てもらおうかの」
カエル「これだけの書き込みをするなんて気が遠くなりそうだよねぇ」
亀「もちろん、書き込みも素晴らしいのじゃが、まるで九龍城を連想させるこのフォルムが、読者をワクワクさせてくれるの」
カエル「もちろん、実際の九龍城ってそんなにいいものではないけれどさ、この後からいろいろと積み重ねたんだろうなぁ、って連想できる凸凹とした作りで当たり、適当に並べられた看板などもすごく趣があって……これだけで街の世界観がすごくはっきりと出ているよね」
亀「もちろん、街だけではない。森の描写に注目してみるとするかの」
カエル「各キャラクターの魅力などもよく伝わってくるよね。
この苔むした森の描写とか、リアルな虫やカタツムリの様子であったり、その大きさから彼女たちがいかに小さいのかもよく分かる」
亀「その中でもイタチのイワシはハクメイの仕事仲間として重要な役どころじゃから、他の動物に比べてデフォルメされておるが、一方の虫などはそこまでデフォルメされておらん。
じゃが、わしなどはこの様子から虫特有の気持ち悪さなどはあまり感じないように描かれておると思う」
カエル「虫とかがリアルに描かれてますよー、というと抵抗を示す人もいるだろうけれど、このレベルであれば虫の持つ魅力やかわいらしさなども伝わるんじゃないかな?
他にも街の動物たちもいい味を出していて、身長の違いや種族の違いによって得意とする仕事が違ったり、トカゲなどは少し小狡い悪役として描かれていたりと、それぞれの特徴をすごく活かしていて!」
亀「それでいながら事件自体はほのぼのとしておったり、冒険心を刺激するようなものであったり、普通の日常系の漫画でもあると言えるじゃろうが、安心して読んでいられる魅力に満ちておる。
もちろん、場所も街や森だけではなく、作中でもっと色々な場所へと向かっておる。池や水の中、一面銀世界の雪なども描写されておる。
この作品の絵の力だけでも一見の価値があるとわかってもらえるのではないかの?」
最後に
カエル「今は既刊で5巻だけれど、極端な話、どこから読んでも面白いから適当に手に取ったり、試し読みしてからもいい作品だよね」
亀「それまでのキャラクターとキャラクターが別のつながりを持っていたり、意外な組み合わせが新しい魅力を引き出すなどというのも面白いの。
また、話と話の間に挿入される作中世界の小話や世界観説明も読んでいて非常に面白いものじゃ」
カエル「これからアニメ化も果たすけれど、これだけの作品だからそれなりに力を入れると思うんだよ! 背景描写や世界観を説得力を持って説明できないと何も面白くない作品になってしまうし……」
亀「劇的な展開や派手なバトル描写で魅了する作品ではないからこそ、丁寧な仕事が要求されるの。
漫画の方もこれだけの書き込み量であるとそこまで量産はできないかもしれんが、長く読んでいたい作品じゃの」
カエル「あとは……何と言ってもカエルが魅力的で!」
亀「……カエルなんて出てきたかの?
むしろ亀のほうが魅力的に描かれておるような……」
カエル「いやいやいや! カエルの方がとても可愛らしくて………
以下略」