物語る亀

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物語愛好者の雑文

クレイジージャーニー〜伊藤大輔 ブラジルのスラム街『ファベーラ撮影』〜 3月31日放送

 なんだかここ最近、この番組のクレイジーさが一層上がっているような気がしてならない。感想を書かなかったが、前回の八幡晄のシーカヤックもとんでもない内容だったが、今週も過去最高のクレイジー度を誇る気がしている。

 去年の正月に放送されていた特別番組の時の丸山ゴンザレスを見たときはあまりの衝撃に度肝を抜かれたが、今では普通に思えてきそうで怖い……

 では感想を書いていく。

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 この番組は大きく分けて2種類の話がある。

 丸山ゴンザレスなどに代表される『社会の裏側、知られざる世界潜入回』

 佐藤健寿などに代表される『自然探検、過酷な状況での調査回』

 今回は前者の方であるが、ここまでとんでもない回というのも他にないだろう。

 

 案内人は写真家の伊藤大輔。日本でも写真家として数々のアイドルなどの写真を撮りながらも、今はブラジルに住んで仕事があるたびに日本に来ているらしい。

 写真集も発売中のようなのでツイッターを貼っておく(amazonにはなかった……)

 

 

 その伊藤が住んでいるのがブラジルの中でも危険とされるスラム街(ファベーラ)の中でも高級住宅街の『バベロニア』と呼ばれる地域で、ここはW杯やオリンピックに向けて再開発が進むブラジルの中でも手があまりつけられていない危険な地域とのこと。

 31日放送分では、空にロケットランチャーが飛んでいる様も放送されていたが、本当に戦争状態に思えて仕方なかった。

 

 なぜそのような危険な地域に(しかも妻子がいながら)暮らしているかといえば、そこがドラマチックなような気がしたからとのこと。この番組に出てくるクレイジージャーニー達は、安全や楽をすることよりもロマンを追求する人がほとんど(というか全員か)だが、伊藤も例外ではない。

 

 

 

 24日放送分ではそのファベーラの日常と異常性を垣間見せてくれる。

 バビロニアに入る前まではやはり普通の外国の街並みであったが、まるで路地裏の名店に行くようなビルとビルの間を抜けて行った先にあるのがファベーラである。その町並みは確かに少しばかり汚いというか、荒れている気はするが、『世界の路地裏』なんて番組であれば特に違和感もないような普通の街である。

 通り過ぎる住人たちもそれなりに肌を露出しているし、ブラジルらしさを感じさせてくれる一方、そこまでの危険性は映像からは伝わってこなかった。

 

 警察よりもギャングの方が身近、という話があったが、この辺りは警察権力が及ばない地域ではよくある話だろう。困ったことがあったとしても、警察はあまり個人に対して動いてくれるわけではない。ましてや、殺人事件がリオデジャネイロだけでも日本の23倍もあるのだから、そうそう自分たちの味方になってくれるわけではないだろう。

 そんな中で頼りになるのがギャングというわけだ。おそらく、ギャングと言っても元々は自警団の延長線上にあったようなものが、抗争を重ねるうちにより凶悪化してしまったのだろう。これは任侠道を掲げた戦後直後のヤクザ文化と同じで、日本においても警察とヤクザが手を組んで治安維持に当たった例もあるほどだ。(今でも芸能界とヤクザの関係は根強いし、野球界や相撲界に問題が相次いだのも、古い文化だからこの辺りの時代の名残が風潮として残っているのだろう)

 清水次郎長親分であったり、寅さんなんてのも今で言えばヤクザみたいなものだし、その時代によってはそういった違法組織の方が頼りになることもある。(だからこそたちが悪いのだが)

 

 夜になるとギャングに会いに行くのだが、ここのシーンの緊迫感は過去最高だろう。

 笑いながら走る準備をして「撃たれるかもしれないよ」なんて話す伊藤はやはりクレイジーな人間だろう。自分は1つ1つ準備をするからクレイジーではないというのだが、いやいやそんなことない。

 この際に向かったホシーニャに関してはこちらの記事があったので貼っておく。

 

www.nikkansports.com

 

 ギャングに会いに行く予定だったのに、警察との銃撃戦の上、仲間が二人亡くなったとのことで緊迫感がさら増していった。そしてあちこち歩きながら向かった先にギャングがいるのだが、明るい路地には出てきてほしくないらしい。

 なんとか説得して出てきたギャングが4人。顔はスカーフで隠されていて見えないが、体は細く、シルエットだけでどんなに年を上に見ても20代前半、おそらく10代ではないかというほど幼い姿であった。その4人の中には女性もいて、我々が想像するギャング像とは少し離れていたが、それだけ若い人がギャングという生活に身を堕とすという現実がそこにはあった。

 

 31日放送分では街中のグラフィティーアートが放送されていたが、このような状況だからこそ街中に絵を描いていく人がいるのかなぁなんて思ったり。日本もそうだけど、治安がいい街は街中に絵がない場所も多いしね。

 

 

 今週の伊藤大輔は本当にクレイジージャーニー史上でも屈指の名回だったのではないだろか。

 最後のスタジオで語っていた「死が近い人の方が生はより濃く生きる」という言葉が非常に印象深い回だった。

 イベント行きたいなぁ。 

 

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