今回はうちでは何かと触れる機会の多い『プラネテス』について語っていきます。
最初に言っておくと、間違いなく宇宙を扱ったアニメでも最高峰の作品です!
カエルくん(以下カエル)
「『コードギアス』の記事にも語ったけれど、本作はとても完成度の高い作品なんだよね。それこそ、2000年以降で発表された宇宙を扱ったすべての映像作品の中でもトップクラスだ! と言いたくなるくらいで……」
主
「自分は『洋画、邦画を含めても明確にTOPだ!』とはっきり言ってしまうけれどね。
今作は多くのSF作品が扱うことができていない重大な要素に、いくつも触れていながらも、その完成度がとてつもない作品である。
しかも、漫画もアニメも大傑作!
なのに単純に漫画をアニメ化しただけじゃない、というのが非常に重要な作品でもあって……まあ、その辺りはおいおい語っていきましょう。
今の若い人には『宇宙兄弟』が参考にしているであろう作品の1つ、といった方がわかりやすいのかな?」
カエル「メディアミックスの理想型の1つだよね。
ぜひすべての世代の方にお勧めしたい、大傑作です!
あと、10年以上前に完結した作品なので、ネタバレありで語っていきます。
では、その感想と考察記事を始めます!」
作品紹介
『ヴィンランド・サガ』などの幸村誠の原作作品。アニメ化した際の監督は『コードギアス』などの谷口悟朗が務める。
宇宙に漂うネジなどのゴミ『スペースデブリ』を拾うことを仕事とするデブリ屋、星野八郎太(通称ハチマキ)と、ヒロインのタナベをはじめとした登場人物の夢ややりたいことを追う姿と愛を描く。
漫画版は全4冊、アニメ版は全26話で完結している。
優秀なSF作品に贈られる星雲賞を漫画、アニメ共に高い評価を獲得している。
プラネテス 惑星奇航 (Planetes) Blu-ray Promotion Video
本作の『宇宙』の描き方
多様性のある宇宙社会を描く
では、まずは『なぜそこまでプラネテスを檄押しするのか?』 ということだけれど……
自分がハリウッドのPだったら、間違いなく本作を映画化する<
主「なんだかんだ言ってもさ、日本のアニメや漫画って人種としてはそこまで多様性がないんだよね。
ほとんど……8割以上が日本人が主人公で、しかも白人のようなキャラクターばかり。
黒人系や中東、東南アジア系などを思わせる人種は登場しないことも多い」
カエル「日本自体がほぼ黄色人種が暮らす国だから、しょうがない面があるけれどね」
主「そして宇宙や世界を扱った作品でもそれは同じである場合が多い。『宇宙戦艦ヤマト』などは設定上しかたない面もあるけれど……でも、もっと多様性にあふれていいと思わない?
本作はその意味でも評価が高い!
まず主人公の星野八郎太(以下ハチマキ)が日本人なのは普通としても、船長が黒人のアメリカ人女性であり、同僚が白人のロシア人。その他に出てくるキャラクター……例えばハキムは中東系だし、人種や宗教がとてもバラバラな宇宙社会を描いている」
カエル「『多様性のある世界を』というのが近年のトレンドだけれど、それに見事に合致した作品だよね」
主「しかもアニメオリジナルキャラクターでは、重要な女性キャラクターのクレアが黒人系で、しかもハチマキの元カノでもある。
課長代理は白人系アメリカ人、係長代理はインド人だよ!
実に多種多様な世界を描いているよね。この描き方がまず日本の作品ではあまりないじゃない」
カエル「さらに主軸の物語として『貧困と宇宙開発』も絡んでくるからね……」
主「10年前よりも現代のほうが通用する作品ではないでしょうか?」
社会性を強く感じる宇宙の描き方
カエル「でも、多様性のある宇宙の描き方自体は、アメリカの作品でも多くあるよね?」
主「もう1つのポイントが『宇宙で暮らすお仕事もの』なんだよ。
多くのSF作品はスペースオペラのような、宇宙を舞台にした歴史叙事詩を描いていたり、もしくは宇宙計画のピンチを描いていたり……つまりさ、宇宙で暮らしているけれど、それは我々の生活とあまり縁がないものだった。
宇宙と地球の間にはものすごい差があるんだよ」
カエル「え〜っと……つまり『スターウォーズ』や『アルマゲドン』を観て、今の我々の生活にはあまり直結しないよね? ということだね」
主「そうそう。
だけれど、本作は宇宙を描くのと同時に『仕事』を描いているんだよね。
そこで描かれている人々は、我々と同じような仕事の悩みを抱いている。
本作はデブリ、つまり宇宙に存在するゴミを回収するお仕事だけれど、何でもかんでも拾っていいわけではない。中には軍の機密である……宇宙機雷などもあって、それは回収してはいけなかったりする。
上からの指示と、現場の意見が真っ向から対立する様は、とても共感出来るんじゃないかな?」
カエル「中間管理職の悲哀と意地などは、アニメオリジナルキャラクターのラヴィ係長が最も顕著で、18話の『デブリ課、最後の日』なんかは本当に感涙で……もちろん神回ばかりの名作なんだけれど、特にこのお話がお気に入りです!」
主「やはり『仕事ってなんだろう?』とか『追いかけたい夢と仕事のバランス』など、色々と考えさせれる人間ドラマになっている。
どうしても日本のアニメや漫画は少年少女向けだけれど……本作は明確に社会人が見るべき作品なんだよ!」
宇宙から個人の内面まで幅広く描く
じゃあ、プラネテスが描くものは何? というと……
1つは『個人の考え、哲学的な答え』 だよ
主「本作が描くものの1つは『個人がいかに考えて、答えを見つけるか』というものだ。
つまりさ……愛とは何か? 夢とは? 仕事とは? 自分とは? 宇宙とは?
そういう個々の哲学的な悩みにぶつかっていき、そして答えを導き出していく。
ハチマキの抱える悩みはとても深い。それこそ、個々では答えが出ないようなものだ。そういうことに向き合っていき、答えを出すのが本作の見どころの1つである」
カエル「そしてその過程において、ヒロインのタナベなども『愛』の大きな悩みにぶつかっていくんだね」
主「この哲学的な問いを1つ1つ突きつける作品は確かにあるよ。もっと深い結論を下す作品もあるでしょう。
だけれど、今作を絶賛する理由の1つが、宇宙や宇宙ステーションというロマンあふれる未来のSFを描く一方で、我々の日常と変わらない社会と、多様性のある世界を描く。
そして、その先にある個人と宇宙の関わりを描くんだ。
つまりさ……マクロからミクロまで、宇宙から個人までしっかりと描ききってしまった。
しかもたったの……漫画なら4巻、アニメならば2クールで!」
カエル「2クールも結構話数としては多いけれど、それでもこれだけ詰め込んだのは本当にすごいよね」
主「アニメや漫画だから描ける宇宙を描きながらも、ロボットも出てこない、派手な戦闘もほぼない。
アニメや漫画らしからぬ作品だよね。
だからこそ、唯一無二の作品に仕上がっている」
漫画とアニメの理想的な関係
カエル「じゃあさ、漫画とアニメの違いについて語っていこうか」
主「自分がよく口にするのは『映像化する際には原作をぶっ壊せ』ということだ。
単純に漫画や小説で描いたことを映像として表現するだけでは、その作品のメッセージや面白さが伝わるとは限らない。
なぜならば、漫画や小説で最大限面白さを発揮できるように考えられている作品がほとんどだからだ。
だから、再構成などが必要になってくる」
カエル「その意味ではこの作品は本当に完璧だよね……
漫画はハチマキが宇宙船を買う! という目標を主軸にしながらも、宇宙や自分というものに哲学的に考えてく物語。
そしてアニメはもちろんその要素も強いけれど、もっと大きな視点で……社会や貧困問題などについて考えていく作品に仕上がっています」
主「じゃあ、これが仮に漫画のようにすすんでいたら……もちろん、アニメ放送時は漫画は終わっていなかったけれど、ここまで高い評価は得られなかったと思っている。
じっくり読んで考える漫画だったら、ハチマキの哲学的な悩みも染み入るし、読むスピードも読者で調整できる『止まるメディア』なんだよね。
一方、アニメはハチマキの悩みを消化する前に次のシーンに行ってしまう。さらに、次の話まで1週間待たされる、いわば『流れるメディア』なんだ。
この差はかなり大きいと思う。実際、小説や漫画は名作だけれど、アニメとなるとイマイチになる作品の中には、その哲学性やメッセージ性を映像に込めるのが難しい作品もあるんだよ」
再構成されても変わらないメッセージ性
カエル「だけれど、本作が素晴らしいのは『最後に伝えたいメッセージは同じ』ということだね」
主「そう!
今作は漫画もアニメも伝えるメッセージは似ている。
『宇宙と個人は繋がっている』ということもできるし、また『愛することはやめられない』というメッセージも同じ。
だから、漫画を壊してはいるけれど、でも守るべきところは守っているんだよ!」
カエル「ふむふむ……」
主「そういう作品はメディアミックスの理想形だよね。
他にも近年では『ちはやふる』や『恋は雨上がりのように』も理想的関係だし、『ピンポン』『バクマン』などもその中に入るだろう。
そして今作はそのための再構成がものすごくうまい!」
カエル「漫画ではハチマキが迎える宇宙での遭難の危機を、アニメでは終盤にタナベが迎えることになっている、とかね。
それで意味合いが全くちがうものになっているよね」
主「そしてハチマキが真理に目覚めるタイミングの変更など……本当に、ほれぼれするほど変わっている。
あんまり直接的に語るのはなんだけれど……ハキムが活躍する部分での最後のシーンは、アニメ版と漫画版では大きく意味が違う。自分はアニメ版を支持するけれどね。
意味は違うけれど語りたいことは同じ……その意義も大いにあるという、どんなに褒めても褒めたりない作品です」
漫画版の魅力〜ハチマキと重なる思い〜
えっとさ……なんでそんなにプラネテスが好きなわけ?
ハチマキって自分(主)なんだよ<
カエル「……出た、その『この主人公は自分だ!』理論。最近はあんまり出てなかったけれど、久々に登場です」
主「実際、ハチマキの気持ちって本当によくわかるんだよね。
どこか遠くに行きたい、どこでもいいから遠くに……その気持ちって誰もが抱えているものだろう。そのための方法が、ハチマキは宇宙船を手に入れることだった。
自分だったら……こうやってネットで自分の文章を書いて、多くの人に読んでもらうことだろう」
カエル「物理的な距離もそうだけれど、精神的な距離もあるのかなぁ。
でも『どこか遠くに行ってみたい、非日常に憧れる』という感覚は誰にでもあるというのは、よくわかるよ」
主「そしてそのためには色々なものを捨てなければいけない。
木星探査船のプロジェクトは往復で7年かかることもあって、多くの人が色々なものを諦めている。恋人、結婚、幸せな家庭……そんなものを抱えていたら、たどり着けない境地だと思う」
カエル「『全部オレのもんだ。
孤独も、苦痛も、不安も、後悔も
もったいなくてタネベなんかにやれるかよ』の名言とか……あとは
『それ以外のことはどーでもいい。
地球だろうがなんだろうが、甘えにつながるものは捨てちまえ』というセリフからも、その覚悟が伝わってくるよね……」
主「実際、自分もハチマキくらいの歳の頃は同じこと思っていたし。今でも思っているかもしれない。
やりたいことを叶える、特別になる。
そのためには犠牲にしなければいけないものって絶対にある。
そういう考え方だからこそ、できることがある。
だからさ、ハチマキの……特に2巻くらいのハチマキってまさしく自分なんだよね」
幸村誠作品として、共通するものが多いヴィンランド。
こちらも名作です
愛し合うことだけはどうしてもやめられない
カエル「でもさ、それほどまでに強い思いを抱えていた人が、転向するわけじゃない?」
主「だからこそ、今作の語る『愛』はとてつもなく重いわけ。
そして、幸村誠はこの後『ヴィンランド・サガ』においてもかなり風変わりでありながらも、重要な愛についての考察を披露する。
ただし、ここで大事なのは……ハチマキの側になるか、ロックスミスの側になるか、なんだよ」
カエル「つまり、家族を持ち帰る場所を確保しながらも宇宙へと旅たつハチマキや父親のゴローと、家族も何も愛さず、人の死すらも感情を込めないで語るロックスミスの対比ということだね」
主「明らかにロックスミスはタナベ(愛)と会わなかったハチマキなんだよね。
じゃあ、自分はどっちなんだろう? と考えると……やはりロックスミスに傾倒してしまうところはある。
だからこそ『気安く愛を口にするんじゃねぇ』にも感情移入をするし……あのセリフの中に込められた苛立ち、そして愛への渇望なども感じる」
カエル「そこに出てくるのが『愛し合うことだけはどうしてもやめられない』なんだね」
主「本作が素晴らしいのは、ちゃんと2つの道を描いているんだよね。
愛を知らずに木星や土星を目指すロックスミス
愛を知って木星や土星に到着するハチマキ
どちらの道が正しいのか、どちらの考えが正しいのか? というのは簡単には言えないけれど……でも、それでも愛を信じる、という幸村誠の思いが溢れ出る作品なのではないか?
今作が語る愛……それはエロスやラブを超えた、かなり大きな愛だ。
それを描ききったこと、それだけでも素晴らしい傑作だろう」
アニメ版の魅力
お手本のような完璧な1話
では、次にアニメ版の魅力について語っていきましょう
まず、1話のできが完璧だね
カエル「テレビアニメシリーズの1話としてお手本として教科書に載せたい1話だと絶賛しているんだよね」
主「原作では2巻から登場するヒロインのタナベを、新入社員として描くことで、導入の説明要因としてうまくできている。
まず、1話のスタートにおいてたった1本のネジがどれほど危険なものなのか? デブリがどれほど驚異の存在なのか? ということを描いている。
いうなれば強力な敵の紹介だよ。
これからタネベやハチマキがなぜデブリを拾っていくのか、それがどれほど恐ろしいものなのか? ということを映像でさっと表している」
カエル「単に宇宙でゴミ拾いをする、というお話だけだと、面白さが全くわからないもんね……」
主「そして新人を通すことでこの特殊な仕事や事業部、世界観を説明すると同時に、腫瘍のキャラクターの説明をする。
説明台詞だって、新人に説明すれば全く気にならないでしょ? だって、説明なんだからさ。
しかも派遣社員の存在であったり、セクハラ問題を入れることによって、分かりやすく社会性を描いている。
結局、宇宙の物語であったとしても、企業である以上は社会を描くことは一緒だということで、物語が視聴者にとって遠いものでないことを説明している」
カエル「視聴者が全く知らないような設定を連呼することなく、より親近感を抱くようにできているんだね」
主「それでも『アイコピー』などの用語を出すことで、やはり特別な場所であるとアピーるしている。このバランス感覚がとてもいいよね。
そしてオムツやエロ本でコメディとして視聴者をAパートで引き込みつつ、Bパートで仕事だからと綺麗事でないことをアピールする」
カエル「軍事衛星のために平和を祈るプレートを廃棄する……この作品のテーマを象徴しているよね」
主「夢や希望だけではうまくいかないことも伝わってくるよ。
この作品は宇宙は音がしないということで、必要最小限の音以外はカットされた時間が長く続くけれど、見せ場ではきちんと音楽が流れて、より見どころを音楽でも演出している。
そして最後はこの仕事やキャラクターの魅力だったり、アニメとしての見どころをしっかりと描く。
本当、完璧な1話だと思うよ」
描かれた社会の問題
カエル「今までも何度も語っているけれど、アニメ版の『貧困と宇宙開発』の描き方、そして宇宙開発反対派の宇宙防衛戦線との戦いなど、本当に見どころが多い作品だなぁ」
主「宇宙開発に邁進する企業がいる一方で、それに参加することができない発展途上国との差は広がることになる。なんとか新しいスーツを開発しても、政治的な事情なども絡んで採用してもらえる可能性は非常に少ない。
だからこそ、それに反対するためにテロリズムに走る……この理屈はとてもわかりやすい構図になっているよね。
これがスペースオペラとかになると、もっと多くの……例えば『なんとか共和国はうんたら帝国の支配下にありながらも独立戦争を……』とかの説明が必要になってしまう」
カエル「ちょっとSFやファンタジーって、その設定に入り込むのが大変だったりするもんね」
主「でも、そんな地球のことなんて全く関係ない少女がノノちゃんだ。
月生まれで月育ち、重力が少ない分、体がグングン成長するけれど、その代わりに地球の重力に耐えられないルナリアン。地球に降り立つとができない少女が登場することによって、世界は新しい時代に突入していることを示している。
それが……あの人にはとても強く響いた。
この改変もまた見事!
旧世代の人類と、新世代の人類の違いを表すとともに、未来に対する大きな希望を感じさせている!」
もしかしたら1番人気かも? 根強いファンも多い重要人物、ノノちゃん
『明日を望む』谷口作品
カエル「コードギアスでも語ったけれど、谷口作品って基本的に明日を望む作品が多いんだよね。もちろん、アニメだからそういうテーマになることもあるだろうけれど……」
主「その点から観ると、本作は『旧時代の象徴』であるテロリストの指導者と『新時代の象徴』であるノノが出会うことで明日を見出す物語でもあるんだよ。
そして、あの最終回のラストカットで明確に『未来への希望』を描いているんだ。
だけれど、大事なのは決して過去を否定しているわけじゃない」
カエル「ハチマキ一家は旧来の家族像であり、それこそあの時代(2070年代)とは思えないような家に住んでいるけれど、でもそこから2人も新時代の象徴となる木星の探査船に乗り込んだクルーが2人生まれているわけで……」
主「ここだけ見ても、決して『昨日を否定する物語』ではないんだ。
未来は過去や日常の先にある。
それを積み重ねていった先に、新しい希望が宿る。
そりゃ、生きていればいろいろあるよ。
あるけれど、そんな毎日に悩み、挑み、特に笑い飛ばした先にこそ、新しい未来がある。
そんな力づよいメッセージ性を発したアニメ作品だったのではないかな?」
まとめ
では、本作のまとめです!
- 漫画もアニメも大傑作!
- マクロな舞台からミクロな悩みまでを描く!
- 特にアニメの1話はお手本のような1話!
どれだけ絶賛しても足りないくらいの作品です!
カエル「10年以上前の作品だからなぁ……と思う人も多いかもしれないし、アニメは見るつもりがない! という人もいるかもしれないけれど……是非とも鑑賞してほしい作品です!」
主「今作は本当に力いっぱいオススメさせていただきます!
見ないと人生損していると言いたくなるほど!」
カエル「……あんまりそういう言葉は言いたくないけれど、でもそれくらいの作品だということは、伝えたいね」
主「Netflixでも配信中なので、是非是非鑑賞してください!」